DX CONSULTING COLUMN 工場DXコンサルティングコラム

専門コンサルタントが執筆するAI・ロボットコラム
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AI搭載ロボットコントローラーによるロボット制御の事例と解説

2020.07.14

近年、AIを搭載したロボットコントローラーの需要が高まっています。 今回はその「AI搭載ロボットコントローラー」について事例を交えて解説します。 1.ロボットティーチングの現状と課題 ロボットを動かすために必要な作業が「ティーチング」です。 ティーチング作業は非常に複雑、かつ専門知識を要する作業であり、専門のロボットプログラマーが行うのが一般的です。 ロボットを動かすにはペンダント(操作パネル)を使います。 このペンダントでティーチングの修正や動作確認を行っていくのですが、一般的に使用されているペンダントの画面はプログラムが羅列された文字だらけの画面であり非常に複雑です。 このプログラム画面からロボットの動きを想像するのは容易ではありません。そのため工場の現場レベルでティーチングを行うことはほぼ不可能なのが現状となっています。 2.AI搭載ロボットコントローラーによる制御とは そのような背景で近年注目されているのが「AI搭載ロボットコントローラー」です。 通常のロボットコントローラーと比較すると、大きく3つのメリットがあります。 ①ティーチング作業が簡単 ②生産性向上 ③操作性、メンテナンス性の向上 まず、一番のメリットはティーチング作業が圧倒的に簡単であることです。ワークのピンキング位置、ワークの置き位置、を指定するだけで後はAIが自動で判断してロボットの軌跡を生成します。 この時、あらかじめ登録した障害物との干渉を回避しつつ最適な動きをAIが自動で生成してくれます。 次に生産性向上です。 従来のティーチング作業では人間のような滑らかな動きをロボットで表現することは困難でした。 しかし、AI搭載ロボットコントローラーでは先にも記載した通り、AIが最適な動きを自動で生成します。 それにより、従来のような何点ものティーチングポイントを経由する動きと比べるとサイクルタイムが大幅に改善されます。 最後に、メンテナンス性・操作性の向上です。 通常のコントローラーではロボットメーカーごとにコントローラーが異なるため違うメーカーのロボットを導入する度に新しい操作方法を覚える必要がありました。 近年開発されているAI搭載ロボットコントローラーの中には、メーカーを選ばずどんなメーカーのロボットも直接制御できる物もあります。 それにより、操作も覚えやすく、メンテナンス方法も統一されるので操作ミスによるトラブルや「チョコ停」時の復旧時間短縮にも繋がり、結果として生産性も向上します。 3.事例と解説 では、具体的にどのような場面において導入されているのでしょうか。 事例を交えて解説していきます。 ・事例①自動車部品バラ積みピッキング コンテナのような深い箱に無作為に投入されているシャフトやギヤのようなワークを3Dビジョンシステムと組み合わせてピッキングし次工程(例えばバリ取り装置など)にワークセットするシステムが実装されています。この場合における圧倒的なメリットはやはり「バラ積みピッキング」が可能となったことです。 本来であればピッキングするワークは治具等を用いて綺麗に整列して並べて置く必要がありました。 3DビジョンとAIを組み合わせることで、箱の中にある様々なワークの姿勢を判断し、最適な掴み位置を自動で判断してピッキングします。 さらに、箱の底付近のワークをピッキングする際にはロボットと箱の干渉が懸念されますが、それも干渉の無い姿勢をAIが判断して最適な姿勢と軌跡で動きます。ピッキング後の動作もまるで人間が物を手で運ぶようにスムーズな動きを実現し、従来のティーチングによる動きと比べるとサイクルタイムが大幅に減少しています。 人間が行う場合と変わらないスピードで(むしろ、より速く)ロボットが無人で作業を続ける、これを2台、3台と展開していくことにより3名で作業していた工程が2名に、2名で作業していた工程が1名に、1名が付きっ切りだった工程が無人に、と工場の省人化が進んでいきます。 事例②物流倉庫における多品種ケースの荷下ろし作業 物流倉庫において、毎日大量に納品される商品をパレットから仕分け用のコンベアに載せ替える作業があり、これまでは全て手作業で行ってきました。しかし、高さのある積み荷や、時には20kg近いケースもあり作業員の負担となっていました。 この場合においてロボット化の問題となるのが、ランダムにケースが積まれている場合です。 従来のロボットコントローラーではランダムに積まれているケースをロボットで取ろうとした場合には、一つ一つ品種登録し、様々なパターンをプログラムし、と膨大な時間と費用がかかってしまいます。 そのように工数をかけてもあらかじめ設定したパターン以外ではロボットは動けません。要するに現実的には実現不可能となります。 そこで採用されたのがAI搭載ロボットコントローラーと3Dビジョンシステムを組み合わせたデパレタイズ(荷下ろし)システムです。事例①と同様に、AIと3Dビジョンを組み合わせることでランダムに積み重ねられたケースの荷下ろしが可能となりました。 このように、作業員に負荷の高い作業をロボットに行わせ、手の空いた作業員にはより付加価値の高い作業にシフトしてもらうというのもロボット化の目指すべきところです。 4.まとめ いかかがでしたでしょうか? ロボット導入による省人化=従業員数を減らす、ではありません。 その空いた工数を、AI・ロボットの管理メンテナンス人員として育てる、新たなAI・ロボットシステムを作っていく未来ある人材(人財)として育てる。さらにそのような分野の採用を強化し会社を育てる。 中小製造業の目指すべきAI、ロボット導入の本質はそこにあるのかもしれません。 「AIとロボット、なんか難しそう、、」 「どうせ大手じゃなきゃ導入できないんでしょ、、」 「うちは中小で資金力が無いから、、」 そう思われた方もいらっしゃるかもしれません。が、そんなことはありません。 