記事公開日:2022.05.09
最終更新日:2023.01.20

原油価格高騰・円安進行 値上げ交渉の為の「個別原価管理DX化」

1.原油価格高騰・円安が経営に及ぼす影響

ロシアによるウクライナ侵略などの影響により世界経済も不確実性が高まり、原油等の国際価格は変動しつつ、高い水準で推移しています。また、長引く円安によって、原材料価格が上がり、中堅・中小製造業では、利益を確保する為に得意先に価格転嫁するか、原価改善をせざるを得ない状況にあります。
東京商工会議所の「円安が経営に及ぼす影響に関するアンケート調査結果」によると、8割強の中小企業が円安進行によるマイナス影響を受けているとし「仕入価格、原材料価格の上昇」や「コスト上昇分を売価に転嫁できない」等の回答が多く「採算も悪化した」の回答も4割を占めています。
その中で多くの中堅・中小製造業の経営者は、得意先に値上げ交渉をするものの、「成立しない」もしくは「交渉できる状況にない」「それ以上価格が上がるのであれば別の会社に依頼する・・」など得意先からの厳しい回答を受け価格転嫁できない事が現実です。

2.値上げ交渉の成功率を上げる方法

値上げ交渉の成功率を上げる1つの方法として「根拠」を明確に提示する事です。得意先の担当者に単純な値上げ要請したとしても、その担当者が「協力会社から〇〇円値上げの交渉がありました」と単に値上交渉の事実を上長もしくは役員に報告する事になり、これでは却下される確率が高くなります。値上げ交渉時に材料価格の推移をデータ化した上で折れ線グラフ等を使って値上げの根拠を明確化し提示する事で、得意先担当者が上長や役員に示しやすくなり値上げ交渉に有効と考えられます。
昨今、経済産業省が発注企業に、下請法の順守を強く求め、監視を強化する方針を示していることから、「根拠」のある値上げの協議には、一定応じるものと考えられます。

3.原価の「見える化」

また、経営者は、値上げ交渉がうまくいかない事を想定して、原価改善をする事も視野に入れなければなりません。原価改善をするといっても闇雲に改善活動を進めても効果に繋がりません。先ずは、原価を「見える化」する必要があります。
例えば、機械加工製造業であれば、旋盤、マシニング、切断、洗浄、検査等の工程毎の段取り時間及び作業時間の工数を「見える化」して、実際に該当する製品を製造するのに、どれくらいの工数が掛かり、労務費や経費を掛け合わせた場合、原価がいくら掛かるのかを計算する仕組みの構築が必要不可欠になります。これによりどの工程のどの作業がボトルネックになっているのか明確になります。また、外注加工がある場合には外注原価を把握する仕組みを構築することで、製品毎に粗利がどれくらい出ているのかが把握できるようになります。これを得意先という分類で把握する事で、得意先毎の製品がそれぞれどれくらい儲かっているのかを把握する事ができます。
原価を「見える化」する仕組みの構築を短期間で実現する為には、生産管理・原価管理の機能が実装されている製造業専用のパッケージシステムの導入をお勧めします。

また、原価を「見える化」する事で経営としてデジタルデータで得意先毎、個別製品毎に利益がでているか把握できる事だけでなく、現場による原価改善のアクションに繋がりやすくなります。
旋盤、マシニング、切断、洗浄、検査の工程の工数を把握する事によって、誰がどの工程に時間が掛かりすぎているのか、どの工程の段取り時間を改善しなくてはならないのか、場合によっては、工程や機械の入れ替えを判断する材料になります。また、原価を細分化してデジタル化する事により、得意先への価格交渉の際に根拠データを提示する事も可能になるだけでなく、競争力のある見積金額を提示する事も可能になり、結果売上や利益に繋がってくる事が期待されます。

 
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株式会社船井総合研究所 ディレクター 西山 直生

 
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株式会社船井総合研究所 ディレクター 西山 直生

 
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目次
1、【最新事例サマリー】 根本原因を把握して業務改革!!
2、ポイント1:社長からのお題~調査分析
3、ポイント2:調査結果~根本原因理解
4、ポイント③:システム導入を前提とはしない

レポートの内容

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