DX CONSULTING COLUMN 工場DXコンサルティングコラム

専門コンサルタントが執筆するAI・ロボットコラム
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製造業におけるECRS

2022.01.21

今回は、「製造現場の生産性向上に使える“ECRS”とは?」 というテーマについてお伝えさせていただきます。 1.“ECRS”とは? 読者の皆様の中にはご存知の方も多いかと思いますが、 ECRSとは、主に製造業の世界で広く普及している 「業務改善・生産性向上」に関する基本的な考え方です。 具体的には、 1)Eliminate(排除する) 2)Combine(結合する) 3)Rearrange(交換する) 4)Simplify(簡素化する) の4つの頭文字を並べたもので、 その意味合いを補足すると以下の内容となります。 1)Eliminate(排除する):その業務を根本的に無くすことはできないか? 2)Combine(結合する):とある業務と他の業務を1つにまとめることはできないか? 3)Rearrange(交換する):既存の業務に取り組む順序を入れ替えることで、業務を効率化できないか? 4)Simplify(簡素化する):既存業務のやり方を、もっと簡単な手法に変えることはできないか? また、上記4つの中でも特にポイントになるのは、 「Eliminate(排除する)」の実践です。 一般に、ECRSの実践を通じて獲得できる生産性向上の効果は、 1)Eliminate(排除する) が最も大きく、その次に、 2)Combine(結合する) ↓ 3)Rearrange(交換する) ↓ 4)Simplify(簡素化する) の順に小さくなるというのが、基本的な考え方です。 つまり、生産性向上に大きく寄与する考え方として、 「既存業務をいかに効率化させるか?(=C、R、S)」という発想よりも先に、 「そもそも、既存業務を根本的に無くせないか?(=E)」という考え方が優先されます。 では、実際のECRS実践事例を見てみましょう。 2.実際のコンサルティング事例(ECRSの実践事例) 【コンサルティング事例概要】 ・業種:金属加工業(金属プレス、溶接等) ・従業員数:約100名 ・業務改善の対象:生産計画作成業務(担当者2名がそれぞれ別の業務と兼任で実施) 【生産計画作成業務に関する主な課題】 1)長時間労働の常態化 (⇒担当者1名あたり業務時間5時間以上&残業と休日出勤の常態化) 2)情報管理の煩雑化 (⇒生産計画作成に必要な各種情報の保管先がバラバラ) 【コンサルティングのBefore/After】 【成功のポイント】 コンサルティングの流れとして、既存の生産計画関連業務を 客観的に分析・整理することからスタートしたわけですが、 ポイントはまさにECRSのうち、生産性向上へのインパクトが大きい 「Eliminate(排除する):そもそも、既存業務を根本的に無くすことはできないか?」 を忠実に実践したことに尽きます。 また、上述のような取り組みを 自社の既存社員のみで実施するとなると、 どうしても従来の慣習や常識に引っ張られてしまい、 生産性向上の取り組みが思うように進まないことも多い中、 今回は社外のコンサルタントを活用したこともポイントでした。 コンサルタントをいわば自社にとっての「外圧」として上手に活用し、 自社にはない客観的な視点から 現状を俯瞰し整理していったことで、 結果として前述のような 生産性向上の効果をもたらすことができました。 今回ご紹介した“ECRS”のようなフレームワークを いわゆる「机上の空論」で終わらせず、 実際に自社に当てはめて考えてみると、 生産性向上の糸口が掴めるかもしれません。 是非、皆様の会社でも積極的にチャレンジしてみてください。   ■オンラインセミナー開催のお知らせ 「板金加工業の為のAI活用!」社長セミナー https://www.funaisoken.co.jp/seminar/094242 ■講座内容 ■第1講座 AI取り組み事例講座編 「全国各地で見られる製造業でのAI取り組み事例」 生産計画・生産管理にAIを活用して、生産計画作成の自動化・脱属人化&生産管理最適化に取り組んでいる製造業の事例 製造現場でのデジタル活用を通じて、製品個別の原価管理の最適化に取り組んでいる製造業の事例 AIカメラを活用し、設備稼働監視&生産効率アップに取り組んでいる製造業の事例 製造現場でのAI化・IoT化・ロボット化・デジタル化により職人依存体制からの脱却を目指している製造業の事例 株式会社 船井総合研究所 岩松 将史 ■第2講座 見積もり業務のAI化を通じて”社長の生産性アップ”を実現!従業員数51名の製造業における”AI活用最新事例”講座 従業員数51名!多品種少量生産型の板金加工会社によるAI活用事例! 2DCADデータを用いた見積もりAIシステムを導入!属人的な見積もり業務の「標準化・脱属人化・技術継承」を推進! AI導入をきっかけとして、見積もり業務における”社長の生産性アップ”を実現! 佐竹鉄工 株式会社 代表取締役 佐竹 宏文 氏 株式会社 船井総合研究所 岩松 将史 ■第3講座 AI活用戦略講座編 「製造業経営者が取り組むべきAI活用戦略」 製造業の経営にAIを活用する方法 ”経営者目線”で知っておくべき製造業で実践できる具体的なAI活用とは? 漠然とした理論・概論ではなく、現場で即使えて実践的なAI導入手順 株式会社 船井総合研究所 菊池 功 ■開催日程 全てオンライン開催となります 2023/02/07 (火) 13:00~15:00 2023/02/09 (木) 13:00~15:00 2023/02/14 (火) 13:00~15:00 セミナー詳細・申込はこちらから⇒ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/094242   ■“積算・見積もりAIシステム”事例解説レポート AIを活用し「積算・見積もりのドンブリ勘定」からの脱却を実現! AI活用を通じて“ベテラン社員の働き方改革”を推進! 積算・見積もり業務の“標準化・脱属人化・技術継承”実践事例とは? ▼事例レポート無料ダウンロードお申し込みはこちら▼ https://www.funaisoken.co.jp/dl-contents/smart-factory_smart-factory_00702 「こうなりたい!」と思っている経営者様におすすめ AIを活用し「積算・見積もりのドンブリ勘定」からの脱却を実現! 見積もり業務の属人化を解消したい 見積もり業務の標準化を図りたい 見積もり業務にAIを活用したい 積算・見積もり業務の“標準化・脱属人化・技術継承”をしたい AI活用を通じてベテラン社員の働き方改革を進めたい いつも当コラムをご愛読いただきありがとうございます。 今回は、「製造現場の生産性向上に使える“ECRS”とは?」 というテーマについてお伝えさせていただきます。 1.“ECRS”とは? 読者の皆様の中にはご存知の方も多いかと思いますが、 ECRSとは、主に製造業の世界で広く普及している 「業務改善・生産性向上」に関する基本的な考え方です。 具体的には、 1)Eliminate(排除する) 2)Combine(結合する) 3)Rearrange(交換する) 4)Simplify(簡素化する) の4つの頭文字を並べたもので、 その意味合いを補足すると以下の内容となります。 1)Eliminate(排除する):その業務を根本的に無くすことはできないか? 2)Combine(結合する):とある業務と他の業務を1つにまとめることはできないか? 3)Rearrange(交換する):既存の業務に取り組む順序を入れ替えることで、業務を効率化できないか? 4)Simplify(簡素化する):既存業務のやり方を、もっと簡単な手法に変えることはできないか? また、上記4つの中でも特にポイントになるのは、 「Eliminate(排除する)」の実践です。 一般に、ECRSの実践を通じて獲得できる生産性向上の効果は、 1)Eliminate(排除する) が最も大きく、その次に、 2)Combine(結合する) ↓ 3)Rearrange(交換する) ↓ 4)Simplify(簡素化する) の順に小さくなるというのが、基本的な考え方です。 つまり、生産性向上に大きく寄与する考え方として、 「既存業務をいかに効率化させるか?(=C、R、S)」という発想よりも先に、 「そもそも、既存業務を根本的に無くせないか?(=E)」という考え方が優先されます。 では、実際のECRS実践事例を見てみましょう。 2.実際のコンサルティング事例(ECRSの実践事例) 【コンサルティング事例概要】 ・業種:金属加工業(金属プレス、溶接等) ・従業員数:約100名 ・業務改善の対象:生産計画作成業務(担当者2名がそれぞれ別の業務と兼任で実施) 【生産計画作成業務に関する主な課題】 1)長時間労働の常態化 (⇒担当者1名あたり業務時間5時間以上&残業と休日出勤の常態化) 2)情報管理の煩雑化 (⇒生産計画作成に必要な各種情報の保管先がバラバラ) 【コンサルティングのBefore/After】 【成功のポイント】 コンサルティングの流れとして、既存の生産計画関連業務を 客観的に分析・整理することからスタートしたわけですが、 ポイントはまさにECRSのうち、生産性向上へのインパクトが大きい 「Eliminate(排除する):そもそも、既存業務を根本的に無くすことはできないか?」 を忠実に実践したことに尽きます。 また、上述のような取り組みを 自社の既存社員のみで実施するとなると、 どうしても従来の慣習や常識に引っ張られてしまい、 生産性向上の取り組みが思うように進まないことも多い中、 今回は社外のコンサルタントを活用したこともポイントでした。 コンサルタントをいわば自社にとっての「外圧」として上手に活用し、 自社にはない客観的な視点から 現状を俯瞰し整理していったことで、 結果として前述のような 生産性向上の効果をもたらすことができました。 今回ご紹介した“ECRS”のようなフレームワークを いわゆる「机上の空論」で終わらせず、 実際に自社に当てはめて考えてみると、 生産性向上の糸口が掴めるかもしれません。 是非、皆様の会社でも積極的にチャレンジしてみてください。   ■オンラインセミナー開催のお知らせ 「板金加工業の為のAI活用!」社長セミナー https://www.funaisoken.co.jp/seminar/094242 ■講座内容 ■第1講座 AI取り組み事例講座編 「全国各地で見られる製造業でのAI取り組み事例」 生産計画・生産管理にAIを活用して、生産計画作成の自動化・脱属人化&生産管理最適化に取り組んでいる製造業の事例 製造現場でのデジタル活用を通じて、製品個別の原価管理の最適化に取り組んでいる製造業の事例 AIカメラを活用し、設備稼働監視&生産効率アップに取り組んでいる製造業の事例 製造現場でのAI化・IoT化・ロボット化・デジタル化により職人依存体制からの脱却を目指している製造業の事例 株式会社 船井総合研究所 岩松 将史 ■第2講座 見積もり業務のAI化を通じて”社長の生産性アップ”を実現!従業員数51名の製造業における”AI活用最新事例”講座 従業員数51名!多品種少量生産型の板金加工会社によるAI活用事例! 2DCADデータを用いた見積もりAIシステムを導入!属人的な見積もり業務の「標準化・脱属人化・技術継承」を推進! AI導入をきっかけとして、見積もり業務における”社長の生産性アップ”を実現! 佐竹鉄工 株式会社 代表取締役 佐竹 宏文 氏 株式会社 船井総合研究所 岩松 将史 ■第3講座 AI活用戦略講座編 「製造業経営者が取り組むべきAI活用戦略」 製造業の経営にAIを活用する方法 ”経営者目線”で知っておくべき製造業で実践できる具体的なAI活用とは? 漠然とした理論・概論ではなく、現場で即使えて実践的なAI導入手順 株式会社 船井総合研究所 菊池 功 ■開催日程 全てオンライン開催となります 2023/02/07 (火) 13:00~15:00 2023/02/09 (木) 13:00~15:00 2023/02/14 (火) 13:00~15:00 セミナー詳細・申込はこちらから⇒ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/094242   ■“積算・見積もりAIシステム”事例解説レポート AIを活用し「積算・見積もりのドンブリ勘定」からの脱却を実現! AI活用を通じて“ベテラン社員の働き方改革”を推進! 積算・見積もり業務の“標準化・脱属人化・技術継承”実践事例とは? ▼事例レポート無料ダウンロードお申し込みはこちら▼ https://www.funaisoken.co.jp/dl-contents/smart-factory_smart-factory_00702 「こうなりたい!」と思っている経営者様におすすめ AIを活用し「積算・見積もりのドンブリ勘定」からの脱却を実現! 見積もり業務の属人化を解消したい 見積もり業務の標準化を図りたい 見積もり業務にAIを活用したい 積算・見積もり業務の“標準化・脱属人化・技術継承”をしたい AI活用を通じてベテラン社員の働き方改革を進めたい

