記事公開日:2023.06.29
最終更新日:2023.06.29

脱属人化の実現へ!システム導入の重要ポイントを解説

いつも当コラムをご愛読いただきありがとうございます。

「脱属人化」の実現について、システム導入は有効的な方法の1つと言えます。
しかし既存の業務をシステムに置き換えるだけでは、脱属人化に繋がらないと言えます。もしかしたらさらに属人化を進めてしまう可能性もあります。そこで今回はシステム導入における脱属人化の実現についてポイントを幾つかお伝えいたします。

1.システム仕様は基本標準に合わせる

システム導入の際に、まずは現状業務のヒアリングを行い、その作業をシステムで行うといった導入ケースはよく見られます。
しかしよく考えてみると、現状業務というのは既に組織の一部のメンバーしか内容を理解していなく、システム化しても何かあったときには、その職人レベルのメンバーしか解決できない、といった同じ属人的業務が続いてしまいます。
これではせっかくシステムを導入しても本来の自動化標準化業務には近づけていません。

解決策としては、システム導入設計時に、そのシステムの標準的機能に現状業務を合わせていくことが挙げられます。
よくパッケージシステムに業務を合わせるといった話がありますが、同様の内容です。
なぜ合わせるかというと、それが一番誰でも理解しやすく、誰でも操作出来て、誰でも間違いに気付けるからです。

実際の導入シーンでよく言われることが、「この標準機能では現状業務よりパフォーマンスが悪いから、カスタマイズして既存に合わせたい」といった意見です。

これはせっかくシステム導入するのだから、120点を目指すのが当たり前の理論ですが、カスタマイズしたロジックというのは、その時のメンバーは理解できていても、もし退職されたり、新規のメンバーが入ってきたときにどうしてもパフォーマンスを落とす危険性があります。
標準でシンプルなフローを誰でも動かせるということが重要ですので、120点の成果となるが、人員の関係で50点、40点に下がってしまうより、80点の稼働がずっと落ちることなく出し続けられるということが標準フローだと考えます。

2.運用業務フローを必ずマニュアル化する

前項で、システム標準機能に合わせてシンプルな業務に変えていくことをお伝えしましたが、次に重要なのはそのマニュアル化です。
よく現場ではシステムの使い方に関して、ベテランAさんは「他部署間の伝達に有効なので、入力項目の1、2、3を入力している」が新人Bさんは「入力項目の1,2だけ入力している」というケースがよくあります。
これでは業務が自動では回らなく、人のスキルに左右されてしまいます。

入力する項目は、1,2なのか、1,2,3なのかきちんとマニュアルで決めて、誰でも同じアウトプットにすることが重要です。
入力者による個人差を無くして誰でも同じ結果を出せるよう業務マニュアルを作成し、徹底的に順守していくことが重要です。
こちらも80点を永久継続していく流れに沿う形です。
結果的には自動で流れる業務というのは人のスキルや経験に左右されにくい安定した形にて、100点という評価と等しいと考えられます。

3.資料作成もシステム標準アウトプットを利用する

前項までで、システム標準仕様を利用し、運用マニュアルに沿って行くという話をしましたが、最後に重要なのは分析資料です。
例えば基幹システムを導入すると、売上集計等様々なデータ分析を行っていきます。
このときによく使われる手法が、CSVで掃き出してエクセルで集計するといった内容ですが、ここにも属人化の危険が潜んでいます。
せっかくシステムを標準にしても集計をエキスパートスタッフに任せてしまうと、難解な集計ロジックをエクセルにため込んでしまい、その内容がブラックボックス化します。
より深くなっていくとどこかで元データに修正をいれている可能性もあり、この数字が本当に正しいのかさえ分からなくなっていきます。
これでは他者は誰も触れなくなります。

これを避ける為には、システムから自動で算出される集計アウトプット等を使用していくことです。
もしかしたら少し不足する項目はあるかもしれませんが、最低限必要な集計が自動で誰の補正も無しに即座に出てきます。
もちろん誰が操作しても同じ結果です。
もしどうしても見た目が悪いから外で集計したいということであれば、元データをCSVなどの出力でなく、システムからの自動連携にてデータが反映される仕組みを利用することが推奨です。
これは元データの整合性がはっきり確定されるので、結果として間違いが無くなる為です。

4.まとめ

今回のまとめでございますが、脱属人化の実現に向けて重要なポイントは、「システム標準のシンプルな機能に業務を合わせる」、「運用業務フローをマニュアル化する」、「分析資料もシステム標準に沿う」の3点となります。
第一印象としてはどうしても現場の同意を得るのが難しい内容ではと捉えられがちですが、本来のシステム導入の目的を達成するのに不可欠であると言えます。
当初は不安を抱くメンバーも結果的に導入後にスムーズにストレスなく回り始めるシステムフローを振り返ると、自動化してよかったと思えるはずです。
なぜならば個人個人の今までの余分な業務が取り除かれているからです。
常にベテランスタッフにダブルチェックで行っていた業務が新人でも1人でこなせるのですから。
このように人員リソースの不安を出来るだけ取り去り、日々の業務を回し続けることが迅速で安定した「脱属人化」の実現に向けて不可欠な要素となってきます。

 
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