記事公開日:2023.06.26
最終更新日:2023.06.26
製造業のDXを成功させるコツ
いつも当コラムをご愛読いただきありがとうございます。
1.DX成功のコツは「AX」にあり!
「DX(デジタルトランスフォーメーション)」の成功は
「AX(アナログトランスフォーメーション)」にあることは間違いありません。
ちなみに、「AX」とは造語であり、一般的な用語ではありません。
これを使ってDXの意味を因数分解すると以下です。
「DX」=「AX」+「デジタルツール」
この意味は、
・DXは単なるデジタルツールの導入ではない
・まずはアナログでのトランスフォーメーションありき
・その効果を最大限にするためにデジタルツールを活用する
となります。
2.「DX」=「AX」+「デジタルツール」の実践事例
ここで、実践事例として従業員80名程度の製造業A社の営業部門でのDX事例を取り上げます。
A社の主力製品は、小さければバイク1台、大きければ大型トラック1台が入るくらいの金属製コンテナBOXで、中には電気系統の精密機材が納められています。
営業マンは5名程度で、当然ながら製品知識がないと売れません。
第一の課題は営業の属人化で、どうしても営業ノウハウに個人差が出ることでした。
もちろん、営業マニュアル等はありますが、それだけでは限界でした。
第二の課題は、営業支援として設計者が必要だったことです。
営業の最終段階ではCADによる図面提案が必要なので、設計者の協力が欠かせません。
スムーズに受注できれば良いですが、設計者を動員したのに失注となると、営業コストだけではなく、設計コストもマイナスとなってかかります。
それ以上に、営業段階で設計者の工数が取られて、設計者不足の中で本来の設計業務に集中できないことの方が問題でした。
つまり、営業の課題以上に、実は設計側の課題でもありました。
そこで、設計スキルのない営業マンでも活用できる「図面設計自動化DX」の仕組みを作りました。
その仕組みとは、営業の初期段階において、まずは顧客からの要望を営業マンがヒアリングする訳ですが、
その時に「顧客ニーズ仕様書」を標準フォーマット化します。
(病院に例えるならば、患者カルテ)
その「顧客ニーズ仕様書」にデータ入力して、A社が構築した図面設計自動化システムにインプットすると、自動で図面が作成できるのです。
顧客にヒアリングをして、タブレットを使いその場で必要データを入力すると、その場で図面がアウトプットされて、提案が非常にスムーズになります。
これまでは、営業マンがヒアリングしたら、一度、会社に持ち帰り、設計者とミーティングして、設計者が図面を製作して、その後に営業マンが顧客に提出するという流れでした。
早くても1週間、遅ければ1か月もかかっていました。
それが何とたったの1~2時間で顧客の目の前で図面が出来てしまうというものです。このシステムはパッケージソフトではなく、A社オリジナルでオーダーメイドしたものです。
最大のポイントは、図面提案を設計者依存にせずに、営業マンが行うという発想であり、まず営業業務の改善をして、その結果、設計業務の改善に繋がったことです。まさに、「AX(アナログトランスフォーメーション)」の実践ということになります。
紙の帳票をデジタル化したとか、リアルをリモートにしたというのは「デジタルチェンジ」であって、厳密には「DX」とは言えません。
まずは、現状業務の改善(アナログでのトランスフォーメーション)が先で、その効果を最大限にするためにデジタルツールを活用する、このような発想が必要です。
「DX」=「AX」+「デジタルツール」という考え方を、是非皆様の日々の業務にもご活用いただければと思います。
今回ご紹介した事例の詳細についてご興味のある方は、以下のURLから是非お気軽にお問い合わせください。
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