記事公開日:2023.07.04
最終更新日:2023.07.04
製造業のIoT化の手順
いつも当コラムをご愛読いただきありがとうございます。
本コラムでは、中堅・中小製造業の企業におけるDX・IoT活用について、まずはどこからどの様にDX・IoTを導入していくべきか、わかりやすく説明させていただきます。
1.はじめに
前回のコラムで具体的にDXやIoT、AIを活用した業務の革新や改善を実施したいと考えたとき、まず『製造現場』へ導入すべきと提案しました。
なぜなら、『製造現場』の革新や改善が会社の売上や利益の向上に最も直結する業務だからです。
製造業は『モノを作る企業』です。
IoTを活用して製造現場を管理するには、まずは製造現場をIoT化する必要があります。
IoTを構成する主な要素は3つです。
- デバイス:各種データを取得
- ネットワーク:インターネットや社内システムへ接続
- プラットフォーム・アプリケーション:データを蓄積・分析
そこで、今回は、その中の“デバイス:各種データを取得”に関して具体的な手順を説明させていただきます。
2.製造工程のIoT化手順
①IoTセンサー選定
以下に一般的なセンサーの種類とその用途をいくつか挙げます。
- 温度センサー
- 製造プロセスや機械の温度監視に使用されます。異常な温度上昇や変動を検知し、製造工程での問題を早期に発見します。
- 圧力センサー
- 液体やガスの圧力を監視するために使用されます。圧力の変動や漏れを検知し、安全性や品質の向上に貢献します。
- 加速度センサー
- 機械や製品の振動や衝撃を測定するために使用されます。機械の異常振動や製品の取り扱いミスを検知し、トラブルを防ぎます。
- 光センサー
- 製品の位置検出、透明度の測定、光の強度の監視など、光に関する情報を取得するために使用されます。
- 湿度センサー
- 湿度の変化や結露の検知に使用されます。湿度が製品や製造プロセスに影響を与える場合に重要な要素になります。
- カメラセンサー
- 製品やプロセスの視覚的な監視や品質管理に使用されます。画像や動画データの収集、異常検出、製品の外観検査などに役立ちます。
- 音響センサー
- 機械の異常な音や振動、環境の音量などを検知するために使用されます。異常音の早期検出や予防メンテナンスに役立ちます。
- ガスセンサー
- 有害ガスや気体の検知に使用されます。安全性や環境への影響を監視し、必要な対策を講じることができます。
- 距離センサー
- オブジェクトの距離や位置の測定に使用されます。製品の位置検出や自動ガイドシステムに活用されます。
製造現場のIoT化におけるセンサー選定は、製造工程の具体的なニーズや要件、監視したいパラメーターを考慮する必要があります。
それぞれのセンサーの特徴を理解し最適なセンサーを選定してください。
②センサーデータの活用例
①センサー選定”で説明したそれぞれのセンサーを用い製造工程で取得したデータの具体的な活用例(シナリオ)をいくつか挙げて説明いたします。
- 品質管理
-
センサーを使用して製品の品質を監視します。
例えば、光センサーを使用して製品の外観や色を検査することで、不良品の検知が可能となります。
また、温度センサーや湿度センサーを使用することで、製品の環境条件に関するデータを収集し品質に影響を与える要因を把握することが可能となります。
- 生産効率向上
-
センサーを使用して生産ラインの効率を向上させます。
例えば加速度センサーや振動センサーを使用して機械の動作を監視し、適切なタイミングでメンテナンスや調整を行うことで、機械の故障や停止時間を最小限に抑えることが出来ます。
これにより、生産プロセスのボトルネックや改善の余地を特定し、生産ラインの最適化を図ることが可能となります。
- 安全性確保
-
センサーを使用して作業環境や機械の安全性を確保します。
例えばガスセンサーや煙センサーを使用して有害ガスや火災の発生を検知し早期警告を出す、またカメラセンサーや距離センサーを使用して、作業員の安全な位置や障害物を監視することが出来ます。
これにより、事故や衝突のリスクを低減することが可能となります。
- リアルタイムモニタリング
-
センサーを使用して製造プロセスをリアルタイムでモニタリングします。
例えば温度センサーや圧力センサーを使用して機械や設備の状態を監視し、異常を検知します。
データのリアルタイム収集と分析により、予知保全や即時対応が可能となります。
- 備品管理
-
センサーを使用して備品や資材の管理を効率化します。
例えばRFIDタグやバーコードスキャナーを使用して在庫管理を自動化し、在庫の追跡や補充のタイミングを正確に把握します。
これにより、在庫切れやロスを最小限に抑え、生産計画の円滑な遂行支援が可能となります。
3.まとめ
今回のコラムでは、“中堅・中小製造業のDX・IoT活用のコツ~製造工程のIoT化手順(センサー選定)~”につきまして簡単ではありますが説明させていただきました。
次回は、“製造工程のIoT化手順(ネットワーク)“につきまして詳しく説明していく予定です。
今回の紹介した内容をご検討頂き、自社での製造工程のIoT化導入検討や、過去に断念されたIoT化を再度進めていただければ幸いです。また、上記内容について、より具体的に詳細をお知りになりたい場合や導入支援が必要といった場合は、お気軽に弊社にご相談いただければ幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
■製造業の為のAI・IoT活用戦略!経営者セミナー
無料ダウンロードはこちらから
https://www.funaisoken.co.jp/seminar/102603
■開催日程
全てオンライン開催となります
以下の日程よりご都合の良い日程をお選び下さい
※内容は全て一緒です
- 2023/09/07 (木) 13:00~15:00
- 2023/09/12 (火) 13:00~15:00
- 2023/09/14 (木) 13:00~15:00
■講座内容
ゲスト講師講座「協働ロボット成功事例講座!ロボドリル工程の工数を年間1,200時間削減!」
- AI・IoT取組事例講座編 「全国各地で見られる製造業でのAI・IoT取組事例」
- AI・IoT活用戦略講座編 「製造業経営者が取り組むべきAI・IoT活用戦略」
お申し込みはこちらから⇒
https://www.funaisoken.co.jp/seminar/102603
【無料ダウンロード】中小製造業 2024年ロボット活用時流予測レポート ~今後の業界動向・トレンドを予測~
https://www.funaisoken.co.jp/dl-contents/jy-robot_S045
■製造業の経営者様限定でダウンロード可能な特別なレポートです!
■目次
- 1、中小製造業における課題とロボット活用の現状
- 2、2023年 中小製造業のロボット活用は協働ロボットが主流になる!
- 3、2023年 中小製造業が実践すべき協働ロボット活用
- 4、具体的な取組み方
- 5、協働ロボット活用成功事例
■レポートの内容
中小製造業のロボット活用のトレンドと成功事例この1冊にまとめました。特に「何から始めればよいのか」と、その「具体的な方法」を例を出して解説し、さらに成功事例を掲載することでロボット活用の具体的な取り組み方が分かる資料になっております。
■このレポートを読むメリット
- 中小製造業における協働ロボット活用の具体的な進め方と成功事例が分かります。
- 具体的な進め方と成功事例から自社でのロボット活用が可能な工程のヒントが見つかります。