記事公開日:2023.04.17
最終更新日:2023.04.17
【製造業】生産管理の基本とポイント
いつも当コラムをご愛読いただきありがとうございます。
1.生産管理の基本とポイント
今回は、「生産管理の基本と押さえるべきポイント」というテーマについてお伝えさせていただきます。
生産管理の業務とは、どのような活動でしょうか?
当たり前すぎて・・・という意見もありますが新年度に入り新たに生産管理の業務を担当する人向けに改めて
「生産管理」の基本を解説いたします。
また、昨今は製造業のDX化もポピュラーな言葉になってきましたが、まずはこの根本的な理解を持つことが
前提知識として重要なポイントとなります。
まず、「生産管理」とはモノづくりの会社(主に製造業)において生産活動を業務し管理することと位置付けられます。
自社で製造した製品を売上げ収益とする場合、何かしらの管理が必須となります。
製造活動において最も重要なポイントは、「より良い製品」を「いかに安く」「安定的にかつ納期通り納める」
ことに他なりません。
つまりは、
①品質(Quality) ②コスト(Cost) ③納期(Delivery)
これこそが生産管理の目的でかつ重要なポイントとなります。
生産管理は社内の位置づけとして製造の司令塔であり現場をコントロールする重要なポジションになります。
また、従来の手順や手法にとらわれず、工場全体の意識向上に向けた施策を実行する部署としての生産管理の考え方をお伝えいたします。
まず、①品質(Quality) ②コスト(Cost) ③納期(Delivery)つまりは「QCD」について、どれか1つでも欠けたり、精度が低下した場合、会社にとって大きな経営リスクが発生しますので、まずは要点を押さえておきましょう。
本コラムではQCDに関し1つ1つポイントを掘り下げて考えてみます。
2.品質(Quality)
まず品質の定義として、社内で設計された製品を設計通りに製造しお客様に提供される製品の品質のことで、要求品質を満足する必要があります。
つまりは「設計品質」=「製造品質」と定義できます。
この品質においては不適合の製品を世の中に万一流出してしまった場合、単なる不良品として再製作だけにとどまらず、不具合内容によっては事故や訴訟問題に発展してしまう可能性があります。
そうなった場合、会社にとって大きな信頼と売上と顧客を失うことになり得る可能性があります。
こうした事態を回避し顧客満足度を高めるには、商品・サービスの品質向上に勤めることが大切です。
そのための品質の改善ポイントを列記します。
(ポイント1)5Sの運用・活動維持 ⇒整理・整頓・清掃・清潔・しつけ
(ポイント2)4Mの管理・メンテナンス ⇒人(Man)、機械(Machine)、材料(Material)、方法(Method)
(ポイント3)DX化(デジタルトランスフォーメーション)による実績収集・分析・活動記録
(ポイント4)手順書の整備・業務標準化 ⇒作業標準、教育、社内会議による情報共有
まとめとして、製造業において品質管理は、顧客からの信頼性を高めるために重要なポイントになりますので
以上の点を考慮し地道な品質活動を維持継続していくことが大切です。
3.コスト(Cost)
コストとは、製品を製造する際にかかった費用のことを指します。
製造原価は、直接製造に関係した「直接費」と間接的に関係した「間接費」に分類され、さらにその費用の目的に応じて「材料費」「労務費」「経費」の3種類に分けられます。
それらの中で、製品の製造に直接関係しない間接的な費用は削減しやすいといえます。
たとえば、製造原価に当たる原材料費は容易に削減することはできませんが、光熱費について、照明を使っていない時はこまめに切る等ルールづくりをすれば、比較的簡単に電気代を削減できるという例になります。
また、費用削減におけるポイントを5つ挙げてみます。
(ポイント1)必要な投資まで削らない(逆効果もあり得る)
(ポイント2)コスト削減に関して高すぎる目標や厳しすぎるルールを設定しない
(ポイント3)社内の協力体制づくりに力を入れる
(ポイント4)5S活動で日々の職場環境を整える
(ポイント5)現状の経費や労務費を正確に把握する
上記のポイントを押さえた上で、適切な計画策定とその後の効果測定により長期にわたるコスト削減が期待できると言えます。
4.納期(Delivery)
“納期とは「納入期限」の略語で、発注側からの依頼内容に則って受注側が納品物を受け渡す期日を指します。
そもそも納期を守れない企業が市場でどう評価されるかは言うまでもないでしょう。
納期遅延の主な原因として、下記の5つを代表例があります。
(原因1)生産計画のムリな日程・精度の低い計画の影響
(原因2)生産するための材料・部品等の在庫不足
(原因3)製造指示・管理不足の影響
(原因4)製造する人員リソース不足
(原因5)生産設備のトラブル・故障の発生
これらを解決するための施策として、代表的な5つの施策を挙げてみます。
(施策1)無駄な作業や工程の省力化による生産リードタイムの短縮
(施策2)現場の進捗見える化(柔軟な工程変更にも対応)
(施策3)営業・製造部門間でのコミュニケーション強化(顧客動向・需要予測含む)
(施策4)最適な生産計画の策定(現場の状況や生産性実績の反映)
(施策5)スケジュールシステムや自動化設備による作業効率化
これらの観点で最適なリードタイム(生産・調達・出荷)を設定し管理することが重要なポイントとなります。
5.まとめ
「生産管理」とは製造業において生産活動を業務し管理することと位置付けられます。
製造活動において最も重要なポイントは、「より良い製品」を「いかに安く」「安定的にかつ納期通り納める」
ことに他なりません。つまりは、
①品質(Quality) ②コスト(Cost) ③納期(Delivery)
これこそが生産管理の目的でかつ重要なポイントとなります。
基幹システム活用2024年時流予測レポート ~今後の業界動向・トレンドを予測~
中堅中小製造業におけるBI活用の位置づけと実際のBI活用事例をこの1冊にまとめました。
- 1、製造業AI業界の現状
- 2、2023年製造業AI業界はこうなる!
- 3、2023年実践していただきたいこと
- 4、どの業務・工程でもAIは活用できる「業務別・工程別のAI活用」
- 5、国内中小製造業におけるAI導入事例
https://www.funaisoken.co.jp/dl-contents/jy-core-system_S045
■関連するセミナーのご案内
「多品種少量生産機械加工業の為の原価改善!」 社長セミナー
生産管理&原価管理を徹底見直し!原価率削減!粗利改善!儲け改善!
セミナー詳細・申込はこちらから
https://www.funaisoken.co.jp/seminar/099993
■開催内容
材料費高騰対策!儲けの改善の仕組み導入成功編
- 機械加工業における生産管理・原価管理業務の課題
- 生産管理原価管理システムの導入失敗例
- 成功する生産管理原価管理システムの業務改善手順と成功する具体的導入プロセス
- 個別製品原価、得意先別製品原価、工程別原価をデータ化した事例紹介
- 生産管理原価管理システム+BIツールで経営・現場が必要なデータを見える化する具体的方法
- 生産管理原価管理システムの導入・活用で個別原価管理を安価で成功させるためのベンダー選び
■開催日程
全てオンライン開催となります
以下の日程よりご都合の良い日程をお選び下さい
※内容は全て一緒です
- 2023/06/06 (火) 13:00~15:00
- 2023/06/08 (木) 13:00~15:00
- 2023/06/13 (火) 13:00~15:00
お申し込みはこちらから⇒
https://www.funaisoken.co.jp/seminar/099993