Withコロナ時代における企業の優位性を確保するため、優秀な人材(人財)を確保するため、最先端のAI搭載ロボットコントローラーの導入を検討してみてはいかがでしょうか? ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 自動化・ロボット化事例集 vol.2 本事例集は、全国の先進的な工場が取り組む「自動化・ロボット化」の事例をまとめたものとなります。 これから自動化・ロボット化に取組もうと考える皆さまに、 「工場にロボット・IoTを導入する」ための具体的なノウハウを、 事例を通して知っていただくことを目的に作成しました。 ※こちらの事例集は、導入を検討している工場の担当者様限定となっております。 同業他社、メーカーや商社、SI事業者の方にはご送付をお断わりさせていただいております。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー https://smart-factory.funaisoken.co.jp/download/automation-robotization-examples-02/ 近年、AIを搭載したロボットコントローラーの需要が高まっています。 今回はその「AI搭載ロボットコントローラー」について事例を交えて解説します。 1.ロボットティーチングの現状と課題 ロボットを動かすために必要な作業が「ティーチング」です。 ティーチング作業は非常に複雑、かつ専門知識を要する作業であり、専門のロボットプログラマーが行うのが一般的です。 ロボットを動かすにはペンダント(操作パネル)を使います。 このペンダントでティーチングの修正や動作確認を行っていくのですが、一般的に使用されているペンダントの画面はプログラムが羅列された文字だらけの画面であり非常に複雑です。 このプログラム画面からロボットの動きを想像するのは容易ではありません。そのため工場の現場レベルでティーチングを行うことはほぼ不可能なのが現状となっています。 2.AI搭載ロボットコントローラーによる制御とは そのような背景で近年注目されているのが「AI搭載ロボットコントローラー」です。 通常のロボットコントローラーと比較すると、大きく3つのメリットがあります。 ①ティーチング作業が簡単 ②生産性向上 ③操作性、メンテナンス性の向上 まず、一番のメリットはティーチング作業が圧倒的に簡単であることです。ワークのピンキング位置、ワークの置き位置、を指定するだけで後はAIが自動で判断してロボットの軌跡を生成します。 この時、あらかじめ登録した障害物との干渉を回避しつつ最適な動きをAIが自動で生成してくれます。 次に生産性向上です。 従来のティーチング作業では人間のような滑らかな動きをロボットで表現することは困難でした。 しかし、AI搭載ロボットコントローラーでは先にも記載した通り、AIが最適な動きを自動で生成します。 それにより、従来のような何点ものティーチングポイントを経由する動きと比べるとサイクルタイムが大幅に改善されます。 最後に、メンテナンス性・操作性の向上です。 通常のコントローラーではロボットメーカーごとにコントローラーが異なるため違うメーカーのロボットを導入する度に新しい操作方法を覚える必要がありました。 近年開発されているAI搭載ロボットコントローラーの中には、メーカーを選ばずどんなメーカーのロボットも直接制御できる物もあります。 それにより、操作も覚えやすく、メンテナンス方法も統一されるので操作ミスによるトラブルや「チョコ停」時の復旧時間短縮にも繋がり、結果として生産性も向上します。 3.事例と解説 では、具体的にどのような場面において導入されているのでしょうか。 事例を交えて解説していきます。 ・事例①自動車部品バラ積みピッキング コンテナのような深い箱に無作為に投入されているシャフトやギヤのようなワークを3Dビジョンシステムと組み合わせてピッキングし次工程(例えばバリ取り装置など)にワークセットするシステムが実装されています。この場合における圧倒的なメリットはやはり「バラ積みピッキング」が可能となったことです。 本来であればピッキングするワークは治具等を用いて綺麗に整列して並べて置く必要がありました。 3DビジョンとAIを組み合わせることで、箱の中にある様々なワークの姿勢を判断し、最適な掴み位置を自動で判断してピッキングします。 さらに、箱の底付近のワークをピッキングする際にはロボットと箱の干渉が懸念されますが、それも干渉の無い姿勢をAIが判断して最適な姿勢と軌跡で動きます。ピッキング後の動作もまるで人間が物を手で運ぶようにスムーズな動きを実現し、従来のティーチングによる動きと比べるとサイクルタイムが大幅に減少しています。 人間が行う場合と変わらないスピードで(むしろ、より速く)ロボットが無人で作業を続ける、これを2台、3台と展開していくことにより3名で作業していた工程が2名に、2名で作業していた工程が1名に、1名が付きっ切りだった工程が無人に、と工場の省人化が進んでいきます。 事例②物流倉庫における多品種ケースの荷下ろし作業 物流倉庫において、毎日大量に納品される商品をパレットから仕分け用のコンベアに載せ替える作業があり、これまでは全て手作業で行ってきました。しかし、高さのある積み荷や、時には20kg近いケースもあり作業員の負担となっていました。 この場合においてロボット化の問題となるのが、ランダムにケースが積まれている場合です。 従来のロボットコントローラーではランダムに積まれているケースをロボットで取ろうとした場合には、一つ一つ品種登録し、様々なパターンをプログラムし、と膨大な時間と費用がかかってしまいます。 そのように工数をかけてもあらかじめ設定したパターン以外ではロボットは動けません。要するに現実的には実現不可能となります。 そこで採用されたのがAI搭載ロボットコントローラーと3Dビジョンシステムを組み合わせたデパレタイズ(荷下ろし)システムです。事例①と同様に、AIと3Dビジョンを組み合わせることでランダムに積み重ねられたケースの荷下ろしが可能となりました。 このように、作業員に負荷の高い作業をロボットに行わせ、手の空いた作業員にはより付加価値の高い作業にシフトしてもらうというのもロボット化の目指すべきところです。 4.