製造業の人手不足を解消する協働ロボットとその活用方法

2022.12.21

今回は、製造業における人手不足の現状とその解決方法を事例に沿って解説します。 1.製造業における人手不足の現状 皆様の周りにおいても人手不足は深刻ではないでしょうか? 特に製造業における若手の確保は最重要課題となっています。 データでみると、2000年初期に400万人を超えていた製造業における34歳以下の 若手の従事者は、2019年には260万人程度まで落ち込んでいます。 これは、製造業の「高齢化」を進めていることになります。 現在、製造業における65歳以上の従事者が占める割合は10%近いと言われています。 このまま高齢化が進むと、単なる労働力の不足だけではなく、技術のそのものが 失われる危機に直面するでしょう。 では、どのようにして人手不足と技術継承の問題を解決できるでしょうか? 答えは簡単ですね、ロボット活用(DX)です。 ただし、通常の産業用ロボットは中小製造業、特に今まで自動化やロボット化の 経験が無い企業にとっては取り扱いのハードルが高いのが現状です。 そのハードルを乗り越える方法を今回はお伝えします。 2.中小製造業のロボット活用は協働ロボットが主流になる! なぜ中小製造業は協働ロボットが主流になるのか? 日々、日本全国の中小製造業様に向けてロボット導入のコンサルティングをさせて頂いている筆者の体感ベースではありますが、中小企業において通常の産業用ロボットは ニーズが合わず協働ロボットを導入さぜるを得ない(=協働ロボットのニーズが爆増)するのでは?と感じています。 ではなぜ、従来のような産業用ロボットはニーズが合わないのか?なぜ協働ロボットなのか?を解説します。 ポイントは3つです。 ①多品種少量生産である ②ロボットの取り扱いが困難である ③スペース不足である 以上の3つの理由から、従来の産業用ロボットは多品種少量生産でロボットを取り扱う技術が無く、狭いスペースの中小製造業には不向きあると言えます。 逆に言えば、これら3つの課題を解決できるロボットが協働ロボットなのです。 3.まずは生産実績の分析から始めよう 「製品分析」のため、まずは過去3年分程度の生産実績データを集めましょう。集めたデータから、各製品にかかる工数を掛けて各製品の年間工数を算出します。 そうすることで、多品種少量生産の中でもどの製品に工数がかかっているか(=どの製品を対象にすべきか)が見えてきます。 仮に100品種を製造している場合でも、上記のように製品分析を行うと上位10品種程度で半数以上の工数を占めている場合が多くあります。 また、上位品種と同様の形状、同様の加工等、ロボット活用において共通するポイントがある場合は対象品種として含むべきでしょう。 4.現状の作業を分析して「人の作業」を「ロボットに代替」えさせよう 「作業分析」により、製品を製造する様々な工程の中で、どの作業をロボットに代替えすべきかを分析します。 一番簡単なシンプルな方法は、作業の動画を撮影しどの作業にどれくらいの時間をかけているかを割り出す方法です。 より多くの時間がかかっている作業をロボットに代替えさせることで投資対効果が大きくなります。 業種や工程によって、上記の方法がうまくハマらない場合もありますが、基本的には動画から作業を分析します。 また、機械加工のような1製品をいくつかの工程に分けて加工するような場合は、製品ごとにワーク姿勢や加工面を一覧にまとめて、ロボット化した際にどの程度人手を介さないで製品を完品の状態に持っていくべきかを分析するような手法もあります。 5.協働ロボット活用成功事例 ①従業員8名の企業が協働ロボットを導入し残業・休日出勤を大幅に削減した事例 従業員8名のS社では樹脂加工のロボドリルへのワーク供給にFANUCの 協働ロボットを導入しました。 未経験の若手でも簡単に扱える、ムダな周辺機器を省きシンプルな構造とすることで 低コストでの導入を実現、協働ロボット活用による夜間稼働で工数を大幅に削減しています。 ②熟練作業者のTIG溶接を協働ロボットで実現した事例 板金加工業のF社ではURの協働ロボットを導入しました。 熟練作業者頼みだったTIG溶接を協働ロボットに置き換えることで熟練度に左右されない 安定した品質で生産することに成功しています。 熟練作業を協働ロボットに置き換えることで熟練度に左右されない生産体制の構築が 可能となり、技術継承の問題も解決されています。 協働ロボットは簡単に扱うことが出来る分、難しいことは出来ません。 要は「使い方次第」です。 これはある程度の経験やノウハウが物を言います。 協働ロボットを活用して人手不足を解決したい、と考えている経営者の方は、 是非当社までお問い合わせください。 ■お問い合わせはこちらから https://lp.funaisoken.co.jp/mt/smart-factory/counsel.html   ■協働ロボット活用の事例解説セミナー開催のお知らせ ゲスト講師講座「機械加工業の協働ロボット活用成功事例講座」 無料ダウンロードはこちらから https://www.funaisoken.co.jp/seminar/094417 ■開催日程 全てオンライン開催となります 以下の日程よりご都合の良い日程をお選び下さい ※内容は全て一緒です 2023/02/15 (水) 13:00~15:00 2023/02/20 (月) 13:00~15:00 2023/02/22 (水) 13:00~15:00 ■講座内容 社員数わずか8名の機械加工会社が協働ロボットの導入に成功し残業・休出を大幅に削減したゲスト事例講座! 移動式協働ロボットの導入に成功した実際の事例をゲスト講師が解説! 協働ロボットで夜間、休日稼働!月間100時間の工数を削減を目指す取り組みの事例を紹介!! 10品種以上・ロット数100~500の機械加工を協働ロボットを活用して夜間、休日の無人稼働を実施!! 多品種少量生産を可能とする加工機へのワークセット協働ロボット活用事例! お申し込みはこちらから⇒ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/094417   製造業経営者限定!工場のロボット活用事例 ロボット活用の現状とポイント、成功事例をこの1冊に集約! 製造業の経営者限定でダウンロード可能な特別版!! ▼事例レポート無料ダウンロードお申し込みはこちら▼ https://www.funaisoken.co.jp/dl-contents/smart-factory_smart-factory_01068 ■製造業の経営者様限定でダウンロード可能な特別なレポートです! 「こうなりたい!」と思っている経営者様におすすめ 中小製造業のロボット活用の現状を知りたい! 中小製造業のロボット活用のポイントを知りたい! 中小製造業のロボット活用の成功事例を知りたい! 目次 1、中小製造業のロボット活用の現状 2、中小製造業のロボット活用のポイント 3、中小製造業のロボット活用事例 レポートの内容 製造業の経営者限定でダウンロード可能な特別版!! 国内中小製造業のロボット活用における現状、ポイント、成功事例をこの1冊にまとめました!! このレポートを読むメリット 中小製造業のロボット活用の現状、ポイント、成功事例が一度に分かる! レポートの内容 DX化を検討する中堅・中小製造業経営者必見 !! DX化を検討する社長! 本当に基幹システムを導入・刷新すれば会社が良くなりますか?? 根本原因を把握して業務改革!! IT化計画書の作り方 https://www.funaisoken.co.jp/dl-contents/smart-factory_smart-factory_01068   [sc name="cobot"][/sc] いつも当コラムをご愛読いただきありがとうございます。 今回は、製造業における人手不足の現状とその解決方法を事例に沿って解説します。 1.製造業における人手不足の現状 皆様の周りにおいても人手不足は深刻ではないでしょうか? 特に製造業における若手の確保は最重要課題となっています。 データでみると、2000年初期に400万人を超えていた製造業における34歳以下の 若手の従事者は、2019年には260万人程度まで落ち込んでいます。 これは、製造業の「高齢化」を進めていることになります。 現在、製造業における65歳以上の従事者が占める割合は10%近いと言われています。 このまま高齢化が進むと、単なる労働力の不足だけではなく、技術のそのものが 失われる危機に直面するでしょう。 では、どのようにして人手不足と技術継承の問題を解決できるでしょうか? 答えは簡単ですね、ロボット活用(DX)です。 ただし、通常の産業用ロボットは中小製造業、特に今まで自動化やロボット化の 経験が無い企業にとっては取り扱いのハードルが高いのが現状です。 そのハードルを乗り越える方法を今回はお伝えします。 2.中小製造業のロボット活用は協働ロボットが主流になる! なぜ中小製造業は協働ロボットが主流になるのか? 日々、日本全国の中小製造業様に向けてロボット導入のコンサルティングをさせて頂いている筆者の体感ベースではありますが、中小企業において通常の産業用ロボットは ニーズが合わず協働ロボットを導入さぜるを得ない(=協働ロボットのニーズが爆増)するのでは?と感じています。 ではなぜ、従来のような産業用ロボットはニーズが合わないのか?なぜ協働ロボットなのか?を解説します。 ポイントは3つです。 ①多品種少量生産である ②ロボットの取り扱いが困難である ③スペース不足である 以上の3つの理由から、従来の産業用ロボットは多品種少量生産でロボットを取り扱う技術が無く、狭いスペースの中小製造業には不向きあると言えます。 逆に言えば、これら3つの課題を解決できるロボットが協働ロボットなのです。 3.まずは生産実績の分析から始めよう 「製品分析」のため、まずは過去3年分程度の生産実績データを集めましょう。集めたデータから、各製品にかかる工数を掛けて各製品の年間工数を算出します。 そうすることで、多品種少量生産の中でもどの製品に工数がかかっているか(=どの製品を対象にすべきか)が見えてきます。 仮に100品種を製造している場合でも、上記のように製品分析を行うと上位10品種程度で半数以上の工数を占めている場合が多くあります。 また、上位品種と同様の形状、同様の加工等、ロボット活用において共通するポイントがある場合は対象品種として含むべきでしょう。 4.現状の作業を分析して「人の作業」を「ロボットに代替」えさせよう 「作業分析」により、製品を製造する様々な工程の中で、どの作業をロボットに代替えすべきかを分析します。 一番簡単なシンプルな方法は、作業の動画を撮影しどの作業にどれくらいの時間をかけているかを割り出す方法です。 より多くの時間がかかっている作業をロボットに代替えさせることで投資対効果が大きくなります。 業種や工程によって、上記の方法がうまくハマらない場合もありますが、基本的には動画から作業を分析します。 また、機械加工のような1製品をいくつかの工程に分けて加工するような場合は、製品ごとにワーク姿勢や加工面を一覧にまとめて、ロボット化した際にどの程度人手を介さないで製品を完品の状態に持っていくべきかを分析するような手法もあります。 5.協働ロボット活用成功事例 ①従業員8名の企業が協働ロボットを導入し残業・休日出勤を大幅に削減した事例 従業員8名のS社では樹脂加工のロボドリルへのワーク供給にFANUCの 協働ロボットを導入しました。 未経験の若手でも簡単に扱える、ムダな周辺機器を省きシンプルな構造とすることで 低コストでの導入を実現、協働ロボット活用による夜間稼働で工数を大幅に削減しています。 ②熟練作業者のTIG溶接を協働ロボットで実現した事例 板金加工業のF社ではURの協働ロボットを導入しました。 熟練作業者頼みだったTIG溶接を協働ロボットに置き換えることで熟練度に左右されない 安定した品質で生産することに成功しています。 熟練作業を協働ロボットに置き換えることで熟練度に左右されない生産体制の構築が 可能となり、技術継承の問題も解決されています。 協働ロボットは簡単に扱うことが出来る分、難しいことは出来ません。 要は「使い方次第」です。 これはある程度の経験やノウハウが物を言います。 協働ロボットを活用して人手不足を解決したい、と考えている経営者の方は、 是非当社までお問い合わせください。 ■お問い合わせはこちらから https://lp.funaisoken.co.jp/mt/smart-factory/counsel.html   ■協働ロボット活用の事例解説セミナー開催のお知らせ ゲスト講師講座「機械加工業の協働ロボット活用成功事例講座」 無料ダウンロードはこちらから https://www.funaisoken.co.jp/seminar/094417 ■開催日程 全てオンライン開催となります 以下の日程よりご都合の良い日程をお選び下さい ※内容は全て一緒です 2023/02/15 (水) 13:00~15:00 2023/02/20 (月) 13:00~15:00 2023/02/22 (水) 13:00~15:00 ■講座内容 社員数わずか8名の機械加工会社が協働ロボットの導入に成功し残業・休出を大幅に削減したゲスト事例講座! 移動式協働ロボットの導入に成功した実際の事例をゲスト講師が解説! 協働ロボットで夜間、休日稼働!月間100時間の工数を削減を目指す取り組みの事例を紹介!! 10品種以上・ロット数100~500の機械加工を協働ロボットを活用して夜間、休日の無人稼働を実施!! 多品種少量生産を可能とする加工機へのワークセット協働ロボット活用事例! お申し込みはこちらから⇒ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/094417   製造業経営者限定!工場のロボット活用事例 ロボット活用の現状とポイント、成功事例をこの1冊に集約! 製造業の経営者限定でダウンロード可能な特別版!! ▼事例レポート無料ダウンロードお申し込みはこちら▼ https://www.funaisoken.co.jp/dl-contents/smart-factory_smart-factory_01068 ■製造業の経営者様限定でダウンロード可能な特別なレポートです! 「こうなりたい!」と思っている経営者様におすすめ 中小製造業のロボット活用の現状を知りたい! 中小製造業のロボット活用のポイントを知りたい! 中小製造業のロボット活用の成功事例を知りたい! 目次 1、中小製造業のロボット活用の現状 2、中小製造業のロボット活用のポイント 3、中小製造業のロボット活用事例 レポートの内容 製造業の経営者限定でダウンロード可能な特別版!! 国内中小製造業のロボット活用における現状、ポイント、成功事例をこの1冊にまとめました!! このレポートを読むメリット 中小製造業のロボット活用の現状、ポイント、成功事例が一度に分かる! レポートの内容 DX化を検討する中堅・中小製造業経営者必見 !! DX化を検討する社長! 本当に基幹システムを導入・刷新すれば会社が良くなりますか?? 根本原因を把握して業務改革!! IT化計画書の作り方 https://www.funaisoken.co.jp/dl-contents/smart-factory_smart-factory_01068   [sc name="cobot"][/sc]

2023年AI業界の展望

2022.12.20

今回は、「生産計画のAI活用を成功させるポイントとは」というテーマについてお伝えさせていただきます。 1.ノーコードとは ノーコードとは、コードを書かずに画面操作のみでアプリケーションを開発する手法やサービスの総称して使われています。 これまでアプリケーションを開発するにはまずコーディングやプログラミングを学習する必要がありました。 しかしノーコードのツールを活用することで、IT人材に限らず幅広い層の人々がアプリケーションの開発に参加することが可能になります。 製品としては、kintoneやPowerAppsなどが有名です。 2.なぜノーコードが必要か? 経済産業省では、DXレポートの中で「2025年の崖」に関する問題を取り扱っています。 2025年の崖は、古くから使われているレガシーシステムが残存することで、最大12兆円の経済損失につながりかねないとしている課題です。 しかしその一方でDX推進をするためには、ITに関する知見を持ったDX人材の確保が必須です。 にもかかわらず、近年深刻なIT人材不足の為、DX推進を積極的に先導するような人材が枯渇しているのが現状です。 特に、企業内のシステムを外部ベンダーに依頼している場合は、企業内のITに関する知見やノウハウが蓄積されないため、自社内のシステム開発案件をこなせません。 さらに、DX推進の積極化によって、どの企業でもIT人材を求めていることもあり、企業で確保しようと思ってもなかなか人材が見つからないのです。 その救世主として、システムに知見がない担当者でもアプリが容易に作成できる「ノーコード開発」に注目が集まっており、それに応じるようにノーコード市場規模も年々成長を続けています。 3.AIもノーコードの時代へ 近年ノーコードはAI開発においても利用可能な時代となってきました。 ノーコードAIで有名なのはGoogle社であり、現在クラウドでノーコードAIを提供しています。 これによってユーザーは複雑なプログラミングをすることなく、業務上で必要な高度なデータ分析や画像解析をできるようになりました。 これまでスキルや知識を持った一部の人しかできなかったプログラミングが誰にでもできるようになったことで、「AIの民主化」と言われています。 また、外観検査分野ではAI inside社の「Learning Center」も代表的です。 直感的な操作で使いやすい日本語のUIを備え、ノーコードで誰でも簡単に高精度なAIモデル開発ができるサービスです。 ノーコードの懸念点としては、原則としてノーコードのツールでは提供された範囲の機能しか利用することができません。 カスタマイズには適さないことから、独自のシステムを作りたいときには実用的ではない場合もあります。 また、プログラミングのスキルは必須ではなくとも一般的なITの知識は必要になるでしょう。   ■オンラインセミナー開催のお知らせ 「板金加工業の為のAI活用!」社長セミナー https://www.funaisoken.co.jp/seminar/094242 ■講座内容 ■第1講座 AI取り組み事例講座編 「全国各地で見られる製造業でのAI取り組み事例」 生産計画・生産管理にAIを活用して、生産計画作成の自動化・脱属人化&生産管理最適化に取り組んでいる製造業の事例 製造現場でのデジタル活用を通じて、製品個別の原価管理の最適化に取り組んでいる製造業の事例 AIカメラを活用し、設備稼働監視&生産効率アップに取り組んでいる製造業の事例 製造現場でのAI化・IoT化・ロボット化・デジタル化により職人依存体制からの脱却を目指している製造業の事例 株式会社 船井総合研究所 岩松 将史 ■第2講座 見積もり業務のAI化を通じて”社長の生産性アップ”を実現!従業員数51名の製造業における”AI活用最新事例”講座 従業員数51名!多品種少量生産型の板金加工会社によるAI活用事例! 2DCADデータを用いた見積もりAIシステムを導入!属人的な見積もり業務の「標準化・脱属人化・技術継承」を推進! AI導入をきっかけとして、見積もり業務における”社長の生産性アップ”を実現! 佐竹鉄工 株式会社 代表取締役 佐竹 宏文 氏 株式会社 船井総合研究所 岩松 将史 ■第3講座 AI活用戦略講座編 「製造業経営者が取り組むべきAI活用戦略」 製造業の経営にAIを活用する方法 ”経営者目線”で知っておくべき製造業で実践できる具体的なAI活用とは? 漠然とした理論・概論ではなく、現場で即使えて実践的なAI導入手順 株式会社 船井総合研究所 菊池 功 ■開催日程 全てオンライン開催となります 2023/02/07 (火) 13:00~15:00 2023/02/09 (木) 13:00~15:00 2023/02/14 (火) 13:00~15:00 セミナー詳細・申込はこちらから⇒ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/094242   ■“積算・見積もりAIシステム”事例解説レポート AIを活用し「積算・見積もりのドンブリ勘定」からの脱却を実現! AI活用を通じて“ベテラン社員の働き方改革”を推進! 積算・見積もり業務の“標準化・脱属人化・技術継承”実践事例とは? ▼事例レポート無料ダウンロードお申し込みはこちら▼ https://www.funaisoken.co.jp/dl-contents/smart-factory_smart-factory_00702 「こうなりたい!」と思っている経営者様におすすめ 見積もり業務の属人化を解消したい 見積もり業務の標準化を図りたい 見積もり業務にAIを活用したい 積算・見積もり業務の“標準化・脱属人化・技術継承”をしたい AI活用を通じてベテラン社員の働き方改革を進めたい いつも当コラムをご愛読いただきありがとうございます。 今回は、「生産計画のAI活用を成功させるポイントとは」というテーマについてお伝えさせていただきます。 1.ノーコードとは ノーコードとは、コードを書かずに画面操作のみでアプリケーションを開発する手法やサービスの総称して使われています。 これまでアプリケーションを開発するにはまずコーディングやプログラミングを学習する必要がありました。 しかしノーコードのツールを活用することで、IT人材に限らず幅広い層の人々がアプリケーションの開発に参加することが可能になります。 製品としては、kintoneやPowerAppsなどが有名です。 2.なぜノーコードが必要か? 経済産業省では、DXレポートの中で「2025年の崖」に関する問題を取り扱っています。 2025年の崖は、古くから使われているレガシーシステムが残存することで、最大12兆円の経済損失につながりかねないとしている課題です。 しかしその一方でDX推進をするためには、ITに関する知見を持ったDX人材の確保が必須です。 にもかかわらず、近年深刻なIT人材不足の為、DX推進を積極的に先導するような人材が枯渇しているのが現状です。 特に、企業内のシステムを外部ベンダーに依頼している場合は、企業内のITに関する知見やノウハウが蓄積されないため、自社内のシステム開発案件をこなせません。 さらに、DX推進の積極化によって、どの企業でもIT人材を求めていることもあり、企業で確保しようと思ってもなかなか人材が見つからないのです。 その救世主として、システムに知見がない担当者でもアプリが容易に作成できる「ノーコード開発」に注目が集まっており、それに応じるようにノーコード市場規模も年々成長を続けています。 3.AIもノーコードの時代へ 近年ノーコードはAI開発においても利用可能な時代となってきました。 ノーコードAIで有名なのはGoogle社であり、現在クラウドでノーコードAIを提供しています。 これによってユーザーは複雑なプログラミングをすることなく、業務上で必要な高度なデータ分析や画像解析をできるようになりました。 これまでスキルや知識を持った一部の人しかできなかったプログラミングが誰にでもできるようになったことで、「AIの民主化」と言われています。 また、外観検査分野ではAI inside社の「Learning Center」も代表的です。 直感的な操作で使いやすい日本語のUIを備え、ノーコードで誰でも簡単に高精度なAIモデル開発ができるサービスです。 ノーコードの懸念点としては、原則としてノーコードのツールでは提供された範囲の機能しか利用することができません。 カスタマイズには適さないことから、独自のシステムを作りたいときには実用的ではない場合もあります。 また、プログラミングのスキルは必須ではなくとも一般的なITの知識は必要になるでしょう。   ■オンラインセミナー開催のお知らせ 「板金加工業の為のAI活用!」社長セミナー https://www.funaisoken.co.jp/seminar/094242 ■講座内容 ■第1講座 AI取り組み事例講座編 「全国各地で見られる製造業でのAI取り組み事例」 生産計画・生産管理にAIを活用して、生産計画作成の自動化・脱属人化&生産管理最適化に取り組んでいる製造業の事例 製造現場でのデジタル活用を通じて、製品個別の原価管理の最適化に取り組んでいる製造業の事例 AIカメラを活用し、設備稼働監視&生産効率アップに取り組んでいる製造業の事例 製造現場でのAI化・IoT化・ロボット化・デジタル化により職人依存体制からの脱却を目指している製造業の事例 株式会社 船井総合研究所 岩松 将史 ■第2講座 見積もり業務のAI化を通じて”社長の生産性アップ”を実現!従業員数51名の製造業における”AI活用最新事例”講座 従業員数51名!多品種少量生産型の板金加工会社によるAI活用事例! 2DCADデータを用いた見積もりAIシステムを導入!属人的な見積もり業務の「標準化・脱属人化・技術継承」を推進! AI導入をきっかけとして、見積もり業務における”社長の生産性アップ”を実現! 佐竹鉄工 株式会社 代表取締役 佐竹 宏文 氏 株式会社 船井総合研究所 岩松 将史 ■第3講座 AI活用戦略講座編 「製造業経営者が取り組むべきAI活用戦略」 製造業の経営にAIを活用する方法 ”経営者目線”で知っておくべき製造業で実践できる具体的なAI活用とは? 漠然とした理論・概論ではなく、現場で即使えて実践的なAI導入手順 株式会社 船井総合研究所 菊池 功 ■開催日程 全てオンライン開催となります 2023/02/07 (火) 13:00~15:00 2023/02/09 (木) 13:00~15:00 2023/02/14 (火) 13:00~15:00 セミナー詳細・申込はこちらから⇒ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/094242   ■“積算・見積もりAIシステム”事例解説レポート AIを活用し「積算・見積もりのドンブリ勘定」からの脱却を実現! AI活用を通じて“ベテラン社員の働き方改革”を推進! 積算・見積もり業務の“標準化・脱属人化・技術継承”実践事例とは? ▼事例レポート無料ダウンロードお申し込みはこちら▼ https://www.funaisoken.co.jp/dl-contents/smart-factory_smart-factory_00702 「こうなりたい!」と思っている経営者様におすすめ 見積もり業務の属人化を解消したい 見積もり業務の標準化を図りたい 見積もり業務にAIを活用したい 積算・見積もり業務の“標準化・脱属人化・技術継承”をしたい AI活用を通じてベテラン社員の働き方改革を進めたい

