ERP CONSULTING COLUMN ERP・基幹システムコンサルティングコラム

専門コンサルタントが執筆するAI・ロボットコラム
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10分でわかる基幹システムの再構築ステップ

2024.07.04

業務効率化、コスト削減、リアルタイムデータの活用など、多くの企業がヒト・モノ・カネの流れを一元管理して可視化するために基幹システムを導入しています。 しかし、基幹システムの導入は必ずしも成功に繋がるわけではありません。 本来の目的を達成できず、中途半端な状態で運用されている事例も少なくありません。 本コラムでは、既存の基幹システムを刷新せずに再構築する際の成功のための具体的なポイントを探ります。 1.導入失敗の原因 まず、なぜ多くの企業が基幹システムの導入に失敗するのか、その原因を探ることから始めましょう。 主な原因としては、以下のようなものが挙げられます。 ①経営陣のサポート不足 経営陣がプロジェクトに対して十分な理解とサポートができていない場合、プロジェクトが円滑に進まないことがよく起こります。 経営陣の強い想いと覚悟が従業員にうまく伝わっていなかったり、プロジェクトチームへのサポートが欠如していると、予算の確保や意思決定の遅延などに繋がり、その結果プロジェクト全体が停滞したり迷走してしまいます。 ②本来の目的を見失う プロジェクトが進行するうちに、初期の目的や目標を見失うことがよくあります。 特に、ユーザーの声に対して過度に反応しすぎることで、本来の目的から逸脱した機能追加や変更が行われるケースがあります。 このような迷走を避けるためには、常にプロジェクトの基本方針を確認し、目的を見失わないようにすることが重要です。 ③社内合意形成の不足 基幹システムの導入は会社全体の大きな変革をもたらします。 会社全体の動きを適切に捉えるために業務フローを変えなければならないことも生じます。 そのため、全てのステークホルダー間でしっかりと合意形成を行うことが不可欠です。 しかし、これが不十分な場合、部署ごとに異なる期待を持ち、部分最適がぶつかり合い、結果的にシステムが各部門のニーズを満たさなくなることがしばしばあります。 ④要件定義の不備 要件定義が不十分であると、後々のトラブルの原因となります。 具体的なニーズや要件が明確にならないままプロジェクトが進行すると、完成したシステムが実際の業務に適さないものとなる可能性が高くなります。 このような原因で基幹システムをうまく機能させることができていない企業も多いのではないでしょうか。 次に再構築の計画立案について詳しく解説します。 2.再構築の計画立案 基幹システム再構築にチャレンジする際、過去の経験を反省材料として次のステップに活かすことが重要です。 再構築に向けては、以下のステップをしっかりと計画立案することが求められます。 ①プロジェクトチーム結成 基幹システム再構築の成功には、まず経営陣から現場までのすべてのステークホルダーを巻き込んだ強力なプロジェクトチームの結成が不可欠です。 経営陣の強い想いと覚悟をプロジェクトメンバー内で共有します。 ②目的確認 プロジェクトチームが行う最初のステップは、本来の目的を明確に確認することです。 具体的な目的としては、月次決算の早期化、在庫の適正化、個別原価の把握などが挙げられます。 これらの目的を明確にすることで、プロジェクト全体の透明性と信頼性が大いに向上します。 再構築プロジェクトの目的を明確化し、その目的に対する全体の合意を形成します。 このプロセスは、プロジェクトメンバー全員が共通の目標を持ち、一体感を持って取り組むために欠かせません。 明確に定義された目的は、プロジェクトの進行過程での優先順位付けや意思決定において重要な指針となります。 ③現状分析 本来の目的が達成できていない原因を徹底的に洗い出します。 どこに改良が必要なのか、どの部分が再構築の対象になるのかを明確にします。 特に、システムの問題だけでなく、組織的な役割分担や業務フローの課題にも目を向けることが重要です。 各部門のニーズや課題をヒアリングし、全社的な視点で改善ポイントを洗い出します。 ④ステップアッププラン策定 基幹システム再構築の本来の目的を見据え、個々の目標と優先順位を明確に設定します。 一度にすべてを改善するのは難しいため、優先順位をつけて一つずつステップアップしていくことが重要です。 このアプローチは、各部署間の衝突を回避しつつ、全体としての本来の目的に到達するために効果的です。 ⑤要件定義と業務フロー再構築 比較的新しい既存システムの再構築の場合、システム改修は必要最小限にとどめることが重要です。 多くの場合、問題の根本はシステムではなく、組織の役割分担や業務フロー、マスター設計や設定にあります。 現場の業務が滞りなく進むよう、入力支援ツールや設備IoTの活用、BIツールを使った効率的なレポート出力も検討しましょう。 これにより、具体的な改修要件と業務フローが明確になります。 ⑥設計・開発 この段階では、要件定義に基づき具体的な設計と開発作業を行います。 まず、基幹システムの改修を行い、次に業務支援ツールの開発に取り組みます。 同時に、マスターの再設計と再設定も非常に重要です。 これにより、システム全体がより効率的かつ効果的に機能するようになります。 ⑦テスト・シミュレーション 開発が完了したら、順次テストとシミュレーションを実施してシステムの精度を確認します。 また、ユーザーからのフィードバックを積極的に取り入れ、操作性や機能性を継続的に改善します。 この段階でのポイントは、既に稼働しているシステムを利用した現実的なテスト環境を整え、実際の運用条件に近い設定でシミュレーションを行うことです。 これにより、導入後の問題発生を最小限に抑えることができます。 ⑧稼働・運用定着 最後に、新しいシステムを稼働させ、運用が定着するまでのプロセスを丁寧に管理します。 現行システム再構築の場合、操作に慣れている面もありますが、本来の目的を達成するための新しいマスターと業務フローへのスムーズな移行が不可欠です。 このため、移行スケジュールを詳細に計画し、全社員が新業務に適応できる環境を整備します。 例えば、適切な作業手順書を用意し、全社一丸となったサポート体制を築くことが重要です。 そして、システム稼働後も運用の安定を支えるために継続的なサポート体制を整えます。 定期的なトレーニングやフィードバックの仕組みを導入することで、持続的な改善を実現します。 このように、しっかりと計画立案を行うことで、基幹システム再構築の成功確率を大いに高めることができます。 3.まとめ 基幹システムの再構築は簡単なプロジェクトではありません。 特に多くのステークホルダー間での合意形成が大きな課題となります。 しかし、経営陣の強いサポート、プロジェクトチームによる目的の周知徹底、綿密な計画立案、継続的なテストとフィードバック、そして強固なサポート体制を整えることで、再構築の成功率を大いに高めることができます。 これにより、業務効率の向上、コスト削減、新たなビジネスチャンスの創出といった具体的な利点が期待できます。 是非、積極的にこれらの戦略を実行に移し、企業のさらなる成長と発展を目指していただきたいと思います。 ■関連するセミナーのご案内 製造業の基幹システムリニューアル&再構築戦略! セミナー詳細・申込はこちらから↓↓↓ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/115742 【このような方にオススメ】 どんぶり勘定から抜け出し個別原価管理を実現して利益構造を解明したい 紙帳票やEXCEL依存から抜け出して電子帳票化やBI化へと進みたい 複数拠点情報をリアルタイムに把握しデータに基づく経営を実践したい 基幹システムを刷新したばかりなのに上手く使いこなせていない 集めた社内データを生成AIで使い勝手よく利用したい お申し込みはこちらから⇒ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/115742 業務効率化、コスト削減、リアルタイムデータの活用など、多くの企業がヒト・モノ・カネの流れを一元管理して可視化するために基幹システムを導入しています。 しかし、基幹システムの導入は必ずしも成功に繋がるわけではありません。 本来の目的を達成できず、中途半端な状態で運用されている事例も少なくありません。 本コラムでは、既存の基幹システムを刷新せずに再構築する際の成功のための具体的なポイントを探ります。 1.導入失敗の原因 まず、なぜ多くの企業が基幹システムの導入に失敗するのか、その原因を探ることから始めましょう。 主な原因としては、以下のようなものが挙げられます。 ①経営陣のサポート不足 経営陣がプロジェクトに対して十分な理解とサポートができていない場合、プロジェクトが円滑に進まないことがよく起こります。 経営陣の強い想いと覚悟が従業員にうまく伝わっていなかったり、プロジェクトチームへのサポートが欠如していると、予算の確保や意思決定の遅延などに繋がり、その結果プロジェクト全体が停滞したり迷走してしまいます。 ②本来の目的を見失う プロジェクトが進行するうちに、初期の目的や目標を見失うことがよくあります。 特に、ユーザーの声に対して過度に反応しすぎることで、本来の目的から逸脱した機能追加や変更が行われるケースがあります。 このような迷走を避けるためには、常にプロジェクトの基本方針を確認し、目的を見失わないようにすることが重要です。 ③社内合意形成の不足 基幹システムの導入は会社全体の大きな変革をもたらします。 会社全体の動きを適切に捉えるために業務フローを変えなければならないことも生じます。 そのため、全てのステークホルダー間でしっかりと合意形成を行うことが不可欠です。 しかし、これが不十分な場合、部署ごとに異なる期待を持ち、部分最適がぶつかり合い、結果的にシステムが各部門のニーズを満たさなくなることがしばしばあります。 ④要件定義の不備 要件定義が不十分であると、後々のトラブルの原因となります。 具体的なニーズや要件が明確にならないままプロジェクトが進行すると、完成したシステムが実際の業務に適さないものとなる可能性が高くなります。 このような原因で基幹システムをうまく機能させることができていない企業も多いのではないでしょうか。 次に再構築の計画立案について詳しく解説します。 2.再構築の計画立案 基幹システム再構築にチャレンジする際、過去の経験を反省材料として次のステップに活かすことが重要です。 再構築に向けては、以下のステップをしっかりと計画立案することが求められます。 ①プロジェクトチーム結成 基幹システム再構築の成功には、まず経営陣から現場までのすべてのステークホルダーを巻き込んだ強力なプロジェクトチームの結成が不可欠です。 経営陣の強い想いと覚悟をプロジェクトメンバー内で共有します。 ②目的確認 プロジェクトチームが行う最初のステップは、本来の目的を明確に確認することです。 具体的な目的としては、月次決算の早期化、在庫の適正化、個別原価の把握などが挙げられます。 これらの目的を明確にすることで、プロジェクト全体の透明性と信頼性が大いに向上します。 再構築プロジェクトの目的を明確化し、その目的に対する全体の合意を形成します。 このプロセスは、プロジェクトメンバー全員が共通の目標を持ち、一体感を持って取り組むために欠かせません。 明確に定義された目的は、プロジェクトの進行過程での優先順位付けや意思決定において重要な指針となります。 ③現状分析 本来の目的が達成できていない原因を徹底的に洗い出します。 どこに改良が必要なのか、どの部分が再構築の対象になるのかを明確にします。 特に、システムの問題だけでなく、組織的な役割分担や業務フローの課題にも目を向けることが重要です。 各部門のニーズや課題をヒアリングし、全社的な視点で改善ポイントを洗い出します。 ④ステップアッププラン策定 基幹システム再構築の本来の目的を見据え、個々の目標と優先順位を明確に設定します。 一度にすべてを改善するのは難しいため、優先順位をつけて一つずつステップアップしていくことが重要です。 このアプローチは、各部署間の衝突を回避しつつ、全体としての本来の目的に到達するために効果的です。 ⑤要件定義と業務フロー再構築 比較的新しい既存システムの再構築の場合、システム改修は必要最小限にとどめることが重要です。 多くの場合、問題の根本はシステムではなく、組織の役割分担や業務フロー、マスター設計や設定にあります。 現場の業務が滞りなく進むよう、入力支援ツールや設備IoTの活用、BIツールを使った効率的なレポート出力も検討しましょう。 これにより、具体的な改修要件と業務フローが明確になります。 ⑥設計・開発 この段階では、要件定義に基づき具体的な設計と開発作業を行います。 まず、基幹システムの改修を行い、次に業務支援ツールの開発に取り組みます。 同時に、マスターの再設計と再設定も非常に重要です。 これにより、システム全体がより効率的かつ効果的に機能するようになります。 ⑦テスト・シミュレーション 開発が完了したら、順次テストとシミュレーションを実施してシステムの精度を確認します。 また、ユーザーからのフィードバックを積極的に取り入れ、操作性や機能性を継続的に改善します。 この段階でのポイントは、既に稼働しているシステムを利用した現実的なテスト環境を整え、実際の運用条件に近い設定でシミュレーションを行うことです。 これにより、導入後の問題発生を最小限に抑えることができます。 ⑧稼働・運用定着 最後に、新しいシステムを稼働させ、運用が定着するまでのプロセスを丁寧に管理します。 現行システム再構築の場合、操作に慣れている面もありますが、本来の目的を達成するための新しいマスターと業務フローへのスムーズな移行が不可欠です。 このため、移行スケジュールを詳細に計画し、全社員が新業務に適応できる環境を整備します。 例えば、適切な作業手順書を用意し、全社一丸となったサポート体制を築くことが重要です。 そして、システム稼働後も運用の安定を支えるために継続的なサポート体制を整えます。 定期的なトレーニングやフィードバックの仕組みを導入することで、持続的な改善を実現します。 このように、しっかりと計画立案を行うことで、基幹システム再構築の成功確率を大いに高めることができます。 3.まとめ 基幹システムの再構築は簡単なプロジェクトではありません。 特に多くのステークホルダー間での合意形成が大きな課題となります。 しかし、経営陣の強いサポート、プロジェクトチームによる目的の周知徹底、綿密な計画立案、継続的なテストとフィードバック、そして強固なサポート体制を整えることで、再構築の成功率を大いに高めることができます。 これにより、業務効率の向上、コスト削減、新たなビジネスチャンスの創出といった具体的な利点が期待できます。 是非、積極的にこれらの戦略を実行に移し、企業のさらなる成長と発展を目指していただきたいと思います。 ■関連するセミナーのご案内 製造業の基幹システムリニューアル&再構築戦略! セミナー詳細・申込はこちらから↓↓↓ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/115742 【このような方にオススメ】 どんぶり勘定から抜け出し個別原価管理を実現して利益構造を解明したい 紙帳票やEXCEL依存から抜け出して電子帳票化やBI化へと進みたい 複数拠点情報をリアルタイムに把握しデータに基づく経営を実践したい 基幹システムを刷新したばかりなのに上手く使いこなせていない 集めた社内データを生成AIで使い勝手よく利用したい お申し込みはこちらから⇒ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/115742