まとめ いかかがでしたでしょうか? ロボット導入による省人化=従業員数を減らす、ではありません。 その空いた工数を、AI・ロボットの管理メンテナンス人員として育てる、新たなAI・ロボットシステムを作っていく未来ある人材(人財)として育てる。さらにそのような分野の採用を強化し会社を育てる。 中小製造業の目指すべきAI、ロボット導入の本質はそこにあるのかもしれません。 「AIとロボット、なんか難しそう、、」 「どうせ大手じゃなきゃ導入できないんでしょ、、」 「うちは中小で資金力が無いから、、」 そう思われた方もいらっしゃるかもしれません。が、そんなことはありません。 Withコロナ時代における企業の優位性を確保するため、優秀な人材(人財)を確保するため、最先端のAI搭載ロボットコントローラーの導入を検討してみてはいかがでしょうか? ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 自動化・ロボット化事例集 vol.2 本事例集は、全国の先進的な工場が取り組む「自動化・ロボット化」の事例をまとめたものとなります。 これから自動化・ロボット化に取組もうと考える皆さまに、 「工場にロボット・IoTを導入する」ための具体的なノウハウを、 事例を通して知っていただくことを目的に作成しました。 ※こちらの事例集は、導入を検討している工場の担当者様限定となっております。 同業他社、メーカーや商社、SI事業者の方にはご送付をお断わりさせていただいております。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー https://smart-factory.funaisoken.co.jp/download/automation-robotization-examples-02/

中小企業・中小製造業におけるロボット導入のポイントを解説

2020.07.30

ご存じの通り、中小企業においても自動化・ロボット化による生産性向上及び省力化、省人化が急務となっており「なんとかしなくては」と考えている経営者も多いかと思います。 今回は初めてロボットを導入する際の「勘どころ」を解説していきます。 1.中小企業におけるロボット導入の必要性と役割 中小製造業において課題となっている重要な項目の一つが人手不足です。 従業員100名以下の企業に関しては人手不足が最重要課題であることも少なくありません。 熟練作業者の高齢化、作業の属人化、若手作業者の定着率悪化、退職率増加、新規採用応募者の減少、など人手不足は深刻な状況になりつつあります。そのような背景の中、中小企業においてロボットはどのような役割を果たすのでしょうか? 中小製造業におけるロボットの役割として大きく3つのポイントが挙げられます。 ①人による作業の代替えによる生産性向上・省人化・省力化 ②熟練作業者の高付加価値作業への配置転換 ③若手技術者の育成による企業の成長 まず、真っ先に挙げられるのが①生産性向上・省人化・省力化です。 これについてはしっかりと「数字」でコストメリットを試算して導入効果の検証をしていく必要があります。 この段階で検証を誤ると、導入したけど何の効果も無かった、ただスペースを圧迫するだけのオブジェになってしまった、なんて言うことにもなりかねません。 さらに、中小製造業においては多品種少量生産が一般的である場合も多いため一つのロボットシステムでいかに多品種に対応できるか、も重要なポイントになってきます。 月に何万台も生産する自動車部品の量産ラインのような工程では単一品種の対応で大きなメリットが出ますが、月100個の製品を10品種、同一の機械で生産するような多品種少量型の町工場においては、一つのロボットシステム(低投資)で多品種対応(高利益)が求められるため、作業改善や作業方法の変更、設備レイアウトの変更等様々な改善を組み合わせてロボット導入を検討する必要があります。 次に、②熟練作業者の高付加価値作業への配置転換、③若手技術者の育成による企業の成長です。前述のように生産性が向上し省人化が実現したところで、現在の従業員に退職を迫るわけにはいきません。 そこで、ロボットにより手の空いた熟練作業者は、より付加価値の高い作業への配置転換を行います。中小企業が得意とする「職人の技術」です。 ロボットが出来ることはロボットが、人間にしか出来ないことは人間が、そのように作業を分担して、より短納期でより高品質な製品を提供する、中小企業としての強み(技術)を生かした戦略です。 さて、若手技術者の不足は中小企業において深刻な問題です。入社して半年も経たずに辞めてしまう、待遇を改善したが次の若手を雇っても同じように辞めてしまう、そのように若手が育たないので新しいシステムを導入しても扱える人間がいない、メンテナンスできる人間がいない、さらに新たな技術の導入に手が出せない、と悪循環に陥っていきます。 そこでロボット等の最新技術のオペレーター、技術担当者として若手を採用し「やりがい」や「目標・目的」を持って業務に取り組んでもらうことで若手社員本人としての成長と共に企業として成長していくとこが中小製造業におけるロボット導入のポイントであると考えます。 2.中小企業におけるロボット導入の注意点 では、中小企業においてロボット導入を検討する際に注意しなければいけない点とはどのような事があるのでしょうか? 先にも記載した通りまずは、「数字」でコストメリットを試算、するとこが重要な点となってきます。 生産量、工数、利益、等々様々な要因を数字で集めて分析し、どの製品のどの工程をロボット化していくのか、まずはざっくりと決めていきます。 製品と工程が決まったらさらにその工程を細かく分解して、どれくらいの工数がかかっているか、作業一つ一つの作業時間を出していきます。そのように分割した作業の中でロボットに行わせる作業を決めていきます。 この時点ではあくまでも仮の決定で、ある程度のビジョンを持って導入を計画していくための準備です。 さて、ここからが本題です。 重要なことが二つ、一つ目は優秀なシステムインテグレーター(SIer)を選定することです。 SIerとはロボットシステムや自動化システム等の提案、設計、導入、立ち上げを一手に担ってくれるメーカーや業者の総称です。 