記事公開日:2023.03.17
最終更新日:2023.03.17
製造業の在庫管理、棚卸工数を減らすポイント
いつも当コラムをご愛読いただきありがとうございます。
私が見てきた数々の現場では、毎月棚卸をされている現状がまだまだございました。
そこで今回は、棚卸作業を減らすためのポイントについてお伝えいたします!
1.棚卸にまつわる課題
- システムを導入しているのにExcel管理だらけ・・・
- システム導入されているにも関わらず在庫数が信用できない・・・
- 棚卸をしないと発注数がわからないため、毎月やらざるを得ない状況・・・
- 棚卸に時間がかかるために月次決算にも時間がかかる・・・
貴社の状況に当てはめてみてください。
思い当たる項目があるのではないでしょうか。
例えば、従業員数90名の部品加工業G社は、システムが導入されているにも関わらず、在庫管理ができていませんでした。
システムで在庫管理ができていないがために、毎月棚卸を行うことによって、在庫数を把握せざるを得ませんでした。
棚卸の作業時間により、生産に関わる作業が止まってしまい生産性に影響がでるうえ、月次決算にも時間がかかってしまっています。
なぜ在庫管理が出来ていないでしょうか。その原因は何でしょうか。
2.在庫管理ができていない原因とは
システムの導入・未導入にかかわらず、在庫管理できていない理由は大きく以下の7つ分類されます。
①マスター化されていない品目が存在する
②マスター化されていても中途半端な品目(BOMの数量など)が存在する
③マスター登録ルール(範囲)が不明確
④不良発生時の処理が不明確
⑤スクラップの処理が不明確
⑥端材の処理が不明確
⑦入出庫の受け払いが正しく登録されていない
など、ルールがきちんと整備されていないことが分かります。
G社の例ですと、既存のシステム導入時は、システムを入れることが目的になってしまったことや、担当者任せで進めていたために、システムの活用・運用・ルールにまで踏み込むことができていなかったことが関係しています。
3.プロジェクト化
G社社長は、過去の失敗を糧に、メンバーを選定、現場を巻き込み、「現場改善プロジェクト」として、社内プロジェクトを立ち上げました。
プロジェクトでは、メンバーへの目的・目標の共有に始まり、対象業務、対象範囲、対象工程など、スコープを決定することからスタートしました。
明確に目的・範囲を決めることにより、マスター化の範囲も自ずと決まり、メンバーの判断もブレることなく、進めることができるようになりました。
4.まとめ
システムを導入している場合、勘違いされがちなことが、「システムは手段であって、目的ではないということです。」
システムが全て行ってくれるわけではありません。
システムが手段であることが分かると、システムでできない部分はどうするか、考えると思います。
棚卸作業を減らすには、「いかに理論在庫を信用できる値とするか」です。
先の原因を分析し、ルールを見直すことで、
信用できる理論在庫を導き出すことは可能だと思います。
関係メンバー全員で業務を改革、ルールを制定、運用を検討していくことが大切です。
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