売り上げも収益も上げる営業変革のポイントとは

2024.07.01

1.はじめに いつも大変お世話になっております。船井総合研究所の高階と申します。 今回のコラムでは、様々なお客様からご要望があった“業績向上に繋がる“営業改革の取り組みについてご紹介したいと思います。 私は基幹システムを中心にした業務改革の支援を中心に活動しているのですが、実は営業に関する改善支援も多く行っています。 規模は中小、中堅、大手と様々なお客様とお話をしていますが、実は悩みは似通っていることが多いです。 支援先の営業管理者・担当者の皆様の悩みを聞くたびに、私も営業出身だったという事もあり首が取れそうなほど頷いてしまいます。 少し、例を挙げてみようと思います。 皆様の会社ではどうでしょうか。 営業は事務処理に追われている。管理者側はもっと営業活動に時間を使ってほしいと要望を出しているが、現場は無茶な要求だと感じているようで動きが悪い 営業日報や週報を書いてもらっているが、担当者によって記載される内容粒度に差がある。まとめ書き・まとめて提出なども横行しており、意味を為していない 営業所や事業部によって使用している営業管理システムが違うため、統括する部署からすると参照先が複数あるなど管理が煩雑 営業管理システムを入れてはみたが、業績が上がらなかった。現在はちゃんと使われているか不明 案件の進捗は属人的な管理になっている。エクセルで一覧管理するなどしてはいるが、更新が随時行われているわけではないため、詳しくは直接聞くしかない 既存のお客様との関係構築が最重要課題だが、顧客情報や商談履歴、見積もり履歴などは担当者別に管理している状況の為、ブラックボックス化している 営業指標の確認をもっと簡単に行いたい。時間もかかる上に、複雑すぎるように感じる …etc. DXというワードが飛び交っている現在でも、企業規模や悩みの大きさこそ違えど、どの企業も似たような悩みを持っているのだな、というのが私の感想です。 2.「Excel依存」「属人化」のリスク回避に成功した製造業の事例 上記のような課題を少しマクロな目線でまとめてみます。 オープンにするべき情報のブラックボックス化(営業活動の属人化) 既存業務をスクラップ&ビルドできていない(業務負荷・分担) 営業情報や重要指標が簡単に確認できないため、マネジメント不全が起きている(情報共有) 部分的なデジタル化の弊害による二重・三重入力(業務効率) などが挙げられると考えています。 こういった課題は、特に複数事業部や複数営業所(営業部)を持つ企業では深刻になりがちです。 そもそも日本では事業部制を取る企業が多く、縦割りが強い企業が多いです。 部門によって導入しているツールが違う、案件のまとめ方も案件のステージ定義も営業の進め方も標準化されていない、目標指標の立て方も管理方法も報告内容も統一されていない、といったケースは珍しくありません。 同じ会社にもかかわらず中小企業がいくつも集まっているような状況になってしまい、前述の課題を加速させてしまっているわけです。 また、こういった問題を解決すべく、営業管理システム(SFA,CRM,MA)を導入されている会社様も近年は非常に多いのですが、正直中々上手くいっていない、というのが現状です。 営業管理システムの導入というのは、営業活動を1つのデータベースにまとめ、営業活動や顧客情報をオープンに管理しようという事です。これ自体は非常に素晴らしい判断だと言えます。 しかし、実際は中々定着せずに徐々に使われなくなっていき、結局業績向上に繋がっていないケースが非常に多いのです。 先ほど挙げた4つの課題と照らし合わせれば理由は明白なのですが、既存業務の整理が終わっていないことで、新しい業務が受け入れづらい(現場の負担が純粋に増える)こと、そして、そもそもこの独立色の強い縦割りの社内環境を変革できていないことが成功していない要因だと私は考えています。 では、どうすれば業績に繋がる活動になるのでしょうか? 3.どうすれば業績に繋がる活動になるのか SalesForce社のTheModelというのを聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。定量的に営業活動を管理し、マネジメントするポイントを明確にすることで業績向上、顧客満足度の向上に繋げましょう、という考え方です。 この考え方はシンプルながら、いままで感覚的に行われてきた営業マネジメントに一石を投じる考え方でした。 これを行うには定量的なデータが必要ですから、営業活動を一つのデータベースにまとめよう、という営業管理システムは売れに売れました。 この営業を定量的に管理する手法には私も賛成なのですが、様々な支援をする中でこれだけでは不十分であると感じています。 前述の通り、営業管理システムを単独で通常の業務にプラスオンする形で導入してしまうとほぼ上手くいきません。 導入はともかく、活用するまでに至らず、業績に繋がらないばかりかむしろ生産性を下げてしまいかねないというわけです。 私としては、現状業務の非効率性や、他で導入しているシステムとの連携といった業務効率改善(ツールを使えるような土壌整理)を基本としたうえで、しっかりと“活用”と“改善活動”に焦点を当てたツールの選定と導入をおススメします。 こういった準備を進めるなかで、是非重要視していただきたいのが“生産効率”についてです。 TheModelは売り上げを上げるために必要な要素をちゃんとマネジメントしよう、という考え方ですが、同じ売り上げを上げるのにどれだけの労力を割いているのか、という点に注目していただきたいという事です。 繰り返し作業(定型業務) 二重三重入力 戻り作業と修正業務 無駄な待ち時間 習慣的な業務(昔は重要だったが、今はさほど重要性が高くない) 恐らくこういった事が工数を最適化するにあたっての課題として思い浮かぶのではないでしょうか。 今はRPAやAIといった自動化に繋がる技術や、生成AIのようなツールも多く出てきています。 こういったものも検討しつつ、無駄のない、あるべき業務フローを検討することが営業を効率化させるために絶対的に必要な要素だと私は考えています。 4.どうすれば業績に繋がる活動になるのか さて、今回はどうすれば“業績向上”につながる営業変革ができるのか、という事をお話してきました。 7月の9,10、18日の3日間、今回のコラムのように、営業変革をテーマにセミナーを開催予定です。 もう少し詳細な現在のトレンドの紹介、成功されている企業様の具体的な取り組み事例などをご紹介させていただきます。 今回のセミナーには無料の相談ミーティングも付いてきますので、その場では皆様個別に抱えている課題などに対してもアドバイスが出来るかと思います。 また、最後に少し触れたAI技術の営業活用についても多くご紹介させていただきますので、ご興味のある方は是非ご参加いただければと思います。 ■関連するセミナーのご案内 複数事業部&複数営業所を持つ製造業・商社のためのDX 営業マン20人以上、異なる3事業部以上、営業所3拠点以上を展開する製造業・商社のDXとは? セミナー詳細・申込はこちらから↓↓↓ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/115062 お申し込みはこちらから⇒ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/115062 1.はじめに いつも大変お世話になっております。船井総合研究所の高階と申します。 今回のコラムでは、様々なお客様からご要望があった“業績向上に繋がる“営業改革の取り組みについてご紹介したいと思います。 私は基幹システムを中心にした業務改革の支援を中心に活動しているのですが、実は営業に関する改善支援も多く行っています。 規模は中小、中堅、大手と様々なお客様とお話をしていますが、実は悩みは似通っていることが多いです。 支援先の営業管理者・担当者の皆様の悩みを聞くたびに、私も営業出身だったという事もあり首が取れそうなほど頷いてしまいます。 少し、例を挙げてみようと思います。 皆様の会社ではどうでしょうか。 営業は事務処理に追われている。管理者側はもっと営業活動に時間を使ってほしいと要望を出しているが、現場は無茶な要求だと感じているようで動きが悪い 営業日報や週報を書いてもらっているが、担当者によって記載される内容粒度に差がある。まとめ書き・まとめて提出なども横行しており、意味を為していない 営業所や事業部によって使用している営業管理システムが違うため、統括する部署からすると参照先が複数あるなど管理が煩雑 営業管理システムを入れてはみたが、業績が上がらなかった。現在はちゃんと使われているか不明 案件の進捗は属人的な管理になっている。エクセルで一覧管理するなどしてはいるが、更新が随時行われているわけではないため、詳しくは直接聞くしかない 既存のお客様との関係構築が最重要課題だが、顧客情報や商談履歴、見積もり履歴などは担当者別に管理している状況の為、ブラックボックス化している 営業指標の確認をもっと簡単に行いたい。時間もかかる上に、複雑すぎるように感じる …etc. DXというワードが飛び交っている現在でも、企業規模や悩みの大きさこそ違えど、どの企業も似たような悩みを持っているのだな、というのが私の感想です。 2.「Excel依存」「属人化」のリスク回避に成功した製造業の事例 上記のような課題を少しマクロな目線でまとめてみます。 オープンにするべき情報のブラックボックス化(営業活動の属人化) 既存業務をスクラップ&ビルドできていない(業務負荷・分担) 営業情報や重要指標が簡単に確認できないため、マネジメント不全が起きている(情報共有) 部分的なデジタル化の弊害による二重・三重入力(業務効率) などが挙げられると考えています。 こういった課題は、特に複数事業部や複数営業所(営業部)を持つ企業では深刻になりがちです。 そもそも日本では事業部制を取る企業が多く、縦割りが強い企業が多いです。 部門によって導入しているツールが違う、案件のまとめ方も案件のステージ定義も営業の進め方も標準化されていない、目標指標の立て方も管理方法も報告内容も統一されていない、といったケースは珍しくありません。 同じ会社にもかかわらず中小企業がいくつも集まっているような状況になってしまい、前述の課題を加速させてしまっているわけです。 また、こういった問題を解決すべく、営業管理システム(SFA,CRM,MA)を導入されている会社様も近年は非常に多いのですが、正直中々上手くいっていない、というのが現状です。 営業管理システムの導入というのは、営業活動を1つのデータベースにまとめ、営業活動や顧客情報をオープンに管理しようという事です。これ自体は非常に素晴らしい判断だと言えます。 しかし、実際は中々定着せずに徐々に使われなくなっていき、結局業績向上に繋がっていないケースが非常に多いのです。 先ほど挙げた4つの課題と照らし合わせれば理由は明白なのですが、既存業務の整理が終わっていないことで、新しい業務が受け入れづらい(現場の負担が純粋に増える)こと、そして、そもそもこの独立色の強い縦割りの社内環境を変革できていないことが成功していない要因だと私は考えています。 では、どうすれば業績に繋がる活動になるのでしょうか? 3.どうすれば業績に繋がる活動になるのか SalesForce社のTheModelというのを聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。定量的に営業活動を管理し、マネジメントするポイントを明確にすることで業績向上、顧客満足度の向上に繋げましょう、という考え方です。 この考え方はシンプルながら、いままで感覚的に行われてきた営業マネジメントに一石を投じる考え方でした。 これを行うには定量的なデータが必要ですから、営業活動を一つのデータベースにまとめよう、という営業管理システムは売れに売れました。 この営業を定量的に管理する手法には私も賛成なのですが、様々な支援をする中でこれだけでは不十分であると感じています。 前述の通り、営業管理システムを単独で通常の業務にプラスオンする形で導入してしまうとほぼ上手くいきません。 導入はともかく、活用するまでに至らず、業績に繋がらないばかりかむしろ生産性を下げてしまいかねないというわけです。 私としては、現状業務の非効率性や、他で導入しているシステムとの連携といった業務効率改善(ツールを使えるような土壌整理)を基本としたうえで、しっかりと“活用”と“改善活動”に焦点を当てたツールの選定と導入をおススメします。 こういった準備を進めるなかで、是非重要視していただきたいのが“生産効率”についてです。 TheModelは売り上げを上げるために必要な要素をちゃんとマネジメントしよう、という考え方ですが、同じ売り上げを上げるのにどれだけの労力を割いているのか、という点に注目していただきたいという事です。 繰り返し作業(定型業務) 二重三重入力 戻り作業と修正業務 無駄な待ち時間 習慣的な業務(昔は重要だったが、今はさほど重要性が高くない) 恐らくこういった事が工数を最適化するにあたっての課題として思い浮かぶのではないでしょうか。 今はRPAやAIといった自動化に繋がる技術や、生成AIのようなツールも多く出てきています。 こういったものも検討しつつ、無駄のない、あるべき業務フローを検討することが営業を効率化させるために絶対的に必要な要素だと私は考えています。 4.どうすれば業績に繋がる活動になるのか さて、今回はどうすれば“業績向上”につながる営業変革ができるのか、という事をお話してきました。 7月の9,10、18日の3日間、今回のコラムのように、営業変革をテーマにセミナーを開催予定です。 もう少し詳細な現在のトレンドの紹介、成功されている企業様の具体的な取り組み事例などをご紹介させていただきます。 今回のセミナーには無料の相談ミーティングも付いてきますので、その場では皆様個別に抱えている課題などに対してもアドバイスが出来るかと思います。 また、最後に少し触れたAI技術の営業活用についても多くご紹介させていただきますので、ご興味のある方は是非ご参加いただければと思います。 ■関連するセミナーのご案内 複数事業部&複数営業所を持つ製造業・商社のためのDX 営業マン20人以上、異なる3事業部以上、営業所3拠点以上を展開する製造業・商社のDXとは? セミナー詳細・申込はこちらから↓↓↓ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/115062 お申し込みはこちらから⇒ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/115062

「Excel依存」「属人化」の放置に潜む3つのリスク

2024.07.01

1.「Excel依存」「属人化」の放置に潜む3つのリスクとは? 今回は製造業の現場で問題となっている 「Excel依存」と「属人化」に関するリスクについてご紹介いたします。 これらの問題を放置すると、 企業全体の効率や信頼性に大きな悪影響を及ぼす可能性があります。 以下に、その具体的なリスクを3つに分けて解説させていただきます。 1. データの一貫性と信頼性の低下 Excelは手軽に使用できる反面、手動によるデータ入力や加工が多くなります。 そのため、入力ミスや計算ミスが発生しやすく、データの一貫性や信頼性が低下するリスクがあります。 特に製造業では、正確なデータが製品品質や生産効率に直結するため、 このようなミスは重大なトラブルを引き起こす可能性があります。 2. 業務の非効率化とブラックボックス化 属人化が進むと、特定の社員だけが業務の詳細を把握している状態が生まれます。 この状況は「業務のブラックボックス化」を招き、 その社員が休暇や退職した場合に、 業務の引き継ぎがスムーズに行えなくなります。 結果として、業務が遅延し、全体の効率が低下するリスクが高まります。 3. システムの老朽化と技術負債の累積 長期間にわたりExcelに依存したシステムを使用していると、 次第にそれが古くなり、システム自体の更新が困難になるケースが増えます。 この「技術負債」が蓄積されると、今後のシステム拡張や改善が難しくなり、 企業自体の成長を妨げる大きな障害となります。 上記のリスクを避けるためには、 はじめに「自社の業務プロセス・業務ルールの見直し」が不可欠です。 その上で、クラウドベースのERPシステムや専用の製造業向けソフトウェアを導入することで、 これらの問題を大幅に軽減できます。 また、社員間での情報共有を積極的に行い、業務の属人化を防ぐことも重要です。 ここで、「Excel依存」と「属人化」の回避に成功した企業様の概要ならびに 取り組みのBefore/Afterについて、簡単にご紹介したいと思います。 2.「Excel依存」「属人化」のリスク回避に成功した製造業の事例 <成功企業様の概要> 本社:岩手県花巻市 主な事業:電動ドライバー用「自動ネジ・ボルト・ナット保持装置」の開発と製品販売 従業員数(直近):10 名台 一元管理システム導入のBefore/After 【Before(システム導入前の状態と主な課題)】 ①既存システムとExcelにおいて二重三重入力が発生している。 ②現場担当者がそれぞれ異なるフォーマットのExcelや紙伝票を使用している。 ③設計データと既存システムがバラバラに管理されている。 ④発注は在庫を見て感覚で発注している。 ⑤製品に紐づく材料費・労務費・経費等の「製品別原価」が十分に管理できていない。 ⑥在庫の把握は毎月の棚卸で把握している。 ⑦月末在庫金額の計算もExcel上で計算しており、Excelのメンテナンスが必要。 ⑧社内資料は複数Excelを合算して作成している。 ⑨システム運用ルールが明確でない。 【After(システム導入後の主な効果)】 ①各種データを一元化&二重三重入力を排除し業務を効率化! ②ERP導入をきっかけに、既存のExcelや既存伝票の見直し・標準化・効率化を推進! ③設計データとERPを(手動)連携することで、BOMと原価が見える化! ④システムにて発注数を計算。自動発注が可能に! ⑤「製品別の個別原価管理」が可能に! ⑥システム内で理論在庫の把握が可能に! ⑦在庫金額もシステムにて自動計算が可能に! ⑧ボタン1つでデータ出力が可能に! ⑨ERP導入をきっかけに運用ルールを定めることで、誰でも同じ作業が出来るように!(標準化/属人化の排除) 上記の取り組み全体を通して、 元々はバラバラのExcelを駆使して販売・購買・在庫・生産・会計等を管理していたが、全社一丸となりシステムによる統合一元管理を実現した ERPシステム(業務の一元管理システム)の導入を通じて「脱・Excel管理」「脱・紙伝票管理」を実現した という成果をあげることができました。 では、なぜこのような成果をあげることができたのでしょうか? ここまでお読みいただいた皆様の中には、 ・さらに詳しく話を聞いてみたい! ・自社で上手くいっていない理由を探りたい! ・当事者の生の声を直接聞きたい! という方もいらっしゃるかと思います。 そのような皆様のお声にお応えするべく、 船井総研では今回新たにセミナーを企画させていただきました。 特別ゲスト講師として、当事者である“経営者様”に直接お話をしていただくセミナーです。 詳細は以下のURLより是非ご覧ください。 ■関連するセミナーのご案内 「”脱”Excel管理」「”脱”紙伝票管理」を実現し生産性アップ!~ セミナー詳細・申込はこちらから↓↓↓ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/116273 【事例講座】ERP導入を通じて「“脱”Excel管理」「“脱”属人化」を実現!機械加工業における生産性アップの最新事例を大公開! ERP導入により、散在していたデータを一元管理! ERP導入により、データの入力を入口から一本化! 手作業で行っていた社内資料がボタン1つで自動化! ERP導入と合わせて運用ルールを明確に! 運用ルールを定めることで、誰でも同じ作業ができるように!(標準化/属人化の排除) 船井総合研究所コンサルタントによる事例解説 株式会社 SAWA 代表取締役 澤村 英朗 氏 株式会社 船井総合研究所 AI・ロボット・ERP支援部 岩松 将史 お申し込みはこちらから⇒ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/116273 ▼レポート無料ダウンロード お申し込みはこちら▼ 1.「Excel依存」「属人化」の放置に潜む3つのリスクとは? いつも当コラムをご愛読いただきありがとうございます。 今回は製造業の現場で問題となっている 「Excel依存」と「属人化」に関するリスクについてご紹介いたします。 これらの問題を放置すると、 企業全体の効率や信頼性に大きな悪影響を及ぼす可能性があります。 以下に、その具体的なリスクを3つに分けて解説させていただきます。 1. データの一貫性と信頼性の低下 Excelは手軽に使用できる反面、手動によるデータ入力や加工が多くなります。 そのため、入力ミスや計算ミスが発生しやすく、データの一貫性や信頼性が低下するリスクがあります。 特に製造業では、正確なデータが製品品質や生産効率に直結するため、 このようなミスは重大なトラブルを引き起こす可能性があります。 2. 業務の非効率化とブラックボックス化 属人化が進むと、特定の社員だけが業務の詳細を把握している状態が生まれます。 この状況は「業務のブラックボックス化」を招き、 その社員が休暇や退職した場合に、 業務の引き継ぎがスムーズに行えなくなります。 結果として、業務が遅延し、全体の効率が低下するリスクが高まります。 3. システムの老朽化と技術負債の累積 長期間にわたりExcelに依存したシステムを使用していると、 次第にそれが古くなり、システム自体の更新が困難になるケースが増えます。 この「技術負債」が蓄積されると、今後のシステム拡張や改善が難しくなり、 企業自体の成長を妨げる大きな障害となります。 上記のリスクを避けるためには、 はじめに「自社の業務プロセス・業務ルールの見直し」が不可欠です。 その上で、クラウドベースのERPシステムや専用の製造業向けソフトウェアを導入することで、 これらの問題を大幅に軽減できます。 また、社員間での情報共有を積極的に行い、業務の属人化を防ぐことも重要です。 ここで、「Excel依存」と「属人化」の回避に成功した企業様の概要ならびに 取り組みのBefore/Afterについて、簡単にご紹介したいと思います。 2.「Excel依存」「属人化」のリスク回避に成功した製造業の事例 <成功企業様の概要> 本社:岩手県花巻市 主な事業:電動ドライバー用「自動ネジ・ボルト・ナット保持装置」の開発と製品販売 従業員数(直近):10 名台 一元管理システム導入のBefore/After 【Before(システム導入前の状態と主な課題)】 ①既存システムとExcelにおいて二重三重入力が発生している。 ②現場担当者がそれぞれ異なるフォーマットのExcelや紙伝票を使用している。 ③設計データと既存システムがバラバラに管理されている。 ④発注は在庫を見て感覚で発注している。 ⑤製品に紐づく材料費・労務費・経費等の「製品別原価」が十分に管理できていない。 ⑥在庫の把握は毎月の棚卸で把握している。 ⑦月末在庫金額の計算もExcel上で計算しており、Excelのメンテナンスが必要。 ⑧社内資料は複数Excelを合算して作成している。 ⑨システム運用ルールが明確でない。 【After(システム導入後の主な効果)】 ①各種データを一元化&二重三重入力を排除し業務を効率化! ②ERP導入をきっかけに、既存のExcelや既存伝票の見直し・標準化・効率化を推進! ③設計データとERPを(手動)連携することで、BOMと原価が見える化! ④システムにて発注数を計算。自動発注が可能に! ⑤「製品別の個別原価管理」が可能に! ⑥システム内で理論在庫の把握が可能に! ⑦在庫金額もシステムにて自動計算が可能に! ⑧ボタン1つでデータ出力が可能に! ⑨ERP導入をきっかけに運用ルールを定めることで、誰でも同じ作業が出来るように!(標準化/属人化の排除) 上記の取り組み全体を通して、 元々はバラバラのExcelを駆使して販売・購買・在庫・生産・会計等を管理していたが、全社一丸となりシステムによる統合一元管理を実現した ERPシステム(業務の一元管理システム)の導入を通じて「脱・Excel管理」「脱・紙伝票管理」を実現した という成果をあげることができました。 では、なぜこのような成果をあげることができたのでしょうか? ここまでお読みいただいた皆様の中には、 ・さらに詳しく話を聞いてみたい! ・自社で上手くいっていない理由を探りたい! ・当事者の生の声を直接聞きたい! という方もいらっしゃるかと思います。 そのような皆様のお声にお応えするべく、 船井総研では今回新たにセミナーを企画させていただきました。 特別ゲスト講師として、当事者である“経営者様”に直接お話をしていただくセミナーです。 詳細は以下のURLより是非ご覧ください。 ■関連するセミナーのご案内 「”脱”Excel管理」「”脱”紙伝票管理」を実現し生産性アップ!~ セミナー詳細・申込はこちらから↓↓↓ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/116273 【事例講座】ERP導入を通じて「“脱”Excel管理」「“脱”属人化」を実現!機械加工業における生産性アップの最新事例を大公開! ERP導入により、散在していたデータを一元管理! ERP導入により、データの入力を入口から一本化! 手作業で行っていた社内資料がボタン1つで自動化! ERP導入と合わせて運用ルールを明確に! 運用ルールを定めることで、誰でも同じ作業ができるように!(標準化/属人化の排除) 船井総合研究所コンサルタントによる事例解説 株式会社 SAWA 代表取締役 澤村 英朗 氏 株式会社 船井総合研究所 AI・ロボット・ERP支援部 岩松 将史 お申し込みはこちらから⇒ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/116273 ▼レポート無料ダウンロード お申し込みはこちら▼

「Excelのバケツリレー」あなたの会社でも起こっていませんか?