例えば、全く同じ工程のロボット化を何社かのSIerに依頼した場合でも、提案内容や導入コストに大きく差が出る場合があります。 これはSIerの「提案力」の差によるものです。機械設計や電気設計はある程度ノウハウ化されそれほど差が出るものではありませんが、この「提案力」は個々の経験とアイデアによる差が顕著に出るものです。 そういった観点から、提案力のある優秀なSIerを選定することが重要なことの一つになってきます。 二つ目はユーザーの分析力です。ここでいう分析とは、例えば大量の数字を集めて傾向を発見する、とかそのような小難しい分析ではなく、実際に現場ではどのように作業が行われているのか、を分析する力です。 ロボット導入となると、現場で作業をしている作業者が実際に打ち合わせに加わったり、一緒にシステム構成を考えたり、というのは生産があるため非常に困難であるため、経営者自らが構想設計から打ち合わせ立ち上げまで、一人でこなしていくケースも多いかと思います。 このような場合に起こりうるのが、把握している作業と実際の現場作業との差です。良くも悪くも、現場作業員が決められた作業手順(作業標準)通りに作業をしているとは限らないからです。 この実際の現場作業の確認(分析)を怠るとロボットシステム導入後に思っていた通りに物が出来ない、試算した通りに生産が進まない等の問題が発生します。現場作業員も「勝手に作業方法を変えられた!」と感じモチベーションも下がってしまいます。そのような問題を起こさないためにも現場分析が重要となってきます。現場分析=現場作業者とのコミュニケーション、であるとも言えます。その現場分析をもとにユーザーからSIerへ要望を出す(ある意味提案する)、その要望(提案)を受けてSIerが実現可能な方法を提案する、といった流れに乗れると良いシステムが作られていきます。 逆に言うと、いかに優秀なSIerとて、ユーザーから要望(提案)が無ければ良い提案が出来ないということです。 3.おわりに 昨今では、SIer側としても上記のような状態を認識し、提案型営業の必要性が問われています。しかしやはりSIerが実際に現場に立って作業分析をすることは困難でしょう。 ロボットだけを買ってきても何の価値も生まない、いかに価値を生み出すロボットシステムを生み出せるかはユーザーの現場分析力(提案力)にかかっている、といっても過言でありません。 このように、ロボットのような最新技術とはいえ「3現主義」のようなモノづくりの基本を大前提において導入を進めることが必要です。 ロボットについて何の知識もないから、とか、難しいことは分からないから、と投げ出してしまうのではなく、良いロボットシステムを作り上げるためには今まで現場で培ってきた経験が必要である、と認識し各々の現場にあったシステムを導入していくのが中小企業・中小製造業におけるロボット導入の「勘どころ」と言えるでしょう。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 自動化・ロボット化事例集 vol.2 本事例集は、全国の先進的な工場が取り組む「自動化・ロボット化」の事例をまとめたものとなります。 これから自動化・ロボット化に取組もうと考える皆さまに、 「工場にロボット・IoTを導入する」ための具体的なノウハウを、 事例を通して知っていただくことを目的に作成しました。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー https://smart-factory.funaisoken.co.jp/download/automation-robotization-examples-02/ ご存じの通り、中小企業においても自動化・ロボット化による生産性向上及び省力化、省人化が急務となっており「なんとかしなくては」と考えている経営者も多いかと思います。 今回は初めてロボットを導入する際の「勘どころ」を解説していきます。 1.中小企業におけるロボット導入の必要性と役割 中小製造業において課題となっている重要な項目の一つが人手不足です。 従業員100名以下の企業に関しては人手不足が最重要課題であることも少なくありません。 熟練作業者の高齢化、作業の属人化、若手作業者の定着率悪化、退職率増加、新規採用応募者の減少、など人手不足は深刻な状況になりつつあります。そのような背景の中、中小企業においてロボットはどのような役割を果たすのでしょうか? 中小製造業におけるロボットの役割として大きく3つのポイントが挙げられます。 ①人による作業の代替えによる生産性向上・省人化・省力化 ②熟練作業者の高付加価値作業への配置転換 ③若手技術者の育成による企業の成長 まず、真っ先に挙げられるのが①生産性向上・省人化・省力化です。 これについてはしっかりと「数字」でコストメリットを試算して導入効果の検証をしていく必要があります。 この段階で検証を誤ると、導入したけど何の効果も無かった、ただスペースを圧迫するだけのオブジェになってしまった、なんて言うことにもなりかねません。 さらに、中小製造業においては多品種少量生産が一般的である場合も多いため一つのロボットシステムでいかに多品種に対応できるか、も重要なポイントになってきます。 月に何万台も生産する自動車部品の量産ラインのような工程では単一品種の対応で大きなメリットが出ますが、月100個の製品を10品種、同一の機械で生産するような多品種少量型の町工場においては、一つのロボットシステム(低投資)で多品種対応(高利益)が求められるため、作業改善や作業方法の変更、設備レイアウトの変更等様々な改善を組み合わせてロボット導入を検討する必要があります。 次に、②熟練作業者の高付加価値作業への配置転換、③若手技術者の育成による企業の成長です。前述のように生産性が向上し省人化が実現したところで、現在の従業員に退職を迫るわけにはいきません。 そこで、ロボットにより手の空いた熟練作業者は、より付加価値の高い作業への配置転換を行います。中小企業が得意とする「職人の技術」です。 ロボットが出来ることはロボットが、人間にしか出来ないことは人間が、そのように作業を分担して、より短納期でより高品質な製品を提供する、中小企業としての強み(技術)を生かした戦略です。 