記事公開日:2024.09.13
最終更新日:2024.09.18

ロボットによる自動化とは?メリットや導入事例3選をわかりやすく解説!

1.ロボットによる自動化とは?


ロボットによる自動化とは、製造プロセスの一部または全体において、人手による作業を機械やロボットによって自動化する取り組みを指します。これにより、生産性の向上、品質の安定化、作業環境の改善などをおこなうことができます。

自動化の対象は、部品の搬送や組立て、溶接、塗装、検査など、製造のあらゆる工程が含まれます。また、生産の直接工程だけでなく、在庫管理や製造指示の発行といった間接工程についても自動化が可能です。ロボットを導入することで、作業の精度やスピードが向上し、24時間無休での連続稼働が実現できるため、生産性の飛躍的な向上が期待できます。

2.ロボットで自動化をおこなうメリット

ロボットの自動化には大きなメリットがあります。主なものとして以下の3点が挙げられます。

工場の自動化を行うメリット①:飛躍的な生産性の向上
自動化ラインでは24時間無休の連続稼働が可能で、機械の動作スピードと精度の高さから人手を遥かに上回る生産性が見込めます。動作速度の遅い協働ロボットを使ったとしても、夜間稼働や休日稼働を行うことで、生産性を向上させることができます。
工場の自動化を行うメリット②:製品品質の均一化と不良率低減
人手作業では熟練度の差により品質のばらつきが避けられませんが、自動化ラインは完全にプログラムに基づいて動作するため、均一で高い品質を実現できます。また、検査工程の自動化も相まってさらなる不良低減も期待できます。近年ではAIの技術が進歩し、従来では自動検査が難しかった製品においても、自動化・不良率の低減を行うことが可能になっています。
工場の自動化を行うメリット③:安全性と労働環境の改善
危険度や負荷が高い作業を従業員におこなわせてしまっている…そんな企業様は一定数存在しているのではないでしょうか。
自動化をすることができれば、危険な作業や重労働から作業員を解放できるため、安全性が大きく向上します。特に、溶接や有害物質を扱う工程などでの恩恵は計り知れません。作業環境を整えることで、人材採用や人が辞めない環境づくりを行うことができます。

3.ロボットで自動化をおこなうためのプロセス

工場の自動化を実現するためには、以下のような流れが一般的です。

図工場の自動化フロー図工場の自動化フロー

特に重要なのは、「7.要求仕様書の作成」です。
要求仕様書とは、自動化のために必要な仕様をSIerに要求する仕様書のことを指します。
適切な要求仕様書を作ることができなければ、要件が曖昧になり、トラブルが発生する可能性が高まります。
作成難易度が非常に高い要求仕様書ですが、適切な要求仕様書が作成できなければ、思い描くような自動化をおこなうことはできません。
⇒関連記事:「要件定義書」と「要求仕様書・RFP」の違いとは!?基本の流れと重要性、記載内容について解説!

4.工場自動化成功事例3選


次に、工場自動化の実際の成功事例を3つご紹介します。
工場の自動化成功事例①:A社
自動バリ取りロボットA社ではロボットを使うことによって、工数がかかっていたバリ取り作業の自動化に成功しました。業種と自動化効果、投資金額は以下のようになっています。

業種 セラミック製品製造
自動化効果 年間工数1019時間削減・生産性167%増
投資金額 1800万円+6軸ロボット費用

A社の成功事例の特徴は、画像認識によりバリ取りパスを自動で生成している点です。
自動生成されたパスに沿ってロボットが動作するため、品種ごとにティーチングプログラムを作成する必要がなく、超多品種少量生産に対応することができます。
本来ロボットを稼働させる際は、ティーチングと呼ばれるロボットのプログラムを人が作成する必要があります。
そのためロボットでさまざまな製品の加工をおこなおうとすると、その数だけティーチングをおこなう必要があります。
A社では、画像認識による自動プログラム作成を採用しているため、作業員が治具に製品を置けば、ロボットが自動でバリ取りをおこなってくれます。

工場の自動化成功事例②:S社
協働ロボットS社では、協働ロボットを使うことによって、加工機へのワーク投入作業の自動化に成功しました。

業種 樹脂切削加工品製造
自動化効果 年間工数1200時間削減
投資金額 500万円

S社の成功事例の特徴は、SIerなしでロボット導入を行った点です。
ロボット導入のネックになりがちな費用として、SIer費用があげられます。(S社でロボット導入を検討した際は、ロボット本体代金のほかにSIer費用が1000万円近く見積もられていました。)
S社では、自社で内製化することで、SIer費用を押さえながらロボット活用を行うことに成功しました。
内製化の利点は、自動化品種の追加や、製造ラインの変更に比較的容易に対応できることです。
ロボット立ち上げ時に、技術的な開発部分をSIerに任せてしまうと、新たに品種追加を行う際はさらにSIerに費用を払わなくてはなりません。
内製化は時間も工数もかかりますが、中長期的に見れば経営効果は高いでしょう。
また、この会社様は従業員数10名以下の会社様のため、1日数時間だけ単純作業を自動化するだけでも、高い自動化効果を発揮することができます。
従業員数が少なくなればなるほど捻出される時間の価値が高まるため、ロボット活用は事業規模が小さい会社様ほど効果を発揮できるといえます。
⇒関連記事:日本&海外の協働ロボットメーカー16社の特徴を紹介!
⇒関連記事:協働ロボットの特徴と導入事例

工場の自動化成功事例③:C社
溶接ロボット・研磨ロボットC社では、高い品質が求められる製品において、溶接工程と研磨工程の自動化に成功しました。

業種 鈑金溶接品製造
自動化効果 溶接・研磨の熟練技術の継承に成功
投資金額 7700万円(うち4000万円は補助金)

C社の成功事例の特徴は、非常に難易度の高い薄板ステンレスのTIG溶接と鏡面研磨を最新技術を活用して自動化した点です。
さらに投資金額7700万円のうち4000万円は事業再構築補助金を活用することにより投資コストを抑えています。
薄板のTIG溶接は非常に熟練度が要求される作業であり、早い人でも製品として出荷できるレベルに達するまでには5年はかかる職人技術と言われています。
また、C社の製品における研磨工程は鏡面仕上げとなっており相当の工数がかかっている状態でした。
これら難易度の高い職人技術を6軸力覚、加速度、位置センサー、アクティブ・コンプライアンス制御技術を用いて自動化に成功しました。

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5.まとめ

ロボットを活用した自動化は、製造業における生産性の向上や品質の安定化、そして労働環境の改善に大きな影響を与えます。上記の事例からもわかるように、さまざまな業種において成功が確認されており、導入による効果は計り知れません。ただし、これらのような自動化を成功させるためには、適切なプロセスと細部にまでわたる計画が必要不可欠です。
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