2024.07.01

1.「Excelのバケツリレー」とは? 突然ですが、「Excelのバケツリレー」という言葉を聞いて、 皆様はどのようなイメージを思い浮かべますか? 「Excelのバケツリレー」という言葉は 正式な単語として世の中に存在しているわけではないですが、 一例として、以下のような事象のことを指します。 【世の中の中堅・中小企業でよく起こっている事象】 毎月実施している「経営会議」や「部門会議」の報告資料を作成する際に、「Excelの継ぎ接ぎ」を繰り返して報告資料を完成させている。 前工程から渡ってきた情報を自部門のExcelに再度手入力したり、コピペしたりしている。 Excel上に情報を入力しようとしたが、不明点が多く、前工程の担当者に都度確認している。 Excelへの入力内容に不備が判明した場合、前工程の担当者へ情報の修正を依頼し、業務のやり直し・二度手間が度々発生している。 自社が「縦割り組織」となっているため、各部門の業務情報をシームレスに繋ぐことができず、やむを得ずにExcelを使って、社内の各部門をまたいで情報の集計を行っている。 いかがでしょうか。 もしかすると、「ウチの会社でもよく起こっているなぁ…」と 思われた方もいらっしゃるかもしれません。 「Excelのバケツリレー」と称した上記の事象ですが、 いずれも生産性の低下に直結する事象のため、 会社全体として解決を図っていく必要があります。 ここで「Excelのバケツリレー」がもたらす弊害について、いくつか挙げてみます。 2.「Excelのバケツリレー」がもたらす弊害とは? 「Excelのバケツリレー」がもたらす弊害として、 以下のようなことが挙げられます。 「業務の二度手間・三度手間」が増える 「定型業務に割く時間」が長くなる 「入力ミスの可能性」が増える 「業務の属人化」をもたらす 「部分最適」が減らない 「不正の温床」ができる 本来、限りある業務時間を 付加価値の高い「非定型業務」に充てることが望ましい中、 「Excelのバケツリレー」が常態化している現場では、 それ自体では付加価値を生まない「定型業務」に 業務時間の大半を割いていることになります。 また、「Excelのバケツリレー」は 「システム」ではなく「人間の能力」に依存しているがゆえに、 当然ながら業務上でのミスの可能性も高まります。 と同時に、不正が入り込む余地も生まれてしまいます。 何よりも、「Excelのバケツリレー」に時間を割いているということは、 その分、該当する業務に人件費がかかっているわけです。 1日だけならまだしも、1週間・1か月・1年…と積み重ねていくと、 実に多くの時間とコストを「Excelのバケツリレー」に費やしていることが想像できます。 「毎日格闘しているそのExcel業務は、本当にお客様への付加価値に直結しているのだろうか…」 「あくまで社内の仕組みや業務プロセスの不具合を人力で繕っているに過ぎないのでは…」 「定型業務はシステムに任せて、従業員には“ヒトにしかできない付加価値の高い業務”を担ってほしい…」 本コラムの内容について1つでも思い当たる節がある場合、 是非一度、自社の業務のあり方やルール等を見直してみることをおすすめいたします。 ■関連するセミナーのご案内 「”脱”Excel管理」「”脱”紙伝票管理」を実現し生産性アップ!~ セミナー詳細・申込はこちらから↓↓↓ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/116273 機械加工業における「脱・エクセル」「脱・紙伝票」の手法がわかる! ~現場にExcelや紙伝票が散在しており、二重三重業務が常態化している・・・そんな現場の実態にお悩みの機械加工業社長のためのセミナーです~" お申し込みはこちらから⇒ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/116273 1.「Excelのバケツリレー」とは? 突然ですが、「Excelのバケツリレー」という言葉を聞いて、 皆様はどのようなイメージを思い浮かべますか? 「Excelのバケツリレー」という言葉は 正式な単語として世の中に存在しているわけではないですが、 一例として、以下のような事象のことを指します。 【世の中の中堅・中小企業でよく起こっている事象】 毎月実施している「経営会議」や「部門会議」の報告資料を作成する際に、「Excelの継ぎ接ぎ」を繰り返して報告資料を完成させている。 前工程から渡ってきた情報を自部門のExcelに再度手入力したり、コピペしたりしている。 Excel上に情報を入力しようとしたが、不明点が多く、前工程の担当者に都度確認している。 Excelへの入力内容に不備が判明した場合、前工程の担当者へ情報の修正を依頼し、業務のやり直し・二度手間が度々発生している。 自社が「縦割り組織」となっているため、各部門の業務情報をシームレスに繋ぐことができず、やむを得ずにExcelを使って、社内の各部門をまたいで情報の集計を行っている。 いかがでしょうか。 もしかすると、「ウチの会社でもよく起こっているなぁ…」と 思われた方もいらっしゃるかもしれません。 「Excelのバケツリレー」と称した上記の事象ですが、 いずれも生産性の低下に直結する事象のため、 会社全体として解決を図っていく必要があります。 ここで「Excelのバケツリレー」がもたらす弊害について、いくつか挙げてみます。 2.「Excelのバケツリレー」がもたらす弊害とは? 「Excelのバケツリレー」がもたらす弊害として、 以下のようなことが挙げられます。 「業務の二度手間・三度手間」が増える 「定型業務に割く時間」が長くなる 「入力ミスの可能性」が増える 「業務の属人化」をもたらす 「部分最適」が減らない 「不正の温床」ができる 本来、限りある業務時間を 付加価値の高い「非定型業務」に充てることが望ましい中、 「Excelのバケツリレー」が常態化している現場では、 それ自体では付加価値を生まない「定型業務」に 業務時間の大半を割いていることになります。 また、「Excelのバケツリレー」は 「システム」ではなく「人間の能力」に依存しているがゆえに、 当然ながら業務上でのミスの可能性も高まります。 と同時に、不正が入り込む余地も生まれてしまいます。 何よりも、「Excelのバケツリレー」に時間を割いているということは、 その分、該当する業務に人件費がかかっているわけです。 1日だけならまだしも、1週間・1か月・1年…と積み重ねていくと、 実に多くの時間とコストを「Excelのバケツリレー」に費やしていることが想像できます。 「毎日格闘しているそのExcel業務は、本当にお客様への付加価値に直結しているのだろうか…」 「あくまで社内の仕組みや業務プロセスの不具合を人力で繕っているに過ぎないのでは…」 「定型業務はシステムに任せて、従業員には“ヒトにしかできない付加価値の高い業務”を担ってほしい…」 本コラムの内容について1つでも思い当たる節がある場合、 是非一度、自社の業務のあり方やルール等を見直してみることをおすすめいたします。 ■関連するセミナーのご案内 「”脱”Excel管理」「”脱”紙伝票管理」を実現し生産性アップ!~ セミナー詳細・申込はこちらから↓↓↓ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/116273 機械加工業における「脱・エクセル」「脱・紙伝票」の手法がわかる! ~現場にExcelや紙伝票が散在しており、二重三重業務が常態化している・・・そんな現場の実態にお悩みの機械加工業社長のためのセミナーです~" お申し込みはこちらから⇒ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/116273

工場における生産管理システムとは?導入のメリットや注意点について解説!

2024.06.20

1.製造業が抱える課題 製造業においては、効率と品質を追求する中で様々な課題が存在します。その中でも特に以下の点が挙げられます。 需要変動への対応 市場の需要は常に変動しており、それに迅速に対応することが求められますが、非常に困難です。需要予測が難しい場合、過剰な在庫を抱えるリスクや、逆に欠品のリスクが生じてしまいます。 適正在庫の維持 適正在庫の維持は、コスト削減と効率的な生産活動に直結します。過剰在庫は保管コストを増加させ収益性を悪化させますし、欠品は顧客満足度の低下を引き起こし、どちらも経営状況を悪化させてしまう要因となります。 リードタイム短縮 顧客の期待に応えるためには、生産から納品までのリードタイムを短縮することが必要です。実際の工数はどれくらいで、どこにボトルネックがあるのか、それを基にどのような改善活動をしてリードタイムを短縮していくのか。 このような具体的なディスカッションを行うことで、競争力は向上していきます。 作業効率の改善 日本の労働人口はどんどん減少していっています。 この状況を加味すれば、より少ない人数で現状の生産を担保しないといけない時代がやってくることが予想されます。 工場内の作業効率を高め。無駄な動きや待ち時間を最小限に抑えるための改善活動が重要です。 2.生産管理システムとは 上記のような課題を抱える製造業において、生産管理システムというのはこれらの課題を解決するための強力なツールであると言えます。以下にシステム概要と、主な機能を説明しておきます。 2-1.生産管理システムの概要 生産管理システムとは、生産プロセス全体を効率的に管理・コントロールするためのソフトウェアです。 需要予測から生産計画、在庫管理、品質管理まで、多岐にわたる業務を統合的に管理します。 2-2.生産管理システムの主な機能 生産管理システムの機能として、主要な機能は以下のようなものが挙げられます。 需要予測:市場データを基に将来の需要を予測し、生産計画を立てます。 生産計画:効率的な生産スケジュールを作成し、リソースを最適に配分します。 在庫管理:リアルタイムで在庫状況を監視し、適正在庫を維持します。 品質管理:品質基準を設定し、製品がその基準を満たしているかを検査します。 工程管理:各工程の進捗を監視し、問題が発生した場合に迅速に対応します。 2-3.生産管理システムの導入方法 生産管理システムの導入は、以下のステップで進める必要があります。 現状分析:現在の生産プロセスを詳細に分析し、課題を明確にします。 要件定義:システムに求める機能や要件を定義します。 ベンダー選定:要件を満たすシステムを提供するベンダーを選定します。 導入計画:導入スケジュールやトレーニング計画を策定します。 システム導入:実際の導入作業を行い、テストを実施します。 運用開始:操作者・管理者向けのトレーニングを行い、システムの運用を開始します。 3.生産管理システム導入のメリット 生産管理システムを導入することで、多くのメリットが得られます。以下にその具体例をいくつか挙げます。 手作業の削減と間違い防止 手作業によるデータ入力や管理業務を自動化することで、人的ミスを減少させ、業務の正確性が向上します。 適正在庫の維持と過剰在庫抑制 リアルタイムで在庫状況を把握し、適正在庫を維持することで、過剰在庫や欠品のリスクを抑えることができます。 リードタイム短縮と納期遵守向上 生産プロセス全体を効率化することで、リードタイムを短縮し、納期遵守率を向上させます。 生産性と作業効率の大幅改善 各工程の無駄を排除し、作業効率を大幅に改善します。これにより、生産性が向上し、コスト削減が実現します。 ムダな動きや待ち時間の削減 リアルタイム監視とデータ分析により、ムダな動きや待ち時間を最小限に抑えることができます。 4.成功事例 事例1.食品加工 X社 食品製造業においては、消費期限の問題もあり、在庫の効率的なコントロールが必要でした。 X社では、今まで専任スタッフの経験で在庫管理と発注を行ってきており、専任スタッフの方の定年が数年後というタイミングで生産管理システムの導入に踏み切りました。発注タイミングと発注量の最適化を行った結果、欠品率が5%から2%まで改善。生産と在庫管理の最適化だけでなく、顧客満足度向上を果たし、売上アップにつながりました。 事例2.建材製造販売 Y社 Y社は建材の製造・販売を全国的に行う会社です。 生産管理システムと在庫管理システムを活用する事でデータの一元管理を実現し、KPIや閾値を設定して改善活動を推進しました。 結果、無駄な在庫を大幅に削減でき、大幅にキャッシュフローが改善しました。 事例3.機械部品加工 Z社 Z社は自動車のエンジン部品を中心に製造している会社です。製品ごとの適正在庫水準が不明確で、製造管理は属人的に行われていました。その結果、過剰在庫と欠品が頻繁に起きてしまい、非常に悩んでいました。そこで、需要予測システムを活用することに決め、製品別の最適在庫を算出し、計画的な生産を行うような改革を行いました。 結果、総在庫数を30%削減しつつ、欠品率を5%から1%に改善することができました。 5.生産管理システム導入の方法と注意点 生産管理システムを導入する際には、以下の点に注意することが重要です。 現状分析と課題の明確化:導入前に現状を詳細に分析し、解決すべき課題を明確にします。 要件定義の精度:システムに求める要件を正確に定義し、ベンダーとのコミュニケーションを密に行います。 トレーニングの徹底:システム導入後のトレーニングを徹底し、全社員がシステムを活用できるようにします。 継続的な改善:導入後も継続的にデータを分析し、システムの改善点を見つけて対応します。 システムを導入することがゴールではありません。あくまでシステムはツールのひとつですから、いかにどう活用するか、というのこそ重要なポイントと言えます。 6.まとめ 以上のように、生産管理は製造業において非常に重要な業務であり、その効率化や品質向上は企業の競争力を大きく左右します。 生産管理システムを導入することで、多くの課題を解決し、効率的な生産が実現可能です。もちろん、システム導入には慎重な計画と実行が必要ですが、しっかりと導入効果を見据えた上で導入と活用が出来たのであれば、その効果は計り知れません。 今後の製造業の未来を考えれば、生産管理の重要性はますます高まることでしょう。 1.製造業が抱える課題 製造業においては、効率と品質を追求する中で様々な課題が存在します。その中でも特に以下の点が挙げられます。 需要変動への対応 市場の需要は常に変動しており、それに迅速に対応することが求められますが、非常に困難です。需要予測が難しい場合、過剰な在庫を抱えるリスクや、逆に欠品のリスクが生じてしまいます。 適正在庫の維持 適正在庫の維持は、コスト削減と効率的な生産活動に直結します。過剰在庫は保管コストを増加させ収益性を悪化させますし、欠品は顧客満足度の低下を引き起こし、どちらも経営状況を悪化させてしまう要因となります。 リードタイム短縮 顧客の期待に応えるためには、生産から納品までのリードタイムを短縮することが必要です。実際の工数はどれくらいで、どこにボトルネックがあるのか、それを基にどのような改善活動をしてリードタイムを短縮していくのか。 このような具体的なディスカッションを行うことで、競争力は向上していきます。 作業効率の改善 日本の労働人口はどんどん減少していっています。 この状況を加味すれば、より少ない人数で現状の生産を担保しないといけない時代がやってくることが予想されます。 工場内の作業効率を高め。無駄な動きや待ち時間を最小限に抑えるための改善活動が重要です。 2.生産管理システムとは 上記のような課題を抱える製造業において、生産管理システムというのはこれらの課題を解決するための強力なツールであると言えます。以下にシステム概要と、主な機能を説明しておきます。 2-1.生産管理システムの概要 生産管理システムとは、生産プロセス全体を効率的に管理・コントロールするためのソフトウェアです。 需要予測から生産計画、在庫管理、品質管理まで、多岐にわたる業務を統合的に管理します。 2-2.生産管理システムの主な機能 生産管理システムの機能として、主要な機能は以下のようなものが挙げられます。 需要予測:市場データを基に将来の需要を予測し、生産計画を立てます。 生産計画:効率的な生産スケジュールを作成し、リソースを最適に配分します。 在庫管理:リアルタイムで在庫状況を監視し、適正在庫を維持します。 品質管理:品質基準を設定し、製品がその基準を満たしているかを検査します。 工程管理:各工程の進捗を監視し、問題が発生した場合に迅速に対応します。 2-3.生産管理システムの導入方法 生産管理システムの導入は、以下のステップで進める必要があります。 現状分析:現在の生産プロセスを詳細に分析し、課題を明確にします。 要件定義:システムに求める機能や要件を定義します。 ベンダー選定:要件を満たすシステムを提供するベンダーを選定します。 導入計画:導入スケジュールやトレーニング計画を策定します。 システム導入:実際の導入作業を行い、テストを実施します。 運用開始:操作者・管理者向けのトレーニングを行い、システムの運用を開始します。 3.生産管理システム導入のメリット 生産管理システムを導入することで、多くのメリットが得られます。以下にその具体例をいくつか挙げます。 手作業の削減と間違い防止 手作業によるデータ入力や管理業務を自動化することで、人的ミスを減少させ、業務の正確性が向上します。 適正在庫の維持と過剰在庫抑制 リアルタイムで在庫状況を把握し、適正在庫を維持することで、過剰在庫や欠品のリスクを抑えることができます。 リードタイム短縮と納期遵守向上 生産プロセス全体を効率化することで、リードタイムを短縮し、納期遵守率を向上させます。 生産性と作業効率の大幅改善 各工程の無駄を排除し、作業効率を大幅に改善します。これにより、生産性が向上し、コスト削減が実現します。 ムダな動きや待ち時間の削減 リアルタイム監視とデータ分析により、ムダな動きや待ち時間を最小限に抑えることができます。 4.成功事例 事例1.食品加工 X社 食品製造業においては、消費期限の問題もあり、在庫の効率的なコントロールが必要でした。 X社では、今まで専任スタッフの経験で在庫管理と発注を行ってきており、専任スタッフの方の定年が数年後というタイミングで生産管理システムの導入に踏み切りました。発注タイミングと発注量の最適化を行った結果、欠品率が5%から2%まで改善。生産と在庫管理の最適化だけでなく、顧客満足度向上を果たし、売上アップにつながりました。 事例2.建材製造販売 Y社 Y社は建材の製造・販売を全国的に行う会社です。 生産管理システムと在庫管理システムを活用する事でデータの一元管理を実現し、KPIや閾値を設定して改善活動を推進しました。 結果、無駄な在庫を大幅に削減でき、大幅にキャッシュフローが改善しました。 事例3.機械部品加工 Z社 Z社は自動車のエンジン部品を中心に製造している会社です。製品ごとの適正在庫水準が不明確で、製造管理は属人的に行われていました。その結果、過剰在庫と欠品が頻繁に起きてしまい、非常に悩んでいました。そこで、需要予測システムを活用することに決め、製品別の最適在庫を算出し、計画的な生産を行うような改革を行いました。 結果、総在庫数を30%削減しつつ、欠品率を5%から1%に改善することができました。 5.生産管理システム導入の方法と注意点 生産管理システムを導入する際には、以下の点に注意することが重要です。 現状分析と課題の明確化:導入前に現状を詳細に分析し、解決すべき課題を明確にします。 要件定義の精度:システムに求める要件を正確に定義し、ベンダーとのコミュニケーションを密に行います。 トレーニングの徹底:システム導入後のトレーニングを徹底し、全社員がシステムを活用できるようにします。 継続的な改善:導入後も継続的にデータを分析し、システムの改善点を見つけて対応します。 システムを導入することがゴールではありません。あくまでシステムはツールのひとつですから、いかにどう活用するか、というのこそ重要なポイントと言えます。 6.まとめ 以上のように、生産管理は製造業において非常に重要な業務であり、その効率化や品質向上は企業の競争力を大きく左右します。 生産管理システムを導入することで、多くの課題を解決し、効率的な生産が実現可能です。もちろん、システム導入には慎重な計画と実行が必要ですが、しっかりと導入効果を見据えた上で導入と活用が出来たのであれば、その効果は計り知れません。 今後の製造業の未来を考えれば、生産管理の重要性はますます高まることでしょう。

在庫管理の見える化とは?メリットや改善方法、成功事例を解説!