【製造業】原価管理の導入でコスト削減!導入から運用定着まで解説

2022.12.13

▼無料ダウンロードはこちらをクリック 1.個別原価管理とは 本コラムでは、多くの企業で導入したいが、なかなか実行・定着までにいたらない“個別”原価管理について、導入・定着のポイントについて説明をさせていただきます。 個別原価管理(以下、原価管理)とは、受注生産を主とするものづくり企業においては、製造指示書等の一区分の製造にかかったコストの中身を見える化したものです。 原価管理を説明した資料は、テキストやWebサイト、説明動画も多くありますが、なぜ多くの企業で導入が困難なのでしょうか。 難しそう、何をすればいいかわからないといったイメージで敬遠していることもあると思いますが、実際に導入・定着を現場で実施してきた立場からポイントを下記させていただきます。 本コラムのポイントは、以下の3つです。 (1)原価管理のメリット・デメリット (2)導入する前に必要なこと (3)定着に必要な仕組み作り 2.原価管理のメリット・デメリット 原価管理は、前述したように一つの製造作業指示書で指示された製品を作成するのにかかるコストを費目別に計算したものです。 よって、今まで大雑把に計算していた企業にとっては、曖昧であった労務費や材料費、消耗品費などが明確に出てくることになります。 その結果として、材料工具の無駄遣い、在庫過多、作るたびに赤字が増える製品といったものがわかるようになります。 このように今まで曖昧であったものが、数字で表されるので、コスト改善を行うための、ポイントを定めやすくなり、目標設定と効果測定も実施しやすくなります。 一方で、現場にとっては、曖昧だったことが数字で定量的に表現されるようになるので、敬遠したい取組であったりします。 何事もそうですが、原価管理においても、メリット・デメリットの両面があります。 経営者にとっては、メリットが多いかもしれませんが、会社として取り組む上では、そのバランスをとること、つまり、現場にとってもメリットがある管理であることを理解してもらう必要があります。 では、具体的にどうすればよいでしょうか? 3.スモールスタートで原価管理を導入 まずは、原価管理を導入する目的について設定することが重要です。 先ほども述べたように原価管理導入のメリットは大きいですが、導入・運用共にそれなりの手間がかかります。 制度を作るには、専門知識を学習する必要があり、自社にあった形の仕組みを作るためにはある程度の試行錯誤は必須です。 そこで、ここでは、スモールスタートで原価管理を導入するために必要なことを説明させていただきます。 このスモールスタートできっかけを作っていただき、取組を通して原価管理を高度に発展させていく流れを提案します。 ①管理したい費目の範囲を決定する テキスト通りに導入しようとすると、細かい費目が多く、自社の実態とあわないことがあります。 そこで、すべてを管理対象とするのではなく、確認したい費目に優先順位を定め、その上位から計算するようにします。 ②部分的に導入する 全ての製品に適応するのではなく、製造頻度が多い製品や売上金額が大きい製品などに絞って導入します。 その絞った対象で、原価計算や試験運用をすることで本運用前に取組の質を向上させることができます。 ③プロジェクト化し、改善を継続する 担当者に任せるのでなく、経営者自身をオーナーとしたプロジェクトを組織し、定期的に改善状況をフォローし、最終的なゴールに到達するまで続けることが重要です。 4.定着に必要な仕組みづくり 導入前の事前準備には、スモールスタートを行うことで、取組の質を向上させることを提案させて頂きました。 次のステップとして、実際導入して運用を定着していくにはどうしたらよいでしょうか。 基本的には原価管理を始めると、想定より多くコストがかかっていること、または、その逆であることが判明し、コストが多くかかっているところは、削減する活動を開始するのが普通です。 このコスト削減を金額の大小のみに着目して行うとなかなか運用が継続せずに社員が積極的に参加しない取組となり、徐々に形骸化していきます。 そこで、原価管理をうまく定着しスパイラルアップさせるためのポイントを2つ下記します。 基本は情報を広く共有し、原価管理は経営層だけの話ではないことを認識してもらいます。 ①結果の見える化 どこの階層までオープンにするかは、各会社の社風にもよりますが、主任クラスまでには結果を共有し、自身が携わった製品が会社にどれだけの利益を与えて貢献しているのかを認識してもらう。 ②結果の活用 現場の改善活動をおこなっている企業は多いと思いますが、活動結果を定量的に評価しづらいといった側面があります。 そこで、評価基準にコスト評価を加えることで、時間短縮の事例であれば、その結果でどれだけ安く作れるようになって、会社の売上が上がったかがわかるようになります 5.まとめ 今回のコラムでは、原価管理を開始から運用定着する流れについて簡単ではありますが、ポイントを説明させていただきました。 今回の紹介した内容をきっかけに、自社での原価に関する会話を開始し、コスト改善などの取り組みに発展させていただければ幸いです。 また、上記内容について、より具体的に詳細をお知りになりたい場合や導入支援が必要といった場合は、お気軽に弊社にご相談いただければ幸いです。 最後までお読みいただきありがとうございました。 ▼無料ダウンロードはこちらをクリック ▼無料ダウンロードはこちらをクリック いつも当コラムをご愛読いただきありがとうございます。 1.個別原価管理とは 本コラムでは、多くの企業で導入したいが、なかなか実行・定着までにいたらない“個別”原価管理について、導入・定着のポイントについて説明をさせていただきます。 個別原価管理(以下、原価管理)とは、受注生産を主とするものづくり企業においては、製造指示書等の一区分の製造にかかったコストの中身を見える化したものです。 原価管理を説明した資料は、テキストやWebサイト、説明動画も多くありますが、なぜ多くの企業で導入が困難なのでしょうか。 難しそう、何をすればいいかわからないといったイメージで敬遠していることもあると思いますが、実際に導入・定着を現場で実施してきた立場からポイントを下記させていただきます。 本コラムのポイントは、以下の3つです。 (1)原価管理のメリット・デメリット (2)導入する前に必要なこと (3)定着に必要な仕組み作り 2.原価管理のメリット・デメリット 原価管理は、前述したように一つの製造作業指示書で指示された製品を作成するのにかかるコストを費目別に計算したものです。 よって、今まで大雑把に計算していた企業にとっては、曖昧であった労務費や材料費、消耗品費などが明確に出てくることになります。 その結果として、材料工具の無駄遣い、在庫過多、作るたびに赤字が増える製品といったものがわかるようになります。 このように今まで曖昧であったものが、数字で表されるので、コスト改善を行うための、ポイントを定めやすくなり、目標設定と効果測定も実施しやすくなります。 一方で、現場にとっては、曖昧だったことが数字で定量的に表現されるようになるので、敬遠したい取組であったりします。 何事もそうですが、原価管理においても、メリット・デメリットの両面があります。 経営者にとっては、メリットが多いかもしれませんが、会社として取り組む上では、そのバランスをとること、つまり、現場にとってもメリットがある管理であることを理解してもらう必要があります。 では、具体的にどうすればよいでしょうか? 3.スモールスタートで原価管理を導入 まずは、原価管理を導入する目的について設定することが重要です。 先ほども述べたように原価管理導入のメリットは大きいですが、導入・運用共にそれなりの手間がかかります。 制度を作るには、専門知識を学習する必要があり、自社にあった形の仕組みを作るためにはある程度の試行錯誤は必須です。 そこで、ここでは、スモールスタートで原価管理を導入するために必要なことを説明させていただきます。 このスモールスタートできっかけを作っていただき、取組を通して原価管理を高度に発展させていく流れを提案します。 ①管理したい費目の範囲を決定する テキスト通りに導入しようとすると、細かい費目が多く、自社の実態とあわないことがあります。 そこで、すべてを管理対象とするのではなく、確認したい費目に優先順位を定め、その上位から計算するようにします。 ②部分的に導入する 全ての製品に適応するのではなく、製造頻度が多い製品や売上金額が大きい製品などに絞って導入します。 その絞った対象で、原価計算や試験運用をすることで本運用前に取組の質を向上させることができます。 ③プロジェクト化し、改善を継続する 担当者に任せるのでなく、経営者自身をオーナーとしたプロジェクトを組織し、定期的に改善状況をフォローし、最終的なゴールに到達するまで続けることが重要です。 4.定着に必要な仕組みづくり 導入前の事前準備には、スモールスタートを行うことで、取組の質を向上させることを提案させて頂きました。 次のステップとして、実際導入して運用を定着していくにはどうしたらよいでしょうか。 基本的には原価管理を始めると、想定より多くコストがかかっていること、または、その逆であることが判明し、コストが多くかかっているところは、削減する活動を開始するのが普通です。 このコスト削減を金額の大小のみに着目して行うとなかなか運用が継続せずに社員が積極的に参加しない取組となり、徐々に形骸化していきます。 そこで、原価管理をうまく定着しスパイラルアップさせるためのポイントを2つ下記します。 基本は情報を広く共有し、原価管理は経営層だけの話ではないことを認識してもらいます。 ①結果の見える化 どこの階層までオープンにするかは、各会社の社風にもよりますが、主任クラスまでには結果を共有し、自身が携わった製品が会社にどれだけの利益を与えて貢献しているのかを認識してもらう。 ②結果の活用 現場の改善活動をおこなっている企業は多いと思いますが、活動結果を定量的に評価しづらいといった側面があります。 そこで、評価基準にコスト評価を加えることで、時間短縮の事例であれば、その結果でどれだけ安く作れるようになって、会社の売上が上がったかがわかるようになります 5.まとめ 今回のコラムでは、原価管理を開始から運用定着する流れについて簡単ではありますが、ポイントを説明させていただきました。 今回の紹介した内容をきっかけに、自社での原価に関する会話を開始し、コスト改善などの取り組みに発展させていただければ幸いです。 また、上記内容について、より具体的に詳細をお知りになりたい場合や導入支援が必要といった場合は、お気軽に弊社にご相談いただければ幸いです。 最後までお読みいただきありがとうございました。 ▼無料ダウンロードはこちらをクリック

CRPが中小製造業のシステム導入を成功に導く!

2022.12.02

▼無料ダウンロードはこちらをクリック 「2025年の崖問題」を受けて新システム導入を検討されている方は多いかと思います。 しかし、技術革新を背景に現場からのシステム要件は高度化し、それに伴って開発工程も複雑化しています。 今回は、現場が求める要件を満たすシステムを効率的に構築するための有効な手法であるCRPについてご紹介いたします。 1.CRPとは CRP(Conference Room Pilot)とは、パッケージシステムを導入する前に数ライセンス分だけ購入して当該パッケージが自社要件を満たすかどうかテストすること、を指します。 具体的には、新パッケージシステムのデータ設定・定義の確認、現行フローをどこまで再現できるか・再現できない場合に新業務フローはどのようになるのかのテストなどがCRPの実業務に該当します。 2.CRPが注目されている背景 CRPが注目されている背景には、システム開発の複雑化があります。 開発が複雑になる中でもシステムの作り直し・手戻りを最小限にするためにCRPはとても有効です。 昨今の技術革新に伴い「システムにできること」が増えた結果、現場からの要求機能は複雑化しています。 システム構築を進めていく途中で仕様変更となるケースも多く、要件定義から最終仕様の決定まで事前の計画に沿って進める「ウォーターフォール型」の開発では手戻りが発生しやすく非効率的です。 このような変化を受け、システム開発を小さなフェーズ(=小単位)に分け、小単位毎に実装・テストを繰り返すことで、最小限の手戻りリスクで開発を進める「アジャイル開発」という手法も注目を集めています。 アジャイル開発と同様に、要件が複雑化する中でも手戻りが最小限で済むようにシステム開発を進めるために、CRPが注目されています。 次に、製造業がCRPに取り組むメリットについて説明します。 3.製造業がCRPに取り組むメリット 製造業がCRPに取り組むメリットは下記のような内容が該当します。 ①プロジェクト・開発期間の最短化 CRPを実施するメリットの1点目は、システム導入プロジェクト・システム開発期間の最短化が挙げられます。 事前に機能上の課題などが洗い出せるため、開発が開始してから手戻りが発生する可能性が低くなるためです。 CRPをせずシステム開発終了後に現場からのフィードバックを受けシステムを改修する場合、その分の開発工数・時間だけプロジェクト・システム開発の期間は長期化します。 ②実運用のスムーズな切り替え CRPを実施するメリットの2点目は、新システムに向けて実運用の切り替えがスムーズにできるという点です。 CRPを実施することで、機能要件を洗い出したうえで開発が進められるだけではなく実際の運用フローも整理したうえで実運用に移ることができるためです。 通常はシステムの並行稼働時、もしくは開発終了後に運用検討するケースが多いですが、CRPを実施すればその工程を前倒しにすることができ、スムーズに実運用に乗せることができます。 ③新システムへの理解度の早期向上 CRPを実施するメリットの3点目は、現場社員・作業者による新システムへの理解度が早期に向上できるという点です。 CRPでは現場社員・作業者も新システムを触れることで、導入に先んじて操作感覚やシステム機能についての理解度を深めることができるためです。 システム移行方法として並行稼働を選択した場合、「いかに素早く正確に入力するか」が重要になりますが、CRPはその点で非常に有効です。 今回の記事はどちらかというとシステムベンダーが主体となって取り組む部分ですが、導入企業側もCRPのような導入手法を理解しておくことで、システム導入がより円滑に進む確率が高くなります。 システムベンダーに丸投げにならないよう、自社でも「どうしたらシステム導入が成功するか」を考えることが重要です。 ▼無料ダウンロードはこちらをクリック   ▼無料ダウンロードはこちらをクリック 「2025年の崖問題」を受けて新システム導入を検討されている方は多いかと思います。 しかし、技術革新を背景に現場からのシステム要件は高度化し、それに伴って開発工程も複雑化しています。 今回は、現場が求める要件を満たすシステムを効率的に構築するための有効な手法であるCRPについてご紹介いたします。 1.CRPとは CRP(Conference Room Pilot)とは、パッケージシステムを導入する前に数ライセンス分だけ購入して当該パッケージが自社要件を満たすかどうかテストすること、を指します。 具体的には、新パッケージシステムのデータ設定・定義の確認、現行フローをどこまで再現できるか・再現できない場合に新業務フローはどのようになるのかのテストなどがCRPの実業務に該当します。 2.CRPが注目されている背景 CRPが注目されている背景には、システム開発の複雑化があります。 開発が複雑になる中でもシステムの作り直し・手戻りを最小限にするためにCRPはとても有効です。 昨今の技術革新に伴い「システムにできること」が増えた結果、現場からの要求機能は複雑化しています。 システム構築を進めていく途中で仕様変更となるケースも多く、要件定義から最終仕様の決定まで事前の計画に沿って進める「ウォーターフォール型」の開発では手戻りが発生しやすく非効率的です。 このような変化を受け、システム開発を小さなフェーズ(=小単位)に分け、小単位毎に実装・テストを繰り返すことで、最小限の手戻りリスクで開発を進める「アジャイル開発」という手法も注目を集めています。 アジャイル開発と同様に、要件が複雑化する中でも手戻りが最小限で済むようにシステム開発を進めるために、CRPが注目されています。 次に、製造業がCRPに取り組むメリットについて説明します。 3.製造業がCRPに取り組むメリット 製造業がCRPに取り組むメリットは下記のような内容が該当します。 ①プロジェクト・開発期間の最短化 CRPを実施するメリットの1点目は、システム導入プロジェクト・システム開発期間の最短化が挙げられます。 事前に機能上の課題などが洗い出せるため、開発が開始してから手戻りが発生する可能性が低くなるためです。 CRPをせずシステム開発終了後に現場からのフィードバックを受けシステムを改修する場合、その分の開発工数・時間だけプロジェクト・システム開発の期間は長期化します。 ②実運用のスムーズな切り替え CRPを実施するメリットの2点目は、新システムに向けて実運用の切り替えがスムーズにできるという点です。 CRPを実施することで、機能要件を洗い出したうえで開発が進められるだけではなく実際の運用フローも整理したうえで実運用に移ることができるためです。 通常はシステムの並行稼働時、もしくは開発終了後に運用検討するケースが多いですが、CRPを実施すればその工程を前倒しにすることができ、スムーズに実運用に乗せることができます。 ③新システムへの理解度の早期向上 CRPを実施するメリットの3点目は、現場社員・作業者による新システムへの理解度が早期に向上できるという点です。 CRPでは現場社員・作業者も新システムを触れることで、導入に先んじて操作感覚やシステム機能についての理解度を深めることができるためです。 システム移行方法として並行稼働を選択した場合、「いかに素早く正確に入力するか」が重要になりますが、CRPはその点で非常に有効です。 今回の記事はどちらかというとシステムベンダーが主体となって取り組む部分ですが、導入企業側もCRPのような導入手法を理解しておくことで、システム導入がより円滑に進む確率が高くなります。 システムベンダーに丸投げにならないよう、自社でも「どうしたらシステム導入が成功するか」を考えることが重要です。 ▼無料ダウンロードはこちらをクリック  