さて、若手技術者の不足は中小企業において深刻な問題です。入社して半年も経たずに辞めてしまう、待遇を改善したが次の若手を雇っても同じように辞めてしまう、そのように若手が育たないので新しいシステムを導入しても扱える人間がいない、メンテナンスできる人間がいない、さらに新たな技術の導入に手が出せない、と悪循環に陥っていきます。 そこでロボット等の最新技術のオペレーター、技術担当者として若手を採用し「やりがい」や「目標・目的」を持って業務に取り組んでもらうことで若手社員本人としての成長と共に企業として成長していくとこが中小製造業におけるロボット導入のポイントであると考えます。 2.中小企業におけるロボット導入の注意点 では、中小企業においてロボット導入を検討する際に注意しなければいけない点とはどのような事があるのでしょうか? 先にも記載した通りまずは、「数字」でコストメリットを試算、するとこが重要な点となってきます。 生産量、工数、利益、等々様々な要因を数字で集めて分析し、どの製品のどの工程をロボット化していくのか、まずはざっくりと決めていきます。 製品と工程が決まったらさらにその工程を細かく分解して、どれくらいの工数がかかっているか、作業一つ一つの作業時間を出していきます。そのように分割した作業の中でロボットに行わせる作業を決めていきます。 この時点ではあくまでも仮の決定で、ある程度のビジョンを持って導入を計画していくための準備です。 さて、ここからが本題です。 重要なことが二つ、一つ目は優秀なシステムインテグレーター(SIer)を選定することです。 SIerとはロボットシステムや自動化システム等の提案、設計、導入、立ち上げを一手に担ってくれるメーカーや業者の総称です。 例えば、全く同じ工程のロボット化を何社かのSIerに依頼した場合でも、提案内容や導入コストに大きく差が出る場合があります。 これはSIerの「提案力」の差によるものです。機械設計や電気設計はある程度ノウハウ化されそれほど差が出るものではありませんが、この「提案力」は個々の経験とアイデアによる差が顕著に出るものです。 そういった観点から、提案力のある優秀なSIerを選定することが重要なことの一つになってきます。 二つ目はユーザーの分析力です。ここでいう分析とは、例えば大量の数字を集めて傾向を発見する、とかそのような小難しい分析ではなく、実際に現場ではどのように作業が行われているのか、を分析する力です。 ロボット導入となると、現場で作業をしている作業者が実際に打ち合わせに加わったり、一緒にシステム構成を考えたり、というのは生産があるため非常に困難であるため、経営者自らが構想設計から打ち合わせ立ち上げまで、一人でこなしていくケースも多いかと思います。 このような場合に起こりうるのが、把握している作業と実際の現場作業との差です。良くも悪くも、現場作業員が決められた作業手順(作業標準)通りに作業をしているとは限らないからです。 この実際の現場作業の確認(分析)を怠るとロボットシステム導入後に思っていた通りに物が出来ない、試算した通りに生産が進まない等の問題が発生します。現場作業員も「勝手に作業方法を変えられた!」と感じモチベーションも下がってしまいます。そのような問題を起こさないためにも現場分析が重要となってきます。現場分析=現場作業者とのコミュニケーション、であるとも言えます。その現場分析をもとにユーザーからSIerへ要望を出す(ある意味提案する)、その要望(提案)を受けてSIerが実現可能な方法を提案する、といった流れに乗れると良いシステムが作られていきます。 逆に言うと、いかに優秀なSIerとて、ユーザーから要望(提案)が無ければ良い提案が出来ないということです。 3.おわりに 昨今では、SIer側としても上記のような状態を認識し、提案型営業の必要性が問われています。しかしやはりSIerが実際に現場に立って作業分析をすることは困難でしょう。 ロボットだけを買ってきても何の価値も生まない、いかに価値を生み出すロボットシステムを生み出せるかはユーザーの現場分析力(提案力)にかかっている、といっても過言でありません。 このように、ロボットのような最新技術とはいえ「3現主義」のようなモノづくりの基本を大前提において導入を進めることが必要です。 ロボットについて何の知識もないから、とか、難しいことは分からないから、と投げ出してしまうのではなく、良いロボットシステムを作り上げるためには今まで現場で培ってきた経験が必要である、と認識し各々の現場にあったシステムを導入していくのが中小企業・中小製造業におけるロボット導入の「勘どころ」と言えるでしょう。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 自動化・ロボット化事例集 vol.2 本事例集は、全国の先進的な工場が取り組む「自動化・ロボット化」の事例をまとめたものとなります。 これから自動化・ロボット化に取組もうと考える皆さまに、 「工場にロボット・IoTを導入する」ための具体的なノウハウを、 事例を通して知っていただくことを目的に作成しました。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー https://smart-factory.funaisoken.co.jp/download/automation-robotization-examples-02/

産業用ロボットの種類と市場規模

2020.06.18