2024.06.20

1.在庫管理の見える化とは? 在庫管理の「見える化」とは、単に在庫を保管しその数量を把握するだけではなく、在庫の流れや動きを可視化し、適正な在庫水準を維持することを指します。 ここでの可視化とは、進捗状況や生産状況をディスプレイで表示し、誰でも簡単に状況を確認できるようにすることです。 これにより、過剰在庫や欠品リスクを最小限に抑え、スムーズな事業運営を実現できます。 例えば、過去の販売データから出荷・出庫量の予測を立て、発注タイミングや発注量を最適化したり、製品ごとの在庫回転率を把握して無駄な備蓄を防止することができます。 単に在庫数字を見るだけでは気づきにくい課題や無駄を、リアルタイムに可視化・分析することで発見し、改善することが可能になるのです。 見える化を実現するためには、適切なツールを選ぶことが大切です。在庫管理システム、BIツール、クラウドサービスなど、様々なツールが存在します。それぞれのツールの特徴を理解し、自社のニーズに合ったツールを選びましょう。 ⇒関連記事:AIによる在庫管理事例!中小製造業編 導入のメリットや導入方法も解説! 2.在庫管理を見える化する3つのメリット 在庫管理を徹底的に「見える化」し、改善活動を行うことで、以下の3つの大きなメリットが期待できます。 2-1)キャッシュフロー改善 見える化によって、皆さんの目の前のディスプレイには会社の在庫数が現在どのような状況なのかを示す資料が映っています。 正確な情報を掴むことで過剰在庫を抑え、運転資金の圧迫を防ぐことができます。 適切な在庫水準を維持することで、無駄なコストを削減し、健全な資金繰りを実現できるでしょう。 在庫管理の見える化は、キャッシュフロー改善に大きく貢献します。在庫の適正化により、在庫にかかる費用(保管費用、保険料など)を削減することができます。 2-2)業務効率化 在庫の流れを正確に把握できるようになり、発注業務の最適化や、倉庫の無駄なスペースの削減などにつながります。 これにより今まで行ってきたアナログな在庫把握手法やルールは最低限で済むため、従業員や在庫管理担当者の作業負荷は大きく軽減され、生産性の向上が見込めます。 また、5s (整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)も促進することができます。さらに、在庫管理システムを導入することで、入庫、出庫、棚卸などの業務を効率化することができます。 2-3)リスク管理の強化 閾値に対する現状の見える化は、欠品リスクや過剰在庫リスクの低減に役立ちます。 これにより、経営リスクを適切にコントロールできるようになります。 事業の継続性と収益性を高められる大きな強みになると言えます。在庫管理の見える化は、リスク管理の強化にも繋がります。例えば、賞味期限切れや在庫の劣化を防ぐことができます。 3.在庫管理を見える化する手法 在庫管理の見える化を実現するには、以下のような取り組みが有効です。 3-1)ITシステムの活用 当然ですが、在庫管理領域の専門の在庫管理システムは存在します。 在庫管理システムは、在庫状況をリアルタイムで把握し、分析することを可能にします。また、システムによっては、発注や入出庫の自動化、在庫の移動管理など、様々な機能が利用できます。 更に、AIなどの活用で需要予測の精度を高め、最適な発注タイミングや発注量を算出できるようになるでしょう。 3-2)KPI設定と管理 在庫回転率などの具体的なKPIを設定し、定期的にモニタリングすることで、適切な在庫水準の維持と改善につなげることが出来るようになります。 ただし、KPIの達成状況も明確に「見える化」し、そこから更に改善サイクルを回すことが重要です。 KPIを設定することで、在庫管理の目標を明確化し、進捗状況を把握することができます。 3-3)人材育成 更に現場従業員の意識改革と、在庫管理に関するスキルの向上を図ることも、在庫状況の見える化には欠かせないポイントの一つです。 教育や研修を実施し、従業員一人ひとりの「見える化」に対する意欲やマインドを醸成する必要がありますデータは集められても、改善活動につながらないようなケースの多くが、この使いこなせる人材を育成できていないためです。在庫管理システムを導入しても、それを使いこなせる人材がいなければ、効果は半減してしまいます。そのため、従業員への教育や研修が重要となります。 4.在庫管理システム導入事例3選 では、具体的な取り組みはどのようなものがあるのでしょうか。 今回は最後に在庫管理システムを上手く活用し、「見える化」を実現した先進企業の事例を3つご紹介します。 事例1.食品加工 X社 X社では、在庫管理システムの導入により、属人的な管理から脱却し、効率的な在庫管理を実現しました。 食品製造業においては、消費期限の問題もあり、在庫の効率的なコントロールが必要です。 X社では、今まで専任スタッフの経験で在庫管理と発注を行ってきており、専任スタッフの方の定年が数年後というタイミングで在庫管理システムの導入に踏み切りました。 専用の在庫管理システムを導入し、発注タイミングと発注量の最適化を行った結果、欠品率が5%から2%まで改善。 在庫の最適化だけでなく、顧客満足度向上を果たし、売上アップにつながりました。 事例2.建材製造販売 Y社 Y社では、在庫管理システムと生産管理システムを連携させることで、より精度の高い在庫管理を実現しました。 Y社は建材の製造・販売を全国的に行う会社です。 商品在庫の方針として、在庫切れをなるべく避けるような方針が固められており、倉庫に大量の不良在庫や陳腐化在庫が発生しており、その結果、資金繰りが悪化していたという背景がありました。 生産管理システムと在庫管理システムを活用する事でデータの一元管理を実現し、KPIや閾値を設定して改善活動を推進しました。 結果、無駄な在庫を大幅に削減でき、大幅にキャッシュフローが改善しました。 事例3.機械部品加工 Z社 Z社では、AIを活用した需要予測システムを導入することで、より高度な在庫管理を実現しました。 Z社は自動車のエンジン部品を中心に製造している会社です。 製品ごとの適正在庫水準が不明確で、管理は属人的に行われていました。 その結果、過剰在庫と欠品が頻繁に起きてしまい、非常に悩んでいました。 そこで、AIを搭載した高度な需要予測システムを活用することに決め、製品別の最適在庫を算出し、計画的な生産を行うような改革を行いました。 結果、総在庫数を30%削減しつつ、欠品率を5%から1%に改善することができました。 5.まとめ 事例でもご紹介した通り、在庫管理の「見える化」は、過剰在庫や欠品リスクの削減、キャッシュフロー改善、業務効率化など、多くのメリットをもたらします。 見える化をするだけでなく、様々なITシステムの活用、KPIを用いた定量的な管理、活用活動の原動力たる従業員教育などを組み合わせて推進することで、着実にあるべき姿を実現していくことが出来ます。 先進企業の事例の通り、「見える化」は企業の収益力と経営基盤を大きく強化する重要な取り組みであると言えます。 ぜひ本気で「見える化」に取り組み、経営課題の解決と競争力の向上を目指してみてください。 1.在庫管理の見える化とは? 在庫管理の「見える化」とは、単に在庫を保管しその数量を把握するだけではなく、在庫の流れや動きを可視化し、適正な在庫水準を維持することを指します。 ここでの可視化とは、進捗状況や生産状況をディスプレイで表示し、誰でも簡単に状況を確認できるようにすることです。 これにより、過剰在庫や欠品リスクを最小限に抑え、スムーズな事業運営を実現できます。 例えば、過去の販売データから出荷・出庫量の予測を立て、発注タイミングや発注量を最適化したり、製品ごとの在庫回転率を把握して無駄な備蓄を防止することができます。 単に在庫数字を見るだけでは気づきにくい課題や無駄を、リアルタイムに可視化・分析することで発見し、改善することが可能になるのです。 見える化を実現するためには、適切なツールを選ぶことが大切です。在庫管理システム、BIツール、クラウドサービスなど、様々なツールが存在します。それぞれのツールの特徴を理解し、自社のニーズに合ったツールを選びましょう。 ⇒関連記事:AIによる在庫管理事例!中小製造業編 導入のメリットや導入方法も解説! 2.在庫管理を見える化する3つのメリット 在庫管理を徹底的に「見える化」し、改善活動を行うことで、以下の3つの大きなメリットが期待できます。 2-1)キャッシュフロー改善 見える化によって、皆さんの目の前のディスプレイには会社の在庫数が現在どのような状況なのかを示す資料が映っています。 正確な情報を掴むことで過剰在庫を抑え、運転資金の圧迫を防ぐことができます。 適切な在庫水準を維持することで、無駄なコストを削減し、健全な資金繰りを実現できるでしょう。 在庫管理の見える化は、キャッシュフロー改善に大きく貢献します。在庫の適正化により、在庫にかかる費用(保管費用、保険料など)を削減することができます。 2-2)業務効率化 在庫の流れを正確に把握できるようになり、発注業務の最適化や、倉庫の無駄なスペースの削減などにつながります。 これにより今まで行ってきたアナログな在庫把握手法やルールは最低限で済むため、従業員や在庫管理担当者の作業負荷は大きく軽減され、生産性の向上が見込めます。 また、5s (整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)も促進することができます。さらに、在庫管理システムを導入することで、入庫、出庫、棚卸などの業務を効率化することができます。 2-3)リスク管理の強化 閾値に対する現状の見える化は、欠品リスクや過剰在庫リスクの低減に役立ちます。 これにより、経営リスクを適切にコントロールできるようになります。 事業の継続性と収益性を高められる大きな強みになると言えます。在庫管理の見える化は、リスク管理の強化にも繋がります。例えば、賞味期限切れや在庫の劣化を防ぐことができます。 3.在庫管理を見える化する手法 在庫管理の見える化を実現するには、以下のような取り組みが有効です。 3-1)ITシステムの活用 当然ですが、在庫管理領域の専門の在庫管理システムは存在します。 在庫管理システムは、在庫状況をリアルタイムで把握し、分析することを可能にします。また、システムによっては、発注や入出庫の自動化、在庫の移動管理など、様々な機能が利用できます。 更に、AIなどの活用で需要予測の精度を高め、最適な発注タイミングや発注量を算出できるようになるでしょう。 3-2)KPI設定と管理 在庫回転率などの具体的なKPIを設定し、定期的にモニタリングすることで、適切な在庫水準の維持と改善につなげることが出来るようになります。 ただし、KPIの達成状況も明確に「見える化」し、そこから更に改善サイクルを回すことが重要です。 KPIを設定することで、在庫管理の目標を明確化し、進捗状況を把握することができます。 3-3)人材育成 更に現場従業員の意識改革と、在庫管理に関するスキルの向上を図ることも、在庫状況の見える化には欠かせないポイントの一つです。 教育や研修を実施し、従業員一人ひとりの「見える化」に対する意欲やマインドを醸成する必要がありますデータは集められても、改善活動につながらないようなケースの多くが、この使いこなせる人材を育成できていないためです。在庫管理システムを導入しても、それを使いこなせる人材がいなければ、効果は半減してしまいます。そのため、従業員への教育や研修が重要となります。 4.在庫管理システム導入事例3選 では、具体的な取り組みはどのようなものがあるのでしょうか。 今回は最後に在庫管理システムを上手く活用し、「見える化」を実現した先進企業の事例を3つご紹介します。 事例1.食品加工 X社 X社では、在庫管理システムの導入により、属人的な管理から脱却し、効率的な在庫管理を実現しました。 食品製造業においては、消費期限の問題もあり、在庫の効率的なコントロールが必要です。 X社では、今まで専任スタッフの経験で在庫管理と発注を行ってきており、専任スタッフの方の定年が数年後というタイミングで在庫管理システムの導入に踏み切りました。 専用の在庫管理システムを導入し、発注タイミングと発注量の最適化を行った結果、欠品率が5%から2%まで改善。 在庫の最適化だけでなく、顧客満足度向上を果たし、売上アップにつながりました。 事例2.建材製造販売 Y社 Y社では、在庫管理システムと生産管理システムを連携させることで、より精度の高い在庫管理を実現しました。 Y社は建材の製造・販売を全国的に行う会社です。 商品在庫の方針として、在庫切れをなるべく避けるような方針が固められており、倉庫に大量の不良在庫や陳腐化在庫が発生しており、その結果、資金繰りが悪化していたという背景がありました。 生産管理システムと在庫管理システムを活用する事でデータの一元管理を実現し、KPIや閾値を設定して改善活動を推進しました。 結果、無駄な在庫を大幅に削減でき、大幅にキャッシュフローが改善しました。 事例3.機械部品加工 Z社 Z社では、AIを活用した需要予測システムを導入することで、より高度な在庫管理を実現しました。 Z社は自動車のエンジン部品を中心に製造している会社です。 製品ごとの適正在庫水準が不明確で、管理は属人的に行われていました。 その結果、過剰在庫と欠品が頻繁に起きてしまい、非常に悩んでいました。 そこで、AIを搭載した高度な需要予測システムを活用することに決め、製品別の最適在庫を算出し、計画的な生産を行うような改革を行いました。 結果、総在庫数を30%削減しつつ、欠品率を5%から1%に改善することができました。 5.まとめ 事例でもご紹介した通り、在庫管理の「見える化」は、過剰在庫や欠品リスクの削減、キャッシュフロー改善、業務効率化など、多くのメリットをもたらします。 見える化をするだけでなく、様々なITシステムの活用、KPIを用いた定量的な管理、活用活動の原動力たる従業員教育などを組み合わせて推進することで、着実にあるべき姿を実現していくことが出来ます。 先進企業の事例の通り、「見える化」は企業の収益力と経営基盤を大きく強化する重要な取り組みであると言えます。 ぜひ本気で「見える化」に取り組み、経営課題の解決と競争力の向上を目指してみてください。

システム選定が上手くいかない根本原因とは?

2024.05.29

1.なぜ、システム選定が上手く進まないのか? 現在、各種メディアで「DX(デジタルトランスフォーメーション)」というキーワードが 当たり前のように使われていることもあってか、 船井総研にも多種多様な業界・業種のお客様から システム投資・システム導入に関するご相談を頂く機会が増えてきています。 そのような中で、最近特に印象的なのが、 「自社でシステム導入を検討しているが、どうも上手くいかない…」 「システムベンダーの選定が非常に難しく、苦労している…」 という趣旨のご相談です。 なぜ、システム選定が上手く進まないのか? それぞれ異なる会社から同様のご相談を頂く中で、 「システム選定が上手くいかない根本原因」として、 大きく2つの共通項が見えてきました。 【システム選定が上手くいかない2つの根本原因】 ①自社における「システム導入の目的・方針」が明確に定まっていない。 ②自社の既存業務やルールの見直し・整理を実施していない。 それぞれ補足していきます。 2.システム選定が上手くいかない2つの根本原因 ①自社における「システム導入の目的・方針」が明確に定まっていない なんとなく「自動化」「効率化」といったキーワードは浮かぶものの、 「誰の」「どのような課題」を優先的に解決するためのシステムなのか?が 社内の方針としてはっきりと決まっていない…というケースは意外と多いです。 一例としては、経営層の中では課題意識が比較的明確であるものの、 現場担当者のレベルでは「何のためにシステムを入れるのか?」を 腹落ちして理解できていないというケースがあります。 また、その逆のパターンもいわば「あるある」な現象で、 現場担当者は非常に強い課題意識があるものの、 その熱量が経営層に伝わっておらず、 経営層の中での理解が追い付いていないというケースもあります。 「いや、ウチの会社ではそんなことはないよ~」 とコメントを頂くこともありますが、 実際にそのお客様の内部に入り込んでいくと、 個別には課題らしきことが挙がる一方で、 会社全体を見渡して考えたときに、 課題の整理や優先順位付けが間に合っていないというパターンはよくあります。 システム導入の目的・方針について、 社内の関係者間で議論する時間が十分に確保できず、 ズルズルと時間だけが過ぎ去ってしまう…。 結果としてシステムの選定が上手に進まない…。 このような事態を避けるためにも、 まずはシステム導入の前段階で、 「3ヶ月」や「6か月」等の期間を決めて 社内で目的・方針を固める時間を 意図的に確保することをおすすめします。 ②自社の既存業務やルールの見直し・整理を実施していない。 仕事柄、システム会社の方とやり取りをする機会が多々ありますが、 システム導入を検討しているお客様の中には、 「現状の業務をすべてそのままシステム化しようとしている」 「“システムさえ入れれば何とかなる!”と思い込んでいる」 というお考えをお持ちの方も一定数いらっしゃるようです。 極論、青天井に費用をかければ 実現できないこともないかもしれませんが、 実際には、 投資できる費用に限りがある システムを入れたとしても、現場担当者が使えるシステムでないと意味がないと考えている という方が大多数ではないでしょうか。 システム化の対象範囲や搭載する機能が増えれば増えるほど、 どうしても導入コストが高額になってしまい、 システム自体も複雑なものになってしまう傾向があります。 そうなると、システム選定自体が頓挫するリスクも高まってしまいます。 システム化に伴うコストを低減し、 現実的にシステム導入を進めていくためには、 これまでの会社の常識や前任者の名残りで、既存業務の標準化が進んでいない業務はないか? 客観的に考えると特に競争優位になっていないのに、「単に複雑なだけ」の業務が残っていないか? よくよく聞いてみると実施目的が曖昧だが、これまでの慣習で残ったままになっている業務はないか? 自社の業績アップ(売上アップ・利益アップ・コスト削減)に貢献しているかどうか不透明な業務はないか? 等の客観的かつ経営的な観点から、 現状を俯瞰し整理していくことが必要です。 「システムへの投資後」ではなく、 「システムに投資する前」の段階で、 既存業務のあり方や目的等を問い直し、 その上で既存業務の簡素化・再定義を進めていくことが、 「システム化に伴うコスト低減」に向けた第一歩となります。 システム導入を契機として、 導入するシステムに合わせて 既存業務のあり方を調整・変更するのが成功パターン ということですね。 是非、皆様の会社でも参考にしていただければ幸いです。 ■関連するセミナーのご案内 建築資材製造業のための脱Excel&脱紙伝票管理!セミナー ~ERP・基幹システム導入を通じて「”脱”Excel管理」「”脱”紙伝票管理」を実現し生産性アップ!~ セミナー詳細・申込はこちらから↓↓↓ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/115915 ERP導入を通じて「“脱”Excel管理」「“脱”紙伝票」を実現!建築資材製造業における生産性アップの最新事例を大公開! 散在するExcel・紙伝票管理から脱却し高生産性を実現! 脱属人化を推進!「熟練者頼みの伝票作成業務」の自動化を実現! バラバラなシステムを一元管理することで二重三重業務を排除! ERP導入をきっかけに「工程管理・生産管理等のムダ」を大幅に削減! 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中小企業が導入すべきERPは?導入のメリットと製品選定のポイントを解説!

