記事公開日:2024.03.18
最終更新日:2024.09.10

ERP導入にコンサルタントを活用するメリット・デメリットとは?適切な選び方を解説!

いつも当コラムをご愛読いただきありがとうございます。
今回は、“ERP(基幹システム)導入・活用にコンサルタントは必要か”についてご紹介します。
どのようにすれば一番自分に合うプロジェクトを組成できるかどうか、というお悩みはよく耳にしますが、内製して自社でやるのか、外部のコンサルティングファームに依頼するのかというのは大きな分岐点だと言えます。
そのうえ、我々のように特定の商品を担がないITコンサルタントもいれば、特定のサービスを担いでいるベンダーの中に所属するITコンサルタントという肩書の従業員も存在します。
コンサルサービスを利用するにしても、どうするのがベストだと言えるのか悩ましいところだと思います。
それぞれの長所、短所を押さえて、ベストな活動を選択いただければ幸いです。

1.ERP(基幹システム)とは?


ERP (Enterprise Resource Planning)システムは、基幹システムとも呼ばれ、組織の様々な業務プロセスを統合し、情報の流れを最適化するためのソフトウェアプラットフォームです。
このシステムは、財務管理、人事、製造、供給チェーン管理など、企業運営の核となる機能を一元化します。
広範囲のシステム導入となるため、比較的高額なIT投資となる一方で、適切に活用・運用できた際の効果が大きいことがポイントです。現在、SAPやOracleなどの大手ベンダーが市場シェアを占めており、クラウド型のソリューションも増えています。

2.ERPコンサルタントの役割

ERPコンサルタントの仕事は、導入するERPを選択するだけではなく、企業の解決すべき課題の発見、現場でのヒアリングなどから導入後のサポートまで、幅広くコンサルティングを行うことを指します。
ERPは幅の広い業務システムの事を指すため、ひとまとめにITコンサルタントという呼ばれ方をするケースもあります。
ERPのツールを販売している会社のSEがコンサルタントを名乗るケースもあれば、独立系コンサルタントとして市場に多く出回るツールの中からおススメを選定するコンサルタントも存在するため、どのようなコンサルタントからアドバイスを得たいかは注意深く検討する必要があります。
ERPを導入する場合、現行の業務をいかに効率化して様々な経営課題の解決を図るかという目線も必要となるため、専門的な知見と第三者的な目線を持つコンサルタントが必要とされます。

3.コンサルタントを利用するメリット


次に、ERPを導入するにあたってコンサルサービスを利用する事には以下のようなメリットがあげられます。

1)外部の知見を得ることができる

特定分野のスペシャリストからノウハウ、ナレッジを得ることが出来ます。
IT化計画書の策定やRFP作成といった業務に関してだけでなく、どんなシステムが自社には合いそうなのか、該当のシステムを活用して、どのような改善活動を行うべきか、ということまで幅広く知見を得ることが出来ます。さらに、戦略的な分析や客観的なアドバイスを受けることで、ビジネスの理解を深め、グローバルな視点でのソリューション展開も可能になります。

2)時短効果を期待できる

コンサルタントを活用することで、擬似的に社内にその分野のエキスパートが入社したような状況になります。経験豊富な知見とプロジェクトマネジメント能力が揃うことになる為、必然的に0から自社のみで仕事を進めるのに比べ、スピードが上がります。
特に社内の業務フローが複雑な業種や領域での導入において大きな力を発揮します。

3)使用ではなく、活用にフォーカスが当たる

一般的にベンダーは請負契約的なシステム導入責任を持ちますが、すべてをしてくれる存在というわけではありません。特に、システム活用手法に関しては導入した企業自身が主導権を持つ必要があります。
ベンダーはシステムのスペシャリストですが、貴社の業務内容を知り尽くしているわけではないため、新しい業務フロー案や新規業務ルール決定などを主導しない(できない)のが一般的です。
一方、我々のような第三者的なコンサルサービスでは、“活用”にフォーカスを当て、併走しながら成功を目指します。極論、お客様の状況にベストマッチであれば導入されるパッケージにこだわりはありません。
ここが、最初に申し上げたベンダー所属のコンサルと、第三者的な単独のコンサルサービスの違いであると言えます。
また、CRMやWebサイトなどの、さまざまなテクノロジー、システムとの統合も視野に入れた提案をおこなうことが可能です。

