記事公開日:2022.05.06
最終更新日:2023.01.20

中小製造業こそ取り組むべき!個別原価管理のススメ

1.はじめに

原材料費の高騰や顧客からの値下げ交渉などを受け、「利益確保」に頭を抱えている中小製造業の経営者の方々は多くいらっしゃるかと思います。
「利益=売上-原価」であるため、利益を確保するためには売上を伸ばすか原価を下げるかしかありません。
売上を伸ばすためには1製品当たりの単価を上げる・売上製品数を増やすなどが必要ですが、これらは完全には自社でコントロールできない問題でもあります。
以上を踏まえると、利益確保への一番の近道は自社でコントロールできる原価を低減させること、つまり「原価管理」だといえます。
今回のコラムでは、中小製造業が取り組むべき原価管理・個別原価管理についてご紹介させていただきます。

2.中小製造業の原価管理のよくある課題

中小製造業において、原価管理というと下記のような課題が挙げられるかと思います。

①1件ごとの取引で儲けが出ているかどうかがわからない
原価差異が明確に認識できておらず、どんぶり勘定になってしまっている状態です。売価に関しては何年間も同じ価格で販売していたり、営業担当者が自身の感覚で値下げ交渉に対応しているケースが該当します。また、「長い付き合いだから…」という理由で仕入先や外注先を固定している、という場合も1件ごとの取引で儲けが出ているかどうかがわからなくなる原因の1つと言えるでしょう。
②原価改定が定期的に実施できていない
①の課題と同様にどんぶり勘定になってしまっている状態です。どんぶり勘定の状態でも利益が出ている、という場合にこのようなケースに陥ることが多いです。考えてみれば当たり前かもしれませんが、部品単価や加工単価が何年間にもわたって一律ということはほとんどあり得ません。例えば、十何年前に決めた仕入単価・加工単価を見直さずそのまま使い続けている、という製造業の企業様は非常に多いのではないでしょうか。
③各工程の加工時間・段取り時間などの原価計算ができていない
受注した分のオーダーを製造することに精いっぱいになってしまっている状態です。特に多品種少量生産でロットサイズが小さい中小製造業の企業でこのような状態になることが多いかと思います。各工程の加工時間はいうまでもありませんが、段取り時間はロットサイズが小さくなるとその分原価に対する影響度が大きくなります。製造に手いっぱいになってしまい実績時間が取得できていないと原価管理・原価改善にはつながりません。

以上のような課題がある中小製造業の企業が取り組むべき原価管理を3点ご紹介いたします。

3.中小製造業が取り組むべき3つの原価管理

①工程別原価管理
加工の工程別に原価管理ができている状態です。工程別に原価管理ができるようになると、改善が必要な工程が見える化されます。設定した売価に対して、利益を確保するためにかけることができる工数(標準工数)と実際にかかった工数(実績工数)を比較して、標準より工数がかかってしまっている工程で改善活動を行います。工程別に原価管理ができるようにするためには、加工実績・出来高を正確に取得すること・過去実績などを踏まえて適切な標準工数を設定することが必要です。
②製品別原価管理
製品別に原価管理・儲けが見えている状態です。製品別に原価管理ができるようになると、注力するべき・販売量を増やしたほうが良い製品が判断できるようになります。一方で儲けが出ていないという製品に関しては、材料費が高すぎるのか・加工に時間がかかりすぎているのか、あるいは売価の設定に問題があるのかなど、儲けが出ない原因をドリルダウンして考えていくことができます。このように製品別で原価管理を進めていくためには、①の工程別原価管理を徹底することや、部品表(BOM)を整理してその製品に必要となる材料を明確化することが必要です。
③得意先別原価管理
得意先別に原価管理・儲けが見えている状態です。得意先別に原価管理ができるようになれば、注力するべき得意先が判断できるようになります。また、得意先によって社内の担当者が決まっている場合には、担当の得意先との取引で利益が出ているのかいないのかという観点で社内の打ち合わせ・今後の取り組みを検討することも可能になります。①・②で述べてきた、工程別・製品別の原価管理ができるようになることで、最終的に得意先の原価管理も可能になります。

上記のような原価管理が実現できれば、自力での「利益確保」が現実的になっていきます。実際にどのように原価管理を実現していけばいいのか、という点につきましては弊社で開催しているセミナーもご参考にしていただければと思います。

 
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  • 製品毎の原価、取引先毎の原価、工程毎の原価を把握し切れていない社長様
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株式会社船井総合研究所 ディレクター 西山 直生

 
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  • 従業員数120名!鋳造・機械加工会社が属人化した業務を排除し、「個別原価」「製造進捗」見える化の取り組み事例

株式会社船井総合研究所 ディレクター 西山 直生

 
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全てオンライン開催となります

2022/06/22 (水) 13:00~15:00

2022/06/24 (金) 13:00~15:00

2022/06/29 (水) 13:00~15:00

2022/07/01 (金) 13:00~15:00

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目次
1、【最新事例サマリー】 根本原因を把握して業務改革!!
2、ポイント1:社長からのお題~調査分析
3、ポイント2:調査結果~根本原因理解
4、ポイント③:システム導入を前提とはしない

レポートの内容

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