2024.05.22

~こんな方におすすめです~ データの蓄積や活用に悩まれている中小企業の経営者様 業務の非効率さに悩まれている中小企業の経営者様 中小企業でIT担当者やシステム管理者を務めている方 業務効率化を検討している部門責任者の方 ERP導入を検討している企業の決裁者の方 1.中小企業がERPを導入するメリット まずはERP(基幹システム)を導入するメリットをご紹介したいと思います。 1-1) 業務の効率化 ERP(基幹システム)とは、企業内の様々な業務プロセスを統合するシステムを指します。 中小企業がERP(基幹システム)を導入することで、いままでばらばらだったデータの一元化が可能となり、重複業務の削減や手作業のミスを防ぐことができます。 1-2) データの可視化と分析力の向上 ERPシステムはリアルタイムでデータを収集・更新するため、経営者は即座に正確な情報を把握できます。これにより、経営判断の迅速化が図れ、市場の変化に柔軟に対応できるようになります。また、データ分析機能を活用することで、売上予測や在庫管理など、戦略的な意思決定が可能となります。 1-3) コスト削減 ERP導入により、在庫管理や受発注業務が効率化され、過剰在庫や欠品のリスクが低減します。 また、ペーパーレス化が進み、印刷コストや文書保管スペースの削減にも繋がります。 さらに、重複したシステムやソフトウェアの統合により、ITコストも抑えることができるようになります。 2.中小企業がERPを導入するデメリット 2-1) 導入・保守・運用でのコスト ERPは業務範囲が広いシステムになるため、システム導入にはそれ相応の導入費用が必要となります。 スクラッチ(1から作成)か、パッケージ利用か、どれくらいアドオンカスタマイズ開発を伴うのかで導入費用は大きく変わるため、選定の時点である程度しっかりと進め方を定めておく必要があります。 導入後にもシステムの保守費用がかかるため、ある程度の予算感を以て導入を検討する必要が出てきます。 2-2) データの整理とマスターの設定 ERPはデータを一元管理できることが魅力ですが、なにも検討せずにとりあえずシステム化すればいいというわけではありません。どういったデータを蓄積したいのか、どういう風に活用したいのかを明確にした上で、どのようなマスター構成にすればデータを上手く揃えられるかを検討する必要が出てきます。様々なデータを業務知識豊富な各社員が適切な入力方法を実施する必要があり、このルール設定に非常に工数がかかることが想定されます。 2-3)社内活用に向けた教育 ERPでは様々な情報が入力されるため、適切な入力ルールやセキュリティに関する教育など多岐にわたるリテラシー教育と操作教育、さらにはシステム管理者向けの教育を行う必要があります。これにはある程度の知見が必要となるため、経験者がいない状況では非常にハードルがあがります。 3.中小企業がERPを導入すべき理由 これは様々な理由が存在しますが、一番のポイントは競争力の向上です。 中小企業は大企業と比べてリソースが限られていますが、ERPの導入により、リソースを最適に活用することができます。販売業務、製造業務、会計業務…様々な業務がありますが、中小企業では今でも当たり前にデータの2重3重入力が行われています。 ERPの考え方として、リソースを最適化するというのはこういった業務を効率化するという事も含まれています。 更に、様々なシステムに分けてデータを入れている場合、各システムからデータを取り出し、加工し、ようやく業績情報が確認できるなどということは大企業であったとしても珍しいことではありません。 データを一元管理し、加工を容易にすることで月次業績資料が今より早く出てきたらどうでしょうか。 こういった取り組みにより、業務プロセスの標準化や効率化が図れ、大企業と対等に競争するための基盤が整います。 中小企業だからこそ、ERPの導入は必要なのです。 4.中小企業がERPを選定するときにおさえるべき3つのポイント 4-1) 自社の業務に適した機能性 ERPシステムの選定において最も重要なのは、自社の業務プロセスに適合した機能を持つシステムを選ぶことです。例えば、製造業であれば生産管理機能を含めたものが良いでしょう。また、業界特有のニーズに対応できるカスタマイズ性も重要です。 しっかりと現在の業務に必要なプロセスを抑え、かつ、改善したい要望をまとめておきましょう。 4-2.) 導入・運用コスト ERPシステムの導入には初期費用やライセンス料がかかるため、総コストを慎重に評価する必要があります。導入後の運用コストやサポート費用も考慮し、自社にとって最適な形を選択する必要があります。 現在はクラウド型ERPも発表されており、かなり初期費用が抑えられ、運用コストも予測しやすい点で中小企業には適していると言えるでしょう。 4-3) 使いやすさとサポート体制 ERPシステムは日常業務で頻繁に使用するため、使いやすさも選定の重要なポイントです。ユーザーフレンドリーなインターフェースや、操作性の高さを重視しましょう。また、システム導入後のサポート体制が充実しているベンダーを選ぶことで、トラブル発生時にも迅速に対応できるようになります。 5.中小企業でERPを導入する際の注意点 5-1) 現場の意見を取り入れ、必要機能の取捨選択を行う ERP導入は全社的なプロジェクトであり、現場の意見を無視すると、運用開始後にトラブルが発生する可能性があります。各部門の業務フローを詳細にヒアリングし、現場のニーズを反映したシステム設計を行いましょう。この際に全ての意見を丸のみにしてしまわないように要望の取捨選択を行う事も必要です。 5-2) 導入前の業務プロセス見直し ERP導入を機に、現行の業務プロセスを見直し、無駄な手順や非効率な作業を洗い出すことが重要です。これにより、ERPの効果を最大限に引き出し、業務の標準化と効率化が実現します。これを行わないと、現在の無駄な業務をそのまま新しいシステムに変えて行うことになってしまいますので、特にこの点は注意が必要です。 5-3) スムーズな移行計画 ERP導入に伴うシステム移行は、従業員の負担を軽減し、業務の中断を最小限に抑えるために計画的に行う必要があります。段階的な移行やトレーニングプログラムの実施により、従業員が新システムに慣れるまでの期間をスムーズに乗り切りましょう。 6.最後に いかがでしたでしょうか。 中小企業でERPを導入するメリットや注意点をご紹介しました。 最後に、特に重要で、一番難しいポイントをお伝えします。 それは、継続的な改善とサポートです。 ERP導入はゴールではなく、スタートに過ぎません。導入後も定期的にシステムの見直しを行い、業務の変化や新たなニーズに対応できるように改善を続けることが何よりも重要です。 中小企業はERPを導入することで、多くのメリットを享受でき、競争力を高めることができます。 しかし、導入には慎重な計画と選定、そして活用に結びつけるための働きかけが何よりも必要です。 もし、実際に基幹システムを導入し、業務改革を成功させた事例がお知りになりたければ、以下のDLレポートも是非お読みください。 基幹システム活用+在庫管理 解決策レポート ▼事例レポート無料ダウンロードお申し込みはこちら▼ 収益に着目したDXを行う手順と成功事例をご紹介します。 データの一元管理を通した改善ポイントの明確化 各種在庫の最適化と収益改善の仕組み 在庫管理を通した改善業務手順のご紹介 在庫管理を行い、収益改善を実現した事例のご紹介 https://www.funaisoken.co.jp/dl-contents/smart-factory_smart-factory_02627_S045 ~こんな方におすすめです~ データの蓄積や活用に悩まれている中小企業の経営者様 業務の非効率さに悩まれている中小企業の経営者様 中小企業でIT担当者やシステム管理者を務めている方 業務効率化を検討している部門責任者の方 ERP導入を検討している企業の決裁者の方 1.中小企業がERPを導入するメリット まずはERP(基幹システム)を導入するメリットをご紹介したいと思います。 1-1) 業務の効率化 ERP(基幹システム)とは、企業内の様々な業務プロセスを統合するシステムを指します。 中小企業がERP(基幹システム)を導入することで、いままでばらばらだったデータの一元化が可能となり、重複業務の削減や手作業のミスを防ぐことができます。 1-2) データの可視化と分析力の向上 ERPシステムはリアルタイムでデータを収集・更新するため、経営者は即座に正確な情報を把握できます。これにより、経営判断の迅速化が図れ、市場の変化に柔軟に対応できるようになります。また、データ分析機能を活用することで、売上予測や在庫管理など、戦略的な意思決定が可能となります。 1-3) コスト削減 ERP導入により、在庫管理や受発注業務が効率化され、過剰在庫や欠品のリスクが低減します。 また、ペーパーレス化が進み、印刷コストや文書保管スペースの削減にも繋がります。 さらに、重複したシステムやソフトウェアの統合により、ITコストも抑えることができるようになります。 2.中小企業がERPを導入するデメリット 2-1) 導入・保守・運用でのコスト ERPは業務範囲が広いシステムになるため、システム導入にはそれ相応の導入費用が必要となります。 スクラッチ(1から作成)か、パッケージ利用か、どれくらいアドオンカスタマイズ開発を伴うのかで導入費用は大きく変わるため、選定の時点である程度しっかりと進め方を定めておく必要があります。 導入後にもシステムの保守費用がかかるため、ある程度の予算感を以て導入を検討する必要が出てきます。 2-2) データの整理とマスターの設定 ERPはデータを一元管理できることが魅力ですが、なにも検討せずにとりあえずシステム化すればいいというわけではありません。どういったデータを蓄積したいのか、どういう風に活用したいのかを明確にした上で、どのようなマスター構成にすればデータを上手く揃えられるかを検討する必要が出てきます。様々なデータを業務知識豊富な各社員が適切な入力方法を実施する必要があり、このルール設定に非常に工数がかかることが想定されます。 2-3)社内活用に向けた教育 ERPでは様々な情報が入力されるため、適切な入力ルールやセキュリティに関する教育など多岐にわたるリテラシー教育と操作教育、さらにはシステム管理者向けの教育を行う必要があります。これにはある程度の知見が必要となるため、経験者がいない状況では非常にハードルがあがります。 3.中小企業がERPを導入すべき理由 これは様々な理由が存在しますが、一番のポイントは競争力の向上です。 中小企業は大企業と比べてリソースが限られていますが、ERPの導入により、リソースを最適に活用することができます。販売業務、製造業務、会計業務…様々な業務がありますが、中小企業では今でも当たり前にデータの2重3重入力が行われています。 ERPの考え方として、リソースを最適化するというのはこういった業務を効率化するという事も含まれています。 更に、様々なシステムに分けてデータを入れている場合、各システムからデータを取り出し、加工し、ようやく業績情報が確認できるなどということは大企業であったとしても珍しいことではありません。 データを一元管理し、加工を容易にすることで月次業績資料が今より早く出てきたらどうでしょうか。 こういった取り組みにより、業務プロセスの標準化や効率化が図れ、大企業と対等に競争するための基盤が整います。 中小企業だからこそ、ERPの導入は必要なのです。 4.中小企業がERPを選定するときにおさえるべき3つのポイント 4-1) 自社の業務に適した機能性 ERPシステムの選定において最も重要なのは、自社の業務プロセスに適合した機能を持つシステムを選ぶことです。例えば、製造業であれば生産管理機能を含めたものが良いでしょう。また、業界特有のニーズに対応できるカスタマイズ性も重要です。 しっかりと現在の業務に必要なプロセスを抑え、かつ、改善したい要望をまとめておきましょう。 4-2.) 導入・運用コスト ERPシステムの導入には初期費用やライセンス料がかかるため、総コストを慎重に評価する必要があります。導入後の運用コストやサポート費用も考慮し、自社にとって最適な形を選択する必要があります。 現在はクラウド型ERPも発表されており、かなり初期費用が抑えられ、運用コストも予測しやすい点で中小企業には適していると言えるでしょう。 4-3) 使いやすさとサポート体制 ERPシステムは日常業務で頻繁に使用するため、使いやすさも選定の重要なポイントです。ユーザーフレンドリーなインターフェースや、操作性の高さを重視しましょう。また、システム導入後のサポート体制が充実しているベンダーを選ぶことで、トラブル発生時にも迅速に対応できるようになります。 5.中小企業でERPを導入する際の注意点 5-1) 現場の意見を取り入れ、必要機能の取捨選択を行う ERP導入は全社的なプロジェクトであり、現場の意見を無視すると、運用開始後にトラブルが発生する可能性があります。各部門の業務フローを詳細にヒアリングし、現場のニーズを反映したシステム設計を行いましょう。この際に全ての意見を丸のみにしてしまわないように要望の取捨選択を行う事も必要です。 5-2) 導入前の業務プロセス見直し ERP導入を機に、現行の業務プロセスを見直し、無駄な手順や非効率な作業を洗い出すことが重要です。これにより、ERPの効果を最大限に引き出し、業務の標準化と効率化が実現します。これを行わないと、現在の無駄な業務をそのまま新しいシステムに変えて行うことになってしまいますので、特にこの点は注意が必要です。 5-3) スムーズな移行計画 ERP導入に伴うシステム移行は、従業員の負担を軽減し、業務の中断を最小限に抑えるために計画的に行う必要があります。段階的な移行やトレーニングプログラムの実施により、従業員が新システムに慣れるまでの期間をスムーズに乗り切りましょう。 6.最後に いかがでしたでしょうか。 中小企業でERPを導入するメリットや注意点をご紹介しました。 最後に、特に重要で、一番難しいポイントをお伝えします。 それは、継続的な改善とサポートです。 ERP導入はゴールではなく、スタートに過ぎません。導入後も定期的にシステムの見直しを行い、業務の変化や新たなニーズに対応できるように改善を続けることが何よりも重要です。 中小企業はERPを導入することで、多くのメリットを享受でき、競争力を高めることができます。 しかし、導入には慎重な計画と選定、そして活用に結びつけるための働きかけが何よりも必要です。 もし、実際に基幹システムを導入し、業務改革を成功させた事例がお知りになりたければ、以下のDLレポートも是非お読みください。 基幹システム活用+在庫管理 解決策レポート ▼事例レポート無料ダウンロードお申し込みはこちら▼ 収益に着目したDXを行う手順と成功事例をご紹介します。 データの一元管理を通した改善ポイントの明確化 各種在庫の最適化と収益改善の仕組み 在庫管理を通した改善業務手順のご紹介 在庫管理を行い、収益改善を実現した事例のご紹介 https://www.funaisoken.co.jp/dl-contents/smart-factory_smart-factory_02627_S045

標準原価とは?標準原価の計算方法についても解説

2024.05.15

1.標準原価とは 標準原価とは、製品やサービスを生産する際に必要とされる材料費、労務費、製造間接費などを基に、あらかじめ設定された目標となるコストのことです。 これにより、実際の原価と比較することで、コスト管理や生産効率の改善が図られます。 標準原価は、過去の実績データや計画値を基に設定され、経営戦略の一環として活用されます。 2.「標準原価」「見積原価」「実際原価」の違いは? 標準原価、見積原価、実際原価は、いずれも原価計算における重要な概念ですが、それぞれの意味と使い方には違いがあります。 標準原価:事前に設定された理想的なコストで、効率的な生産やコスト削減の指標となります。 見積原価:特定のプロジェクトや製品に対して予測されたコストで、見積りの際に使用されます。 実際原価:実際に発生したコストで、実績値に基づいて計算されます。 標準原価や見積原価との比較に使用されます。 3.標準原価の計算方法 標準原価の計算は、以下の手順で行われます。 材料費の標準原価:材料の標準使用量 × 材料の標準単価 労務費の標準原価:標準作業時間 × 労務の標準単価 製造間接費の標準原価:標準稼働時間 × 間接費の標準単価 これらの標準原価を合算することで、製品やサービスの総標準原価が算出されます。 4.原価計算を効率的に行うために 原価計算を効率的に行うためには、以下のポイントに注意することが重要です。 データの正確性:過去の実績データや現在の生産状況を正確に把握し、標準原価の設定に反映させることが必要です。 システムの活用:ERPシステムや専用の原価計算ソフトを導入することで、データの管理や分析が効率化されます。 継続的な見直し:近年は材料費の高騰・変動が激しいため定期的に標準原価を見直し、実際の生産状況や市場環境の変化に対応することが重要です。 5.実際原価のデータ取得方法と差異分析 多くの企業では標準原価の設定まではできていますが、それが実際原価とどれくらいの差異があるのか、といった分析までは行えていません。 そもそも、材料費は変動するため生産時の費用が正確にわかっていない・直接労務費は紙日報のためリアルタイム性がなく、正確性もない。 また、データはとれていても分析までに時間がかかりリアルタイム性に欠ける、Excelで管理しているため属人化している。 といった課題をよく耳にします。 そこでどのように実際原価のデータを取得し・分析するのか、近年では直接労務費はタブレットやRFIDといったIoTツールからデータの収集が可能です。 これらを利用すればデータが直接システムに格納されるため、紙日報・システム転記の二度手間が省け、リアルタイム性も格段に向上します。 分析業務ではBIツールを使うことで、コードやマクロを使用することなく感覚的に可視化することが可能になります。 さらに既存のシステムと連携することで、更新ボタン一つでリアルタイムの分析を見ることが可能になります。 このようにIoTやBIツールを活用することで標準原価と実際原価の差異分析・改善活動が可能になります。 6.まとめ 標準原価は、企業のコスト管理や生産効率の向上に欠かせないツールです。 正確なデータに基づき、標準原価を適切に設定・管理することで、コスト削減や品質向上を実現できます。 さらに、定期的な見直しと改善を行うことで、変化する市場環境にも柔軟に対応できるようになります。 標準原価の最適化により、多くの企業が成功を収めていることからも、その重要性が理解されるでしょう。   正確なデータ分析につながる個別原価取得解説レポート ▼事例レポート無料ダウンロードお申し込みはこちら▼ 基幹システムをフル活用し、個別原価も正確に算出できている企業はまだ多くありません。 ただし、原価計算は利益に直結します。 従業員100名以下でもできる個別原価取得方法をご紹介いたします。 https://www.funaisoken.co.jp/dl-contents/smart-factory_smart-factory_02507_S045   「食品加工業のための原価改善!」 経営セミナー ▼セミナー詳細・申込はこちらから▼ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/114264 お申し込みはこちらから⇒ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/114264 1.標準原価とは 標準原価とは、製品やサービスを生産する際に必要とされる材料費、労務費、製造間接費などを基に、あらかじめ設定された目標となるコストのことです。 これにより、実際の原価と比較することで、コスト管理や生産効率の改善が図られます。 標準原価は、過去の実績データや計画値を基に設定され、経営戦略の一環として活用されます。 2.「標準原価」「見積原価」「実際原価」の違いは? 標準原価、見積原価、実際原価は、いずれも原価計算における重要な概念ですが、それぞれの意味と使い方には違いがあります。 標準原価:事前に設定された理想的なコストで、効率的な生産やコスト削減の指標となります。 見積原価:特定のプロジェクトや製品に対して予測されたコストで、見積りの際に使用されます。 実際原価:実際に発生したコストで、実績値に基づいて計算されます。 標準原価や見積原価との比較に使用されます。 3.標準原価の計算方法 標準原価の計算は、以下の手順で行われます。 材料費の標準原価:材料の標準使用量 × 材料の標準単価 労務費の標準原価:標準作業時間 × 労務の標準単価 製造間接費の標準原価:標準稼働時間 × 間接費の標準単価 これらの標準原価を合算することで、製品やサービスの総標準原価が算出されます。 4.原価計算を効率的に行うために 原価計算を効率的に行うためには、以下のポイントに注意することが重要です。 データの正確性:過去の実績データや現在の生産状況を正確に把握し、標準原価の設定に反映させることが必要です。 システムの活用:ERPシステムや専用の原価計算ソフトを導入することで、データの管理や分析が効率化されます。 継続的な見直し:近年は材料費の高騰・変動が激しいため定期的に標準原価を見直し、実際の生産状況や市場環境の変化に対応することが重要です。 5.実際原価のデータ取得方法と差異分析 多くの企業では標準原価の設定まではできていますが、それが実際原価とどれくらいの差異があるのか、といった分析までは行えていません。 そもそも、材料費は変動するため生産時の費用が正確にわかっていない・直接労務費は紙日報のためリアルタイム性がなく、正確性もない。 また、データはとれていても分析までに時間がかかりリアルタイム性に欠ける、Excelで管理しているため属人化している。 といった課題をよく耳にします。 そこでどのように実際原価のデータを取得し・分析するのか、近年では直接労務費はタブレットやRFIDといったIoTツールからデータの収集が可能です。 これらを利用すればデータが直接システムに格納されるため、紙日報・システム転記の二度手間が省け、リアルタイム性も格段に向上します。 分析業務ではBIツールを使うことで、コードやマクロを使用することなく感覚的に可視化することが可能になります。 さらに既存のシステムと連携することで、更新ボタン一つでリアルタイムの分析を見ることが可能になります。 このようにIoTやBIツールを活用することで標準原価と実際原価の差異分析・改善活動が可能になります。 6.まとめ 標準原価は、企業のコスト管理や生産効率の向上に欠かせないツールです。 正確なデータに基づき、標準原価を適切に設定・管理することで、コスト削減や品質向上を実現できます。 さらに、定期的な見直しと改善を行うことで、変化する市場環境にも柔軟に対応できるようになります。 標準原価の最適化により、多くの企業が成功を収めていることからも、その重要性が理解されるでしょう。   正確なデータ分析につながる個別原価取得解説レポート ▼事例レポート無料ダウンロードお申し込みはこちら▼ 基幹システムをフル活用し、個別原価も正確に算出できている企業はまだ多くありません。 ただし、原価計算は利益に直結します。 従業員100名以下でもできる個別原価取得方法をご紹介いたします。 https://www.funaisoken.co.jp/dl-contents/smart-factory_smart-factory_02507_S045   「食品加工業のための原価改善!」 経営セミナー ▼セミナー詳細・申込はこちらから▼ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/114264 お申し込みはこちらから⇒ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/114264