製造業のデータドリブン経営を実現するためのデータ化について

2022.11.29

▼無料ダウンロードはこちらをクリック データドリブン経営という言葉が出現してから随分と時間が経ちましたが、実際に実現できている会社は多くはありません。 その理由として、主に製造現場のデータ化の取り組みの優先順位が低いことが主に挙げられます。 しかし、製造現場の状況をデータ化することによって見えることは多くあり、うまく活用することによって適切な投資、経営改善が可能となります。 今回は製造現場をデータ化することによって ・見えてくるもの ・データを見て現場改善を進めていくことの効果 について説明していきます。 1.製造現場のデータ化ができていない理由 冒頭でも述べましたが、多くの企業では製造現場のデータ化ができておりません。データ化の優先順位が低いことももちろん理由として挙げられますが、優先順位を上げて取り組むとなった場合、次にデータ化の取り組みのハードルの高さが障壁となってきます。そのハードルの高さの原因は以下となります。 a.データ活用を見据えた、データの適切な粒度の設定が必要 b.現場の状況に合った適切なデータ取得方法の検討が必要 c.現場の方の協力が必要である d.恒常的に行わなければ効果が得られない a.データ活用を見据えた、データの適切な粒度の設定が必要 単に実績だけを取得するのでは、その製品の製造にかかわるリードタイムやボトルネック工程の分析ができなくなってしまいます。どの軸で分析を行い、どのデータを取得することでどのような改善が見込めるかが見えたうえで、データの粒度を設定していく必要があります。 これには、現場の知識だけでなくデータ分析の知識が必要であり、この双方を満たす人材が希少である為、データのハードルが高くなってします。 b.現場の状況に合った適切なデータ取得方法の検討が必要 データの粒度が確定した後には、データ取得方法を検討する必要があります。現在、市場には様々なデータ取得方法が存在しており、それぞれ得手不得手があります。 複数の方法を吟味するには多少の費用が必要となり、さらには一つの手法がすべての設備、工程に対して適切であるとは限らないため、全設備、全工程に合った取得方法を限られた費用の中で決定する必要があります。 費用感としてもおおよそ数百万はかかり、安い金額とは言えない為、限られた予算で取得方法を決定していかなければなりません。 c.現場の方の協力が必要である 取得方法が決定した後は、現場の方への協力をお願いする必要があります。すべて自動で取得できれば良いのですが、データ化する項目には製品名や工程数、担当者名等自動で取得し得ない情報が含まれていますので、二次元コード読み取りなどのひと手間をお願いしなければなりません。 しかし、多品種少量生産であり、常に特急品やその他トラブル等の外乱に対応している現場にとって、そのひと手間を行うことは製造業務の妨げであると感じてしまうことも少なくありません。 データ化することで何が見え、どのように現場改善としてフィードバックされていくのか、という道筋を然りとお見せし、現場の方への理解を得た上で進めていく必要があります。 d.恒常的に行わなければ効果が得られない 多品種少量生産において、データサンプリングによる現場分析にはある程度の限界があります。前項で述べたように、様々な外乱に対処しながら製造しているため、サンプリング時の状況から現場のすべてを推測することはできません。 そのため、恒常的にデータを取得していき、ビッグデータとして蓄積していく必要があります。 これらの障壁は避けられないものであり、簡易化させることはほとんど難しいと考えてよいでしょう。会社全体でデータ化に向けての取り組みを行い、地道に泥臭くデータ化を行っていくことが必要となってきます。 2.製造現場をデータ化することによって見えてくるもの しかし、1項の障壁を突破してでも、データ化することには意味があります。 まず、前提として取得すべきデータは下記項目である必要があります。 ロットNo 段取り開始時間 顧客名 段取り終了時間 製品名 作業開始時間 工程数 作業終了時間 担当者名 設備番号 指示数 良品数 不良品数 不良理由 ここまでの項目を取得できていれば、以下のように多くの軸からの分析が可能となります。 ロットNo軸集計による直接製造費の算出 顧客軸集計による客先別分析 製品ごとのボトルネック工程の分析 担当者ごとの作業分析 設備ごとの稼働分析・製品リードタイム分析 製品に対する良品・不良品の傾向分析 段取りのタイミング、製品ごとにおける傾向分析 製品の製造状況のリアルタイム把握、時間軸分析 etc… データに関してのみ言えば、取得したデータの項目が分析の軸となるため、取得するデータが細かいほどより細かい分析が出来るようになります。 もちろん、細かく取得する分現場への負荷が高くなってしまうため、議論を行う必要がありますが、データの項目を設定する際には、「取得する項目が既に取得されている項目別に違いが現れるかどうか」という点に留意して設定することでより適切な粒度設定が可能となります。 例)段取り時間を追加で取得する必要があるかどうかを検討する場合 ・取得する項目:段取り時間 ・既に取得されている項目:担当者 ・違い:担当者ごとにスキルが問われるため、時間に違いが現れる。 3.データを見て現場改善を進めていくことの効果 データの取得まで行うことができた場合、次は分析のフェーズになります。ここでいう分析では、高度な分析は必要とせずとも必要な改善項目が見えてくる場合が多いと感じています。 分析の方法としては、「項目別にフィルターをかけてそれぞれの違いを分かりやすくグラフ化する」という方法で十分です。 最初の分析段階では、データを見て現場改善していくことによって、今までなんとなく頭の中で「ここが課題で改善が必要だな…」と感じていた部分が可視化されるようになります。勘や経験による課題感の根拠となるものがデータとして現れてきます。 そうなると、根拠のある改善になるため、投資における失敗のリスクを削減することができ、さらに投資対効果の算出も可能となってきます。 データによる改善の効果が現れ始めると、改善による新たな項目に対してもデータ化を意識した改善を行うようになります。それによって新しく改善項目が現れ、またデータ化を意識した改善を行う…とこのサイクルを繰り替えるようになります。 これが「データドリブン経営」となるのです。 4.まとめ AIをはじめとした最新技術において、「データ」というものはデジタル社会である以上使われ続けます。 IT企業では、このデータを集めてビッグデータとして販売するような企業もあるほどです。 早い段階でこの「データ化」に取り組み、資産として蓄積していくことが会社をより良くしていくカギとなります。 ▼無料ダウンロードはこちらをクリック ▼無料ダウンロードはこちらをクリック いつも当コラムをご愛読いただきありがとうございます。 データドリブン経営という言葉が出現してから随分と時間が経ちましたが、実際に実現できている会社は多くはありません。 その理由として、主に製造現場のデータ化の取り組みの優先順位が低いことが主に挙げられます。 しかし、製造現場の状況をデータ化することによって見えることは多くあり、うまく活用することによって適切な投資、経営改善が可能となります。 今回は製造現場をデータ化することによって ・見えてくるもの ・データを見て現場改善を進めていくことの効果 について説明していきます。 1.製造現場のデータ化ができていない理由 冒頭でも述べましたが、多くの企業では製造現場のデータ化ができておりません。データ化の優先順位が低いことももちろん理由として挙げられますが、優先順位を上げて取り組むとなった場合、次にデータ化の取り組みのハードルの高さが障壁となってきます。そのハードルの高さの原因は以下となります。 a.データ活用を見据えた、データの適切な粒度の設定が必要 b.現場の状況に合った適切なデータ取得方法の検討が必要 c.現場の方の協力が必要である d.恒常的に行わなければ効果が得られない a.データ活用を見据えた、データの適切な粒度の設定が必要 単に実績だけを取得するのでは、その製品の製造にかかわるリードタイムやボトルネック工程の分析ができなくなってしまいます。どの軸で分析を行い、どのデータを取得することでどのような改善が見込めるかが見えたうえで、データの粒度を設定していく必要があります。 これには、現場の知識だけでなくデータ分析の知識が必要であり、この双方を満たす人材が希少である為、データのハードルが高くなってします。 b.現場の状況に合った適切なデータ取得方法の検討が必要 データの粒度が確定した後には、データ取得方法を検討する必要があります。現在、市場には様々なデータ取得方法が存在しており、それぞれ得手不得手があります。 複数の方法を吟味するには多少の費用が必要となり、さらには一つの手法がすべての設備、工程に対して適切であるとは限らないため、全設備、全工程に合った取得方法を限られた費用の中で決定する必要があります。 費用感としてもおおよそ数百万はかかり、安い金額とは言えない為、限られた予算で取得方法を決定していかなければなりません。 c.現場の方の協力が必要である 取得方法が決定した後は、現場の方への協力をお願いする必要があります。すべて自動で取得できれば良いのですが、データ化する項目には製品名や工程数、担当者名等自動で取得し得ない情報が含まれていますので、二次元コード読み取りなどのひと手間をお願いしなければなりません。 しかし、多品種少量生産であり、常に特急品やその他トラブル等の外乱に対応している現場にとって、そのひと手間を行うことは製造業務の妨げであると感じてしまうことも少なくありません。 データ化することで何が見え、どのように現場改善としてフィードバックされていくのか、という道筋を然りとお見せし、現場の方への理解を得た上で進めていく必要があります。 d.恒常的に行わなければ効果が得られない 多品種少量生産において、データサンプリングによる現場分析にはある程度の限界があります。前項で述べたように、様々な外乱に対処しながら製造しているため、サンプリング時の状況から現場のすべてを推測することはできません。 そのため、恒常的にデータを取得していき、ビッグデータとして蓄積していく必要があります。 これらの障壁は避けられないものであり、簡易化させることはほとんど難しいと考えてよいでしょう。会社全体でデータ化に向けての取り組みを行い、地道に泥臭くデータ化を行っていくことが必要となってきます。 2.製造現場をデータ化することによって見えてくるもの しかし、1項の障壁を突破してでも、データ化することには意味があります。 まず、前提として取得すべきデータは下記項目である必要があります。 ロットNo 段取り開始時間 顧客名 段取り終了時間 製品名 作業開始時間 工程数 作業終了時間 担当者名 設備番号 指示数 良品数 不良品数 不良理由 ここまでの項目を取得できていれば、以下のように多くの軸からの分析が可能となります。 ロットNo軸集計による直接製造費の算出 顧客軸集計による客先別分析 製品ごとのボトルネック工程の分析 担当者ごとの作業分析 設備ごとの稼働分析・製品リードタイム分析 製品に対する良品・不良品の傾向分析 段取りのタイミング、製品ごとにおける傾向分析 製品の製造状況のリアルタイム把握、時間軸分析 etc… データに関してのみ言えば、取得したデータの項目が分析の軸となるため、取得するデータが細かいほどより細かい分析が出来るようになります。 もちろん、細かく取得する分現場への負荷が高くなってしまうため、議論を行う必要がありますが、データの項目を設定する際には、「取得する項目が既に取得されている項目別に違いが現れるかどうか」という点に留意して設定することでより適切な粒度設定が可能となります。 例)段取り時間を追加で取得する必要があるかどうかを検討する場合 ・取得する項目:段取り時間 ・既に取得されている項目:担当者 ・違い:担当者ごとにスキルが問われるため、時間に違いが現れる。 3.データを見て現場改善を進めていくことの効果 データの取得まで行うことができた場合、次は分析のフェーズになります。ここでいう分析では、高度な分析は必要とせずとも必要な改善項目が見えてくる場合が多いと感じています。 分析の方法としては、「項目別にフィルターをかけてそれぞれの違いを分かりやすくグラフ化する」という方法で十分です。 最初の分析段階では、データを見て現場改善していくことによって、今までなんとなく頭の中で「ここが課題で改善が必要だな…」と感じていた部分が可視化されるようになります。勘や経験による課題感の根拠となるものがデータとして現れてきます。 そうなると、根拠のある改善になるため、投資における失敗のリスクを削減することができ、さらに投資対効果の算出も可能となってきます。 データによる改善の効果が現れ始めると、改善による新たな項目に対してもデータ化を意識した改善を行うようになります。それによって新しく改善項目が現れ、またデータ化を意識した改善を行う…とこのサイクルを繰り替えるようになります。 これが「データドリブン経営」となるのです。 4.まとめ AIをはじめとした最新技術において、「データ」というものはデジタル社会である以上使われ続けます。 IT企業では、このデータを集めてビッグデータとして販売するような企業もあるほどです。 早い段階でこの「データ化」に取り組み、資産として蓄積していくことが会社をより良くしていくカギとなります。 ▼無料ダウンロードはこちらをクリック

