記事公開日:2023.08.07
最終更新日:2023.08.07
生産管理のQCD
1.はじめに
皆さんが会計数値を目にすることはよくあることだと思います。しかし、これだけで生産活動の管理は十分でしょうか?
会計数値は生産活動の結果から発生するコスト項目を集計した数値です。会計上把握された数値からでは発生源を把握しきれず、数字から類推しかねません。
また、集計するのに時間が掛かるため迅速な行動ができません。会計数値になる前に、現場の生産活動に直結した指標で目標や基準値を設定・管理してはじめて迅速な行動が取れます。
会計数値に影響を与える現場指標を導き出し、管理指標にする必要があります。主にQCDと在庫などの資産に関連する指標を作る必要があるでしょう。
2.品質力(Q)の指標
製品の品質を維持し、ムダを生み出さないような品質管理指標を設定します。
- 良品率(不良率)
- 収率
- 歩留率
これらの指標は実績投入と産出との差異の比率をとることで測定されます。品質指標 を管理して品質の向上に努めることは重要です。
3.生産効率(C)の指標
生産効率の指標はいろいろあります。現場に合った生産性指標を設定します。
- 出来高(計画対・昨年対・人当・機械当)
- 稼働率(人員・設備)
- 時間(実作業・残業)
- 作業効率(標準対実作業)
このほかにもありますが、生産性は製造業では重要な指標です。正しく測定し、改善していくことが重要です。
4.納期(D)の指標
工場の納期達成力を示す納期遵守指標を設定します。
- 計画遵守率
- 納期遵守率
- 緊急受注数
- まとめ(先行)生産数・受注残数
- 納期変更回数
このような指標を管理することは緊急生産やキャンセル対応などの現場の混乱を解消するために重要です。
5.資産効率の指標
資産効率を測定する指標には⑴在庫効率と⑵固定資産効率があります。
⑴在庫効率
- 棚卸資産額
- 在庫回転率
- 滞留在庫(数・金額)
⑵固定資産効率
- 設備稼働率
- 減価償却実施率
- 残存耐用年数
- 設備使用年数
いかがでしたか?皆さんの工場では上記のような管理指標はありますか?実際、管理指標が不明確な会社はたくさんあります。ただ、たくさんの管理指標があるからといてレベルが高いかといえばそうでもありません。過去にあった事象で指標をとることにしたが解決して必要なくなったのに指標をとり続けており実際は誰も使っていないといったこともあります。組織別に多くの指標を設定し、お互いの定義が共通化してない中で、お互いが基準と違うという議論をしたり、自部門の指標をよくしようと部分最適に陥ったりすることもあります。
工場を改善するうえで指標を設定するには指標を構造化して優先順位を決めて管理することが必要となります。バランススコアカードで整理するのもよいでしょう。
また、指標の数字は正確でなければなりません。今、IoTやAIなどの新しいテクノロジーの出現によって、必要な情報が必要な時に正確に取得でき活用することが可能になってきました。
いかがでしょう? 上記内容について、より具体的に詳細をお知りになりたい場合はお気軽に弊社にご相談ください。
このコラムが皆様の工場にお役に立てれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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