塗装を自動化!!多品種少量生産の塗装ロボット活用方法!!

1.自動化が進んでいない中小製造業の塗装工程
製造業においては、さまざまな場所に塗装は存在しています。
塗装と一口に言ってもその種類や方法は様々で、防腐用下塗りから外観品の化粧塗装、塗料も樹脂塗料や静電塗料・粉体塗装など用途別に存在します。
塗装の自動化については、大手自動車メーカーが先行して導入・開発を進めており、現在はほとんどの塗装工程が自動化されていますが、中小製造業ではまだまだ自動化が進んでおらず、数十年前からずっと同じ手塗りで職人が手塗りされている現場が非常に多いですね。
その理由は、多品種少量生産であることと、塗装のロボットティーチングが非常に難易度が高いことが導入の進まない要因として挙げられます。
2.塗装ロボットのティーチング(教示)の難しさ
粉体塗装や静電塗装を除く樹脂塗料による塗装は、基本的にカップ式のスプレーガンを用いてスナッピング(スプレーガンを上下左右に振り)しながら塗料を吹き付けていきます。
これは、塗料が局部に集中して塗料が垂れない為に行っている方法ですが、この作業をロボットに教示するのが非常に難しいのです。
一つの製品の中にも、塗料が入りづらく濡れない所と塗料が付きやすくなる場所が複数存在しており、形状に合わせて塗装職人は調整をしています。
また気温や塗料の粘度・希釈の具合でも、塗り方は変わります。
ここが、塗装のロボット化が進まない大きな要因でしょう。
しかし、昨今の労働人口減少に加えて職人の不足が問題になってきている現在は、自動化を進めて労働生産性を上げることが、製造業の大きな課題です。
では塗装のロボット化するにはどうするか?
3.ベルカップ+産業用ロボットの活用
まずロボット化を進める為に有効な方法として、ベルカップの活用が挙げられます。
ベルカップとは回転噴霧器であり、塗料が均等に拡散することが出来るため、手塗りのようなスナッピング動作をさせないでも塗装することが出来ます。
※http://www.carlisleft.co.jp/ransburg/products/bell-mighty21_bell.html
ランズバーグ社HPより掲載
本来ベルカップは静電塗料向けに開発されたものであり、静電塗料を用いることで最大の効果を発揮しますが、樹脂塗料での活用が可能なベルカップが開発されています。
従来のスプレーガンに比べて塗料の塗着効率は2割から3割高いと言われており、塗料コスト削減にも効果を発揮します。
ベルカップの場合、大きなスナッピング動作が必要無い為、形状に合わせてロボットハンドが製品全面をなぞるような動作を教示するだけで、大抵のものは塗れてしまいます。
この点が非常にロボットとの相性が良い為、近年では、ロボットメーカーもベルカップとロボットをとアッセンブリーしたシステムをリリースしてきています。
4.多品種少量生産の塗装ロボット導入の注意点
多品種少量生産の塗装ロボットシステム構築する際には、専門知識のある人の協力が不可欠です。
ベルカップ自体が非常に精密かつ高価なものなので、きちんと投資対効果を算出して自動化に取り組む必要があります。
- 既存の業務分析
- 過去の工数実績
- 生産品種の形状や塗料の種類
- ロボット設置場所
- ロボット操作教育
- 補助金活用
- ベルカップを用いた塗装テスト
等、自社の業務分析をしっかりと分析し、ロボットシステム導入後にどのような効果をを出すのかしっかりと把握しながら予算を策定し、システムインテグレータとロボットシステムの構想を綿密に計画していくことで、塗装ロボット活用を成功させていきましょう。
■組立工程のロボット活用成功事例解説レポート
https://www.funaisoken.co.jp/dl-contents/smart-factory__00794
目次
- 多品種な複数部品の組み合わせによるパネル生産の自動化!
- 形状も材質も違う複数材料を一つのロボットでハンドリング!
- 部品形状に合わせた接着材を塗工し自動で貼り付け!
レポートの内容
従来では特定の人員が手作業で行っていたパネルの組立作業の自動化に成功。
多品種かつ部品点数多い・更に接着材の塗布と正確な位置への部品貼り付け等、様々な難題をクリアして構築したシステム。
本レポートではこれらの一部をご紹介致します。
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