近年では、様々な業界においてロボットが用いられるようになってきています。 その背景には将来的な人口減少により生産年齢人口が減少することや、顧客のニーズを満たすようなロボットを、製造することが出来るまでに技術が発展していることなどが、挙げられます。 ロボットと一口に言っても産業用ロボット・家電ロボット・手術支援ロボット・医療支援ロボットなど様々な種類がありますが、その中でも最も注目を集めているのが産業用ロボットです。 では、「産業用ロボット」とは一体どういうものなのでしょうか? 1.産業用ロボットとは? 産業用ロボットの説明に入る前に、まずはロボットの定義を共有したいと思います。 ロボットの定義は明確に定まっている訳ではなく所々で色々な定義がされていますが、定義の一つに、“人の代わりに何等かの作業を自律的に行う装置、もしくは機械のこと。”とあります。 そのロボットの中で、注目されている産業用ロボットは、「自動制御され、再プログラム可能で、多目的なマニピュレーターであり、3軸以上でプログラム可能で、1か所に固定してまたは運動機能をもって産業自動化の用途に用いられるロボット」と日本工業規格JISで定義されています。 マニピュレーターとは人の手や腕の代わりに作業する機構を指します。このような産業用ロボットは、資金が潤沢な大企業のみが導入できるものと考えられてきましたが、近年では規模が小さい中小企業においてもロボット導入が可能となっています。 まだまだ多くの方が、ロボット化をただの単品大量生産の自動化だと考えていますが、それは大きな間違いです。 特に中小企業にとってロボット化とは ・売上UP・付加価値UP・生産性UP ・熟練業務の伝承・継承 ・優秀な若手の採用強化・教育育成 ・新規顧客の開拓 ・人手不足の解消 ・ロボットによる3K業務の代替 であり大きなメリットがあります。 2.産業用ロボットに関する市場を調査 先述の通り、産業用ロボットは今非常に注目を集めています。 IFR (国際ロボット連盟)のレポートによると、過去5 年で世界の産業用ロボットの販売台数は2 倍になるといわれています。その背景として、日本・韓国・欧州等における労働力人口減少や中国・新興国等における賃金上昇や品質向上ニーズ拡大等が挙げられます。 IFRのWorld Robotics Report によると、2017 年に世界の産業用ロボットの出荷台数は過去最高となる381,000 台を記録し、前年比30%増となりました。ロボットの年間販売台数は下記の図をみてもわかるように、年々増加しており1 年あたり平均14%増となっています。 *2009~2017年と2018~2021年の世界全体の産業用ロボットの推移年間販売数 出展:国際ロボット連盟2018 また、日本ロボット工業会の統計を見ても、国内メーカーの18年の受注額は9623億円で、前年比5,5%増加しました。6連続の前年比増加で、過去最高を記録しています。 日本は、世界一の産業用ロボット生産国ですが、2017 年に日本メーカーは世界の販売台数の56%を占めました。 輸出比率は 45%の増加を記録し、輸出先は北米や中国、韓国、ヨーロッパです。 日本以外で注目すべき国としては、中国です。近年、中国を中心としたアジア市場が産業用ロボット市場の大きな成長源となっています。 中国は既に稼働台数において日本に次ぐ世界第2位となっていますが、工場労働者1人当たりの台数は少なく、ロボットの導入余地が大きいと考えられ、今後日本を抜いていくことが予想されます。 ここまで数字面で、産業用ロボットが注目される根拠を説明してきましたが、ここからは社会的な面からも見ていきたいと思います。 国際ロボット連盟の会長である津田純嗣は以下のように述べています。 「産業用ロボットは製造業の進歩に欠かせない重要な役割を担っています。ロボットは、視覚認識やスキル学習、AIを用いた故障予測、マン・マシン・コラボレーションという新たな概念、そして容易なプログラミングなどの多くの最新のテクノロジー と共に進化を遂げています。こうしたテクノロジーは、製造業の生産性の向上と、ロボット応用分野の拡大に寄与するでしょう。IFRの予測では、世界中の工場へのロボットの年間導入台数は2021年に約630,000台に到達することが見込まれます。」 OECDの調査によると、テクノロジーを効果的に採用している企業は、採用していない企業よりも10倍生産性が高いことが示されており、津田会長が言うように産業用ロボットは製造業の進歩に必要不可欠であると考えられます。 また、昨今のコロナウイルスの影響により自動化は今後より進んでいくと考えられます。IFRや経済学者らはコロナ危機は、ロボットが産業と社会にもたらす重要な貢献を強調しているとの考えを示しています。 3.産業用ロボットの種類 産業用ロボットは幅広い分野で活用されていますが、一口に産業用ロボットといっても様々なタイプがあります。 ・垂直多関節ロボット 人間の腕に似た構造で自由度が高く、最も普及しているタイプの産業用ロボットです。 軸の数が多く、動作の自由度が非常に高いということから様々な作業を行うことができます。 自由度が高いことから、対象とするワークを回り込んでの作業も得意で、搬送・溶接・塗装・組立等多くの工程で導入されています。 ただ、多軸で自由度が高い半面、制御がやや複雑になります。 ・水平多関節ロボット(スカラロボット) 水平(スカラ)方向の動きに特化したロボットです。 最も主流となっているのが4軸のロボットで、関節は回転軸が全て垂直に揃っているため、必ずアームの先端が水平面内を移動します。 例えばものをつかみ上げる場合は、ハンドを対象物の真上まで動かし、垂直の直線軸でハンドを近づけます。 複雑な動作はできませんが、上下方向の剛性が高く、水平方向への柔軟性を持っているため、部品の押し込み作業などの組立工程に適しています。 ウエハの搬送や、基板を組み立てる際など用途は多岐に渡ります。 ・パラレルリンクロボット 並列なリンクを介して1点の動きを制御する方法(パラレルメカニズム)を使った産業用ロボットです。 複数モーターの出力を1点に集中させ、各関節が直接先端を制御するため、高精度・高出力で、非常に高速に動けるという特徴があります。 そのため、ベルトコンベヤーの上に取り付けられ、流れてくる製品を高速でピックアップして搬送することができます。 ・直交ロボット 直角に組み合わせた直線軸からなるシンプルなロボットです。 作業を施す範囲に対し、設置面積が広くなってしまうというデメリットはありますが、スライド機構による動作になるため、回転がないという特徴があります。 また、複雑な動作はできない代わりに、シンプルで安価であるといったことも特徴として挙げられます。 直行ロボットは重量物の搬送や、基板の組み立てなどに使用されています。最近では、単体で導入するのではなく、多関節ロボットと組み合わせて導入し、使われることが増えてきています。 