4.コンサルタントを利用するデメリット


一方で、コンサルサービスの利用にはいくつかのデメリットも存在します。

1)スキル育成の遅延

一部業務をアウトソーシングするケースでは、専門家への依存が高まることで内部スキルの育成が遅れる可能性があります。
契約が終わった後、似たようなケースが起きたとしても自社単体で対応できないのであれば、それはノウハウを蓄積できなかったという事になります。

2)費用の高額化

システムを入れることだけ考えるのであれば、コンサルサービスはシステム導入費+αの、“α”の部分です。そういう意味では財政面を圧迫することになります。

3)相手次第で満足度が大きく変わる

一般的な知識やあるべき論だけの提案に終始する、経験が浅い、性格が合わない。
様々な要因は考えられますが、コンサルタントのレベル次第で満足度は大きく変動します。クライアント目線になれないように感じる人間が担当者の際は要注意と言えます。

5.ERPコンサルタントを利用すべき企業の特徴

ERPコンサルタントの支援が特に有用な企業の条件ですが

  1. 複雑なビジネスプロセスを持っている
  2. 業務改善やシステム統合に課題を抱えている
  3. データが分散していて、連携が取れていない
  4. 収益面での改善を取り組みたいと感じている

などが挙げられます。
また、内部にERP導入の経験や知識が不足している場合も、専門家の支援が必要とされます。

6.ERPコンサルタントの選び方


一口にERPコンサルといっても、大手企業から中小企業まで、様々な事業規模のコンサルティングファームがあります。
適切なERPコンサルタントを選ぶためには、そのコンサルタントが持つ業界知識や実績、強みや提供するサービス内容を詳細に検討する必要があります。信頼できる参考情報や推薦を基に選定することも重要です。
貴社の実態に即した、効果的な課題解決提案をしているかどうかをよく確認してください。
DXをうたいながら部分最適に終始するようなシステム導入提案は、ERPが関係するのであれば要注意です。

7.ERPコンサルの相場

コンサルティングは顧客の課題の大きさや依頼範囲、業務内容、依頼期間に応じて大きく変動してしまいます。
コンサルティング会社も大手専門の会社であれば1時間あたり10万円の案件もあるため、自社の規模に応じたコンサルティング会社を検討する必要があります。
また、コンサルティングの費用と言うのは従事するコンサルタントの単価に稼働時間を掛ける形で計算がされるケースが多いため、どこまでの業務を依頼するのかは担当コンサルと相談をすることをおススメします。

8.ERP導入の具体的なステップと成功事例

ERP導入プロセスとしては

  1. システム計画書策定
  2. 現状ヒアリング・課題抽出
  3. RFP作成
  4. ベンダー選定
  5. 要件定義、Fit&Gap
  6. 基本設計
  7. 詳細設計
  8. 各種テスト
  9. データ移行
  10. 並行稼働準備
  11. 移行テスト、承認
  12. 本導入

と、少し省いても少なくないステップが存在します。各プロセスの中でベンダーが主体でやる内容、自社が主体性を持たなくてはいけない内容をしっかり把握することが大切です。
また、予算管理や進捗管理などのプロジェクトマネジメントの役割も重要です。

多くの企業がERPシステムを成功裏に導入しており、その事例から学ぶことは多いです。
こちらのコラムの最後にERP導入の成功事例集のご案内をしております。是非そちらからご確認いただければと思います。特に、業種別や企業規模別の事例を参考にすることで、自社に合ったアプローチ方法を見出せる可能性があります。

9.まとめ

ERP導入は企業にとって大きな投資であり決断です。正しく導入すればビジネスプロセスの効率化、意思決定の迅速化、全体的なコスト削減に繋がります。一方で、ただのシステム導入に終始してしまい、活用までたどり着けないような事例も数多く存在しています。
導入を検討する際は、今回紹介したポイントを参考にご検討ください。

船井総研ではERPの活用を通しての業績改善・業務改革PJを数多く担当しています。
自社に合ったERP導入方法にお迷いの際や、投資対効果に不安が強い、DX方針が定まらない、というようなご不安がおありでしたら、ぜひお声がけください。

 

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