記事公開日:2022.03.17
最終更新日:2023.01.20

ファクトリービジネス研究会 スマートファクトリー経営部会 開催レポート

1.第一講座

第1講座は「見積もり業務のAI化を通じて“社長の働き方改革”を実現!」
というテーマで、S株式会社様(以下:S社様)の代表取締役社長S様をゲスト講師にお迎えし、ご講演いただきました。

S社様では2DCADデータを用いた見積もりAIシステムを導入し、属人的な見積もり業務の「標準化・脱属人化・技術継承」を推進しています。

ご紹介いただいた事例のポイントは、“社長自ら”従事していた見積もり業務”にAIシステムを導入した点です。

AIシステムの導入前には、大きく3つの課題がありました。

【課題①】
新規の見積もり作成の際に、「新規の見積もり作成の参考情報」として使用する「過去の類似図面データ」を探す業務の工数過多と属人化
【課題②】
過去の図面データが担当者ごとバラバラに管理されていた
【課題③】
過去の類似図面データを検索した後に実行する積算業務についても、「積算書のフォーマット」が担当者ごとにバラバラとなっており、担当者により積算・見積もりの精度に差が出ていた

上記3つの課題を解決するために、
S社様では「過去の類似図面データ」を素早く検索し、
特定できるAIシステムを導入、

AIシステムの導入と併せて、
積算書のフォーマットも「統一のフォーマット」に揃えることで、
以下のような効果が得られました。

【効果①】
ベテランの勘や経験に依存していた過去の類似図面データの検索スピードアップを実現!
【効果②】
個別の担当者ごとにバラバラに管理していた過去の図面データを統一管理!
【効果③】
積算書のフォーマット統一により、新たに作成する見積もりの精度アップ!

上記のような改善を進めたことで、
社長自らが従事していた見積もり業務の工数が大幅に短縮。
加えて、社長やベテラン担当者以外にも、
比較的経験の浅い担当者が
見積もり業務を行うことが可能に。

結果として、属人的な見積もり業務の
「標準化・脱属人化・技術継承」を
推進することに成功しています。

2.第二講座

第2講座は「多品種シンク用パネル生産工程のロボット活用と自動化」
というテーマでA(株)の代表取締役社長I様をゲスト講師にお迎えして講話を頂きました。
A社では多品種な複数部品の組み合わせによるパネル生産の自動化形状も材質も違う複数材料を一つのロボットでハンドリング、更に部品形状に合わせた接着材を塗工し自動で貼り付けするシステムを導入しました。
従来では特定の人員が手作業で行っていたパネルの組立作業の自動化に成功し、多品種かつ部品点数多い・更に接着材の塗布と正確な位置への部品貼り付け等、様々な難題をクリアして構築したシステムとなっています。
制御システムはロボット技術が未習熟者でも自力で品種追加可能な制御システムを採用し、ロボットプログラムの難しい知識が無くても扱えるシステムを採用しました。
ロボットへの各ポジションの教示は、タッチパネルへ各位置の座標を入力するだけでロボットが自動で動く様に制御設計し、これにより、部品の取り出しや貼り付け位置・接着剤の塗工パターン等の複雑なロボットへの教示が不要となり、ロボット操作知識が全くない人でも品種追加や微調整作業を可能としました。
成功のポイントは以下です。
①自動化を成功させる為には、しっかりとした現状分析
②自動化の課題に対して解決策を模索しテストで評価
③汎用品で出来ないなら専用品開発
④ロボット未習熟でも操作できる制御の工夫
⑤少しでも投資額を抑える工夫

 
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ファクトリービジネス研究会 スマートファクトリー経営部会は多品種少量生産型の製造業を営む企業様を対象とした、ものづくりの生産性向上に関する経営研究会です。
国内製造業における人手不足、特に熟練者不足が今後もより進んでいく中、多品種少量生産型の製造業が工場の人手不足を解消し、生産性向上を実現するためのAI化・ロボット化等について、実際の導入・活用事例をもとに研究していきます。
AIを活用した自動化装置や産業用ロボットシステム、その他省力化装置等の研究に加えて、それらを活用した工程改善や人員配置改善、効率化等の人的仕組みの研究までを網羅する研究会です。
最新事例の研究や最先端の工場視察等を通じて、ご参加いただく企業様にとって最適な「スマートファクトリー化」の形を追求していきます。

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