記事公開日:2021.11.04
最終更新日:2023.11.01
中小・零細製造業のデジタル化【基幹システム導入_システム導入プロジェクト後編】
1.はじめに
本コラムでは、社内の情報システムの専門家、いわゆる情シス部隊が存在しない企業様において、新たに基幹システム(生産管理、工程管理、会計管理、購買管理といった複数の機能群を有し、一つのデータベースで統合したシステム、ERP(Enterprise Resources Planning)ともいう)を導入する場合の検討から導入、活用までの流れについて、数回のシリーズに分けてお届けさせていただきます。
自社のIT関連の情報を全て把握している人が存在しない場合、新たにシステム導入をするにあたってどのようにハンドリングしてよいかがわからず、ベンダーにまかせっきりになってしまい、導入後も、システムの全体像を把握できず、活用できない場合があります。
そのような状態では、導入したシステムを活用した業務改善を進めることもできず、事業を発展させる機会を逸することになります。
そこで、導入を考え始めたときからどのような手順で進めれば導入後もシステムを活用できる環境を作ることが出来るかについて提案させていただいているのが本コラムシリーズです。
是非、バックナンバーも参考にしていただければ幸いです。
第6回(最終回)は、、第5回に引き続き、システム導入プロジェクトを進める上での現場への定着についてポイントを解説いたします。
2.前回までの振り返りと本コラム内容について
前回までのコラムでは、検討開始の初動から仕様検討をし、システムベンダーを決める際の検討ポイント、現場に受け入れてもらうためのシステム導入プロジェクトのポイントについて解説をしました。
会社全体が新しいシステム導入の理解を示したら、最後はそのシステムを如何にして現場に定着し、効果を発揮していくかを考えます。本コラムでは、新システムの定着と活用について解説いたします。
3.新システムの定着・活用
新しいシステム導入が会社全体に周知され、その重要性を理解してもらうことが出来ました。
今後は、現場を巻き込みながら、新システムを業務フローに組み込んで、日常業務に定着させる作業を進めていきます。
さらに、システムを活用することで、業務の改善に取り組んでいきます。
そのためのポイントとは、(1)システムに合せた現行業務の改善・定着、(2)現場のシステム機能の理解です。各項目について、解説させていただきます。
- (1)システムに合せた現行業務の改善・定着について解説します。
-
ベンダーを検討する段階で新システム導入を念頭に置いた、業務改善・業務内容の変更については、検討をしていましたが、この段階になると、より具体性を持った検討をすることが重要になります。
今までの検討では、主要業務に漏れがないかを確認していた段階でした。次は、イレギュラーな処置などを含めて、より詳細に検討をしていくことになります。この時の考え方のポイントとしては、その業務の意味・得たい成果をきちんと理解し、既存の業務内容、やり方にとらわれず、システムを活用することで、どうやって効率的に業務の成果を得ることが出来るかを考えることが大切です。
既存業務にこだわるあまり、全ての業務を新システムに移行できずに、2つのシステムを使い続けることになることも良くあることです。
また、こうなってしまうと定着も困難です。関係者で知恵を絞って改善を進める必要があります。
- (2) 現場のシステム機能の理解について解説します。
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人の得手不得手があるので、現場全員が同じレベルの知識を持つことは現実的ではありませんが、最低限のレベルは全員が理解しておくことが重要です。
理由としては、システムを活用した改善を進めるために、職場全体の知恵を必要とするためです。
システムに詳しい人と業務内容に詳しい人が同一人物とは限らないため、相互にフォローをしながらでないと、良い業務改善を行うことは出来ません。
4.おわりに
以上、新システムを現場に定着させて、更に現場でシステムを活用して業務改善を進めるポイントについて解説をさせていただきました。
中小・零細製造業のデジタル化【基幹システム導入_システム導入プロジェクト後編】の解説は以上です。最後までお読みいただきありがとうございました。
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