記事公開日:2023.09.14
最終更新日:2023.09.14

工場をペーパーレス化するメリットと導入のポイント

いつも当コラムをご愛読いただきありがとうございます。

ペーパーレス化とはあらゆる情報をデータ化して管理することで紙の媒体を無くすということです。
しかし、製造業でもペーパーレス化が叫ばれていますが、「紙文化」が浸透している工場の生産現場では難易度が高く、なかなか導入にこぎつけられないのが現状でしょう。
今回は、工場をペーパーレス化するメリットと導入前の確認ポイント、導入ステップについてお話しします。

1.工場をペーパーレスにすべき理由

①時間・資源・場所の節約
工場の情報を電子デバイスで管理するようになると、紙に使われる資源と印刷にかかる用紙代・インク代が大きなメリットです。
また、書類を保管していた棚を撤去することで、工場の作業エリアを拡充できます。さらに、データであれば手元の電子デバイスで確認できるため保管場所に行く必要がないので移動や探す時間が省けます。
取引先も同様のシステムを使っていれば、情報の共有ができ輸送コストや送付の手間も省けます。

②人手不足の解消
今後、モノづくりの世界では日本企業の中で特に技能人材の確保が課題になっていると言われています。属人化した業務をデータ化し自動化することで必要な場所に適切な労働力の差配が可能になるかもしれません。

③必要な情報がタイムリーに入手できる
情報をデータ化して管理すれば、外出先や取引先との商談中でも欲しいデータをすぐに取り出せるようになります。キーワードでの検索もできるため、どこにあるか分からない書類を探して必要な情報を取り出す必要もありません。
管理職であれば、稟議書や経費申請の承認作業を外出先や在宅勤務でできるのも嬉しいポイントです。申請業務が迅速に行われれば、社内全体の意思決定のスピードも早くなるでしょう。

④セキュリティが安心
データ化すると情報漏えいの危険性を心配する方がいますが、書類の盗難・紛失リスクを考えるとデータにした方がセキュリティは強固だと言われています。実際、クラウドサービスはセキュリティ対策を強化しており、近年その安全性は向上しています。

2.ペーパーレス化の前に確認しておきたいこと

①導入コストの見積もり
導入には少なからずコストがかかります。パソコンやセキュリティソフトにかかる費用だけでなく、新しく導入するシステムの習熟時間も考えなくてはなりません。
何より今まで紙媒体で蓄積していた情報をデータ化する時間も重要です。その労力と人的コストも踏まえ、データ化により削減できるコストと比較して費用対効果を考える必要があります。

②スタッフのITリテラシー
実際、作業するのは現場です。ペーパーレス化がむしろ作業効率の低下に繋がらないようペーパーレス化の前に意見交換をし、現場の意見をできるだけ反映させて使いやすいシステムにすることが重要です。導入したのはよいが結局、紙で運用することになったり、情報漏洩が起きてしまわないよう教育も必要です

③システム障害や機器の故障に対応できるか
電子機器の故障や障害はバックアップを常に取っていれば問題ありませんが、ネット環境の動作不良でシステムにアクセスできず作業が止まってしまうケースも考えられます。担当者を置くにしろ外部委託するにしろ予期せぬトラブルにどう対応するかをマニュアル化しておく必要があります。

次に導入までのステップを解説します。

3.工場にペーパーレスを導入するステップ

①業務フローの可視化
まずは、工場での作業工程を書き出し、紙で管理している仕事で電子化できる業務がないかをひとつひとつ洗出します。このように業務の棚卸を行い、ペーパーレスにできる部分がないか確認し、できそうな業務はどう変えていくかを検討していきます。

②段階的にペーパーレスに移行する
電子化できる業務を見つけたら、一気に電子機器に移行しようとするとハードルが高くなり、操作不良やトラブルも起きやすくなるため段階的にペーパーレスを導入していきます。まずは優先度の高い工程から順番にペーパーレス化を実現していきます。その間にペーパーレス化の必要性を理解してもらうための関係者と協議の場を開くようにしましょう。

③作業員への操作教育
今まで手書きで対応していた部分を電子化すると、作業者によっては使い方が分からず作業スピードが落ちてしまう可能性があります。
そのため、作業員の勉強会をひらき、全員が使えるように教育を行いましょう。

4.まとめ

ペーパーレス化を工場に取り入れるとは、コスト削減や人手不足解消といったさまざまなメリットがあります。
しかし、導入にもコストがかかるため、費用対効果を事前に検証する必要があります。
また、故障した時の対応や、従業員がシステムを使いこなせるのかといった点もしっかりと確認する必要があります。

実際に導入するときには作業工程を可視化し、ペーパーレスにできる業務を段階的に踏んで移行していきましょう。
また、電子化した情報を従業員全員が使えるように研修をひらくこともおすすめします。

いかがでしょう?
生産管理システムは活用できていてもペーパーレスにはなかなか踏み出せないといったお悩みはございませんか?
上記内容について、より具体的に詳細をお知りになりたい場合はお気軽に弊社にご相談ください。

このコラムが皆様の製造現場にお役に立てれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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