DXを低コストで実現するためのポイント

2022.11.16

今回は、「DXを低コストで実現するためのポイントとは?」 というテーマについてお伝えさせていただきます。 さて、近年全国各地の中堅・中小製造業の企業様にて、 DX推進の一環として「業務のシステム化」に関する コンサルティングをさせていただく機会が増えています。 その中で、お付き合い先の製造業の経営者様から、 「システム化にはやはり多額のお金がかかるんですよね…」 といったお声を頂戴することがあります。 「できるだけ低コストでシステム化を実現したい!」という想いは、 多くの製造業経営者様の間で共通の認識であることを、 日々実感する次第です。 もちろん、「補助金活用」という手段を通じて、 システム化に伴う金額的な負担を軽減する という選択肢もありますが、 申請した補助金が不採択になってしまった場合のリスクを考慮すると、 「補助金活用」以外の手段も同時に考えていきたいところ。 そこで、今回のコラムでは 「システム化に伴うコストの低減」に繋げるために 有効なポイントを2つご紹介いたします。 1.ポイント(1):システム化の前に「既存業務の見直し・再定義」からスタートする 「システム化に伴うコストの低減」へと繋げるために重要なポイントとして、 既存の業務フローや業務の考え方をすべてシステム化しようとするのではなく、 システム導入を契機として、 既存の業務のあり方を見直し、 余計な業務工程や考え方・ルール等を削ぎ落とす ことが挙げられます。 多くの場合、現場担当者は「今の仕事が必要で、正しい」と思っているため、 現場担当者に対して「どのような仕事のやり方がベストか?」を聞いても、 「今の仕事のやり方がベスト」という答え以外はなかなか返ってきづらいです。 このような状況の中で、 既存の業務フローや業務の考え方を すべてシステム化しようとしてしまうと、 システム化に伴うコストは自然と上がってしまいます。 「業務のシステム化」に関するコンサルティングの流れとして、 既存業務を客観的に分析・整理することからスタートするわけですが、 システム化に伴うコストを低減するためには、 これまでの会社の常識や前任者の名残りで、既存業務の標準化が進んでいない業務はないか? 客観的に考えると特に競争優位になっていないのに、「単に複雑なだけ」の業務が残っていないか? よくよく聞いてみると実施目的が曖昧だが、これまでの慣習で残ったままになっている業務はないか? 自社の業績アップ(売上アップ・利益アップ・コスト削減)に貢献しているかどうか不透明な業務はないか? 等の客観的かつ経営的な観点から、 現状を俯瞰し整理していくことが必要です。 「システムへの投資後」ではなく、 「システムに投資する前」の段階で、 既存業務のあり方や目的等を問い直し、 その上で既存業務の簡素化・再定義を進めていくことが、 「システム化に伴うコスト低減」に向けた第一歩となります。 2.ポイント(2):「機能」ではなく、「本当に解決したい課題」から考える 結論としては、「1回のシステム開発に多くの機能・条件を求めすぎない」ことが特に重要となります。 よくある例としては、 既存の業務フローや業務の考え方をすべてシステム化しようとする。 「本当に解決したい課題」を絞らずに、機能の話ばかりに終始する。 各機能に対して優先順位を明確につけずに、すべての機能を1つのシステムに組み込もうとする。 その他にも自社特有の機能を1つのシステムに「あれもこれも」と追加しようとする。 結果としてシステム開発費用が膨れ上がる。 システム開発費用と比例して、システム開発工数も延びてしまう。 より多くの機能・条件を1つのシステム内でカバーする必要があるため、システム開発が難航してしまう。 システムの出来自体も、かなり複雑なものになってしまう。 等の事柄が挙げられます。 上記のような発想のまま、 1度で完璧なものを完成させる前提でシステム化を進めてしまうと、 システム化に伴うコストは高騰し、 結果的にシステム化自体も失敗する可能性が高まってしまいます。 システム化に伴うコストの高騰と システム化自体の失敗を回避するための進め方の一例としては、 ①現場の事実をもとにした課題の整理 ②解くべき課題の優先順位付け ③優先度の高い課題を解決する機能の洗い出し ④必要機能のシステムへの落とし込み という流れを踏まえた上で、 どうしても追加したい機能や条件がある場合は、 開発フェーズを分けて導入を進める等の進め方がおすすめです。 システムに搭載する機能自体は、 あくまでも「本当に解決したい課題」を解決するための手段にすぎません。 したがって、業務のシステム化を進めるにあたっては、 「どのような機能を追加するか?(=手段)」の議論の前に、 「本当に解決したい課題は何か?(=目的)」を十分に議論し、 内容を整理する機会を確保することが必要となります。   ■オンラインセミナー開催のお知らせ 「板金加工業の為のAI活用!」社長セミナー https://www.funaisoken.co.jp/seminar/094242 ■講座内容 ■第1講座 AI取り組み事例講座編 「全国各地で見られる製造業でのAI取り組み事例」 生産計画・生産管理にAIを活用して、生産計画作成の自動化・脱属人化&生産管理最適化に取り組んでいる製造業の事例 製造現場でのデジタル活用を通じて、製品個別の原価管理の最適化に取り組んでいる製造業の事例 AIカメラを活用し、設備稼働監視&生産効率アップに取り組んでいる製造業の事例 製造現場でのAI化・IoT化・ロボット化・デジタル化により職人依存体制からの脱却を目指している製造業の事例 株式会社 船井総合研究所 岩松 将史 ■第2講座 見積もり業務のAI化を通じて”社長の生産性アップ”を実現!従業員数51名の製造業における”AI活用最新事例”講座 従業員数51名!多品種少量生産型の板金加工会社によるAI活用事例! 2DCADデータを用いた見積もりAIシステムを導入!属人的な見積もり業務の「標準化・脱属人化・技術継承」を推進! AI導入をきっかけとして、見積もり業務における”社長の生産性アップ”を実現! 佐竹鉄工 株式会社 代表取締役 佐竹 宏文 氏 株式会社 船井総合研究所 岩松 将史 ■第3講座 AI活用戦略講座編 「製造業経営者が取り組むべきAI活用戦略」 製造業の経営にAIを活用する方法 ”経営者目線”で知っておくべき製造業で実践できる具体的なAI活用とは? 漠然とした理論・概論ではなく、現場で即使えて実践的なAI導入手順 株式会社 船井総合研究所 菊池 功 ■開催日程 全てオンライン開催となります 2023/02/07 (火) 13:00~15:00 2023/02/09 (木) 13:00~15:00 2023/02/14 (火) 13:00~15:00 セミナー詳細・申込はこちらから⇒ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/094242   工場のAI・デジタル化最新事例解説レポート ▼事例レポート無料ダウンロードお申し込みはこちら▼ https://lp.funaisoken.co.jp/mt/smart-factory/dltext04-01-dl.html 「AIやデジタルツールなどを使うことで、工場内のどのような課題を解決できるのか?」 「工場のDX(デジタルトランスフォーメーション)に関して、具体的な事例を知りたい」 本レポートでは、「工場のAI・デジタル化」にテーマを絞った上で、各種事例をご紹介いたします。 【事例①】AI活用を通じて「見積もり業務の標準化・脱属人化」を推進 【事例②】AIを活用した「類似案件検索システム」の確立 【事例③】AIを活用した外観検査体制の構築 【事例④】現場に散乱していた生産日報・日常点検表等のペーパーレス化を実現 【事例⑤】メンテナンス事業の案件情報一元管理 【事例⑥】営業担当者のワンストップ簡易設計システムの構築 【事例⑦】クラウドIoTによる設備の故障予知 いつも当コラムをご愛読いただきありがとうございます。 今回は、「DXを低コストで実現するためのポイントとは?」 というテーマについてお伝えさせていただきます。 さて、近年全国各地の中堅・中小製造業の企業様にて、 DX推進の一環として「業務のシステム化」に関する コンサルティングをさせていただく機会が増えています。 その中で、お付き合い先の製造業の経営者様から、 「システム化にはやはり多額のお金がかかるんですよね…」 といったお声を頂戴することがあります。 「できるだけ低コストでシステム化を実現したい!」という想いは、 多くの製造業経営者様の間で共通の認識であることを、 日々実感する次第です。 もちろん、「補助金活用」という手段を通じて、 システム化に伴う金額的な負担を軽減する という選択肢もありますが、 申請した補助金が不採択になってしまった場合のリスクを考慮すると、 「補助金活用」以外の手段も同時に考えていきたいところ。 そこで、今回のコラムでは 「システム化に伴うコストの低減」に繋げるために 有効なポイントを2つご紹介いたします。 1.ポイント(1):システム化の前に「既存業務の見直し・再定義」からスタートする 「システム化に伴うコストの低減」へと繋げるために重要なポイントとして、 既存の業務フローや業務の考え方をすべてシステム化しようとするのではなく、 システム導入を契機として、 既存の業務のあり方を見直し、 余計な業務工程や考え方・ルール等を削ぎ落とす ことが挙げられます。 多くの場合、現場担当者は「今の仕事が必要で、正しい」と思っているため、 現場担当者に対して「どのような仕事のやり方がベストか?」を聞いても、 「今の仕事のやり方がベスト」という答え以外はなかなか返ってきづらいです。 このような状況の中で、 既存の業務フローや業務の考え方を すべてシステム化しようとしてしまうと、 システム化に伴うコストは自然と上がってしまいます。 「業務のシステム化」に関するコンサルティングの流れとして、 既存業務を客観的に分析・整理することからスタートするわけですが、 システム化に伴うコストを低減するためには、 これまでの会社の常識や前任者の名残りで、既存業務の標準化が進んでいない業務はないか? 客観的に考えると特に競争優位になっていないのに、「単に複雑なだけ」の業務が残っていないか? よくよく聞いてみると実施目的が曖昧だが、これまでの慣習で残ったままになっている業務はないか? 自社の業績アップ(売上アップ・利益アップ・コスト削減)に貢献しているかどうか不透明な業務はないか? 等の客観的かつ経営的な観点から、 現状を俯瞰し整理していくことが必要です。 「システムへの投資後」ではなく、 「システムに投資する前」の段階で、 既存業務のあり方や目的等を問い直し、 その上で既存業務の簡素化・再定義を進めていくことが、 「システム化に伴うコスト低減」に向けた第一歩となります。 2.ポイント(2):「機能」ではなく、「本当に解決したい課題」から考える 結論としては、「1回のシステム開発に多くの機能・条件を求めすぎない」ことが特に重要となります。 よくある例としては、 既存の業務フローや業務の考え方をすべてシステム化しようとする。 「本当に解決したい課題」を絞らずに、機能の話ばかりに終始する。 各機能に対して優先順位を明確につけずに、すべての機能を1つのシステムに組み込もうとする。 その他にも自社特有の機能を1つのシステムに「あれもこれも」と追加しようとする。 結果としてシステム開発費用が膨れ上がる。 システム開発費用と比例して、システム開発工数も延びてしまう。 より多くの機能・条件を1つのシステム内でカバーする必要があるため、システム開発が難航してしまう。 システムの出来自体も、かなり複雑なものになってしまう。 等の事柄が挙げられます。 上記のような発想のまま、 1度で完璧なものを完成させる前提でシステム化を進めてしまうと、 システム化に伴うコストは高騰し、 結果的にシステム化自体も失敗する可能性が高まってしまいます。 システム化に伴うコストの高騰と システム化自体の失敗を回避するための進め方の一例としては、 ①現場の事実をもとにした課題の整理 ②解くべき課題の優先順位付け ③優先度の高い課題を解決する機能の洗い出し ④必要機能のシステムへの落とし込み という流れを踏まえた上で、 どうしても追加したい機能や条件がある場合は、 開発フェーズを分けて導入を進める等の進め方がおすすめです。 システムに搭載する機能自体は、 あくまでも「本当に解決したい課題」を解決するための手段にすぎません。 したがって、業務のシステム化を進めるにあたっては、 「どのような機能を追加するか?(=手段)」の議論の前に、 「本当に解決したい課題は何か?(=目的)」を十分に議論し、 内容を整理する機会を確保することが必要となります。   ■オンラインセミナー開催のお知らせ 「板金加工業の為のAI活用!」社長セミナー https://www.funaisoken.co.jp/seminar/094242 ■講座内容 ■第1講座 AI取り組み事例講座編 「全国各地で見られる製造業でのAI取り組み事例」 生産計画・生産管理にAIを活用して、生産計画作成の自動化・脱属人化&生産管理最適化に取り組んでいる製造業の事例 製造現場でのデジタル活用を通じて、製品個別の原価管理の最適化に取り組んでいる製造業の事例 AIカメラを活用し、設備稼働監視&生産効率アップに取り組んでいる製造業の事例 製造現場でのAI化・IoT化・ロボット化・デジタル化により職人依存体制からの脱却を目指している製造業の事例 株式会社 船井総合研究所 岩松 将史 ■第2講座 見積もり業務のAI化を通じて”社長の生産性アップ”を実現!従業員数51名の製造業における”AI活用最新事例”講座 従業員数51名!多品種少量生産型の板金加工会社によるAI活用事例! 2DCADデータを用いた見積もりAIシステムを導入!属人的な見積もり業務の「標準化・脱属人化・技術継承」を推進! AI導入をきっかけとして、見積もり業務における”社長の生産性アップ”を実現! 佐竹鉄工 株式会社 代表取締役 佐竹 宏文 氏 株式会社 船井総合研究所 岩松 将史 ■第3講座 AI活用戦略講座編 「製造業経営者が取り組むべきAI活用戦略」 製造業の経営にAIを活用する方法 ”経営者目線”で知っておくべき製造業で実践できる具体的なAI活用とは? 漠然とした理論・概論ではなく、現場で即使えて実践的なAI導入手順 株式会社 船井総合研究所 菊池 功 ■開催日程 全てオンライン開催となります 2023/02/07 (火) 13:00~15:00 2023/02/09 (木) 13:00~15:00 2023/02/14 (火) 13:00~15:00 セミナー詳細・申込はこちらから⇒ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/094242   工場のAI・デジタル化最新事例解説レポート ▼事例レポート無料ダウンロードお申し込みはこちら▼ https://lp.funaisoken.co.jp/mt/smart-factory/dltext04-01-dl.html 「AIやデジタルツールなどを使うことで、工場内のどのような課題を解決できるのか?」 「工場のDX(デジタルトランスフォーメーション)に関して、具体的な事例を知りたい」 本レポートでは、「工場のAI・デジタル化」にテーマを絞った上で、各種事例をご紹介いたします。 【事例①】AI活用を通じて「見積もり業務の標準化・脱属人化」を推進 【事例②】AIを活用した「類似案件検索システム」の確立 【事例③】AIを活用した外観検査体制の構築 【事例④】現場に散乱していた生産日報・日常点検表等のペーパーレス化を実現 【事例⑤】メンテナンス事業の案件情報一元管理 【事例⑥】営業担当者のワンストップ簡易設計システムの構築 【事例⑦】クラウドIoTによる設備の故障予知

DX、デジタルに強い人材を確保する方法

2022.11.11

1.「デジタル人材」と「IT人材」は違う 今日、多くの企業でDX(デジタルトランスフォーメーション)が推進され、デジタル人材の需要はますます高くなっています。 今回はそんなDXに欠かせないDX人財の獲得の方法についてご紹介していきます。 デジタル人材とは、最先端のデジタル技術を活用して企業に対して新たな価値提供ができる人材のことをいいます。時代によって最先端のデジタル技術は変化していきますが、現在「IoT」「AI」「Web3.0」「5G」「XR」といった技術が対象となるのではないでしょうか。DX改革(デジタルトランスフォーメーション)に代表されるように、企業の変革・改革にはこういった最先端技術の活用を行い、自社や顧客に対して新たな価値提供を行うことが求められています。 よくIT人材と混同されがちですが、IT人材は中小企業庁で下記のように定義されており、デジタル人材が「価値提供者」なのに対してIT人材は「実行者・運用者」であることが読み取れます。 <デジタル人材> 最先端のデジタル技術を活用して企業に対して新たな価値提供ができる人材 <IT人材> ITの活用や情報システムの導入を企画、推進、運用する人材 よく「DXプロジェクトをIT部門に設置している」というお客様がいます。この場合、プロジェクトがうまく行かない事例を耳にしますが、それは上記のように、そもそもそれぞれで役割や必要とされる能力が異なる為に起こる失敗例となります。 2.DX人財を確保する方法 DX人財を確保するには以下の方法しかありません。 ① 経験者採用を行う ② 社内教育によりDX人財を育成する ③ 専門のコンサルタントやベンダーと協力して行う ① 経験者採用を行う 始めに思いつくのは経験者採用でしょう。ただ残念なことにDX人財と呼ばれる人を1~2人だけ採用してうまくいったという事例を聞いたことはありません。 これは、経営陣がDXプロジェクトを採用者に丸投げしているケースが多いためです。採用者に漠然としたゴールのみ与えて、結果だけを期待してしまい、その一方で採用された人達は会社からのサポートもなく、企業文化や反対勢力に押し潰されてしまうという構図です。 経験者採用をする場合は、複数人を同時に採用し、社内でも若手を登用して社長直下のプロジェクトにすることをお勧めします。ただ、採用時にどういう人材が必要はわからない、相手の力量もわからないという状況では、自前で採用するということは難しく、失敗する可能性は高いでしょう。 ②社内教育によりDX人財を育成する 最近では「リスキリング」=社内人材のデジタルスキルの学び直し・アップデートと呼ばれます。昨日、日本政府が今後5年間で1兆円を「リスキリング」の支援に投じる方針を打ち出し、市場としては盛り上がりを見せています。また、2022年6月にはGoogleが主催した「日本リスキリングコンソーシアム」が発足され、大手企業ではデジタル人財の育成を図るべく、AIベンダーと協力しながら人財育成を行っています。 まだまだ始まったばかりの取組みですが、業務を理解している側がデジタルを理解し活用して社内でイノベーションを起こしていくという流れが期待されています。 これも社員の意欲にだけ期待するのではなく、会社として始めるからには「DX人財になるメリットや優位性」について企業側が制度整備を行った上で実施していくべきと考えます。決して意欲的に取り組んだ社員に負担だけがかかるいわゆる「やり損」にならないように企業側は配慮する必要があります。 ③専門のコンサルタントやベンダーと協力して行う 最も確実性が高く、スピーディーなのは、専門のコンサルタントもしくは、コンサルタント機関があるベンダーに依頼することです。自社にはいない専門人財を短期間に雇うということになります。社内の人材では考えつかないアプローチ方法や改善方法を提示してくれることでしょう。 ただ、自社以外のコンサルやベンダーに依頼しても、丸投げしてしまえば、成功確率は低くなります。あくまで使いこなすのはその会社の皆さまですから、一緒に勉強して学んでいく姿勢は必要です。 3.DXの取組み対する経営陣の姿勢 最後にDXの取組み対する経営陣の姿勢について記載します ①~③どれにも当てはまることですが、DXに取り組むのであれば、経営陣が現場担当者に任せっぱなしでは、絶対にうまく行きません。 DXはITシステムの導入と異なり、「IT技術を駆使して、これまでの企業文化(当たり前)から脱却する」ことです。 現場担当者は現状を大きく変えたくないものです。経営陣が「会社を変えるんだ!」という意識がなければ、従業員は動かず、「大変だ」「時間がない」の積み重ねによりDXプロジェクトは頓挫します。経営陣はプロジェクトがうまくいかなことを他人のせいにしていてはいけません。 いかがでしょうか。①~③についてDX人財が必要であれば、いくつかのアプローチはありますが、いずれにしても経営陣の覚悟と会社全体を巻き込む力が必要となってきます。 最後までお読みいただきありがとうございました。     ■オンラインセミナー開催のお知らせ 「板金加工業の為のAI活用!」社長セミナー https://www.funaisoken.co.jp/seminar/094242 ■講座内容 ■第1講座 AI取り組み事例講座編 「全国各地で見られる製造業でのAI取り組み事例」 ・生産計画・生産管理にAIを活用して、生産計画作成の自動化・脱属人化&生産管理最適化に取り組んでいる製造業の事例 ・製造現場でのデジタル活用を通じて、製品個別の原価管理の最適化に取り組んでいる製造業の事例 ・AIカメラを活用し、設備稼働監視&生産効率アップに取り組んでいる製造業の事例 ・製造現場でのAI化・IoT化・ロボット化・デジタル化により職人依存体制からの脱却を目指している製造業の事例 ■第2講座 見積もり業務のAI化を通じて”社長の生産性アップ”を実現!従業員数51名の製造業における”AI活用最新事例”講座 ・従業員数51名!多品種少量生産型の板金加工会社によるAI活用事例! ・2DCADデータを用いた見積もりAIシステムを導入!属人的な見積もり業務の「標準化・脱属人化・技術継承」を推進! ・AI導入をきっかけとして、見積もり業務における”社長の生産性アップ”を実現! ■第3講座 AI活用戦略講座編 「製造業経営者が取り組むべきAI活用戦略」 ・製造業の経営にAIを活用する方法 ・”経営者目線”で知っておくべき製造業で実践できる具体的なAI活用とは? ・漠然とした理論・概論ではなく、現場で即使えて実践的なAI導入手順 ■開催日程 オンライン開催となります 2023/02/07 (火) 13:00~15:00 2023/02/09 (木) 13:00~15:00 2023/02/14 (火) 13:00~15:00 セミナー詳細・申込はこちらから⇒ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/094242   ■無料ダウンロード!! 製造業経営者様向け 2025年の崖レポートから始まったDX~コロナ禍で起こったこと ▼事例レポート無料ダウンロードお申し込みはこちら▼ https://smart-factory.funaisoken.co.jp/download/210506_02/ この1冊で製造業におけるDXの基本とコロナの関係性が分かる! ※製造業限定(製造業以外の企業・団体からのダウンロードについては、お断りさせていただく場合がございます。) レポートの内容 2018年経済産業省DXレポート【2025年の崖】問題 DX(Digital Transformation)とは何か? コロナ禍で起きたこととDXの本質~働き方改革とDX いつも当コラムをご愛読いただきありがとうございます。 1.「デジタル人材」と「IT人材」は違う 今日、多くの企業でDX(デジタルトランスフォーメーション)が推進され、デジタル人材の需要はますます高くなっています。 今回はそんなDXに欠かせないDX人財の獲得の方法についてご紹介していきます。 デジタル人材とは、最先端のデジタル技術を活用して企業に対して新たな価値提供ができる人材のことをいいます。時代によって最先端のデジタル技術は変化していきますが、現在「IoT」「AI」「Web3.0」「5G」「XR」といった技術が対象となるのではないでしょうか。DX改革(デジタルトランスフォーメーション)に代表されるように、企業の変革・改革にはこういった最先端技術の活用を行い、自社や顧客に対して新たな価値提供を行うことが求められています。 よくIT人材と混同されがちですが、IT人材は中小企業庁で下記のように定義されており、デジタル人材が「価値提供者」なのに対してIT人材は「実行者・運用者」であることが読み取れます。 <デジタル人材> 最先端のデジタル技術を活用して企業に対して新たな価値提供ができる人材 <IT人材> ITの活用や情報システムの導入を企画、推進、運用する人材 よく「DXプロジェクトをIT部門に設置している」というお客様がいます。この場合、プロジェクトがうまく行かない事例を耳にしますが、それは上記のように、そもそもそれぞれで役割や必要とされる能力が異なる為に起こる失敗例となります。 2.DX人財を確保する方法 DX人財を確保するには以下の方法しかありません。 ① 経験者採用を行う ② 社内教育によりDX人財を育成する ③ 専門のコンサルタントやベンダーと協力して行う ① 経験者採用を行う 始めに思いつくのは経験者採用でしょう。ただ残念なことにDX人財と呼ばれる人を1~2人だけ採用してうまくいったという事例を聞いたことはありません。 これは、経営陣がDXプロジェクトを採用者に丸投げしているケースが多いためです。採用者に漠然としたゴールのみ与えて、結果だけを期待してしまい、その一方で採用された人達は会社からのサポートもなく、企業文化や反対勢力に押し潰されてしまうという構図です。 経験者採用をする場合は、複数人を同時に採用し、社内でも若手を登用して社長直下のプロジェクトにすることをお勧めします。ただ、採用時にどういう人材が必要はわからない、相手の力量もわからないという状況では、自前で採用するということは難しく、失敗する可能性は高いでしょう。 ②社内教育によりDX人財を育成する 最近では「リスキリング」=社内人材のデジタルスキルの学び直し・アップデートと呼ばれます。昨日、日本政府が今後5年間で1兆円を「リスキリング」の支援に投じる方針を打ち出し、市場としては盛り上がりを見せています。また、2022年6月にはGoogleが主催した「日本リスキリングコンソーシアム」が発足され、大手企業ではデジタル人財の育成を図るべく、AIベンダーと協力しながら人財育成を行っています。 まだまだ始まったばかりの取組みですが、業務を理解している側がデジタルを理解し活用して社内でイノベーションを起こしていくという流れが期待されています。 これも社員の意欲にだけ期待するのではなく、会社として始めるからには「DX人財になるメリットや優位性」について企業側が制度整備を行った上で実施していくべきと考えます。決して意欲的に取り組んだ社員に負担だけがかかるいわゆる「やり損」にならないように企業側は配慮する必要があります。 ③専門のコンサルタントやベンダーと協力して行う 最も確実性が高く、スピーディーなのは、専門のコンサルタントもしくは、コンサルタント機関があるベンダーに依頼することです。自社にはいない専門人財を短期間に雇うということになります。社内の人材では考えつかないアプローチ方法や改善方法を提示してくれることでしょう。 ただ、自社以外のコンサルやベンダーに依頼しても、丸投げしてしまえば、成功確率は低くなります。あくまで使いこなすのはその会社の皆さまですから、一緒に勉強して学んでいく姿勢は必要です。 3.DXの取組み対する経営陣の姿勢 最後にDXの取組み対する経営陣の姿勢について記載します ①~③どれにも当てはまることですが、DXに取り組むのであれば、経営陣が現場担当者に任せっぱなしでは、絶対にうまく行きません。 DXはITシステムの導入と異なり、「IT技術を駆使して、これまでの企業文化(当たり前)から脱却する」ことです。 現場担当者は現状を大きく変えたくないものです。経営陣が「会社を変えるんだ!」という意識がなければ、従業員は動かず、「大変だ」「時間がない」の積み重ねによりDXプロジェクトは頓挫します。経営陣はプロジェクトがうまくいかなことを他人のせいにしていてはいけません。 いかがでしょうか。①~③についてDX人財が必要であれば、いくつかのアプローチはありますが、いずれにしても経営陣の覚悟と会社全体を巻き込む力が必要となってきます。 最後までお読みいただきありがとうございました。     ■オンラインセミナー開催のお知らせ 「板金加工業の為のAI活用!」社長セミナー https://www.funaisoken.co.jp/seminar/094242 ■講座内容 ■第1講座 AI取り組み事例講座編 「全国各地で見られる製造業でのAI取り組み事例」 ・生産計画・生産管理にAIを活用して、生産計画作成の自動化・脱属人化&生産管理最適化に取り組んでいる製造業の事例 ・製造現場でのデジタル活用を通じて、製品個別の原価管理の最適化に取り組んでいる製造業の事例 ・AIカメラを活用し、設備稼働監視&生産効率アップに取り組んでいる製造業の事例 ・製造現場でのAI化・IoT化・ロボット化・デジタル化により職人依存体制からの脱却を目指している製造業の事例 ■第2講座 見積もり業務のAI化を通じて”社長の生産性アップ”を実現!従業員数51名の製造業における”AI活用最新事例”講座 ・従業員数51名!多品種少量生産型の板金加工会社によるAI活用事例! ・2DCADデータを用いた見積もりAIシステムを導入!属人的な見積もり業務の「標準化・脱属人化・技術継承」を推進! ・AI導入をきっかけとして、見積もり業務における”社長の生産性アップ”を実現! ■第3講座 AI活用戦略講座編 「製造業経営者が取り組むべきAI活用戦略」 ・製造業の経営にAIを活用する方法 ・”経営者目線”で知っておくべき製造業で実践できる具体的なAI活用とは? ・漠然とした理論・概論ではなく、現場で即使えて実践的なAI導入手順 ■開催日程 オンライン開催となります 2023/02/07 (火) 13:00~15:00 2023/02/09 (木) 13:00~15:00 2023/02/14 (火) 13:00~15:00 セミナー詳細・申込はこちらから⇒ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/094242   ■無料ダウンロード!! 製造業経営者様向け 2025年の崖レポートから始まったDX~コロナ禍で起こったこと ▼事例レポート無料ダウンロードお申し込みはこちら▼ https://smart-factory.funaisoken.co.jp/download/210506_02/ この1冊で製造業におけるDXの基本とコロナの関係性が分かる! ※製造業限定(製造業以外の企業・団体からのダウンロードについては、お断りさせていただく場合がございます。) レポートの内容 2018年経済産業省DXレポート【2025年の崖】問題 DX(Digital Transformation)とは何か? コロナ禍で起きたこととDXの本質~働き方改革とDX