そのほかにも、液晶パネルの搬送などに利用されている、「円筒座標型ロボット」や 産業用ロボットの元祖である「極座標型ロボット」等様々なロボットがあります。 また、産業用ロボットといっても、「協業ロボット」や「双腕ロボット」など、一般的な産業用ロボットとは違ったタイプのロボットもあります。 このように、産業用ロボットは今非常に注目を集めています。 今後、産業用ロボットによる自動化はより進んでいくことでしょう。 本記事では産業用ロボットの市場について解説しました。 他の記事では、中小企業がロボット化を実現している事例なども紹介しておりますから、ロボット化をお考えの方のきっとお役に立つことと思います。 是非一度、ご覧になって下さい。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 自動化・ロボット化事例集 vol.2 本事例集は、全国の先進的な工場が取り組む「自動化・ロボット化」の事例をまとめたものとなります。 これから自動化・ロボット化に取組もうと考える皆さまに、 「工場にロボット・IoTを導入する」ための具体的なノウハウを、 事例を通して知っていただくことを目的に作成しました。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー https://smart-factory.funaisoken.co.jp/download/automation-robotization-examples-02/ 近年では、様々な業界においてロボットが用いられるようになってきています。 その背景には将来的な人口減少により生産年齢人口が減少することや、顧客のニーズを満たすようなロボットを、製造することが出来るまでに技術が発展していることなどが、挙げられます。 ロボットと一口に言っても産業用ロボット・家電ロボット・手術支援ロボット・医療支援ロボットなど様々な種類がありますが、その中でも最も注目を集めているのが産業用ロボットです。 では、「産業用ロボット」とは一体どういうものなのでしょうか? 1.産業用ロボットとは? 産業用ロボットの説明に入る前に、まずはロボットの定義を共有したいと思います。 ロボットの定義は明確に定まっている訳ではなく所々で色々な定義がされていますが、定義の一つに、“人の代わりに何等かの作業を自律的に行う装置、もしくは機械のこと。”とあります。 そのロボットの中で、注目されている産業用ロボットは、「自動制御され、再プログラム可能で、多目的なマニピュレーターであり、3軸以上でプログラム可能で、1か所に固定してまたは運動機能をもって産業自動化の用途に用いられるロボット」と日本工業規格JISで定義されています。 マニピュレーターとは人の手や腕の代わりに作業する機構を指します。このような産業用ロボットは、資金が潤沢な大企業のみが導入できるものと考えられてきましたが、近年では規模が小さい中小企業においてもロボット導入が可能となっています。 まだまだ多くの方が、ロボット化をただの単品大量生産の自動化だと考えていますが、それは大きな間違いです。 特に中小企業にとってロボット化とは ・売上UP・付加価値UP・生産性UP ・熟練業務の伝承・継承 ・優秀な若手の採用強化・教育育成 ・新規顧客の開拓 ・人手不足の解消 ・ロボットによる3K業務の代替 であり大きなメリットがあります。 2.産業用ロボットに関する市場を調査 先述の通り、産業用ロボットは今非常に注目を集めています。 IFR (国際ロボット連盟)のレポートによると、過去5 年で世界の産業用ロボットの販売台数は2 倍になるといわれています。その背景として、日本・韓国・欧州等における労働力人口減少や中国・新興国等における賃金上昇や品質向上ニーズ拡大等が挙げられます。 IFRのWorld Robotics Report によると、2017 年に世界の産業用ロボットの出荷台数は過去最高となる381,000 台を記録し、前年比30%増となりました。ロボットの年間販売台数は下記の図をみてもわかるように、年々増加しており1 年あたり平均14%増となっています。 *2009~2017年と2018~2021年の世界全体の産業用ロボットの推移年間販売数 出展:国際ロボット連盟2018 また、日本ロボット工業会の統計を見ても、国内メーカーの18年の受注額は9623億円で、前年比5,5%増加しました。6連続の前年比増加で、過去最高を記録しています。 日本は、世界一の産業用ロボット生産国ですが、2017 年に日本メーカーは世界の販売台数の56%を占めました。 輸出比率は 45%の増加を記録し、輸出先は北米や中国、韓国、ヨーロッパです。 日本以外で注目すべき国としては、中国です。近年、中国を中心としたアジア市場が産業用ロボット市場の大きな成長源となっています。 中国は既に稼働台数において日本に次ぐ世界第2位となっていますが、工場労働者1人当たりの台数は少なく、ロボットの導入余地が大きいと考えられ、今後日本を抜いていくことが予想されます。 ここまで数字面で、産業用ロボットが注目される根拠を説明してきましたが、ここからは社会的な面からも見ていきたいと思います。 国際ロボット連盟の会長である津田純嗣は以下のように述べています。 「産業用ロボットは製造業の進歩に欠かせない重要な役割を担っています。ロボットは、視覚認識やスキル学習、AIを用いた故障予測、マン・マシン・コラボレーションという新たな概念、そして容易なプログラミングなどの多くの最新のテクノロジー と共に進化を遂げています。こうしたテクノロジーは、製造業の生産性の向上と、ロボット応用分野の拡大に寄与するでしょう。IFRの予測では、世界中の工場へのロボットの年間導入台数は2021年に約630,000台に到達することが見込まれます。」 OECDの調査によると、テクノロジーを効果的に採用している企業は、採用していない企業よりも10倍生産性が高いことが示されており、津田会長が言うように産業用ロボットは製造業の進歩に必要不可欠であると考えられます。 また、昨今のコロナウイルスの影響により自動化は今後より進んでいくと考えられます。IFRや経済学者らはコロナ危機は、ロボットが産業と社会にもたらす重要な貢献を強調しているとの考えを示しています。 3.