記事公開日:2024.02.20
最終更新日:2024.02.22

成形業界におけるDX・AI・IoT活用のポイント

いつも当コラムをご愛読いただきありがとうございます。
今回は成形業界の課題と解決方法と題して、述べさせて頂きます。

成形業界は、広範な産業において重要な役割を果たしています。
成形と言っても、樹脂・ゴム・鋳造・鍛造・プレスなど様々ございます。
業界に共通している様々な課題、取り組むべき方向性について探ってみましょう。

1.成形業界の課題

◎技術継承
成形技術は、経験と知識に基づいた手法が多いため、ベテラン技術者の引退や
人材不足により技術継承の課題があります。

◎技術の属人化
成形業界は、技術が属人化されています。
熟練技術者の経験や知識によって、問題がある程度解決できているため、
属人化が進んでしまい、工程の見える化が進んでいません。

◎人手不足や技術者の高齢化
労働人口減少により、製造業従事者も減少しております。
それにより、生産性の低下・品質の低下・労働環境の悪化・競争力の低下・
技術革新の遅れなど、様々な問題が起こっています。
製品の品質管理においても、適切な監視や検査が困難になる場合があります。十分な人手がいないことで、不良品の早期発見や品質のコントロールが難しくなります。

◎環境への影響
成形プロセスに伴う廃棄物や排出物は、環境への負荷となる可能性がありま
す。廃棄物の適切な処理やリサイクル、バイオプラスチックの研究開発など、
環境に配慮した取り組みが求められています。

◎エネルギー消費の削減
成形には、高温や高圧の条件が必要なため、エネルギー消費が大きいという
課題があります。省エネルギー技術の導入やプロセスの最適化、
代替エネルギーの活用など、エネルギー効率を向上させる取り組みが必要です。

などなど課題を上げればきりがありません。

そのなかで、技術継承・属人化技術の解消・人手不足など、自社で取り組める課題に関して、簡単ではありますが考えられる解決策を述べさせて頂きます。
皆様の一助になればありがたいです。

2.成形業界の課題に対する解決策

◎技術継承や属人化技術の解消
ベテラン技術者の知識や経験の継承は、自社発展を支える重要な要素です。
技術継承を効果的に行うためには、知識やノウハウを文書化し、情報共有の仕組みを整備することが重要です。技術的な手順書や作業マニュアルを作成し、新たなメンバーに伝える際の参考資料として活用します。
キャリアパスの明確化も必要です。技術者が将来の成長やキャリアの展望を持つことで、継続的な学習やスキルの向上につながります。

◎労働環境の改善や労働時間の見直し
従業員のワークライフバランスを向上させます。柔軟な労働時間制度や労働条件の改善は、従業員の満足度や生産性の向上につながる可能性があります。
異なるバックグラウンドや視点を持つ人材の採用や育成が必要です。新卒採用や中途採用の際には、様々なバックグラウンドを持つ人材を求めるようにしましょう。また、異業種からの転職者や外部の専門家との協業、グローバルな視野を持つ人材の活用なども考慮します。多様な人材が集まることで、新たなアイデアや知識が交流され、新たな成果を生み出す可能性が高まります。

今まで述べてきた方法はアナログ的な手法です。
これらの諸課題を解決するために、DX・AI・IoTを活用しては如何でしょうか。
次に、成形業界におけるDX・AI・IoT活用のポイントを見ていきます。

3.成形業界におけるDX・AI・IoT活用のポイント

AI・IoTと言われると、取っつきにくいと感じることもあるかと思います。
簡単に言えば、データを活用して、諸課題を解決していく手法です。
言い換えると技術のデータ化です。
ただこれらは、手段であり目的ではありません。
自社の目的を明確にして、進めていくことが重要であると考えます。

成形業界におけるDX・AI・IoTの活用は、

  • 生産工程の効率化や改善
  • 設備や装置の予知保全
  • 成形ラインの生産性向上
  • 作業時間の短縮と労働力の節約
  • 品質管理の強化
  • 製品開発の革新

など多岐にわたります。

もっと具体的に示すと、
各種センサーなどからリアルタイムでモニタリングをすることで、
下記の様な技術的・品質管理的なDXが進んでいます。

◎生産現場

  • 生産ラインの最適化
  • 機械の稼働状況監視
  • 品質データ収集により生産性の向上
  • 遠隔モニタリングや遠隔操作で生産ラインの柔軟性と運用効率の向上
  • データ分析による異常検知や予知保全
  • 成形条件の自動調整

◎品質管理

  • 品質の追跡管理
  • 異常検知
  • 不良品検出
  • 自動的な品質分類

◎技術継承や脱属人化

  • AIカメラでベテラン技術者の動作を撮影し解析

◎製品開発

  • 開発スピードと革新性が向上し、市場投入までの時間を短縮

4.成形業界におけるDX・AI・IoT活用の今後

今後はDX、AI、IoTのさらなる普及と進化が予想されます。
AIはより高度な予知保全機能を備え、設備の故障を事前に検知してメンテナンスを行うシステムへと発展。
その結果として、製品品質の向上、生産効率の最適化、製品開発の高速化などが実現されていくでしょう。

自動化技術やAI、IoTを上手く活用することで、
冒頭の課題(技術継承・技術の属人化・人手不足など)を補うことができます。
しつこいですが、これらは手段であり目的ではありません。
自社の目的を明確にして、進めていくことが重要であると考えます。
活用方法など、お気軽にお問合せ下さい。

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目次

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  • 3、2023年実践していただきたいこと
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