中堅・中小ものづくり企業の新成長戦略~事業成長担保権の活用~

2022.11.04

本コラムでは、企業の事業課題の一つである「金融機関からの融資」に対して、新たな選択肢となると最近話題となっている「事業成長担保権」について、中堅・中小製造企業にとって自社の事業を成長させるために重要であること、および制度施行後に速やかに融資審査を受けるために今から始めることを筆者の予測を含めつつ解説させていただきます。 本コラムのポイントは、以下の3つです。 (1)事業成長担保権に期待すること (2)事業計画で融資を受けるために今から始めること (3)事業計画を作るために必要なこと 1.事業成長担保権に期待すること 本担保制度に期待することは下記の2つです。 ① 技術力を生かした事業の展開 ② 社員の技術力向上 事業成長担保権とは、2022年現在、法務省及び関係省庁、有識者で議論を進めている「無形資産を含めた事業全体に対する担保制度」のことです。 まだ、議論中であるため、内容が確定しいるわけではありませんが、この担保権の対象になる無形資産の中には、「ブランド・ノウハウ・顧客基盤・知的所有権等」「事業運営から創り出される(将来見込まれる)キャッシュフロー」が含まれています。 この企画の背景に、ITベンチャー企業のように固定資産を充分持たない企業の経営者に融資を行えるような環境整備の必要性が高まっていることがあげられます。一方で、自社のものづくりに自信があり成長戦略を持っている企業にとっても、大変重要な制度です。 従来は、銀行が融資判断をする際は経営者の有形の不動産(土地、工場、設備等)、個別資産の評価額を算定したうえで企業の事業計画に融資するかどうか判断をしていましたが、この新たな担保制度では、事業全体が担保になります。 精度が高い事業計画を作成することで、その計画から生まれるキャッシュフローを基に融資を受けられるようになります。既存の融資方法ではあきらめていた計画でも、具体的で実現性が高ければ、新たな融資を受けられる可能性が高くなります。 その為、融資審査でも事業計画の内容をより精査されることが予想されます。これは事業計画の審査が厳しくなるといった面がある一方で、融資をうけるまでの過程で指摘が入ることで、事業計画の内容がブラッシュアップされるといった面もあります。 また、自社の技術力、その理由となる社員の能力も資産価値として評価されることが期待できる(特定の技術を持った技術系社員が必要な製品での差別化等)ため、社員にとっても技術力を高めることで企業価値向上に貢献できます。そういった能力を備えた社員と企業の両方が社外からも評価されれば、企業と社員の両方にメリットがあり、新たな人事評価制度の設定など様々な変革が起きることが期待できます。 2.今から始めること 事業成長担保権の運用は検討を進めている状況で、運用は始まっていません。 そのため、審査方法の詳細は不明ですが、従来の審査よりは事業計画を細かく具体的にチェックを受けること確実でしょう。 では、どういった事業計画が求められるのでしょうか? 重要な要素は複数あります。 自社の概況・市場分析・自社の優位性・計画の実現性等などです。従来の中長期計画や事業計画などでも同様のことは作成してきたと思います。今後は、その精度と確度が従来よりも高いレベルで要求されることが想像でき、「具体的な根拠」を求められることでしょう。 つまり、根拠をデータで示すことはもちろん、そのデータを集める方法や管理方法を説明する必要があります。事業計画がデータ・根拠に基づいて実現性高く立案されていれば、審査の際の説得力が増しますし、そういった計画は事業成長の強力な柱になることが期待できます。 重要ポイントは、「データで見せる」ことだと考えていますので、そのための数値化の仕組みとデータを蓄積・分析し、データで進捗管理を定期実施していることを示す必要があります。また、データのみならず、ソフト面・ハード面でも必要なことを決める必要があります。 3.データに基づいた事業計画を作るために必要なこと 以下では、データに基づいた事業計画を作成するために必要な取組内容の一部とその理由について説明させていただきます。 ① 社員の能力の把握 スキルマップや評価テスト、人事考課などの結果を集計し、各社員の技量を整理しておき、事業計画を実現するために必要な人材、不足している人材を把握します。不足している人材確保のための採用計画や育成計画を立て、事業計画の具体性を向上させます。 ② 生産能力の把握 設備能力一覧表や主力製品の生産リードタイムを把握しておきます。また、外注や購買関係の協力会社の能力についても整理しておく必要があります。生産能力を把握することで生産計画の説得力が増します。 ③ 実績管理の強化 個別原価管理や生産管理等を数値で管理することで、管理体制を強化します。数値を使用することで、あいまいになっている部分を明確に把握し、事業目標を具体的に設定できるようなります。 ④ 改善活動の推進 管理の強化と合わせて改善活動を進めます。改善活動の進捗と成果をデータで管理し、自社に計画を実現するための実行力があることを示します。 上記のいずれも体制を整えることは比較的短時間にできますが、データを蓄積することについては、時間を要します。効率的にデータを収集するためには、人力で実施するのではなく、ITツールを活用していくことが重要です。 4.まとめ 今回のコラムでは、日本の製造業発展の起因となり得る新たな担保制度「事業成長担保権」の概要説明とメリット、この担保制度を活用するために今から始めるべき取組の一部を解説させていただきました。 本内容を自社の中長期計画の検討、成長発展のお役に立てていただきたいです。 また、上記内容について、より具体的に詳細をお知りになりたい場合は、お気軽に弊社にご相談いただければ幸いです。 最後までお読みいただきありがとうございました。     ■オンラインセミナー開催のお知らせ 徹底デジタル管理!IoT活用!協働ロボット!現場事例に学ぶ! 高品質ものづくりを継承するモデル工場の製造DXを徹底解説! https://www.funaisoken.co.jp/seminar/093464 ■このような方にオススメ 現場に過度の負担を掛けず稼働管理、進捗管理を実現したい経営者様 製造DX:デジタルトランスフォーメーションの第1歩を踏み出したい経営者 キメの細かな設備保全を実現したい経営者 徹底した在庫管理を模索している経営者 ロボット導入による工程自動化を検討している経営者 ■第1講座 株式会社ナカヨ様から学ぶこと 工場視察の見どころ・ポイントの紹介 ■第2講座 株式会社ナカヨ様前橋工場の視察 ■第3講座 工場視察の振り返り ※株式会社ナカヨ様 群馬県前橋市に本社を置く総合通信機器メーカー。2019年5月には、創立75周年を迎える。 1944年の創立以来、ビジネスフォンを始めとした電気通信機器の研究開発、ハード・ソフト設計から製造、販売まで一貫して対応。 通信機器の製造に加え、IoTセンサーなどを活用した自社でのカイゼン活動を基にSIやEMS等に事業領域拡大し、製造業のDX化に貢献している。 ■開催日程 オンライン開催となります 2022/11/24 (木) 13:00~15:00 お申し込みはこちらから⇒ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/093464   ■無料ダウンロード!! 「IT化計画書の作り方」解説レポート ▼事例レポート無料ダウンロードお申し込みはこちら▼ https://www.funaisoken.co.jp/dl-contents/smart-factory_smart-factory_00856 レポートの内容 DX化を検討する中堅・中小製造業経営者必見 !! DX化を検討する社長! 本当に基幹システムを導入・刷新すれば会社が良くなりますか?? 根本原因を把握して業務改革!! IT化計画書の作り方 いつも当コラムをご愛読いただきありがとうございます。 本コラムでは、企業の事業課題の一つである「金融機関からの融資」に対して、新たな選択肢となると最近話題となっている「事業成長担保権」について、中堅・中小製造企業にとって自社の事業を成長させるために重要であること、および制度施行後に速やかに融資審査を受けるために今から始めることを筆者の予測を含めつつ解説させていただきます。 本コラムのポイントは、以下の3つです。 (1)事業成長担保権に期待すること (2)事業計画で融資を受けるために今から始めること (3)事業計画を作るために必要なこと 1.事業成長担保権に期待すること 本担保制度に期待することは下記の2つです。 ① 技術力を生かした事業の展開 ② 社員の技術力向上 事業成長担保権とは、2022年現在、法務省及び関係省庁、有識者で議論を進めている「無形資産を含めた事業全体に対する担保制度」のことです。 まだ、議論中であるため、内容が確定しいるわけではありませんが、この担保権の対象になる無形資産の中には、「ブランド・ノウハウ・顧客基盤・知的所有権等」「事業運営から創り出される(将来見込まれる)キャッシュフロー」が含まれています。 この企画の背景に、ITベンチャー企業のように固定資産を充分持たない企業の経営者に融資を行えるような環境整備の必要性が高まっていることがあげられます。一方で、自社のものづくりに自信があり成長戦略を持っている企業にとっても、大変重要な制度です。 従来は、銀行が融資判断をする際は経営者の有形の不動産(土地、工場、設備等)、個別資産の評価額を算定したうえで企業の事業計画に融資するかどうか判断をしていましたが、この新たな担保制度では、事業全体が担保になります。 精度が高い事業計画を作成することで、その計画から生まれるキャッシュフローを基に融資を受けられるようになります。既存の融資方法ではあきらめていた計画でも、具体的で実現性が高ければ、新たな融資を受けられる可能性が高くなります。 その為、融資審査でも事業計画の内容をより精査されることが予想されます。これは事業計画の審査が厳しくなるといった面がある一方で、融資をうけるまでの過程で指摘が入ることで、事業計画の内容がブラッシュアップされるといった面もあります。 また、自社の技術力、その理由となる社員の能力も資産価値として評価されることが期待できる(特定の技術を持った技術系社員が必要な製品での差別化等)ため、社員にとっても技術力を高めることで企業価値向上に貢献できます。そういった能力を備えた社員と企業の両方が社外からも評価されれば、企業と社員の両方にメリットがあり、新たな人事評価制度の設定など様々な変革が起きることが期待できます。 2.今から始めること 事業成長担保権の運用は検討を進めている状況で、運用は始まっていません。 そのため、審査方法の詳細は不明ですが、従来の審査よりは事業計画を細かく具体的にチェックを受けること確実でしょう。 では、どういった事業計画が求められるのでしょうか? 重要な要素は複数あります。 自社の概況・市場分析・自社の優位性・計画の実現性等などです。従来の中長期計画や事業計画などでも同様のことは作成してきたと思います。今後は、その精度と確度が従来よりも高いレベルで要求されることが想像でき、「具体的な根拠」を求められることでしょう。 つまり、根拠をデータで示すことはもちろん、そのデータを集める方法や管理方法を説明する必要があります。事業計画がデータ・根拠に基づいて実現性高く立案されていれば、審査の際の説得力が増しますし、そういった計画は事業成長の強力な柱になることが期待できます。 重要ポイントは、「データで見せる」ことだと考えていますので、そのための数値化の仕組みとデータを蓄積・分析し、データで進捗管理を定期実施していることを示す必要があります。また、データのみならず、ソフト面・ハード面でも必要なことを決める必要があります。 3.データに基づいた事業計画を作るために必要なこと 以下では、データに基づいた事業計画を作成するために必要な取組内容の一部とその理由について説明させていただきます。 ① 社員の能力の把握 スキルマップや評価テスト、人事考課などの結果を集計し、各社員の技量を整理しておき、事業計画を実現するために必要な人材、不足している人材を把握します。不足している人材確保のための採用計画や育成計画を立て、事業計画の具体性を向上させます。 ② 生産能力の把握 設備能力一覧表や主力製品の生産リードタイムを把握しておきます。また、外注や購買関係の協力会社の能力についても整理しておく必要があります。生産能力を把握することで生産計画の説得力が増します。 ③ 実績管理の強化 個別原価管理や生産管理等を数値で管理することで、管理体制を強化します。数値を使用することで、あいまいになっている部分を明確に把握し、事業目標を具体的に設定できるようなります。 ④ 改善活動の推進 管理の強化と合わせて改善活動を進めます。改善活動の進捗と成果をデータで管理し、自社に計画を実現するための実行力があることを示します。 上記のいずれも体制を整えることは比較的短時間にできますが、データを蓄積することについては、時間を要します。効率的にデータを収集するためには、人力で実施するのではなく、ITツールを活用していくことが重要です。 4.まとめ 今回のコラムでは、日本の製造業発展の起因となり得る新たな担保制度「事業成長担保権」の概要説明とメリット、この担保制度を活用するために今から始めるべき取組の一部を解説させていただきました。 本内容を自社の中長期計画の検討、成長発展のお役に立てていただきたいです。 また、上記内容について、より具体的に詳細をお知りになりたい場合は、お気軽に弊社にご相談いただければ幸いです。 最後までお読みいただきありがとうございました。     ■オンラインセミナー開催のお知らせ 徹底デジタル管理!IoT活用!協働ロボット!現場事例に学ぶ! 高品質ものづくりを継承するモデル工場の製造DXを徹底解説! https://www.funaisoken.co.jp/seminar/093464 ■このような方にオススメ 現場に過度の負担を掛けず稼働管理、進捗管理を実現したい経営者様 製造DX:デジタルトランスフォーメーションの第1歩を踏み出したい経営者 キメの細かな設備保全を実現したい経営者 徹底した在庫管理を模索している経営者 ロボット導入による工程自動化を検討している経営者 ■第1講座 株式会社ナカヨ様から学ぶこと 工場視察の見どころ・ポイントの紹介 ■第2講座 株式会社ナカヨ様前橋工場の視察 ■第3講座 工場視察の振り返り ※株式会社ナカヨ様 群馬県前橋市に本社を置く総合通信機器メーカー。2019年5月には、創立75周年を迎える。 1944年の創立以来、ビジネスフォンを始めとした電気通信機器の研究開発、ハード・ソフト設計から製造、販売まで一貫して対応。 通信機器の製造に加え、IoTセンサーなどを活用した自社でのカイゼン活動を基にSIやEMS等に事業領域拡大し、製造業のDX化に貢献している。 ■開催日程 オンライン開催となります 2022/11/24 (木) 13:00~15:00 お申し込みはこちらから⇒ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/093464   ■無料ダウンロード!! 「IT化計画書の作り方」解説レポート ▼事例レポート無料ダウンロードお申し込みはこちら▼ https://www.funaisoken.co.jp/dl-contents/smart-factory_smart-factory_00856 レポートの内容 DX化を検討する中堅・中小製造業経営者必見 !! 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協働ロボットの価格はいくら?低コストで導入する手法とは!

