記事公開日:2022.06.24
最終更新日:2023.08.31
生産計画のAI活用を成功させるポイントとは
いつも当コラムをご愛読いただきありがとうございます。
今回は、「生産計画のAI活用を成功させるポイントとは」というテーマについてお伝えさせていただきます。
1.生産計画に関する現場の課題
日々全国各地の製造業の企業様とやり取りをさせていただく中で、近年特に現場からのニーズとして顕在化しているのが、「生産計画のAI活用」に関するテーマです。
生産計画に関する主なお悩みとして、
- 生産計画の作成・修正業務が熟練者に依存している。
- 熟練者の生産計画関連ノウハウが暗黙知化している。
- 近い将来、熟練者の引退が控えているが、このままでは熟練者特有のノウハウが会社に残っていかない。
- 業務自体が属人化しているため、若手社員が生産計画関連業務に従事できない。
- 業務習得のためには経験とスキルが求められるため、人材育成に時間がかかる。
等の事柄が挙げられます。
2.AIを活用した生産計画とは
上記のような生産計画関連のお悩みを解決するために、AIを活用し、熟練者のノウハウを形式知化・ルール化することで
- 生産計画の自動立案(※立案結果の微調整・最終チェックはヒトが担当)
- 生産計画立案業務の標準化・脱属人化
- 生産計画内容の平準化
等を目指していくというのが、「生産計画のAI活用」の趣旨となります。
「生産計画のAI活用」については、ニーズとしては確かに顕在化している一方で、実際にAIシステムの開発・導入を進めるにあたっては思うように開発・導入が進んでいかないケースも。
そのような中で、開発・導入に関する失敗を極力回避しながら進めていくためにはどうすればよいのか。
次に生産計画のAI活用を成功させるポイントを解説します。
3.生産計画のAI活用を成功させるポイント
結論としては、「1度のAIシステム開発に多くの機能・条件を求めすぎない」ことが非常に重要となります。
よくある例としては、
- 既存の生産計画立案フローや立案の考え方をすべてシステム化しようとする。
- 生産計画の立案以外にも、生産管理関連の機能をすべて1つのシステムに組み込もうとする。
- その他にも自社特有の機能を1つのシステムに「あれもこれも」と追加してしまう。
- 結果としてシステム開発費用が膨れ上がる。
- システム開発費用と比例して、システム開発工数も延びてしまう。
- より多くの機能・条件を1つのシステム内でカバーする必要があるため、システム開発が難航してしまう。
- システムの出来自体も、かなり複雑なものになってしまう。
等の事柄が挙げられます。
上記のような発想のまま、1度で完璧なものを完成させる前提で生産計画のAI活用(システム化)を進めてしまうと、失敗する可能性が高まってしまいます。
失敗回避のための進め方の一例としては、
- まずは「生産計画の自動立案の機能のみ」に特化したAIシステムを作る
- どうしても追加したい機能や条件がある場合は、開発フェーズを分けて導入を進める
等の進め方がおすすめです。
また、既存の生産計画立案フローや立案の考え方をすべてシステム化しようとするのではなく、システム導入を契機として、既存の業務の在り方を見直し、余計な業務工程や考え方・ルール等を削ぎ落とすこともまた、「生産計画のAI活用」を進める上で重要なポイントとなります。
以上、「生産計画のAI活用 失敗回避のポイントとは?」というテーマについてお伝えさせていただきました。
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