ERPとは?意味や基幹システムとの違いを解説

2024.04.26

「基幹システム刷新!」、「ERP導入!」というキーワードは聞きなれた言葉ではありますが、実際にERPとは?基幹システムとの違いは?などの疑問にお答えしたく、そこで今回はERPと基幹システムの違いについてわかりやすく解説いたします。 1.ERPとは ERPとは、Enterprise Resource Planning(企業資源計画)の略で、統合基幹業務システム、基幹システムとも呼ばれます。 また、ERPパッケージ、ERPシステム、業務統合パッケージなど様々な呼び方もされています。 ERPは、企業の「会計業務」「人事業務」「生産業務」「物流業務」「販売業務」などの基幹となる業務を統合し、ビジネスの効率化、情報の一元化を図るためのシステムとして誕生しました。ERPは、企業情報、顧客情報、販売情報、在庫情報、人事情報など、様々な情報を一元管理することで、業務の効率化、可視化、迅速化を実現します。 会計管理システム 販売管理システム 在庫購買管理システム 生産管理システム 人事給与管理システム 2.ERPと基幹システム、業務システムの違い 基幹システムとERPは、どちらも社内の基幹業務を効率化する役割があるシステムですが、それぞれの目的や対応範囲には厳密にいえば違いがあります。 基幹システムというのは、前述のような基幹業務ごとにシステムが独立しており、特定の業務を効率化することが目的の“単一の”システムを指します。 人事システムは人事業務を効率化、在庫管理システムは在庫管理を効率化するなど、対応範囲が狭いためERPに比べて低コストかつ少ない工数で導入ができるでしょう。 なお部署間でデータをやり取りする際は、既存システムとの連携が必要です。 一方ERPは統合基幹業務システムといい、各業務に関わる基幹システムやデータを一元管理することで、業務効率化や経営戦略立案・意思決定の迅速化を目的としています。 複数の主要業務を一つのシステムで管理するため、データの連携性に優れており、部署や業務をまたいだ情報共有の簡易化を実現できます。 しかし基幹システムに比べて対応する業務が幅広いため、関係する多くの部署で導入準備が必要となり、システム導入は大掛かりな作業となるでしょう。 業務フローの大幅な変更が必要になったり社内周知や操作マニュアルの作成を行ったりと、基幹システムと比較すると導入前の準備や体制整備に手間がかかります。 一方で、業務システムというのも存在します。 これは、いわゆる基幹システム以外のシステムを指すことが一般的です。 営業支援システム(SFA)や顧客管理システム(CRM)、勤怠管理システム、ワークフローシステムなどの種類が挙げられます。 この違いとして、企業活動において必要不可欠なのかどうか、という点が挙げられます。 基幹システムは業務遂行においてなくてはならない機能を有しています。(売り上げ登録や請求書発行など)一方で、業務システムは様々な業務遂行をサポートする機能がメインであり、万が一システムが停止したとしても代替えの手段は用意しやすい分野をシステム化したものになります。 3.ERPの主な種類 ERPは、その提供形態・ネットワーク環境の違いから、主にオンプレミス型とクラウド型の2種類に分類されます。 オンプレミス型ERP オンプレミス型ERPは、自社でサーバーやネットワーク機器などを用意し、運用するタイプのERPです。自社の業務プロセスに合わせた設計が可能で、カスタマイズ性が高く、多くの大企業で採用されています。 この方式はシステムを社内に構築するため、セキュリティを強化できるというメリットがありますが、初期費用が高額であることや、運用・管理に多大な手間を要する点がデメリットとなっています。 クラウド型ERP クラウド型ERPは、インターネットを介して利用できるため、専用の機器を準備する必要がありません。また、どこでも利用できるのでリモートワークやモバイル端末からのアクセスにも対応可能です。 クラウド型はオンプレミス型とは異なり初期費用が低く、導入から運用開始までの期間も短縮される点が大きな魅力です。さらに、業務拡大や運用ルールの変更に合わせてユーザー数や機能を容易に追加できる柔軟性も持ち合わせており、近年導入数が増加傾向にあります。 近年では、SaaS型のERPも増えてきています。SaaS型ERPは、クラウド上で提供されるERPで、初期費用を抑え、短期間で導入できるというメリットがあります。 4.ERPのメリットデメリット 4-1. ERPのメリット ERPのメリット①:データの一元管理 ERP導入のメリット1つ目はデータの一元管理が可能となるという事です。 これは、企業内のあらゆる情報を瞬時に一箇所に集められることを意味し、したがって経営分析や経営戦略の構築、経営のリアルタイムの見える化という点でも大きなパワーを秘めているといえるのです。 ERPのメリット②:システム連携による効率上昇 ERP導入のメリット2つ目はシステム同士のスムーズな連携によって業務効率が向上することです。 ERPでは、会計や販売、生産といった業務をまとめて管理できます。 ERPを導入すれば、それぞれの情報を個別に管理する煩雑さから解放され、効率よく業務を進められるようになるでしょう。 ERPのメリット③:データドリブン経営の実現 ERP導入のメリット3つ目は、経営上の意思決定を迅速に行えることです。 情報の一元管理によって、経営層は企業内の状況を素早く正確に把握できるようになります。 その結果、経営層は勘や経験ではなく、データに基づいて会社にとって最適な意思決定を迅速に下すことが可能となるのです。 ERPのメリット④:ベストプラクティスの有効活用 ERP導入のメリット4つ目は、ベストプラクティスを有効活用できるという点です。 ベストプラクティスとは、各業種において蓄積されたビジネスプロセスのノウハウのことです。 ERPパッケージが所有しているベストプラクティスを自社においても活用できるため、事業の効率的な成長が図れるでしょう。 ERPのメリット⑤:内部統制の強化 ERPは、内部統制の強化にも役立ちます。ERPによって業務プロセスが標準化され、データへのアクセス権限が適切に管理されることで、不正やミスを防止することができます。 4-2. ERPのデメリット ERPのデメリット①:選考の難易度が高い ERPのデメリット1つ目は、種類が多岐にわたるため、自社に合ったシステムを選ぶのが難しいことです。 目についたシステムを気軽に導入するのではなく、事前に検討を重ねることが重要です。 ERPのデメリット②:社内教育の徹底が必要 ERPのデメリット2つ目は、ERPを導入する前には社内教育を徹底的に行う必要がある点です。 ERPは業務効率を改善してくれるツールですが、社員が正しく使いこなさなければ意味がありません。 ERPを導入する前に、ERPが何の役に立つのか、どのように使うのかといったことを教育する必要があります。 そのためにはかなり粒度の細かい次元で活用シーンや利用ルールを検討する必要があり、情報を社員に対してしっかりと伝える必要があります。 ERPのデメリット③:導入コストが高い ERPの導入には、多額の費用がかかります。特に、オンプレミス型ERPの場合、サーバーやネットワーク機器などの費用に加えて、導入コンサルティング費用やカスタマイズ費用などがかかります。 5.自社に合ったERP選定の7つのポイント 「自社の業務にFitしたERPを導入したい」、「ERPの導入コストに見合う効果を得られるだろうか」 など、ERPを選ぶ際には様々な思いや不安があるのではないでしょうか。 業務プロセスの改善やコスト削減などのメリットがあるERPですが、数多く存在する製品の中から自社業務に最適なものを選ぶことは容易ではありません。 また経営課題や業務フロー、ERP導入にかけられる予算などは企業ごとに異なるため、100社あれば100通りのあり方でERPは構築されるものです。 そこで本コラムでは、自社業務に最適なERPを選ぶためのポイントとして以下をご説明します。 自社業務との適合性は高いか カスタマイズ性(柔軟性)は高いか ライセンスの提供方法は自社に合うか 現場の方が使いこなせるか 導入時や保守運用時などのサポートは充実しているか セキュリティレベルは高いか 導入実績は豊富か 上記の7つのポイントについて皆様に特に重要視していただきたいのは、自社業務との適合性についてしっかりと検討する点と、現場の仕様を想定して選定する事です。 ERP導入の際には多くの課題や解決策を検討することになりますが、市場の様々なERPはそれぞれ特徴を持っています。例えば原価に関しての機能が細かいとか、生産計画調整の機能が非常に豊かであるとかそういった特徴です。 さらに、製造業であれば組立製造業特化のものもあれば、すべての業種に対応している万能型のようなERPもあるなど分かりづらいながら特徴を持っています。 自社の中で解決したい事項がたくさん出てくる中で、Asis(現在)のやり方をそのまま焼き直すツールと言うよりも、Tobe(理想)のやり方をどう実現するのかをツール選定の際には重要にしていただけると成功に近づくと言えるのですが、そもそも自社の業務に合うツールを選ばなければ導入はともかく、活用にはかなり苦労することになります。 さらに、結局システムを使うのは現場になるため、現場の利便性が結局下がるような導入は避ける必要があります。 また、ERPの選択においては、拡張性も重要な要素です。将来的な事業拡大や業務の変化に対応できるよう、柔軟に拡張できるERPを選択しましょう。 上記を踏まえてERPを選ぶことで「自社業務にFitしなかった」や「業務効率化できず、逆にシステム導入コストがかかった」などの損失を回避できるでしょう。 6.ERP導入の流れ ERPを実際に導入する前に、ERP導入の基本的な流れを押さえておきましょう。 1つ目のプロセスは、ERPを導入する目的を明確にすることです。 ERPを導入することでどのような課題を解決したいのか、最初に明らかにしておきましょう。 それによって必要な機能が把握でき、導入するERPパッケージが選びやすくなります。 また、社員にERPの導入目的を説明するうえでも役に立ちます。 2つ目のプロセスは、プロジェクトの推進者を選定し、各部署の担当者と打ち合わせることです。 ERPに関するプロジェクトは社内の業務全般に関わるため、広い範囲をカバーできるように必ず2人以上の推進者を選ぶようにしてください。 推進者に適している人材としては、部署間をまたいで発言できる経営層に近い役職者が挙げられます。 推進者の次に、各部署でプロジェクトの責任を負う担当者を選び、打ち合わせを進めていきます。 3つ目のプロセスは、ERP導入に関わる業務プロセスなどについて棚卸ししておくことです。 今後ERPで管理することになる業務について、今はどのようなツールで管理しているのかを確かめておきましょう。 業務プロセスは各企業に固有のものなので、基本的には自社で棚卸しを進める必要があります。ERP導入前に、現状の業務プロセスを洗い出し、課題や問題点を明確化することが重要です。この洗い出し作業により、ERP導入の効果を最大化することができます。 4つ目のプロセスは、ERPでカバーできる範囲に合わせて新しい業務フローを構築することです。 棚卸しした業務内容を基に、ERPでどの範囲までをカバーするのかということを決めていきましょう。 5つ目のプロセスとして、ERPの試験運用を行います。 試験運用の段階では、従来のシステムと併用しながら、問題なくERPが運用できるかどうかを確認してください。 試験運用に問題がなければ、6つ目のプロセスとして、ERPの本格運用を始めます。社内全体に向けてマニュアルを作成し、状況に応じて機能を調整しながら運用を行います。 さらに、ERP導入後も、定期的なアップデートやメンテナンスが必要です。また、業務の変化に合わせて、ERPの設定変更やカスタマイズが必要になる場合もあります。 7.よくある質問 ・基幹システムは何年くらい使えますか? 一般的に基幹システムの寿命は15年程度といわれることが多いです。これは、IT技術の進歩に、徐々に老朽化するシステムが対応できなくなっていくことによって生じると考えられます。近年はIT技術の進歩は目覚ましいものがあり、それに追随する形で基幹システムの寿命は徐々に短くなるのではないかと言われています。 しかし、これはアドオンカスタマイズが多いシステムであればあるほど生じる問題であると言えます。たいていのパッケージERPはバージョンアップを繰り返すことでこの老朽化問題に対応しようとしていますが、アドオンカスタマイズが多ければ多いほどこのバージョンアップ費用が高くなるケースが多いです。これによりバージョンアップを行わないという判断を行う企業が多くなっています。 近年のトレンドを鑑みると、いかにパッケージに合わせて業務を標準化してシステム導入できるかで寿命を延ばすことは可能だと言えるでしょう。 ・基幹システムを入れ替えるべきタイミングは? 基幹システムの入れ替えタイミングとしては、まず現状を見た際に以下のような状況があれば入れ替えを検討すると良いと考えられます。 ・システムの老朽化 サポート終了:現在使用しているシステムのサポートが終了する場合。 パフォーマンス低下:システムが遅くなり、業務に支障をきたす場合。 メンテナンス頻度の増加:故障やトラブルが頻発し、メンテナンスコストが増加する場合。 ・ビジネスの拡大・変化 業務量の増加:事業拡大に伴い、現在のシステムが処理能力やスケーラビリティの限界に達した場合。 新しいビジネスモデル:新しいサービスや製品を展開するために、既存システムが対応できない場合。 多国籍展開:国際展開に伴い、複数言語や異なる税法・会計基準に対応する必要がある場合。 ・業務効率の低下 手作業の多さ:手作業や二重入力が多く、業務効率が低下している場合。 データ連携の問題:異なるシステム間でのデータ連携が難しく、情報の一元管理ができていない場合。 自動化の必要性:業務プロセスの自動化が求められる場合。 ・セキュリティ問題 セキュリティリスク:既存システムが最新のセキュリティ基準を満たしておらず、情報漏洩のリスクが高い場合。 法規制の変更:新しい法規制やコンプライアンス要件に対応するために、システムを更新する必要がある場合。 ・コストの削減 運用コストの増加:システムの運用・保守コストが高騰している場合。 クラウド移行:オンプレミスからクラウドへの移行によって、コスト削減を図る場合。 ・ユーザーの要望 使い勝手の向上:現行システムが使いにくく、ユーザーからの不満が多い場合。 モバイル対応:リモートワークやモバイルデバイスからのアクセスが増加し、既存システムが対応できない場合。 以上のどれかが該当する場合、入れ替えを検討することをおススメします。 ・ERPとCRMの違いは何ですか? ERPとCRMはそれぞれ企業の抱える情報を一元管理し、効率的な業務と成長を後押しするためのシステムを指しますが の目的と機能には明確な違いがあります。 ERPは前述の通り企業のリソース(資源)を一元管理し、業務プロセスを最適化するための統合システムであり 財務管理:予算編成、財務報告、会計管理など。 人事管理:給与計算、労務管理、採用管理など。 製造管理:生産計画、在庫管理、品質管理など。 物流管理:購買管理、在庫管理、サプライチェーン管理など。 販売管理:受注処理、出荷管理、請求管理など。 などの管理業務をまとめたシステムを指します。 一方でCRMというのは、顧客との関係を管理し、顧客満足度を向上させるためのシステムです。主な機能としては以下のようなものが挙げられます。 営業管理:リード管理、商談管理、営業予測、顧客情報など。 マーケティング管理:キャンペーン管理、メールマーケティング、リードジェネレーションなど。 顧客サービス:サポートチケット管理、FAQ、カスタマーサポートなど。 分析とレポート:顧客データ分析、営業パフォーマンス分析、マーケティングROI分析など。 このように、ERPが企業全体の統合管理を目的として、全社的な導入が一般的なのに対し、CRMは営業部門、マーケティング部門、カスタマーサポート部門など、顧客対応に直接関与する部門での導入が一般的であると言えます。 また、昨今では、ERPとCRMを統合して使用することでより高度なデータ分析を行おうという動きもあります。 8.まとめ いかがでしたでしょうか?今回は、ERPについて解説いたしました。ERPを導入することで、社内業務の棚卸しや新しい業務フローの構築、試験運用など徹底した準備が必要ですが、その結果、業務効率の向上や経営判断の迅速化といった多くのメリットが得ることができます。 ERP導入は、企業にとって大きな投資となります。そのため、導入前に十分な検討を行い、自社に最適なERPを選択することが重要です。 ERP導入を成功させるためには、適切なパートナー選びが大切です。パートナーの選定基準としては、ERP導入実績、業界知識、サポート体制などを考慮する必要があります。 船井総研では、製造業様向けに、最適なERP導入のコンサルティングをおこなっております。豊富な導入実績をもつ専門コンサルタントが、導入から運用まで一貫してサポートいたします。ご相談をご希望の方は、以下のバナーよりお問い合わせください。 基幹システム活用+在庫管理 解決策レポート ▼事例レポート無料ダウンロードお申し込みはこちら▼ 収益に着目したDXを行う手順と成功事例をご紹介します。 データの一元管理を通した改善ポイントの明確化 各種在庫の最適化と収益改善の仕組み 在庫管理を通した改善業務手順のご紹介 在庫管理を行い、収益改善を実現した事例のご紹介 https://www.funaisoken.co.jp/dl-contents/smart-factory_smart-factory_02627_S045 「基幹システム刷新!」、「ERP導入!」というキーワードは聞きなれた言葉ではありますが、実際にERPとは?基幹システムとの違いは?などの疑問にお答えしたく、そこで今回はERPと基幹システムの違いについてわかりやすく解説いたします。 1.ERPとは ERPとは、Enterprise Resource Planning(企業資源計画)の略で、統合基幹業務システム、基幹システムとも呼ばれます。 また、ERPパッケージ、ERPシステム、業務統合パッケージなど様々な呼び方もされています。 ERPは、企業の「会計業務」「人事業務」「生産業務」「物流業務」「販売業務」などの基幹となる業務を統合し、ビジネスの効率化、情報の一元化を図るためのシステムとして誕生しました。ERPは、企業情報、顧客情報、販売情報、在庫情報、人事情報など、様々な情報を一元管理することで、業務の効率化、可視化、迅速化を実現します。 会計管理システム 販売管理システム 在庫購買管理システム 生産管理システム 人事給与管理システム 2.ERPと基幹システム、業務システムの違い 基幹システムとERPは、どちらも社内の基幹業務を効率化する役割があるシステムですが、それぞれの目的や対応範囲には厳密にいえば違いがあります。 基幹システムというのは、前述のような基幹業務ごとにシステムが独立しており、特定の業務を効率化することが目的の“単一の”システムを指します。 人事システムは人事業務を効率化、在庫管理システムは在庫管理を効率化するなど、対応範囲が狭いためERPに比べて低コストかつ少ない工数で導入ができるでしょう。 なお部署間でデータをやり取りする際は、既存システムとの連携が必要です。 一方ERPは統合基幹業務システムといい、各業務に関わる基幹システムやデータを一元管理することで、業務効率化や経営戦略立案・意思決定の迅速化を目的としています。 複数の主要業務を一つのシステムで管理するため、データの連携性に優れており、部署や業務をまたいだ情報共有の簡易化を実現できます。 しかし基幹システムに比べて対応する業務が幅広いため、関係する多くの部署で導入準備が必要となり、システム導入は大掛かりな作業となるでしょう。 業務フローの大幅な変更が必要になったり社内周知や操作マニュアルの作成を行ったりと、基幹システムと比較すると導入前の準備や体制整備に手間がかかります。 一方で、業務システムというのも存在します。 これは、いわゆる基幹システム以外のシステムを指すことが一般的です。 営業支援システム(SFA)や顧客管理システム(CRM)、勤怠管理システム、ワークフローシステムなどの種類が挙げられます。 この違いとして、企業活動において必要不可欠なのかどうか、という点が挙げられます。 基幹システムは業務遂行においてなくてはならない機能を有しています。(売り上げ登録や請求書発行など)一方で、業務システムは様々な業務遂行をサポートする機能がメインであり、万が一システムが停止したとしても代替えの手段は用意しやすい分野をシステム化したものになります。 3.ERPの主な種類 ERPは、その提供形態・ネットワーク環境の違いから、主にオンプレミス型とクラウド型の2種類に分類されます。 オンプレミス型ERP オンプレミス型ERPは、自社でサーバーやネットワーク機器などを用意し、運用するタイプのERPです。自社の業務プロセスに合わせた設計が可能で、カスタマイズ性が高く、多くの大企業で採用されています。 この方式はシステムを社内に構築するため、セキュリティを強化できるというメリットがありますが、初期費用が高額であることや、運用・管理に多大な手間を要する点がデメリットとなっています。 クラウド型ERP クラウド型ERPは、インターネットを介して利用できるため、専用の機器を準備する必要がありません。また、どこでも利用できるのでリモートワークやモバイル端末からのアクセスにも対応可能です。 クラウド型はオンプレミス型とは異なり初期費用が低く、導入から運用開始までの期間も短縮される点が大きな魅力です。さらに、業務拡大や運用ルールの変更に合わせてユーザー数や機能を容易に追加できる柔軟性も持ち合わせており、近年導入数が増加傾向にあります。 近年では、SaaS型のERPも増えてきています。SaaS型ERPは、クラウド上で提供されるERPで、初期費用を抑え、短期間で導入できるというメリットがあります。 4.ERPのメリットデメリット 4-1. ERPのメリット ERPのメリット①:データの一元管理 ERP導入のメリット1つ目はデータの一元管理が可能となるという事です。 これは、企業内のあらゆる情報を瞬時に一箇所に集められることを意味し、したがって経営分析や経営戦略の構築、経営のリアルタイムの見える化という点でも大きなパワーを秘めているといえるのです。 ERPのメリット②:システム連携による効率上昇 ERP導入のメリット2つ目はシステム同士のスムーズな連携によって業務効率が向上することです。 ERPでは、会計や販売、生産といった業務をまとめて管理できます。 ERPを導入すれば、それぞれの情報を個別に管理する煩雑さから解放され、効率よく業務を進められるようになるでしょう。 ERPのメリット③:データドリブン経営の実現 ERP導入のメリット3つ目は、経営上の意思決定を迅速に行えることです。 情報の一元管理によって、経営層は企業内の状況を素早く正確に把握できるようになります。 その結果、経営層は勘や経験ではなく、データに基づいて会社にとって最適な意思決定を迅速に下すことが可能となるのです。 ERPのメリット④:ベストプラクティスの有効活用 ERP導入のメリット4つ目は、ベストプラクティスを有効活用できるという点です。 ベストプラクティスとは、各業種において蓄積されたビジネスプロセスのノウハウのことです。 ERPパッケージが所有しているベストプラクティスを自社においても活用できるため、事業の効率的な成長が図れるでしょう。 ERPのメリット⑤:内部統制の強化 ERPは、内部統制の強化にも役立ちます。ERPによって業務プロセスが標準化され、データへのアクセス権限が適切に管理されることで、不正やミスを防止することができます。 4-2. ERPのデメリット ERPのデメリット①:選考の難易度が高い ERPのデメリット1つ目は、種類が多岐にわたるため、自社に合ったシステムを選ぶのが難しいことです。 目についたシステムを気軽に導入するのではなく、事前に検討を重ねることが重要です。 ERPのデメリット②:社内教育の徹底が必要 ERPのデメリット2つ目は、ERPを導入する前には社内教育を徹底的に行う必要がある点です。 ERPは業務効率を改善してくれるツールですが、社員が正しく使いこなさなければ意味がありません。 ERPを導入する前に、ERPが何の役に立つのか、どのように使うのかといったことを教育する必要があります。 そのためにはかなり粒度の細かい次元で活用シーンや利用ルールを検討する必要があり、情報を社員に対してしっかりと伝える必要があります。 ERPのデメリット③:導入コストが高い ERPの導入には、多額の費用がかかります。特に、オンプレミス型ERPの場合、サーバーやネットワーク機器などの費用に加えて、導入コンサルティング費用やカスタマイズ費用などがかかります。 5.自社に合ったERP選定の7つのポイント 「自社の業務にFitしたERPを導入したい」、「ERPの導入コストに見合う効果を得られるだろうか」 など、ERPを選ぶ際には様々な思いや不安があるのではないでしょうか。 業務プロセスの改善やコスト削減などのメリットがあるERPですが、数多く存在する製品の中から自社業務に最適なものを選ぶことは容易ではありません。 また経営課題や業務フロー、ERP導入にかけられる予算などは企業ごとに異なるため、100社あれば100通りのあり方でERPは構築されるものです。 そこで本コラムでは、自社業務に最適なERPを選ぶためのポイントとして以下をご説明します。 自社業務との適合性は高いか カスタマイズ性(柔軟性)は高いか ライセンスの提供方法は自社に合うか 現場の方が使いこなせるか 導入時や保守運用時などのサポートは充実しているか セキュリティレベルは高いか 導入実績は豊富か 上記の7つのポイントについて皆様に特に重要視していただきたいのは、自社業務との適合性についてしっかりと検討する点と、現場の仕様を想定して選定する事です。 ERP導入の際には多くの課題や解決策を検討することになりますが、市場の様々なERPはそれぞれ特徴を持っています。例えば原価に関しての機能が細かいとか、生産計画調整の機能が非常に豊かであるとかそういった特徴です。 さらに、製造業であれば組立製造業特化のものもあれば、すべての業種に対応している万能型のようなERPもあるなど分かりづらいながら特徴を持っています。 自社の中で解決したい事項がたくさん出てくる中で、Asis(現在)のやり方をそのまま焼き直すツールと言うよりも、Tobe(理想)のやり方をどう実現するのかをツール選定の際には重要にしていただけると成功に近づくと言えるのですが、そもそも自社の業務に合うツールを選ばなければ導入はともかく、活用にはかなり苦労することになります。 さらに、結局システムを使うのは現場になるため、現場の利便性が結局下がるような導入は避ける必要があります。 また、ERPの選択においては、拡張性も重要な要素です。将来的な事業拡大や業務の変化に対応できるよう、柔軟に拡張できるERPを選択しましょう。 上記を踏まえてERPを選ぶことで「自社業務にFitしなかった」や「業務効率化できず、逆にシステム導入コストがかかった」などの損失を回避できるでしょう。 6.ERP導入の流れ ERPを実際に導入する前に、ERP導入の基本的な流れを押さえておきましょう。 1つ目のプロセスは、ERPを導入する目的を明確にすることです。 ERPを導入することでどのような課題を解決したいのか、最初に明らかにしておきましょう。 それによって必要な機能が把握でき、導入するERPパッケージが選びやすくなります。 また、社員にERPの導入目的を説明するうえでも役に立ちます。 2つ目のプロセスは、プロジェクトの推進者を選定し、各部署の担当者と打ち合わせることです。 ERPに関するプロジェクトは社内の業務全般に関わるため、広い範囲をカバーできるように必ず2人以上の推進者を選ぶようにしてください。 推進者に適している人材としては、部署間をまたいで発言できる経営層に近い役職者が挙げられます。 推進者の次に、各部署でプロジェクトの責任を負う担当者を選び、打ち合わせを進めていきます。 3つ目のプロセスは、ERP導入に関わる業務プロセスなどについて棚卸ししておくことです。 今後ERPで管理することになる業務について、今はどのようなツールで管理しているのかを確かめておきましょう。 業務プロセスは各企業に固有のものなので、基本的には自社で棚卸しを進める必要があります。ERP導入前に、現状の業務プロセスを洗い出し、課題や問題点を明確化することが重要です。この洗い出し作業により、ERP導入の効果を最大化することができます。 4つ目のプロセスは、ERPでカバーできる範囲に合わせて新しい業務フローを構築することです。 棚卸しした業務内容を基に、ERPでどの範囲までをカバーするのかということを決めていきましょう。 5つ目のプロセスとして、ERPの試験運用を行います。 試験運用の段階では、従来のシステムと併用しながら、問題なくERPが運用できるかどうかを確認してください。 試験運用に問題がなければ、6つ目のプロセスとして、ERPの本格運用を始めます。社内全体に向けてマニュアルを作成し、状況に応じて機能を調整しながら運用を行います。 さらに、ERP導入後も、定期的なアップデートやメンテナンスが必要です。また、業務の変化に合わせて、ERPの設定変更やカスタマイズが必要になる場合もあります。 7.よくある質問 ・基幹システムは何年くらい使えますか? 一般的に基幹システムの寿命は15年程度といわれることが多いです。これは、IT技術の進歩に、徐々に老朽化するシステムが対応できなくなっていくことによって生じると考えられます。近年はIT技術の進歩は目覚ましいものがあり、それに追随する形で基幹システムの寿命は徐々に短くなるのではないかと言われています。 しかし、これはアドオンカスタマイズが多いシステムであればあるほど生じる問題であると言えます。たいていのパッケージERPはバージョンアップを繰り返すことでこの老朽化問題に対応しようとしていますが、アドオンカスタマイズが多ければ多いほどこのバージョンアップ費用が高くなるケースが多いです。これによりバージョンアップを行わないという判断を行う企業が多くなっています。 近年のトレンドを鑑みると、いかにパッケージに合わせて業務を標準化してシステム導入できるかで寿命を延ばすことは可能だと言えるでしょう。 ・基幹システムを入れ替えるべきタイミングは? 基幹システムの入れ替えタイミングとしては、まず現状を見た際に以下のような状況があれば入れ替えを検討すると良いと考えられます。 ・システムの老朽化 サポート終了:現在使用しているシステムのサポートが終了する場合。 パフォーマンス低下:システムが遅くなり、業務に支障をきたす場合。 メンテナンス頻度の増加:故障やトラブルが頻発し、メンテナンスコストが増加する場合。 ・ビジネスの拡大・変化 業務量の増加:事業拡大に伴い、現在のシステムが処理能力やスケーラビリティの限界に達した場合。 新しいビジネスモデル:新しいサービスや製品を展開するために、既存システムが対応できない場合。 多国籍展開:国際展開に伴い、複数言語や異なる税法・会計基準に対応する必要がある場合。 ・業務効率の低下 手作業の多さ:手作業や二重入力が多く、業務効率が低下している場合。 データ連携の問題:異なるシステム間でのデータ連携が難しく、情報の一元管理ができていない場合。 自動化の必要性:業務プロセスの自動化が求められる場合。 ・セキュリティ問題 セキュリティリスク:既存システムが最新のセキュリティ基準を満たしておらず、情報漏洩のリスクが高い場合。 法規制の変更:新しい法規制やコンプライアンス要件に対応するために、システムを更新する必要がある場合。 ・コストの削減 運用コストの増加:システムの運用・保守コストが高騰している場合。 クラウド移行:オンプレミスからクラウドへの移行によって、コスト削減を図る場合。 ・ユーザーの要望 使い勝手の向上:現行システムが使いにくく、ユーザーからの不満が多い場合。 モバイル対応:リモートワークやモバイルデバイスからのアクセスが増加し、既存システムが対応できない場合。 以上のどれかが該当する場合、入れ替えを検討することをおススメします。 ・ERPとCRMの違いは何ですか? ERPとCRMはそれぞれ企業の抱える情報を一元管理し、効率的な業務と成長を後押しするためのシステムを指しますが の目的と機能には明確な違いがあります。 ERPは前述の通り企業のリソース(資源)を一元管理し、業務プロセスを最適化するための統合システムであり 財務管理:予算編成、財務報告、会計管理など。 人事管理:給与計算、労務管理、採用管理など。 製造管理:生産計画、在庫管理、品質管理など。 物流管理:購買管理、在庫管理、サプライチェーン管理など。 販売管理:受注処理、出荷管理、請求管理など。 などの管理業務をまとめたシステムを指します。 一方でCRMというのは、顧客との関係を管理し、顧客満足度を向上させるためのシステムです。主な機能としては以下のようなものが挙げられます。 営業管理:リード管理、商談管理、営業予測、顧客情報など。 マーケティング管理:キャンペーン管理、メールマーケティング、リードジェネレーションなど。 顧客サービス:サポートチケット管理、FAQ、カスタマーサポートなど。 分析とレポート:顧客データ分析、営業パフォーマンス分析、マーケティングROI分析など。 このように、ERPが企業全体の統合管理を目的として、全社的な導入が一般的なのに対し、CRMは営業部門、マーケティング部門、カスタマーサポート部門など、顧客対応に直接関与する部門での導入が一般的であると言えます。 また、昨今では、ERPとCRMを統合して使用することでより高度なデータ分析を行おうという動きもあります。 8.まとめ いかがでしたでしょうか?今回は、ERPについて解説いたしました。ERPを導入することで、社内業務の棚卸しや新しい業務フローの構築、試験運用など徹底した準備が必要ですが、その結果、業務効率の向上や経営判断の迅速化といった多くのメリットが得ることができます。 ERP導入は、企業にとって大きな投資となります。そのため、導入前に十分な検討を行い、自社に最適なERPを選択することが重要です。 ERP導入を成功させるためには、適切なパートナー選びが大切です。パートナーの選定基準としては、ERP導入実績、業界知識、サポート体制などを考慮する必要があります。 船井総研では、製造業様向けに、最適なERP導入のコンサルティングをおこなっております。豊富な導入実績をもつ専門コンサルタントが、導入から運用まで一貫してサポートいたします。ご相談をご希望の方は、以下のバナーよりお問い合わせください。 基幹システム活用+在庫管理 解決策レポート ▼事例レポート無料ダウンロードお申し込みはこちら▼ 収益に着目したDXを行う手順と成功事例をご紹介します。 データの一元管理を通した改善ポイントの明確化 各種在庫の最適化と収益改善の仕組み 在庫管理を通した改善業務手順のご紹介 在庫管理を行い、収益改善を実現した事例のご紹介 https://www.funaisoken.co.jp/dl-contents/smart-factory_smart-factory_02627_S045

