記事公開日:2023.03.28
最終更新日:2023.03.28
DX人材の育成方法と手法のトレンド
いつも当コラムをご愛読いただきありがとうございます。
コロナ禍もおさまりつつあり、2023年3月13日にはマスク着用も緩和されました。
このコロナ禍では、リモートワークやシェアオフィスの拡大など現場に人が張り付かなくても業務を遂行できる体制構築が話題となりました。
DXがAIやIoT、ITツールを用いて業務効率化を行い、大きな業務改善を通して人時生産性を向上させるということであったとするのであれば、多くの企業でペーパーレス化などの表面的なコストカットのような結果こそ出ているにしても、削減した時間を新たに生産性に変換するような動きまでは至っていないケースが多いように思います。
そんな中で、現場での改善業務に繋げるためにDX人材の採用、育成というのは大きなテーマです。(※ここでのDX人材というのは、IoTやBI、AIなどIT技術に関する知見を持ち、自らそういった技術を以て現場で改善活動を実行できるような人材を指しています)
本コラムではDX人材育成のために日々取り組んでいらっしゃる中小企業の取り組みを2回に分けてご紹介したいと思います。
1回目である今回は、DX人材採用について経営者の方々が考えていらっしゃること、その課題についてご紹介します。
1.DX人材は製造業の救世主足りえるか
あるお付き合いのある企業の社長様からDX人材の採用と育成についての計画を知らされたのは一昨年の4月頃でした。
代替わりを契機に基幹システムを導入し、データの一元管理に取り掛かるなど、社長は新しい技術を取り入れることに抵抗が無く、改革と称して大ナタを振るっていた時期です。
まだコロナ禍の見通しが立たず、デジタル化が騒がれる中、社内から競争力を得ていくにはやはり技術力だ、最新の技術情報(AIなど)に強みを持つ理系大学生を新卒では多く獲得し、中途ではそういった背景を持つ技術者を獲得すべきではないかとの話題が出ました。
実際、その会社ではそういった人材情報をペルソナに設定し、新卒、中途共に採用活動に明け暮れました。結果、半年で3名の中途社員を採用することが出来ました。一方、新卒はその枠に対する応募もあったものの、採用するには至らずという状況でした。
とはいえ、ついに自分たちの苦手分野であった部分での技術者を獲得できました。社長はビジョンを掲げ、採用した中途社員たちをDXプロジェクトメンバーに任命。順風満帆なスタートとなるはずでした。
それから1年ほどたち、プロジェクトはどのような状況かを伺いました。
なんと、中途採用者の内2名が退職してしまったというのです。
2.社内体制、協力体制ありきでないと輝けない
DX人材として入社した三名は当初、様々なアナログな業務や改善ポイントを明らかにし、様々な手法でその問題を解決しようとした、といいます。
しかしながら、長い経験を持つ現場の社員や、いわゆるデジタル技術に対して知見のない他の社員たちからの後押しを得ることが出来ず改善プロジェクトは思うように前に進まなかったといいます。
中には、自分たちの仕事を奪うのか、というような声も生まれたとのことでかなりストレスフルな状況になってしまったとのことでした。
社長肝入りのプロジェクトということで、実際に社長も説明会を開くなどでフォローをしたとのことですが、1人辞め、また1人辞めとムーブメントは小さくなってしまいました。
基幹システムも導入し、DX人材も採用したにもかかわらず中々思うような動きにならない。
それどころか、会社への期待感も徐々に薄れているように感じたとおっしゃっていました。
その時、社長様はDX人材を採用することが大切ではない。DX人材を輝かせられる社内状況の整備こそが急務なのだと思い知ったといいます。
この状況の整備というのは難しく、社長の鶴の一声で整備ができるようなものではありません。
そこで、この会社では以下の3点に取り組むこととなりました。
- デジタル技術勉強会の開催、全社員参加
- ペーパーレス化(ワークフロー系)と脱判子方針
- ノーコード、ローコード開発ツール導入
次回は、この3点の取組結果とポイントを解説させていただきます。
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