2022.10.28

▼事例レポート無料ダウンロードお申し込みはこちら▼ 1.協働ロボットの価格 1-1.協働ロボット本体の価格 協働ロボット本体の価格は、その可搬重量にもよりますが、約300~500万円が一般的です。 中古で購入すれば、同じモノを150~200万円程度で手に入れることも可能です。 しかし、近年ではさらに低コストの協働ロボットも登場しています。 例えば、igusが提供する協働ロボットは100万円台、Fair Innovationが提供する協働ロボットは50万円台です。 (引用:https://www.igus.co.jp/Press/17169/rebel) (引用:https://smart-factory.funaisoken.co.jp/231212/) ここ数年で、協働ロボットは低コスト化が進んでいると考えられます。 ⇒関連記事:日本&海外の協働ロボットメーカー16社の特徴を紹介! ⇒関連記事:協働ロボットの特徴と導入事例 1-2.協働ロボット本体以外の価格 残念ながら、協働ロボットの本体だけでは、自動化を行うことはできません。 実現したい自動化機能に合わせて、カメラ、ロボット架台、ロボットハンド、各種センサー、ワークストッカー、搬送装置などの機器が必要となります。 ロボット本体以外の価格は、実現したい自動化機能によって大幅に変動します。 例えば、ワークの投入と取り出しを自動化するための協働ロボットを検討しているとします。 協働ロボット本体に加えて架台、ハンドを購入し、SIerにシステムインテグレーションを外注するとすれば、トータル費用は1529万円かかります。 (協働ロボット本体:500万円 ロボットハンド:27万円 架台:2万円 システムインテグレーション費用:1000万円 としたときの費用合計) お金をかけようと思えばいくらでも良いロボット環境を作ることができますが、費用対効果を考慮し、必要かつ十分な仕様を検討することが非常に重要です。 ロボットを導入する際には、導入後にかかるコストも考慮する必要があります。 一般的に、協働ロボット導入時、導入後にかかるコスト費目は以下のように大まかに分類されます。 ロボット本体やメンテナンス、人材育成にはどうしても費用をかける必要がありますが、カメラ、架台などの任意費用については、要件次第で削減することが可能です。 また、メンテナンスや作業者への研修などを無料で提供しているメーカーもある様です。 2.協働ロボットの低コスト導入術 先述の通り、近年協働ロボットは低コスト化が進んでいます。 そこからさらに低コストで協働ロボットを導入するには、どのような手法を用いればよいのでしょうか? ポイントは2点あります。 SIerなしで協働ロボット導入を行うこと シンプルな機器構成にすること 詳しく見ていきます。 2-1.SIerなしで協働ロボット導入を行うこと SIerなしで協働ロボットを導入・運用できるか。これが協働ロボット活用成功の分かれ目と言えます。 SIerなしで協働ロボットが運用できれば、ロボットで製造したい品種を追加する際、低コスト且つ素早く品種追加を行うことができ、導入効果の向上を見込むことができます。 反対に、自社内で協働ロボットの運用ができない場合、品種追加の際にいちいちSIerを呼ぶことになり、その度にムダなコストや時間が発生してしまい、減価償却に時間がかかってしまいます。 協働ロボットの特徴は、その“ティーチングのしやすさ“にあります。 未経験の現場作業者でも直感的にティーチングを行うことができることが強みです。 また、近年では、AIを使った、自動でティーチングを行うソフトなども登場しています。 協働ロボット導入の際は、ダイレクトティーチングやAIの強みを生かしながら”自社内製化を行うこと“を強くオススメします。 2-2.シンプルな機器構成にすること 次のポイントは、シンプルな機器構成にすることです。 協働ロボットには、様々なオプションをつけることができます。 当たり前ですが、様々なオプションはつければつけた分だけ費用がかさみ、減価償却に時間がかかります。 必要十分な機器構成にすることで、少ない費用で導入効果を最大化させることができます。 では、どうすれば自社に最適な、シンプルな機器構成を実現できるのでしょうか? それは、「製品・作業分析」です。 この分析なくして、特に多品種少量生産の製造業における費用対効果の最大化は難しいです。 製品・作業分析を行う必要がある理由は、自動化効果の大きい作業・製品を絞るためです。 品種の多い工場でロボットによる自動化をしようとしても、一度にたくさんの製品群を自動化することは不可能です。 より短期的に自動化の効果を出すには、自動化効果の大きい作業、製品を絞り、順々にロボットによる自動化を進めていく必要があります。 そのため、船井総研ではお客様にロボット導入を行う際は必ず「製品・作業分析」を行っています。 続きは下記のダウンロード資料で解説します。 具体的な分析手法が気になる方はクリック! 3.まとめ 本記事では、協働ロボットの価格と、その価格をより低くする方法について解説致しました。 情報収集の一助になれば幸いです。 船井総研では、中堅・中小製造業向けに、コンサルティングを行っております。 ロボット導入に限らず、AI・ERP導入支援も行っております。 お困りの際は、無料オンライン相談会をご活用ください。 ■お問い合わせはこちらから(協働ロボット活用の無料相談希望と記載下さい) https://lp.funaisoken.co.jp/mt/smart-factory/counsel.html ▼事例レポート無料ダウンロードお申し込みはこちら▼ [sc name="cobot"][/sc] ▼事例レポート無料ダウンロードお申し込みはこちら▼ いつも当コラムをご愛読いただきありがとうございます。 1.協働ロボットの価格 1-1.協働ロボット本体の価格 協働ロボット本体の価格は、その可搬重量にもよりますが、約300~500万円が一般的です。 中古で購入すれば、同じモノを150~200万円程度で手に入れることも可能です。 しかし、近年ではさらに低コストの協働ロボットも登場しています。 例えば、igusが提供する協働ロボットは100万円台、Fair Innovationが提供する協働ロボットは50万円台です。 (引用:https://www.igus.co.jp/Press/17169/rebel) (引用:https://smart-factory.funaisoken.co.jp/231212/) ここ数年で、協働ロボットは低コスト化が進んでいると考えられます。 ⇒関連記事:日本&海外の協働ロボットメーカー16社の特徴を紹介! ⇒関連記事:協働ロボットの特徴と導入事例 1-2.協働ロボット本体以外の価格 残念ながら、協働ロボットの本体だけでは、自動化を行うことはできません。 実現したい自動化機能に合わせて、カメラ、ロボット架台、ロボットハンド、各種センサー、ワークストッカー、搬送装置などの機器が必要となります。 ロボット本体以外の価格は、実現したい自動化機能によって大幅に変動します。 例えば、ワークの投入と取り出しを自動化するための協働ロボットを検討しているとします。 協働ロボット本体に加えて架台、ハンドを購入し、SIerにシステムインテグレーションを外注するとすれば、トータル費用は1529万円かかります。 (協働ロボット本体:500万円 ロボットハンド:27万円 架台:2万円 システムインテグレーション費用:1000万円 としたときの費用合計) お金をかけようと思えばいくらでも良いロボット環境を作ることができますが、費用対効果を考慮し、必要かつ十分な仕様を検討することが非常に重要です。 ロボットを導入する際には、導入後にかかるコストも考慮する必要があります。 一般的に、協働ロボット導入時、導入後にかかるコスト費目は以下のように大まかに分類されます。 ロボット本体やメンテナンス、人材育成にはどうしても費用をかける必要がありますが、カメラ、架台などの任意費用については、要件次第で削減することが可能です。 また、メンテナンスや作業者への研修などを無料で提供しているメーカーもある様です。 2.協働ロボットの低コスト導入術 先述の通り、近年協働ロボットは低コスト化が進んでいます。 そこからさらに低コストで協働ロボットを導入するには、どのような手法を用いればよいのでしょうか? ポイントは2点あります。 SIerなしで協働ロボット導入を行うこと シンプルな機器構成にすること 詳しく見ていきます。 2-1.SIerなしで協働ロボット導入を行うこと SIerなしで協働ロボットを導入・運用できるか。これが協働ロボット活用成功の分かれ目と言えます。 SIerなしで協働ロボットが運用できれば、ロボットで製造したい品種を追加する際、低コスト且つ素早く品種追加を行うことができ、導入効果の向上を見込むことができます。 反対に、自社内で協働ロボットの運用ができない場合、品種追加の際にいちいちSIerを呼ぶことになり、その度にムダなコストや時間が発生してしまい、減価償却に時間がかかってしまいます。 協働ロボットの特徴は、その“ティーチングのしやすさ“にあります。 未経験の現場作業者でも直感的にティーチングを行うことができることが強みです。 また、近年では、AIを使った、自動でティーチングを行うソフトなども登場しています。 協働ロボット導入の際は、ダイレクトティーチングやAIの強みを生かしながら”自社内製化を行うこと“を強くオススメします。 2-2.シンプルな機器構成にすること 次のポイントは、シンプルな機器構成にすることです。 協働ロボットには、様々なオプションをつけることができます。 当たり前ですが、様々なオプションはつければつけた分だけ費用がかさみ、減価償却に時間がかかります。 必要十分な機器構成にすることで、少ない費用で導入効果を最大化させることができます。 では、どうすれば自社に最適な、シンプルな機器構成を実現できるのでしょうか? それは、「製品・作業分析」です。 この分析なくして、特に多品種少量生産の製造業における費用対効果の最大化は難しいです。 製品・作業分析を行う必要がある理由は、自動化効果の大きい作業・製品を絞るためです。 品種の多い工場でロボットによる自動化をしようとしても、一度にたくさんの製品群を自動化することは不可能です。 より短期的に自動化の効果を出すには、自動化効果の大きい作業、製品を絞り、順々にロボットによる自動化を進めていく必要があります。 そのため、船井総研ではお客様にロボット導入を行う際は必ず「製品・作業分析」を行っています。 続きは下記のダウンロード資料で解説します。 具体的な分析手法が気になる方はクリック! 3.まとめ 本記事では、協働ロボットの価格と、その価格をより低くする方法について解説致しました。 情報収集の一助になれば幸いです。 船井総研では、中堅・中小製造業向けに、コンサルティングを行っております。 ロボット導入に限らず、AI・ERP導入支援も行っております。 お困りの際は、無料オンライン相談会をご活用ください。 ■お問い合わせはこちらから(協働ロボット活用の無料相談希望と記載下さい) https://lp.funaisoken.co.jp/mt/smart-factory/counsel.html ▼事例レポート無料ダウンロードお申し込みはこちら▼ [sc name="cobot"][/sc]

製造業のデジタルツイン

2022.10.28

原価計算や生産計画など、製造業では手元のデータを使って様々なシミュレーション・計算によって経営が成り立っています。 そして近年、DXやAIといったデジタル技術の発展に伴い、製造業が行ってきたシミュレーションに変化が生じています。 今回は、製造業の経営に欠かすことのできないシミュレーション・計算に大きな影響を与える「デジタルツイン」についてご紹介いたします。 1.デジタルツインとは デジタルツインとは、現実世界に存在する物理的なモノから収集した様々なデータをデジタルの仮想空間上に再現する技術、を指します。文字通り、現実世界をデジタル空間に再現することで、現実世界の「ツイン=双子」を仮想空間上に作り出します。デジタルツインによって再現された環境を活用することで、リアルタイムで現実性の高い・高精度なシミュレーションを行うことができるようになります。 2.注目されている背景 デジタルツインの注目度・重要度が高まっている背景には、技術発展が関係しています。 まず挙げられるのは、機械からデータを収集する場面での技術です。具体的には、IoT機器の高性能化が該当します。IoTとは「モノのインターネット化」を指し、現実に存在する物理的なモノがインターネットと接続することです。従来製品や機械の稼働状況といった物理的なモノの情報は、人の手によって収集・入力することでデータ化・デジタル化してきました。そのためデータ化までに時間がかかり、また転記による入力ミスも高確率で生じていました。しかし、機械に装着してデータを収集するIoTセンサーが小型化・軽量化・低価格化、つまり高性能化したことによって、比較的安価に現実世界の情報を正確にかつリアルタイムで収集できるようになりました。 また、人が入力してデータ収集する場面での技術も発展しました。具体的にはウェアラブル端末の技術です。スマートフォンやタブレット、スマートウォッチなど持ち運びやすい端末により、日報や修理記録などの機械から直接取得しない定性的なデータもリアルタイムで更新できるようになりました。 さらに、データ活用の場面の技術も発展しています。VR・ARなどの技術です。VR(Virtual Reality:仮想現実)は専用ゴーグルなどの機器を装着して仮想空間に没入することができます。AR(Augmented Reality:拡張現実)は現実世界の風景にデジタルのバーチャル情報を重ねて表示することで、仮想空間に入ったような感覚を得ることができます。これらの技術によって、デジタルツインがより身近になりました 次に、製造業におけるデジタルツインのメリットを説明します。 デジタルツインと製造業との関係性は、シミュレーション、にあります。デジタルツインの技術によりシミュレーションの質が向上し、それによって製造業は下記のようなメリットを享受できるようになります。 3.製造業におけるデジタルツインのメリット メリット①:生産性向上  機械の稼働・負荷状況がリアルタイムで把握できるようになるため、最適な生産計画や人員配置がシミュレーションできるようになる。 メリット②:業務効率化 最適な生産計画がシミュレーションされることにより、製造体制や製造プロセスも改善され、業務が効率化される。 メリット③:コスト削減 仮想空間上で設計・試作ができるようになるため、実際に試作品を生産するより材料費・工数が節約でき、コスト削減につながる。 メリット④:製品改善 自社機械設備・出荷する自社製品にIoT機器を装着してリアルタイムデータを取得することで、エラー・故障時の原因解明・予測が可能になり、その情報を基に製品の改善が可能になる。 デジタルツインの技術が発展することで、シミュレーションの正確性や精度はますます向上していくと考えられます。 様々な外部要因によって不確実な環境にさらされている現在の状況下で、デジタルツインによるシミュレーションは製造業が事業継続していくうえでの拠り所になります。 今回のコラムが、皆様の会社でDX化を考えるきっかけになりましたら幸いです。   ■オンラインセミナー開催のお知らせ 徹底デジタル管理!IoT活用!協働ロボット!現場事例に学ぶ! 高品質ものづくりを継承するモデル工場の製造DXを徹底解説! セミナー開催の情報はこちらから https://www.funaisoken.co.jp/seminar/093464 ■このような方にオススメ 現場に過度の負担を掛けず稼働管理、進捗管理を実現したい経営者様 製造DX:デジタルトランスフォーメーションの第1歩を踏み出したい経営者 キメの細かな設備保全を実現したい経営者 徹底した在庫管理を模索している経営者 ロボット導入による工程自動化を検討している経営者 ■第1講座 株式会社ナカヨ様から学ぶこと 工場視察の見どころ・ポイントの紹介 ■第2講座 株式会社ナカヨ様前橋工場の視察 ■第3講座 工場視察の振り返り ■開催日程 オンライン開催となります 2022/11/24 (木) 13:00~15:00 お申し込みはこちらから⇒ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/093464   ■無料ダウンロード!! 「IT化計画書の作り方」解説レポート ▼事例レポート無料ダウンロードお申し込みはこちら▼ https://www.funaisoken.co.jp/dl-contents/smart-factory_smart-factory_00856 レポートの内容 DX化を検討する中堅・中小製造業経営者必見 !! DX化を検討する社長! 本当に基幹システムを導入・刷新すれば会社が良くなりますか?? 根本原因を把握して業務改革!! IT化計画書の作り方 いつも当コラムをご愛読いただきありがとうございます。 原価計算や生産計画など、製造業では手元のデータを使って様々なシミュレーション・計算によって経営が成り立っています。 そして近年、DXやAIといったデジタル技術の発展に伴い、製造業が行ってきたシミュレーションに変化が生じています。 今回は、製造業の経営に欠かすことのできないシミュレーション・計算に大きな影響を与える「デジタルツイン」についてご紹介いたします。 1.デジタルツインとは デジタルツインとは、現実世界に存在する物理的なモノから収集した様々なデータをデジタルの仮想空間上に再現する技術、を指します。文字通り、現実世界をデジタル空間に再現することで、現実世界の「ツイン=双子」を仮想空間上に作り出します。デジタルツインによって再現された環境を活用することで、リアルタイムで現実性の高い・高精度なシミュレーションを行うことができるようになります。 2.注目されている背景 デジタルツインの注目度・重要度が高まっている背景には、技術発展が関係しています。 まず挙げられるのは、機械からデータを収集する場面での技術です。具体的には、IoT機器の高性能化が該当します。IoTとは「モノのインターネット化」を指し、現実に存在する物理的なモノがインターネットと接続することです。従来製品や機械の稼働状況といった物理的なモノの情報は、人の手によって収集・入力することでデータ化・デジタル化してきました。そのためデータ化までに時間がかかり、また転記による入力ミスも高確率で生じていました。しかし、機械に装着してデータを収集するIoTセンサーが小型化・軽量化・低価格化、つまり高性能化したことによって、比較的安価に現実世界の情報を正確にかつリアルタイムで収集できるようになりました。 また、人が入力してデータ収集する場面での技術も発展しました。具体的にはウェアラブル端末の技術です。スマートフォンやタブレット、スマートウォッチなど持ち運びやすい端末により、日報や修理記録などの機械から直接取得しない定性的なデータもリアルタイムで更新できるようになりました。 さらに、データ活用の場面の技術も発展しています。VR・ARなどの技術です。VR(Virtual Reality:仮想現実)は専用ゴーグルなどの機器を装着して仮想空間に没入することができます。AR(Augmented Reality:拡張現実)は現実世界の風景にデジタルのバーチャル情報を重ねて表示することで、仮想空間に入ったような感覚を得ることができます。これらの技術によって、デジタルツインがより身近になりました 次に、製造業におけるデジタルツインのメリットを説明します。 デジタルツインと製造業との関係性は、シミュレーション、にあります。デジタルツインの技術によりシミュレーションの質が向上し、それによって製造業は下記のようなメリットを享受できるようになります。 3.製造業におけるデジタルツインのメリット メリット①:生産性向上  機械の稼働・負荷状況がリアルタイムで把握できるようになるため、最適な生産計画や人員配置がシミュレーションできるようになる。 メリット②:業務効率化 最適な生産計画がシミュレーションされることにより、製造体制や製造プロセスも改善され、業務が効率化される。 メリット③:コスト削減 仮想空間上で設計・試作ができるようになるため、実際に試作品を生産するより材料費・工数が節約でき、コスト削減につながる。 メリット④:製品改善 自社機械設備・出荷する自社製品にIoT機器を装着してリアルタイムデータを取得することで、エラー・故障時の原因解明・予測が可能になり、その情報を基に製品の改善が可能になる。 デジタルツインの技術が発展することで、シミュレーションの正確性や精度はますます向上していくと考えられます。 様々な外部要因によって不確実な環境にさらされている現在の状況下で、デジタルツインによるシミュレーションは製造業が事業継続していくうえでの拠り所になります。 今回のコラムが、皆様の会社でDX化を考えるきっかけになりましたら幸いです。   ■オンラインセミナー開催のお知らせ 徹底デジタル管理!IoT活用!協働ロボット!現場事例に学ぶ! 高品質ものづくりを継承するモデル工場の製造DXを徹底解説! セミナー開催の情報はこちらから https://www.funaisoken.co.jp/seminar/093464 ■このような方にオススメ 現場に過度の負担を掛けず稼働管理、進捗管理を実現したい経営者様 製造DX:デジタルトランスフォーメーションの第1歩を踏み出したい経営者 キメの細かな設備保全を実現したい経営者 徹底した在庫管理を模索している経営者 ロボット導入による工程自動化を検討している経営者 ■第1講座 株式会社ナカヨ様から学ぶこと 工場視察の見どころ・ポイントの紹介 ■第2講座 株式会社ナカヨ様前橋工場の視察 ■第3講座 工場視察の振り返り ■開催日程 オンライン開催となります 2022/11/24 (木) 13:00~15:00 お申し込みはこちらから⇒ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/093464   ■無料ダウンロード!! 「IT化計画書の作り方」解説レポート ▼事例レポート無料ダウンロードお申し込みはこちら▼ https://www.funaisoken.co.jp/dl-contents/smart-factory_smart-factory_00856 レポートの内容 DX化を検討する中堅・中小製造業経営者必見 !! DX化を検討する社長! 本当に基幹システムを導入・刷新すれば会社が良くなりますか?? 根本原因を把握して業務改革!! IT化計画書の作り方