【生産管理システム導入の失敗例あるある】失敗しないためのコツ

2024.04.22

生産管理システムの導入に失敗したらどうしよう・・・ どうしたら失敗せずに生産管理システムを導入できるのだろうか、と言った不安は付き物です。 一般的には、組織のニーズと整合しないケースがあり、システムを活かしきれず無駄な時間とコストが発生することがあります。 また、ユーザーへの教育不足によりシステムの操作や活用が浸透されず導入効果を得られないことがあります。 本コラムでは、今まさに生産管理システムの導入を検討されている企業の方へ、生産管理システムの導入失敗例から 導入を失敗しないためのコツについてご紹介します。 1.生産管理システムの失敗例 3選 ①業務の効率化を目的に導入したが、逆に工数が増えてしまった よくあるケースとして、とりあえず生産管理システムを導入すれば業務の効率化が出来ると思って導入したが、自社の運用に合っていないシステムを選定してしまい、結果的に手間が増えてしまったと言う話を聞くことがあります。 その代表例として、 生産管理システムで生産計画がうまく立てられず、結局手作業での調整作業が増えてしまった 生産管理システムでは機能が賄えきれず、別で自作EXCELが増えてしまい運用が煩雑になった 結論として、合わない生産管理システムを選ぶと、想定していた機能が使えないことによる、本来しなくて良いはずの作業が生まれ、悪循環に陥る可能性も考えられます。 ②高いスペックのシステムを導入したが、一部の機能しか使えていない 全ての業務を網羅できる多くの機能を持った生産管理システムを導入すれば、何でも実現できると思い込み実は自社の運用には適応していないことが判明したと言うケースがあります。 その代表例として、 生産計画機能 在庫管理機能 品質管理機能 そして、システムを使って対応できる業務を整理した結果、結局は一部の限られた機能しか使えないという状態に陥ります。 その結果、以下のような負荷も生じてくることがあります。 その機能を補う別のシステムを構築する必要が生じる エクセルや紙帳票でのアナログな管理方法を残さざるを得なくなる つまり、高機能だから汎用性があるとは限らず、自社にとっての高機能であるとは限りません。 やはりシステム導入以前の運用整理が重要ということになります。 ③システムの操作が複雑で難しく、現場が使いこなせない 生産管理システムの操作がとても複雑で、システムに不慣れな特に現場担当者が使いこなすことが出来ず、結局は従来どおりのアナログな生産管理をしてしまうケースがあります。 その原因として実際、日常の業務が変化することで、下記の問題が起きることがあります。 一気にシステムで行う業務が増えることになり、操作手順を覚えられない。 メニューやボタンがたくさんあり、それぞれの使い方を覚えられない。 膨大な分厚い操作マニュアルを読む気になれない。読んでも文章での説明が多く、理解ができない。 パソコンで入力することが増えたが、そもそもパソコンに慣れていない高齢の方のストレスになった。 こういった問題の解決策のひとつに、「スモールスタート」をして徐々に慣れていくことで、新しく覚える作業も少なく、ストレス少なく浸透しやすいのが特徴です。 ここまで見てきたような失敗を起こさないためには「生産管理システムの導入を成功に導くコツ」があります。 続いて「生産管理システムの導入を成功に導くコツ」を解説します。 2.生産管理システムの導入を成功に導くコツ ①システム導入前に自社の問題点を把握する 生産管理システムの導入前に必ず、自社にどんな問題があり、どんな問題を解決したいのかのリストアップすることが重要です。 ただ、全ての問題に対応させようとすると、想定予算を大幅に上回る高額な費用が掛かる可能性があるため、必ず解決したい優先順位を決める必要があります。 ②自社の運用にマッチした生産管理システムを調査し選定する 生産管理システムの機能は多種多様なため、どの生産管理システムを使えば、自社の問題を解決できるのかをしっかりと調査する必要があります。 また、1社だけで決めることはせず、自社にとって最適な生産管理システムだと確信できるまで調査をすることが重要です。 ③最初の生産管理システム導入時にどの優先順位まで対応させるか決める はじめに、解決したい問題のリストアップをして優先順位付けを行ったものを一つ一つ見直していき、実際にどの優先順位までの問題を解決できるようにするのかを決める必要があります。 なぜなら、すべてを同時に解決することができないわけではありませんが、もし全ての問題を解決できる生産管理システムを導入しようとすると、導入時のイニシャルコストが非常に高額になってしまう場合が多いためです。 また、自社の問題をすべて解決できるようになると信じていても、実際に生産管理システムを使い始めてみると不都合な部分が間違いなく出てくるため、追加のカスタマイズが必要になり、二重にコストがかかる可能性があります。 ④ユーザー参加の促進と適切なトレーニングの実施 システム導入に伴うユーザーの不安や期待に耳を傾け、ユーザー参加型の導入プロセスを構築することで、ユーザーの理解を深め、意識を高めることができます。 また、導入後にはユーザーへの十分なトレーニングとサポートを行い、システムの適切な活用を支援することが重要です。ユーザーがシステムを活用するための環境を整えることが重要です。 ⑤システム整合性の確保と継続的な改善実施 生産管理システムを他の業務システムやデータベースと適切に連携し、統合性を確保することで、情報の一元管理や効率的なデータ分析が可能となります。 導入後もユーザーからのフィードバックを受け入れ、システムや業務プロセスを改善するための仕組みを確立し、継続的な改善を図ることが重要です。 今回、ここでご紹介した5つのコツは、生産管理システムの導入に失敗するリスクを軽減するために、必ず行ったほうが良いことです。 何事も事前準備が大事だというように、生産管理システムも導入前準備が非常に重要です。 3.まとめ 最も重要なことは「導入テストをしっかりと行う」ことです。 生産管理システムを正しく導入できれば、工数削減や生産効率アップができ、結果的に売り上げ増加や利益率アップに繋がるので、経営という観点でも切っても切り離せない部分です。 今回ご紹介した、失敗例と同じようなことにならないためにも、事前に準備をシッカリと行っていただき、現場の声を吸い上げられる導入テストを行える生産管理システムをお選びください。 また、弊社では様々なノウハウをもとに生産管理システムの導入ご支援が可能となっておりますので、ご興味のある方はぜひご相談いただければと思います。 このコラムが皆様の工場にお役に立てれば幸いです。 最後までお読みいただきありがとうございました。 ■関連するセミナーのご案内 「食品加工業の為の原価改善!」経営セミナー セミナー詳細・申込はこちらから↓↓↓ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/114264 従業員30~200名以下の食品加工業で生産管理&原価管理を徹底的に見直す為のシステム利用方法が分かる! ~社長の為の生産管理・原価管理システムで「見える化」する具体的な方法が分かります~ お申し込みはこちらから⇒ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/114264 【製造業 2024年基幹システム活用時流予測レポート ~今後の見通し・業界動向・トレンド~】 ▼事例レポート無料ダウンロードお申し込みはこちら▼ 国内製造業における現状とトレンド 現代の日本社会における国内製造業の特徴として、就業者数が下降傾向である一方、コロナに関係無く売上・利益ともに増加傾向を遂げていることとが挙げられます。また、2000年以降の本格的な海外展開により中堅中小企業も海外に進出していることから、今後の国内製造業において「グローバル経営」は必要不可欠となってくるでしょう。 しかし、現在の国内製造業の多くはグローバルビジネス展開に必要な真の経営ができていないことが推測できます。では、グローバルビジネス展開に必要な真の経営とはなんでしょう。企業がグローバル経営を進めるにあたって、国内外双方のデータの把握を徹底することは押さえておくべき要点となってきます。 国内製造業において高齢化・属人化・人手不足がネックとなる中、グローバル経営を進めるにはDX化による属人化・職人化の排除が不可欠です。基幹システム(ERP)の導入が有するメリットは大きく、その代表例として経営・現場データ可視化や海外拠点も含むデータ一元化などが挙げられます。国内製造業におけるDX化は利益向上につながると同時に、海外展開を進めるうえでも重要なカギとなってくるでしょう。 本レポートでは、国内製造業の現状と課題の解説に加え、DX化の現状や業務改善を伴うDX化成功のポイント、基幹システム導入の成功事例など、国内製造業を幅広く網羅しております。旧態依然とした企業経営から製造業における基幹システム(ERP)を構築・導入を試みたい、基幹システム(ERP)の活用成功事例を知りたい経営者様は是非お目通しください。 https://www.funaisoken.co.jp/dl-contents/jy-core-system_S045 生産管理システムの導入に失敗したらどうしよう・・・ どうしたら失敗せずに生産管理システムを導入できるのだろうか、と言った不安は付き物です。 一般的には、組織のニーズと整合しないケースがあり、システムを活かしきれず無駄な時間とコストが発生することがあります。 また、ユーザーへの教育不足によりシステムの操作や活用が浸透されず導入効果を得られないことがあります。 本コラムでは、今まさに生産管理システムの導入を検討されている企業の方へ、生産管理システムの導入失敗例から 導入を失敗しないためのコツについてご紹介します。 1.生産管理システムの失敗例 3選 ①業務の効率化を目的に導入したが、逆に工数が増えてしまった よくあるケースとして、とりあえず生産管理システムを導入すれば業務の効率化が出来ると思って導入したが、自社の運用に合っていないシステムを選定してしまい、結果的に手間が増えてしまったと言う話を聞くことがあります。 その代表例として、 生産管理システムで生産計画がうまく立てられず、結局手作業での調整作業が増えてしまった 生産管理システムでは機能が賄えきれず、別で自作EXCELが増えてしまい運用が煩雑になった 結論として、合わない生産管理システムを選ぶと、想定していた機能が使えないことによる、本来しなくて良いはずの作業が生まれ、悪循環に陥る可能性も考えられます。 ②高いスペックのシステムを導入したが、一部の機能しか使えていない 全ての業務を網羅できる多くの機能を持った生産管理システムを導入すれば、何でも実現できると思い込み実は自社の運用には適応していないことが判明したと言うケースがあります。 その代表例として、 生産計画機能 在庫管理機能 品質管理機能 そして、システムを使って対応できる業務を整理した結果、結局は一部の限られた機能しか使えないという状態に陥ります。 その結果、以下のような負荷も生じてくることがあります。 その機能を補う別のシステムを構築する必要が生じる エクセルや紙帳票でのアナログな管理方法を残さざるを得なくなる つまり、高機能だから汎用性があるとは限らず、自社にとっての高機能であるとは限りません。 やはりシステム導入以前の運用整理が重要ということになります。 ③システムの操作が複雑で難しく、現場が使いこなせない 生産管理システムの操作がとても複雑で、システムに不慣れな特に現場担当者が使いこなすことが出来ず、結局は従来どおりのアナログな生産管理をしてしまうケースがあります。 その原因として実際、日常の業務が変化することで、下記の問題が起きることがあります。 一気にシステムで行う業務が増えることになり、操作手順を覚えられない。 メニューやボタンがたくさんあり、それぞれの使い方を覚えられない。 膨大な分厚い操作マニュアルを読む気になれない。読んでも文章での説明が多く、理解ができない。 パソコンで入力することが増えたが、そもそもパソコンに慣れていない高齢の方のストレスになった。 こういった問題の解決策のひとつに、「スモールスタート」をして徐々に慣れていくことで、新しく覚える作業も少なく、ストレス少なく浸透しやすいのが特徴です。 ここまで見てきたような失敗を起こさないためには「生産管理システムの導入を成功に導くコツ」があります。 続いて「生産管理システムの導入を成功に導くコツ」を解説します。 2.生産管理システムの導入を成功に導くコツ ①システム導入前に自社の問題点を把握する 生産管理システムの導入前に必ず、自社にどんな問題があり、どんな問題を解決したいのかのリストアップすることが重要です。 ただ、全ての問題に対応させようとすると、想定予算を大幅に上回る高額な費用が掛かる可能性があるため、必ず解決したい優先順位を決める必要があります。 ②自社の運用にマッチした生産管理システムを調査し選定する 生産管理システムの機能は多種多様なため、どの生産管理システムを使えば、自社の問題を解決できるのかをしっかりと調査する必要があります。 また、1社だけで決めることはせず、自社にとって最適な生産管理システムだと確信できるまで調査をすることが重要です。 ③最初の生産管理システム導入時にどの優先順位まで対応させるか決める はじめに、解決したい問題のリストアップをして優先順位付けを行ったものを一つ一つ見直していき、実際にどの優先順位までの問題を解決できるようにするのかを決める必要があります。 なぜなら、すべてを同時に解決することができないわけではありませんが、もし全ての問題を解決できる生産管理システムを導入しようとすると、導入時のイニシャルコストが非常に高額になってしまう場合が多いためです。 また、自社の問題をすべて解決できるようになると信じていても、実際に生産管理システムを使い始めてみると不都合な部分が間違いなく出てくるため、追加のカスタマイズが必要になり、二重にコストがかかる可能性があります。 ④ユーザー参加の促進と適切なトレーニングの実施 システム導入に伴うユーザーの不安や期待に耳を傾け、ユーザー参加型の導入プロセスを構築することで、ユーザーの理解を深め、意識を高めることができます。 また、導入後にはユーザーへの十分なトレーニングとサポートを行い、システムの適切な活用を支援することが重要です。ユーザーがシステムを活用するための環境を整えることが重要です。 ⑤システム整合性の確保と継続的な改善実施 生産管理システムを他の業務システムやデータベースと適切に連携し、統合性を確保することで、情報の一元管理や効率的なデータ分析が可能となります。 導入後もユーザーからのフィードバックを受け入れ、システムや業務プロセスを改善するための仕組みを確立し、継続的な改善を図ることが重要です。 今回、ここでご紹介した5つのコツは、生産管理システムの導入に失敗するリスクを軽減するために、必ず行ったほうが良いことです。 何事も事前準備が大事だというように、生産管理システムも導入前準備が非常に重要です。 3.まとめ 最も重要なことは「導入テストをしっかりと行う」ことです。 生産管理システムを正しく導入できれば、工数削減や生産効率アップができ、結果的に売り上げ増加や利益率アップに繋がるので、経営という観点でも切っても切り離せない部分です。 今回ご紹介した、失敗例と同じようなことにならないためにも、事前に準備をシッカリと行っていただき、現場の声を吸い上げられる導入テストを行える生産管理システムをお選びください。 また、弊社では様々なノウハウをもとに生産管理システムの導入ご支援が可能となっておりますので、ご興味のある方はぜひご相談いただければと思います。 このコラムが皆様の工場にお役に立てれば幸いです。 最後までお読みいただきありがとうございました。 ■関連するセミナーのご案内 「食品加工業の為の原価改善!」経営セミナー セミナー詳細・申込はこちらから↓↓↓ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/114264 従業員30~200名以下の食品加工業で生産管理&原価管理を徹底的に見直す為のシステム利用方法が分かる! ~社長の為の生産管理・原価管理システムで「見える化」する具体的な方法が分かります~ お申し込みはこちらから⇒ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/114264 【製造業 2024年基幹システム活用時流予測レポート ~今後の見通し・業界動向・トレンド~】 ▼事例レポート無料ダウンロードお申し込みはこちら▼ 国内製造業における現状とトレンド 現代の日本社会における国内製造業の特徴として、就業者数が下降傾向である一方、コロナに関係無く売上・利益ともに増加傾向を遂げていることとが挙げられます。また、2000年以降の本格的な海外展開により中堅中小企業も海外に進出していることから、今後の国内製造業において「グローバル経営」は必要不可欠となってくるでしょう。 しかし、現在の国内製造業の多くはグローバルビジネス展開に必要な真の経営ができていないことが推測できます。では、グローバルビジネス展開に必要な真の経営とはなんでしょう。企業がグローバル経営を進めるにあたって、国内外双方のデータの把握を徹底することは押さえておくべき要点となってきます。 国内製造業において高齢化・属人化・人手不足がネックとなる中、グローバル経営を進めるにはDX化による属人化・職人化の排除が不可欠です。基幹システム(ERP)の導入が有するメリットは大きく、その代表例として経営・現場データ可視化や海外拠点も含むデータ一元化などが挙げられます。国内製造業におけるDX化は利益向上につながると同時に、海外展開を進めるうえでも重要なカギとなってくるでしょう。 本レポートでは、国内製造業の現状と課題の解説に加え、DX化の現状や業務改善を伴うDX化成功のポイント、基幹システム導入の成功事例など、国内製造業を幅広く網羅しております。旧態依然とした企業経営から製造業における基幹システム(ERP)を構築・導入を試みたい、基幹システム(ERP)の活用成功事例を知りたい経営者様は是非お目通しください。 https://www.funaisoken.co.jp/dl-contents/jy-core-system_S045

