記事公開日:2023.03.17
最終更新日:2023.03.17
事業再構築補助金2023年変更点と製造業の活用事例
いつも当コラムをご愛読いただきありがとうございます。
中小製造業において投資における補助金活用は経営に直結する重要な要素です。
事業再構築補助金が2023年度も継続することが決定しました。
事業再構築補助金の今年度の変更点と成功事例を中心に解説していきます。
1.事業再構築補助金とは
事業再構築補助金とは、新型コロナウイルス感染症の影響によって経営が困難になった中小企業等に対して、事業再構築のための支援を行うために、国が設けた補助金制度です。
具体的には、以下のような事業再構築に必要な取り組みにかかる費用が対象となります。
- 生産プロセスの変革や設備の改善
- 商品・サービスの開発・改良
- ITシステムの改善・導入
- 新規事業の開発・展開
補助額は、事業者の経営状況や補助対象となる取り組み内容によって異なりますが、最大で1億円まで支給されることがあります。
2.2023年度の変更点
まず、大きな変更点として売上高減少要件が無くなりました。
成長枠(旧通常枠)では以前までは売上高減少要件があったため、業績が好調な企業は申請できませんでしたが今回の売上高減少要件の撤廃により、ほとんどの中小企業・中堅企業が申し込みできるようになりました。
売上高減少要件を満していない業績が好調な企業でも補助金を受け取れる可能性がグッと高まりました。
補助額と補助率は以下の通りです。
■補助額
中小企業者等、中堅企業等ともに
【従業員数20人以下】100万円~2,000万円
【従業員数21~50人】100万円~4,000万円
【従業員数51~100人】100万円~6,000万円
【従業員数101人以上】100万円~7,000万円
■補助率
中小企業者等 1/2
中堅企業等 1/3
成長枠(旧通常枠)の他にも様々な枠があります。
- 緊急対策枠
- 回復・再生応援枠
- 最低賃金枠
- 産業構造転換枠(新設)
- サプライチェーン強靱化枠(新設)
- グリーン成長枠(要件緩和)
自社に適合した枠を見極めて申請する必要があります。
ここまでお読み頂いた皆様はどのように感じるでしょうか?
「よく分からない、、」
「面倒、、」
「本当に補助金がもらえるの?」
ここからは実際に事業再構築補助金を活用して大きな投資をした2社の事例を
ご紹介します。
3.事業再構築補助金を活用してロボットを導入した成功事例
①茨城県D社
■投資と補助額
・投資金額 約5000万円
・補助額 約3000万円
■システムの概要
・幅広い寸法
長さ200㎜~5000㎜
径20A ~300A
の様々な形状の配管TIG溶接をロボットによって自動化するロボットシステムを事業再構築補助金を活用して導入。
溶接職人による難しい配管溶接を最新技術を駆使してロボット化に成功した事例。
②長野県C社
■投資と補助額
・投資金額 約8000万円
・補助額 約4000万円
■システムの概要
多品種のステンレス製板金製品のおける溶接と研磨をロボットで自動化。
水漏れが許されない高品質な溶接と、職人の研磨による外観品質をロボットで実現した事例。
4.事業再構築補助金を活用する方法
補助金の申請は非常に面倒です。
■申請書類の作成
申請者は申請書類を作成します。申請書類には、事業再構築のための計画書や費用詳細書、財務諸表などが含まれます。
■オンライン申請
申請書類を作成したら、オンラインで申請手続きを行います。申請者は、事業再構築補助金の公式サイトから「マイページ」にログインし、必要事項を入力して申請書類をアップロードします。もちろん事前のID登録が必要です。
■審査
申請書類の提出後、専門家が審査を行います。審査内容は、申請書類に記載された計画書や財務諸表、補助対象となる取り組み内容の妥当性などが審査されます。
申請書類の書き方で審査結果(採択率)は大きく変わります。
大きくはこの3つの流れです。
まずはIDの登録です。
ここで躓くようでは補助金採択までの道のりは果てしなく遠いでしょう。
そして、申請書の作成です。
必要な書類は、
- 事業計画書
- 認定支援機関の確認書(3,000万円以上の場合は金融機関の確認書も必要)
- 売上高減少に関する書類
- 決算書
- ミラサポplus「電子申請サポート」の事業財務情報(ローカルベンチマークともいう)
- 従業員数を示す書類
- 緊急事態宣言の影響を受けたことの宣誓(緊急事態宣言枠のみ)
- 緊急事態宣言による売上高減少に関する書類(緊急事態宣言枠のみ)
- 固定費が協力金を上回っていることを証明する書類(緊急事態宣言枠のみ)
- 加点に必要な書類
- 海外事業の準備状況を示す書類(卒業枠、グローバルV字回復枠のみ)
数ある補助金の中でもトップクラスに必要な書類が多いといえるでしょう。
事業計画書は、事業再構築のための具体的な計画をまとめた書類です。再構築の必要性、再構築の目的や方針、再構築後のビジョンや目標、取り組み内容やスケジュールなどが含まれます。
これらを一人で準備するのは忙しい経営者にとって非常に困難といえます。
補助金活用においても、専門のコンサルタントに依頼し採択率を高め、手間を減らすような取り組みが必要です。
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