DX人材が実践している「プログラミング的思考」とは

2022.10.25

近年、プログラミングという言葉が多く出回るようになり、その仕事に関わっていない方からも話を耳にするようになりました。 DXが加速していく中で、プログラミング的思考をもっていること、会社としてノウハウを持っていることは大きな価値となります。 では、なぜプログラミング的思考が必要なのか?そもそもDXとプログラミング的思考はどのような結びつきがあるのか?について、具体例を挙げながら解説していきます。 1.プログラミング的思考とは? プログラミング的思考とは、端的に言うと「プログラム設計の際の思考方法をプログラミング以外の事柄で使用すること」を意味します。 必要となる力は大きく分けて下記の2点が挙げられます。 目的達成のために必要なマイルストーンを適切に設計する力 マイルストーンを一般化・抽象化して汎用性を持たせる力 「目的達成のために必要なマイルストーンを適切に設計する力」 プログラミングでは、目的達成のために必要なプログラムのフローを設計し、それに基づいてプログラムを設計し、目的達成を目指します。具体例として、テキストエディタに10段の三角形をアスタリスクで作成するプログラムを作ってみましょう。 ①必要となる部品の整理 10段の繰り返し 段数が増えると空白を減らす処理 段数が増えるとアスタリスクが増える処理 ②フローの設計 i. 10文字のうち、段数を引いた数だけ空白を入力し、段数分アスタリスクを入力 1段目 : 「□□□□□□□□□* 」 2段目 : 「□□□□□□□□* * 」 3段目 : 「□□□□□□□* * * 」 : ii. iを10回繰り返す ※上記より綺麗なアルゴリズムはあると思いますが、例として挙げさせていただいております。 実行結果は となります。 今回のプログラムでは、10段すべてを1行ずつ記述するのではなく、段数を経ていくたびに空白とアスタリスクの数を増減させて記述させることで、成果を変えずにマイルストーンを減らして目的を達成することができました。 この考え方を具体的に業務に落とし込むとこのようになります。 例)システム導入提案資料をチームで作成する場合 ①必要となる部品の整理 ・システムの説明 ・クライアントの課題整理 ・他社の事例 ・導入効果・メリット ②フローの設計 i. クライアントの課題を整理し、問題提起をおこなう ii. その課題を解決するためのシステムの説明 iii. システム導入によってどのような効果が得られるのかの説明 iv. 他社の事例 プログラミング的思考があると、上記のようにそれぞれ独立した部品として扱うことが出来るようになり、仕事の割り振りが明確になります。 「マイルストーンを一般化・抽象化して汎用性を持たせる力」 上記の例を一般化・抽象化し、他の用途にも展開できるようにします。 例)三角形のプログラムの場合 10段の要望から20段、30段の要望が出てきた場合、毎度数字を書き換えるのは手間がかかります。 そのため、必要となる部分を変数として設定し、1つ書き換えるだけですべてが変わるように設計します。 プログラムはこのようになります。 countの数字のみを変更するだけで、実行結果が変更できるようになりました。 例)システム導入提案資料をチームで作成する場合 それぞれの部品の資料の会社名や会社情報にわかりやすく目印を付け、どの部分を変更すれば良いのかをあらかじめ設定しておきます。 また、資料をそれぞれ別で保存しておき、誰でも活用できるような共有フォルダに格納することで、1から作成した資料を他の方が再度作ることなく使用できるようになり、チーム全体の効率性が向上します。 このように、必要となる部品の分解、フロー作成が完了した後に汎用性を持たせる一工夫をするだけで大きな効果を生むことがあります。組み合わせの数は部品の数が多ければ多いほど膨大になります。そうなると、効率的な資料作成が可能となります。 2.DXとプログラミング的思考の結びつき DXを行う上で、プログラミング的思考は必須となっていきます。 プログラミング的思考が無いと、デジタルを活用した業務が複雑化してしまい、アナログ業務の効率化を目的としたデジタル活用であるはずなのに、結果として効率化されていないという状態に陥ってしまう恐れがあります。 プログラミング的思考があると、上記の問題を解決することが可能です。 デジタル活用による複雑化の原因は、アナログ業務をそのままデジタル化してしまうことにあります。業務改善によって今も昔も業務内容は大きく変更しており、これからも大きく変更していきます。その際に、単にトレンドのツールに飛びつくのではなく、ツール入れ替えの際に都度業務の最適化を行う必要があります。 新しいツールを入れる際には、そのツールに合った新しい観点から業務を振り返り、そのツールに合うように業務設計し直さなければならないため、ツールを導入するまではどのように業務を最適化したらよいのかがはっきりしないのですが、業務を最適化“しやすく”することは出来ます。そこでプログラミング的思考が役に立ちます。 一連の業務を部品化して独立化させます。また、何度も修正するようなところは変数に置き換えて汎用性を高くします。これにより、部品の入れ替えだけで業務改善が出来るようになります。 持続的な会社にする為に、これからのトレンドにいち早く乗っていくためにはプログラミング的思考が必要不可欠となるのです。 3.日常的にプログラミング的思考を鍛える方法 それでは、どのようにしてプログラミング的思考を鍛えるのか、について説明していきます。 一番の方法はプログラミングを勉強し、業務に落とし込むことはできないかと常日頃考えて実行してみることになります。 しかし、これは学習コストが高く、効果が出るまでには時間がかかるため、日常的に鍛えられる方法を説明していきます。 日常的にプログラミング的思考を鍛える方法は、「都度、自身の行動を部品化し、効率化できる部分が無かったかを振り返り、次に活かすこと」です。 簡単な例として、出社するまでのタスクの優先順位付けを挙げます。 起床してから、出社するまで、朝食や着替え等、様々なタスクが存在しています。その際に、どの順序でタスクを行うと、効率化できるのかを毎回1分で良いので考えてみることでプログラミング的思考力を身に付けることができます。 また、効率化できると感じた理由まで考えられると、同じようなタスクが来た際に瞬時に判断できるようになります。 4.まとめ プログラミング的思考という名前ですが、求められている力は「部品分解力」と「抽象化、一般化の力」となります。ただ、この2つの力を養うことができるスキルがプログラミングであるということです。 プログラミングには上記で述べた機能以外にも豊富な効率化のヒントが隠されています。是非ヒントを活用して日常業務へ落とし込んでみてください。   ■株式会社ナカヨ様オンライン視察セミナー開催のお知らせ 徹底デジタル管理!IoT活用!協働ロボット!現場事例に学ぶ! 高品質ものづくりを継承するモデル工場の製造DXを徹底解説! https://www.funaisoken.co.jp/seminar/093464 ■本セミナーで学べるポイント ・製造IoTモデル工場の超簡単稼働・進捗管理! 設備ごとの稼働状況や生産進捗、生産終了時刻を表示することで外段取が効率的に!設備立ち上げ時間のバラツキも発見して停止時間75%削減! ・製造IoTモデル工場の超簡単設備保全! 洗浄液のPHや導電率をモニタして交換周期を適正化することで産廃処理費用23%削減に成功した事例などをいくつも紹介! ・手書き日報無しの製造現場! タブレットとセンサーで稼働状況を把握して設備ごとの稼働や進捗状況を可視化!停止の際は理由を選択するだけ! ・細かな部品の在庫管理手法! 電子基板用の小さな部品も棚番整理と実棚卸による徹底した在庫管理! ・産業用ロボット、協働ロボットの具体的な活用現場!   工場のAI・デジタル化最新事例解説レポート ▼事例レポート無料ダウンロードお申し込みはこちら▼ https://lp.funaisoken.co.jp/mt/smart-factory/dltext04-01-dl.html 「AIやデジタルツールなどを使うことで、工場内のどのような課題を解決できるのか?」 「工場のDX(デジタルトランスフォーメーション)に関して、具体的な事例を知りたい」 本レポートでは、「工場のAI・デジタル化」にテーマを絞った上で、各種事例をご紹介いたします。 【事例①】AI活用を通じて「見積もり業務の標準化・脱属人化」を推進 【事例②】AIを活用した「類似案件検索システム」の確立 【事例③】AIを活用した外観検査体制の構築 【事例④】現場に散乱していた生産日報・日常点検表等のペーパーレス化を実現 【事例⑤】メンテナンス事業の案件情報一元管理 【事例⑥】営業担当者のワンストップ簡易設計システムの構築 【事例⑦】クラウドIoTによる設備の故障予知 近年、プログラミングという言葉が多く出回るようになり、その仕事に関わっていない方からも話を耳にするようになりました。 DXが加速していく中で、プログラミング的思考をもっていること、会社としてノウハウを持っていることは大きな価値となります。 では、なぜプログラミング的思考が必要なのか?そもそもDXとプログラミング的思考はどのような結びつきがあるのか?について、具体例を挙げながら解説していきます。 1.プログラミング的思考とは? プログラミング的思考とは、端的に言うと「プログラム設計の際の思考方法をプログラミング以外の事柄で使用すること」を意味します。 必要となる力は大きく分けて下記の2点が挙げられます。 目的達成のために必要なマイルストーンを適切に設計する力 マイルストーンを一般化・抽象化して汎用性を持たせる力 「目的達成のために必要なマイルストーンを適切に設計する力」 プログラミングでは、目的達成のために必要なプログラムのフローを設計し、それに基づいてプログラムを設計し、目的達成を目指します。具体例として、テキストエディタに10段の三角形をアスタリスクで作成するプログラムを作ってみましょう。 ①必要となる部品の整理 10段の繰り返し 段数が増えると空白を減らす処理 段数が増えるとアスタリスクが増える処理 ②フローの設計 i. 10文字のうち、段数を引いた数だけ空白を入力し、段数分アスタリスクを入力 1段目 : 「□□□□□□□□□* 」 2段目 : 「□□□□□□□□* * 」 3段目 : 「□□□□□□□* * * 」 : ii. iを10回繰り返す ※上記より綺麗なアルゴリズムはあると思いますが、例として挙げさせていただいております。 実行結果は となります。 今回のプログラムでは、10段すべてを1行ずつ記述するのではなく、段数を経ていくたびに空白とアスタリスクの数を増減させて記述させることで、成果を変えずにマイルストーンを減らして目的を達成することができました。 この考え方を具体的に業務に落とし込むとこのようになります。 例)システム導入提案資料をチームで作成する場合 ①必要となる部品の整理 ・システムの説明 ・クライアントの課題整理 ・他社の事例 ・導入効果・メリット ②フローの設計 i. クライアントの課題を整理し、問題提起をおこなう ii. その課題を解決するためのシステムの説明 iii. システム導入によってどのような効果が得られるのかの説明 iv. 他社の事例 プログラミング的思考があると、上記のようにそれぞれ独立した部品として扱うことが出来るようになり、仕事の割り振りが明確になります。 「マイルストーンを一般化・抽象化して汎用性を持たせる力」 上記の例を一般化・抽象化し、他の用途にも展開できるようにします。 例)三角形のプログラムの場合 10段の要望から20段、30段の要望が出てきた場合、毎度数字を書き換えるのは手間がかかります。 そのため、必要となる部分を変数として設定し、1つ書き換えるだけですべてが変わるように設計します。 プログラムはこのようになります。 countの数字のみを変更するだけで、実行結果が変更できるようになりました。 例)システム導入提案資料をチームで作成する場合 それぞれの部品の資料の会社名や会社情報にわかりやすく目印を付け、どの部分を変更すれば良いのかをあらかじめ設定しておきます。 また、資料をそれぞれ別で保存しておき、誰でも活用できるような共有フォルダに格納することで、1から作成した資料を他の方が再度作ることなく使用できるようになり、チーム全体の効率性が向上します。 このように、必要となる部品の分解、フロー作成が完了した後に汎用性を持たせる一工夫をするだけで大きな効果を生むことがあります。組み合わせの数は部品の数が多ければ多いほど膨大になります。そうなると、効率的な資料作成が可能となります。 2.DXとプログラミング的思考の結びつき DXを行う上で、プログラミング的思考は必須となっていきます。 プログラミング的思考が無いと、デジタルを活用した業務が複雑化してしまい、アナログ業務の効率化を目的としたデジタル活用であるはずなのに、結果として効率化されていないという状態に陥ってしまう恐れがあります。 プログラミング的思考があると、上記の問題を解決することが可能です。 デジタル活用による複雑化の原因は、アナログ業務をそのままデジタル化してしまうことにあります。業務改善によって今も昔も業務内容は大きく変更しており、これからも大きく変更していきます。その際に、単にトレンドのツールに飛びつくのではなく、ツール入れ替えの際に都度業務の最適化を行う必要があります。 新しいツールを入れる際には、そのツールに合った新しい観点から業務を振り返り、そのツールに合うように業務設計し直さなければならないため、ツールを導入するまではどのように業務を最適化したらよいのかがはっきりしないのですが、業務を最適化“しやすく”することは出来ます。そこでプログラミング的思考が役に立ちます。 一連の業務を部品化して独立化させます。また、何度も修正するようなところは変数に置き換えて汎用性を高くします。これにより、部品の入れ替えだけで業務改善が出来るようになります。 持続的な会社にする為に、これからのトレンドにいち早く乗っていくためにはプログラミング的思考が必要不可欠となるのです。 3.日常的にプログラミング的思考を鍛える方法 それでは、どのようにしてプログラミング的思考を鍛えるのか、について説明していきます。 一番の方法はプログラミングを勉強し、業務に落とし込むことはできないかと常日頃考えて実行してみることになります。 しかし、これは学習コストが高く、効果が出るまでには時間がかかるため、日常的に鍛えられる方法を説明していきます。 日常的にプログラミング的思考を鍛える方法は、「都度、自身の行動を部品化し、効率化できる部分が無かったかを振り返り、次に活かすこと」です。 簡単な例として、出社するまでのタスクの優先順位付けを挙げます。 起床してから、出社するまで、朝食や着替え等、様々なタスクが存在しています。その際に、どの順序でタスクを行うと、効率化できるのかを毎回1分で良いので考えてみることでプログラミング的思考力を身に付けることができます。 また、効率化できると感じた理由まで考えられると、同じようなタスクが来た際に瞬時に判断できるようになります。 4.まとめ プログラミング的思考という名前ですが、求められている力は「部品分解力」と「抽象化、一般化の力」となります。ただ、この2つの力を養うことができるスキルがプログラミングであるということです。 プログラミングには上記で述べた機能以外にも豊富な効率化のヒントが隠されています。是非ヒントを活用して日常業務へ落とし込んでみてください。   ■株式会社ナカヨ様オンライン視察セミナー開催のお知らせ 徹底デジタル管理!IoT活用!協働ロボット!現場事例に学ぶ! 高品質ものづくりを継承するモデル工場の製造DXを徹底解説! https://www.funaisoken.co.jp/seminar/093464 ■本セミナーで学べるポイント ・製造IoTモデル工場の超簡単稼働・進捗管理! 設備ごとの稼働状況や生産進捗、生産終了時刻を表示することで外段取が効率的に!設備立ち上げ時間のバラツキも発見して停止時間75%削減! ・製造IoTモデル工場の超簡単設備保全! 洗浄液のPHや導電率をモニタして交換周期を適正化することで産廃処理費用23%削減に成功した事例などをいくつも紹介! ・手書き日報無しの製造現場! タブレットとセンサーで稼働状況を把握して設備ごとの稼働や進捗状況を可視化!停止の際は理由を選択するだけ! ・細かな部品の在庫管理手法! 電子基板用の小さな部品も棚番整理と実棚卸による徹底した在庫管理! ・産業用ロボット、協働ロボットの具体的な活用現場!   工場のAI・デジタル化最新事例解説レポート ▼事例レポート無料ダウンロードお申し込みはこちら▼ https://lp.funaisoken.co.jp/mt/smart-factory/dltext04-01-dl.html 「AIやデジタルツールなどを使うことで、工場内のどのような課題を解決できるのか?」 「工場のDX(デジタルトランスフォーメーション)に関して、具体的な事例を知りたい」 本レポートでは、「工場のAI・デジタル化」にテーマを絞った上で、各種事例をご紹介いたします。 【事例①】AI活用を通じて「見積もり業務の標準化・脱属人化」を推進 【事例②】AIを活用した「類似案件検索システム」の確立 【事例③】AIを活用した外観検査体制の構築 【事例④】現場に散乱していた生産日報・日常点検表等のペーパーレス化を実現 【事例⑤】メンテナンス事業の案件情報一元管理 【事例⑥】営業担当者のワンストップ簡易設計システムの構築 【事例⑦】クラウドIoTによる設備の故障予知