ERP(基幹システム)導入・刷新に際して知っておきたいパッケージの基本

2024.04.16

“ERP(基幹システム)導入・刷新に際して知っておきたいパッケージの基本”についてご紹介します。 ERP(基幹システム)の導入や刷新を考える上で、ERP(基幹システム)の成り立ちや特徴のような基本情報の獲得と、自社にはどんな形が合うのかといった検討は必須と言えます。 インターネットでERP(基幹システム)を検索すると様々な製品や開発会社がヒットすると思います。今回はERP(基幹システム)の基本情報と、分類を踏まえた上で自社に合うシステム検討をしていただければ幸いです。 1.ERP(基幹システム)とは ERPシステムは、基幹システムとも呼ばれ、組織の様々な業務プロセスを統合し、情報の流れを最適化するためのソフトウェアプラットフォームです。 このシステムは、財務管理、人事、製造、供給チェーン管理など、企業運営の核となる機能を一元化します。 広範囲のシステム導入となるため、比較的高額なIT投資となる一方で、活用できた際の効果が大きいことがポイントです。 ERPには主に以下の2つのタイプがあります。 ① パッケージ型(Commercial Off-The-Shelf, COTS)ERP: 既存のソフトウェア製品をベースにして、企業のニーズに合わせてカスタマイズする形式です。一般的には導入が迅速であり、多くの業界で利用されています。 ② スクラッチ型(Custom ERP)ERP: 企業独自の要件に合わせてカスタム開発されたERPシステムです。導入には時間とリソースがかかりますが、業務プロセスに完全に適合させることができます。 現在のトレンドはどうかと言えば、そもそも基幹業務のフロー(販売や会計など)というのはそこまで会社によって変わらないことからも、共通している業務はパッケージで標準化されているメニューを使った方が安く、早く導入が出来るということで、パッケージ型を選ぶ企業が多いようです。 2.ERPパッケージ導入で出来ることとそのメリット ERPパッケージ導入でできることとそのメリットは以下が挙げられます。 ①業務プロセスの統合と効率化 ERPパッケージは、部門をまたぐ情報の流通や業務の連携を容易にします。経営層はシステム活用を通した全体最適化を促進することが出来、もたらされる情報を用いて意思決定の精度向上を期待できます。 ②リアルタイムでの情報共有 ERPシステムでは情報を一元管理することでリアルタイムでのデータ共有を実現します。これによって、例えば月次業績資料作成のために、様々なシステムのデータをつなぎ合わせて資料を作成する必要はありません。主要なデータが一つのデータベースに格納されることによって、迅速な意思決定をサポートします。 ③業務プロセスの標準化 ERPパッケージを利用するコンセプトであれば、パッケージの仕様に合わせて業務プロセスやデータ形式を標準化する必要があります。(スクラッチ型ではこの限りではありません) なるべくカスタマイズ費用を抑えようと思うのであれば、システムに合わせて業務フローや業務ルールを変更する必要があります。 これにより、組織全体で一貫性のある業務を実現できます。 3.ERPパッケージ導入のデメリットとできないこと ERPパッケージ導入のデメリットとしては以下のことが挙げられます。 ①過度なカスタマイズのリスク ERPパッケージは標準的な機能を提供しますが、過度なカスタマイズはメリットを損なう可能性があります。システムに合わせるのではなく、業務に合わせてパッケージを利用しようとすると、間違いなくアドオン・カスタマイズの量は増える傾向にあり、すなわち高額のIT投資となりがちです。 ②導入コストと時間 ERPパッケージの導入には、コストや時間が他のシステムと比較してかかってしまう傾向があります。 対象範囲がどうしても広い為、単一業務に関するシステムと比べれば、導入には時間がかかり、また、費用もかさんでしまいます。 IT投資額には注意して導入していく必要があります。 4.ERPパッケージ選定のポイント ERPパッケージを選ぶ際には、企業のニーズに合った機能、拡張性、サポート体制などを考慮する必要があります。 ERPパッケージと一口に言っても、大企業向けで多機能が標準として搭載されているものや、中小企業向けの最低限の機能が搭載されているもの、特定の製造部門に特化しているものなど多種多様なラインナップが市場にリリースされています。 高いIT投資に見合う、ベストなパッケージ選定を行いたいのであれば、システム化したい範囲や、必要な機能は当然として、オンプレかクラウドかといった内容も踏まえて選定を進める必要があります。 基本的には提案依頼書を作成して、複数のパッケージから最も自社に合うパッケージを選択する手法がおすすめです。 5.おすすめのパッケージ紹介 今回は数あるERPパッケージの中から、MicrosoftのパッケージであるDynamics365 Business Centralをご紹介します。 Microsoftといえば、皆様も良く使われるであろうExcelやWordといったOfficeソフトが有名です。このDynamicsもそのMicrosoftの製品群の一つであり、2007年に発売されてからグローバルに130か国以上、約17,000社に導入されています。 PowerBI等のPowerプラットフォームとの親和性が高い点が特徴で、受注~生産計画(MPS)~MRP~生産~組立~検査~出荷~会計連携までをデジタル化できる統合ERPパッケージです。 Excelとの互換性も高く、近年日本国内でも着実に採用事例が増えてきています。 基本機能は豊富で、データ活用にも強く、既に様々な製造業界で導入されています。その割に比較的安価に導入できることも今回ご紹介した理由です。 もし、ご興味がおありでしたら是非弊社にお問い合わせください。 6.ERPパッケージ導入までのステップ ERPパッケージ導入に向けたステップは以下の通りです。 システム計画書策定 現状ヒアリング・課題抽出 RFP作成 ベンダー選定 要件定義、Fit&Gap 基本設計 詳細設計 各種テスト データ移行 並行稼働準備 移行テスト、承認 本導入 この通り、少なくないステップが存在します。前述したように、導入したいシステム像をある程度明確にしたうえで選定に向かいましょう。 その上で各プロセスの中でベンダーが主体でやる内容、自社が主体性を持たなくてはいけない内容をしっかり把握することが円滑にパッケージ導入するためには大切と言えるでしょう。 ERPシステムは、基幹システムとも呼ばれ、組織の様々な業務プロセスを統合し、情報の流れを最適化するためのソフトウェアプラットフォームです。 このシステムは、財務管理、人事、製造、供給チェーン管理など、企業運営の核となる機能を一元化します。 広範囲のシステム導入となるため、比較的高額なIT投資となる一方で、活用できた際の効果が大きいことがポイントです。 ERPシステムには様々なパッケージが存在し、船井総研ではERPの活用を通しての業績改善・業務改革PJを数多く担当しています。 自社に合ったERP導入方法にお迷いの際や、投資対効果に不安が強い、DX方針が定まらない、というようなご不安がおありでしたら、ぜひお声がけください。 ▼無料相談はこちら▼ https://lp.funaisoken.co.jp/mt/form01/inquiry-S045.html   ■関連するセミナーのご案内 ~ERP・基幹システム導入を通じて「”脱”Excel管理」「”脱”紙伝票管理」を実現し生産性アップ!~ ERP導入を通じて「“脱”Excel管理」「“脱”紙伝票」を実現!セットメーカーにおける生産性アップの最新事例を大公開! セミナー詳細・申込はこちらから https://www.funaisoken.co.jp/seminar/112911 ■開催日程 全てオンライン開催となります 以下の日程よりご都合の良い日程をお選び下さい ※内容は全て一緒です 2024/05/14 (火) 13:00~15:00 2024/05/17 (金) 13:00~15:00 2024/05/21 (火) 13:00~15:00 【事例講座】ERP導入を通じて「“脱”Excel管理」「“脱”紙伝票」を実現!樹脂成型加工業における生産性アップの最新事例を大公開! 【特別ゲスト講師】 泉商事株式会社 代表取締役 坂井良行 氏 散在するExcel・紙伝票管理から脱却し高生産性を実現! 脱属人化を推進!「熟練者頼みの伝票作成業務」の自動化を実現! 部品構成、工程の見える化の実現! ERP導入をきっかけに工程管理・生産管理等のムダを大幅に削減! バラバラなシステムを一元管理することで二重三重業務を排除! 製造進捗をリアルタイム把握。お客様への納期回答もスムーズに! お申し込みはこちらから⇒ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/112911   基幹システム導入+業務改革事例レポート ▼事例レポート無料ダウンロードお申し込みはこちら▼ レポートの内容 基幹システム導入・活用のポイントを丸ッとご紹介します! システム導入のポイント プロジェクト推進のポイント 導入、活用による効果事例紹介   「こうなりたい!」と思っている経営者様におすすめ 旧システムを刷新し、業務改革を実行したい経営者様 数々の業務効率化を図り、費用対効果の高いシステム導入を行いたい経営者様 紙だらけの業務をデジタル化したいと思っている経営者様 経験と勘に頼らないデータドリブン経営を実践したいと思っている経営者様 スモールスタートからDXを始めたいと思っている経営者様 https://www.funaisoken.co.jp/dl-contents/smart-factory_smart-factory_02221_S045 “ERP(基幹システム)導入・刷新に際して知っておきたいパッケージの基本”についてご紹介します。 ERP(基幹システム)の導入や刷新を考える上で、ERP(基幹システム)の成り立ちや特徴のような基本情報の獲得と、自社にはどんな形が合うのかといった検討は必須と言えます。 インターネットでERP(基幹システム)を検索すると様々な製品や開発会社がヒットすると思います。今回はERP(基幹システム)の基本情報と、分類を踏まえた上で自社に合うシステム検討をしていただければ幸いです。 1.ERP(基幹システム)とは ERPシステムは、基幹システムとも呼ばれ、組織の様々な業務プロセスを統合し、情報の流れを最適化するためのソフトウェアプラットフォームです。 このシステムは、財務管理、人事、製造、供給チェーン管理など、企業運営の核となる機能を一元化します。 広範囲のシステム導入となるため、比較的高額なIT投資となる一方で、活用できた際の効果が大きいことがポイントです。 ERPには主に以下の2つのタイプがあります。 ① パッケージ型(Commercial Off-The-Shelf, COTS)ERP: 既存のソフトウェア製品をベースにして、企業のニーズに合わせてカスタマイズする形式です。一般的には導入が迅速であり、多くの業界で利用されています。 ② スクラッチ型(Custom ERP)ERP: 企業独自の要件に合わせてカスタム開発されたERPシステムです。導入には時間とリソースがかかりますが、業務プロセスに完全に適合させることができます。 現在のトレンドはどうかと言えば、そもそも基幹業務のフロー(販売や会計など)というのはそこまで会社によって変わらないことからも、共通している業務はパッケージで標準化されているメニューを使った方が安く、早く導入が出来るということで、パッケージ型を選ぶ企業が多いようです。 2.ERPパッケージ導入で出来ることとそのメリット ERPパッケージ導入でできることとそのメリットは以下が挙げられます。 ①業務プロセスの統合と効率化 ERPパッケージは、部門をまたぐ情報の流通や業務の連携を容易にします。経営層はシステム活用を通した全体最適化を促進することが出来、もたらされる情報を用いて意思決定の精度向上を期待できます。 ②リアルタイムでの情報共有 ERPシステムでは情報を一元管理することでリアルタイムでのデータ共有を実現します。これによって、例えば月次業績資料作成のために、様々なシステムのデータをつなぎ合わせて資料を作成する必要はありません。主要なデータが一つのデータベースに格納されることによって、迅速な意思決定をサポートします。 ③業務プロセスの標準化 ERPパッケージを利用するコンセプトであれば、パッケージの仕様に合わせて業務プロセスやデータ形式を標準化する必要があります。(スクラッチ型ではこの限りではありません) なるべくカスタマイズ費用を抑えようと思うのであれば、システムに合わせて業務フローや業務ルールを変更する必要があります。 これにより、組織全体で一貫性のある業務を実現できます。 3.ERPパッケージ導入のデメリットとできないこと ERPパッケージ導入のデメリットとしては以下のことが挙げられます。 ①過度なカスタマイズのリスク ERPパッケージは標準的な機能を提供しますが、過度なカスタマイズはメリットを損なう可能性があります。システムに合わせるのではなく、業務に合わせてパッケージを利用しようとすると、間違いなくアドオン・カスタマイズの量は増える傾向にあり、すなわち高額のIT投資となりがちです。 ②導入コストと時間 ERPパッケージの導入には、コストや時間が他のシステムと比較してかかってしまう傾向があります。 対象範囲がどうしても広い為、単一業務に関するシステムと比べれば、導入には時間がかかり、また、費用もかさんでしまいます。 IT投資額には注意して導入していく必要があります。 4.ERPパッケージ選定のポイント ERPパッケージを選ぶ際には、企業のニーズに合った機能、拡張性、サポート体制などを考慮する必要があります。 ERPパッケージと一口に言っても、大企業向けで多機能が標準として搭載されているものや、中小企業向けの最低限の機能が搭載されているもの、特定の製造部門に特化しているものなど多種多様なラインナップが市場にリリースされています。 高いIT投資に見合う、ベストなパッケージ選定を行いたいのであれば、システム化したい範囲や、必要な機能は当然として、オンプレかクラウドかといった内容も踏まえて選定を進める必要があります。 基本的には提案依頼書を作成して、複数のパッケージから最も自社に合うパッケージを選択する手法がおすすめです。 5.おすすめのパッケージ紹介 今回は数あるERPパッケージの中から、MicrosoftのパッケージであるDynamics365 Business Centralをご紹介します。 Microsoftといえば、皆様も良く使われるであろうExcelやWordといったOfficeソフトが有名です。このDynamicsもそのMicrosoftの製品群の一つであり、2007年に発売されてからグローバルに130か国以上、約17,000社に導入されています。 PowerBI等のPowerプラットフォームとの親和性が高い点が特徴で、受注~生産計画(MPS)~MRP~生産~組立~検査~出荷~会計連携までをデジタル化できる統合ERPパッケージです。 Excelとの互換性も高く、近年日本国内でも着実に採用事例が増えてきています。 基本機能は豊富で、データ活用にも強く、既に様々な製造業界で導入されています。その割に比較的安価に導入できることも今回ご紹介した理由です。 もし、ご興味がおありでしたら是非弊社にお問い合わせください。 6.ERPパッケージ導入までのステップ ERPパッケージ導入に向けたステップは以下の通りです。 システム計画書策定 現状ヒアリング・課題抽出 RFP作成 ベンダー選定 要件定義、Fit&Gap 基本設計 詳細設計 各種テスト データ移行 並行稼働準備 移行テスト、承認 本導入 この通り、少なくないステップが存在します。前述したように、導入したいシステム像をある程度明確にしたうえで選定に向かいましょう。 その上で各プロセスの中でベンダーが主体でやる内容、自社が主体性を持たなくてはいけない内容をしっかり把握することが円滑にパッケージ導入するためには大切と言えるでしょう。 ERPシステムは、基幹システムとも呼ばれ、組織の様々な業務プロセスを統合し、情報の流れを最適化するためのソフトウェアプラットフォームです。 このシステムは、財務管理、人事、製造、供給チェーン管理など、企業運営の核となる機能を一元化します。 広範囲のシステム導入となるため、比較的高額なIT投資となる一方で、活用できた際の効果が大きいことがポイントです。 ERPシステムには様々なパッケージが存在し、船井総研ではERPの活用を通しての業績改善・業務改革PJを数多く担当しています。 自社に合ったERP導入方法にお迷いの際や、投資対効果に不安が強い、DX方針が定まらない、というようなご不安がおありでしたら、ぜひお声がけください。 ▼無料相談はこちら▼ https://lp.funaisoken.co.jp/mt/form01/inquiry-S045.html   ■関連するセミナーのご案内 ~ERP・基幹システム導入を通じて「”脱”Excel管理」「”脱”紙伝票管理」を実現し生産性アップ!~ ERP導入を通じて「“脱”Excel管理」「“脱”紙伝票」を実現!セットメーカーにおける生産性アップの最新事例を大公開! セミナー詳細・申込はこちらから https://www.funaisoken.co.jp/seminar/112911 ■開催日程 全てオンライン開催となります 以下の日程よりご都合の良い日程をお選び下さい ※内容は全て一緒です 2024/05/14 (火) 13:00~15:00 2024/05/17 (金) 13:00~15:00 2024/05/21 (火) 13:00~15:00 【事例講座】ERP導入を通じて「“脱”Excel管理」「“脱”紙伝票」を実現!樹脂成型加工業における生産性アップの最新事例を大公開! 【特別ゲスト講師】 泉商事株式会社 代表取締役 坂井良行 氏 散在するExcel・紙伝票管理から脱却し高生産性を実現! 脱属人化を推進!「熟練者頼みの伝票作成業務」の自動化を実現! 部品構成、工程の見える化の実現! ERP導入をきっかけに工程管理・生産管理等のムダを大幅に削減! バラバラなシステムを一元管理することで二重三重業務を排除! 製造進捗をリアルタイム把握。お客様への納期回答もスムーズに! お申し込みはこちらから⇒ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/112911   基幹システム導入+業務改革事例レポート ▼事例レポート無料ダウンロードお申し込みはこちら▼ レポートの内容 基幹システム導入・活用のポイントを丸ッとご紹介します! システム導入のポイント プロジェクト推進のポイント 導入、活用による効果事例紹介   「こうなりたい!」と思っている経営者様におすすめ 旧システムを刷新し、業務改革を実行したい経営者様 数々の業務効率化を図り、費用対効果の高いシステム導入を行いたい経営者様 紙だらけの業務をデジタル化したいと思っている経営者様 経験と勘に頼らないデータドリブン経営を実践したいと思っている経営者様 スモールスタートからDXを始めたいと思っている経営者様 https://www.funaisoken.co.jp/dl-contents/smart-factory_smart-factory_02221_S045