記事公開日:2022.10.19
最終更新日:2023.01.20
製造業のDXを成功させるための組織作りと開発方式
いつも当コラムをご愛読いただきありがとうございます。
「製造業のDX化」を具体的な行動・施策に移すと考えた際に、部門横断でプロジェクトを行うこともはや必須であることは皆様周知の事実かと存じます。今回はVUCA(「Volatility(ボラティリティ:変動性)」「Uncertainty(アンサートゥンティ:不確実性)」「Complexity(コムプレクシティ:複雑性)」「Ambiguity(アムビギュイティ:曖昧性)」)の時代におけるすべての製造業への糧となる部門横断プロジェクト成功の秘訣をお伝えします。
さらに、部門横断プロジェクトでイメージが湧きやすい基幹システム導入のプロジェクトを例にとって重要なポイント3選絞ってお伝えします。
1.プロジェクトリーダー
どんなプロジェクトにもリーダーが存在します。プロジェクトのスタートはこのリーダーの選出からでしょう。ズバリこのリーダーは製造の現場と良い関係が築ける人が良いでしょう。間違ってもシステム導入のプロジェクトであるからといって情報システム部の○○さんや、システムに詳しい人をプロジェクトリーダーに配置してしまうのはあってはならないことです。全体最適を考えられ、各担当者からも人望がある方を選定していただきたい。
事例としては、ある会社様でプロジェクトリーダーと工場長が口論になりました。“生産実績が確実に取れておらず、現在庫の把握が困難になっている”というプロジェクトリーダー(情報システム部)の主張と“製造現場の工数が多くなってしまう”という工場長の主張がぶつかり合った結果となっています。
原因としてはプロジェクトリーダーがシステム側の目線しか持っていないことが原因であり、プロジェクト全体のことを考えて、進めていくことが重要であるということです
2.社内組織
得てして、製造業のDX化を進める際には社内の組織が強固なものになる必要がある。また中堅・中小企業は社内リソースに限りがある為、効果的な組織になるべきです。
その為には、社内の利害関係者の整理、及び巻き込みが重要となってきます。
まず、社内の反対派にプロジェクトの推進を阻止された話はよくある話です。反対派の方々には、反対するだけの理由が存在します。プロジェクトに関する情報不足、認識のズレ、感情的な要因から起きている場合もあります。しかしながら、蔑ろにせず、プロジェクトチームが彼らに対してフォローをすることが重要です。反対派の多くは自分たちよりも強いパワーを持った上位の中立派に対してアプローチし、全力でプロジェクトの阻止を目論みます。その結果、賛成派のプロジェクトオーナー以外は全体反対派になってしまったという苦い思い出もあります。私と同じ轍を踏まないためにも、ぜひプロジェクトにおける「反対派」の声に耳を傾けてください。
また、巻き込みが足りていないケースとして良く挙がる声としては、「このプロジェクトは生産管理の話でしょ?情報システム部の仕事でしょ?」という話が散見されることになります。これは危険なアラートサインとして扱い、早めに対処を心がけてましょう。
3.計画
VUCAの時代の部門横断プロジェクトは以前よりも複雑度が増しており、いくら緻密な計画を立てても必ず問題は起こり、予定通りに進めることは難しいでしょう。
その対策は2点あり、小さく細切れなスケジュールを作成することと、計画の最後に監視・新たに出てきた問題解決の時間を設けてください。
システム導入の際にアジャイル開発とウォーターフォール開発という開発スタイルがあります。アジャイル開発とは、計画、設計、実装、テストといった開発工程を機能単位の小さいサイクルで繰り返すの方式です。反対にウォーターフォール開発とは、要件定義から設計、開発、実装、テスト、運用までの開発工程を段階的に完了する方式です。
出来るならシステム導入のプロジェクトはアジャイル開発の方式を採用し、現場にもイメージが湧くように進めていきましょう。その際にギリギリなスケジュールを組まないで、スケジュールの最後にバッファを設けることをお勧めします。
今回の内容が製造業DXの一助になりましたら幸いです。
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