記事公開日:2022.09.12
最終更新日:2023.01.20

製造業・工場におけるロボット活用成功事例を4つご紹介致します。

いつも当コラムをご愛読いただきありがとうございます。

今回のコラムでは製造業・工場におけるロボット活用成功事例を4つご紹介致します。

1.職人技術である溶接工程とグラインダー工程へのロボット活用を成功させた事例

■事例企業の概要
所在地:大阪府
業種:板金加工業
従業員数:100名

■ロボット活用事例の概要
溶接工程及びグラインダーによる研磨工程にロボットを導入

■導入前の課題と導入後の効果
ロボット導入前は溶接職人による溶接とグラインダー研磨を行っており、職人に依存した生産体制となっていた。
さらに、職人それぞれが共通の品質基準を持っていないため職人によって品質にバラつきがあり過剰品質となっている場合もあり、ムダな工数が発生していた。
ロボット導入後は職人に依存した溶接とグラインダー研磨をロボットが行うことで工数が削減された。
品質面でも、ロボットが溶接と研磨を行うことで一定の品質で製品を製造することが可能となった。

■成功のポイント
今回のロボットシステムでは溶接においては本溶接のみをロボット溶接の対象とすることでロボット導入の難易度を下げることに成功した。
人による仮溶接とロボットによる本溶接を組み合わせることで、ロボット周辺機器のコストを削減した。
上記を実施するための現状の作業分析が成功のポイントである。
作業分析からロボットに行わせる作業を絞り込むことが重要となる。

2.従業員10名の会社が10台の溶接ロボットを活用している事例

■事例企業の概要
所在地:北海道
業種:板金加工業
従業員数:10名

■ロボット活用事例の概要
溶接ロボットを10台導入

■導入前の課題と導入後の効果
土地柄もあり溶接工の確保が大きな課題となっていた。
また、若手を採用しても客先に出荷できるレベルの良品を一人で生産できるようになるには5年~10年ほどかかるため溶接工の不足は深刻であった。
順次ロボットを導入し、社員に求める能力を溶接技術からロボット制御技術へと展開していった。
治具の共通化やオフラインティーチングの活用により多品種少量生産にも対応できるロボットシステムを導入。
溶接技術の足りない若手でも、ロボット制御技術を覚えることで、従来であれば良品を生産するのに5年以上かかったいた製品も、わずか1,2年で生産できるようになり人手不足が解消された。
品質はいうまでもなく向上した。

■成功のポイント
治具の共通化やオフラインティーチングソフトの活用による多品種対応。
社員に求める能力を溶接技術からロボット制御技術へシフトし、社員全員がロボットを操作できる会社を作り上げたこと。

3.従業員10名の企業が協働ロボットを導入、多品種少量金属加工の生産性を向上した事例

■事例企業の概要
所在地:神奈川県
業種:機械加工業
従業員数:10名

■ロボット活用事例の概要
マシニングセンターのワーク脱着に協働ロボットを導入

■導入前の課題と導入後の効果
ワーク脱着という単純作業に熟練職人の工数が取られてしまい、新規品の加工プログラム作成やその他改善などの職人技術が必要な仕事にかける工数が取れない状態になっていた。
多品種少量生産対応のためのワーク脱着協働ロボットを導入。
ロボットの対象製品以外を加工する際にロボットが邪魔にならないように簡単にどかせるようなロボットシステムとした。
単純作業をロボットに代替えすることで熟練職人の工数が空き、より高付加価値業務へ取り組むことが可能となった。

■成功のポイント
必要な時にだけ使える、簡単にどかせるロボットを構想したこと。
カラクリ機構や様々なアイディアを活用して導入コストも抑えている。

4.単調で危険なプレス工程へのワーク投入作業に協働ロボットを活用した成功事例

■事例企業の概要
所在地:愛知県
業種:プレス加工業
従業員数:50名

■ロボット活用事例の概要
プレス機へのワーク供給に協働ロボットを導入

■導入前の課題と導入後の効果
危険で単調な作業であるプレス機へのワーク供給が従業員への負担となっていた。
カメラ付きの協働ロボットを導入することでプレス機へのワーク供給に成功。
狭いスペースでも協働ロボットを活用することで安全柵が不要となり、ムダなレイアウト変更等は行わずにロボットを導入することができた。

■成功のポイント
製造工程の中でどの工程がネックになっているか、どの工程が収益を圧迫しているか、をデータ(数字)を取って見える化し、そのネック工程をロボット化したことで単純な工数削減だけではなく、製品の儲けに直結するロボット導入としたことが成功のポイントである。

 

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