記事公開日:2023.12.15
最終更新日:2023.12.15
マスタデータ管理の重要性と課題
いつも当コラムをご愛読いただきありがとうございます。
マスタデータは、システムやプロセスの正確な運用に必要不可欠です。
マスタデータには、製品や顧客、従業員の基本情報、設定、規則などが含まれます。
正確で最新のマスタデータを保持することで、効率的な業務の実行や正確な帳票作成、意思決定の裏づけなどを可能にします。
また、マスタデータの一元管理により、データの一貫性と信頼性を確保し、データの重複や矛盾を回避することもできます。
したがって、マスタデータの適切な管理は、組織の業務効率化と意思決定の質の向上につながる重要な要素と言えます。
しかし、実際現場でどのような問題が起きているのか、それらの課題に対してどのような打ち手があるのかをご説明いたします。
1.データのサイロ化
現場でよくあるのが縦割り組織の上、各部署で権限が強いゆえに業務とシステムの個別最適化が進んでいるという課題です。
それゆえマスタデータも各部署で個別に確立した結果、社内の異なるシステムで似て非なるマスタデータが散在しているケースです。
この課題の本質は縦割りによる業務とシステムの物理的な分断です。
この課題の打ち手としては組織とシステムの壁を取り払って全体最適の観点で業務とシステムを俯瞰し、マスタデータに関わる業務・システム・データの統合を図るといった対応が必要です。
しかし、簡単にできそうに聞こえるかもしれませんが組織の壁はそう簡単には乗り越えられません。
この打ち手は全社レベルで推進することが多く、社内の関連部署の担当者による利害関係の調整だけでは大体うまくいきません。
慣れ親しんだ個別業務システムが変わってしまうことに抵抗があるのは容易に想像できます。
ボトムアップ型ではダメなのです。
したがってここで重要なのは強いリーダーシップを持った経営層の存在です。
重要な意思決定と全体の方向性をトップダウンで決めることがマスタデータ管理を成功へ導く大きなカギと言えます。
2.データの粒度不揃い・重複
2つ目は、データ粒度の不揃い・重複によるデータ品質低下の課題です。
よくあるデータ利活用の中で売り上げ分析は企業の戦略に欠かせない最も一般的なデータ活用手段です。
例えば「リンゴの販売数量は?」の問いを例に考えてみましょう。
マスタデータでは『リンゴ』や『りんご』、『林檎』、グローバルでは『apple』もあります。
また、『大林』や『ふじ』、『つがる』などといった粒度の違うものもあります。
数量についても同じです。
『個』、『パック』、『箱』、『キロ』など単位も様々です。
ですので「リンゴの販売数量は?」という簡単な問いが難問なるわけです。
このようなことは多くの企業の現場で起こっているのです。
その企業の商品マスタや顧客マスタの粒度はバラバラで統合されておらず、全社レベルでの共通的な分析軸が確立されていないことが多々あります。
だからと言って放置もできず無理やり統一するのも無理があります。
なぜならその言語で動いている個別業務とシステムが存在するからです。
そこでこの課題を解決するにはそれぞれの言語はそのまま残しつつも異なるコード体系や粒度のマスタデータを共通言語に変換しなければなりません。
そのためには読み替え表が必要です。
『リンゴ』=『りんご』=『林檎』=『apple』のようなイメージです。
3.データ精度と鮮度の低下
3つ目の課題は精度と鮮度の課題です。
業務上の重要な属性情報、例えば顧客の住所録、連絡先などに抜け漏れ・欠落が多く、1回登録した情報はその後何年たっても更新されないという場合です。
この課題に関する打ち手としてはマスタデータを社内の閉じた世界だけで考えるのではなく外部の2次データを活用して、住所情報・法人情報・行政の統計情報などを取り入れて社内のマスタデータの拡張させる観点が必要です。
4.まとめ
いかがでしょう? 貴社のマスタ管理はできていますか?
マスタ管理はデータの一貫性と信頼性を確保し、業務効率化と意思決定の質の向上を図る重要な要素です。
上記内容について、より具体的に詳細をお知りになりたい場合はお気軽に弊社にご相談ください。
このコラムが皆様の製造現場のデータ管理にお役に立てれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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