産業用ロボットの種類 産業用ロボットは幅広い分野で活用されていますが、一口に産業用ロボットといっても様々なタイプがあります。 ・垂直多関節ロボット 人間の腕に似た構造で自由度が高く、最も普及しているタイプの産業用ロボットです。 軸の数が多く、動作の自由度が非常に高いということから様々な作業を行うことができます。 自由度が高いことから、対象とするワークを回り込んでの作業も得意で、搬送・溶接・塗装・組立等多くの工程で導入されています。 ただ、多軸で自由度が高い半面、制御がやや複雑になります。 ・水平多関節ロボット(スカラロボット) 水平(スカラ)方向の動きに特化したロボットです。 最も主流となっているのが4軸のロボットで、関節は回転軸が全て垂直に揃っているため、必ずアームの先端が水平面内を移動します。 例えばものをつかみ上げる場合は、ハンドを対象物の真上まで動かし、垂直の直線軸でハンドを近づけます。 複雑な動作はできませんが、上下方向の剛性が高く、水平方向への柔軟性を持っているため、部品の押し込み作業などの組立工程に適しています。 ウエハの搬送や、基板を組み立てる際など用途は多岐に渡ります。 ・パラレルリンクロボット 並列なリンクを介して1点の動きを制御する方法(パラレルメカニズム)を使った産業用ロボットです。 複数モーターの出力を1点に集中させ、各関節が直接先端を制御するため、高精度・高出力で、非常に高速に動けるという特徴があります。 そのため、ベルトコンベヤーの上に取り付けられ、流れてくる製品を高速でピックアップして搬送することができます。 ・直交ロボット 直角に組み合わせた直線軸からなるシンプルなロボットです。 作業を施す範囲に対し、設置面積が広くなってしまうというデメリットはありますが、スライド機構による動作になるため、回転がないという特徴があります。 また、複雑な動作はできない代わりに、シンプルで安価であるといったことも特徴として挙げられます。 直行ロボットは重量物の搬送や、基板の組み立てなどに使用されています。最近では、単体で導入するのではなく、多関節ロボットと組み合わせて導入し、使われることが増えてきています。 そのほかにも、液晶パネルの搬送などに利用されている、「円筒座標型ロボット」や 産業用ロボットの元祖である「極座標型ロボット」等様々なロボットがあります。 また、産業用ロボットといっても、「協業ロボット」や「双腕ロボット」など、一般的な産業用ロボットとは違ったタイプのロボットもあります。 このように、産業用ロボットは今非常に注目を集めています。 今後、産業用ロボットによる自動化はより進んでいくことでしょう。 本記事では産業用ロボットの市場について解説しました。 他の記事では、中小企業がロボット化を実現している事例なども紹介しておりますから、ロボット化をお考えの方のきっとお役に立つことと思います。 是非一度、ご覧になって下さい。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 自動化・ロボット化事例集 vol.2 本事例集は、全国の先進的な工場が取り組む「自動化・ロボット化」の事例をまとめたものとなります。 これから自動化・ロボット化に取組もうと考える皆さまに、 「工場にロボット・IoTを導入する」ための具体的なノウハウを、 事例を通して知っていただくことを目的に作成しました。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー https://smart-factory.funaisoken.co.jp/download/automation-robotization-examples-02/

産業用ロボットによる自動化のメリットを解説!

2020.06.12

1.産業用ロボットとは? 産業用ロボットとひとことで言っても、その中には様々な特徴や性能をもったロボットが沢山あります。 代表的なものは、直行ロボット、多関節ロボット、双椀ロボット、パラレルリンクロボット等を挙げる事が出来ます。 そして、ロボットを使用する環境や求められる能力に合わせて様々な追加機能を持たせていく事で様々なジャンルへ適用していき、ハンドリング、ピッキング、溶接、塗装、研磨、検査、倉庫、等の工程に導入されています。 産業用ロボットの一番のメリットはその汎用性にあります。 上記で挙げた工程に要求される追加機能を持たせる事で様々な工程に対応出来ます。 それと同様に一つの工程の中では、多品種への対応が可能です。 例えば、溶接工程へのロボット導入の場合、多関節ロボットのハンドに溶接トーチを持たす事で溶接用のロボットとなります。 そして溶接トーチをTIG、MIG、YEG等に置き換える事で様々な溶接に対応可能です。 更には様々な形状と溶接条件のワークの加工が可能となり多品種対応も可能となります。 このように産業用ロボットの最大のメリットはその汎用性にあります。 小品種大ロット生産の場合、専用の自動機を製作し高い生産能力と低いコストでの生産が中心でしたが、世界的な不況や昨今のコロナショックにより、多品種少量生産のニーズが高まる環境下で大きく力を発揮するものです。 これまではロボットへの教示(ロボットの動くポイントや動作順等をロボットPRGにしてロボットコントローラに書き込む作業)は専門的な知識が必要で敷居の高いものでしたが、昨今では、世界的にロボット用ソフトウェアの開発が進み、専門知識の無い人、これまでロボットと縁の無かった人でも簡単に操作出来る様に開発が進んでいます。 特にヨーロッパや中国などはロボットの導入が積極的に行われておりますが、日本のロボット導入はあまり進んでおらず世界的に見て先進的とは言えない状況になっています。 20年後30年後の労働人口の不足は様々なメディアから報じられており、間違い無い事実であると思いますが、それでも日本ではロボットの導入が進んでいない状況です。 その理由として挙げられるのは、ロボットを導入して自動化する事のメリットを知らない事にあると思います。 そしてそのメリットを効果として投資対効果の試算を行う事と汎用性の高いロボットを自社の製造工程に合わせてカスタマイズする等の生産技術部門が無い企業が多いのもまた事実です。 本記事では、産業用ロボットをおすすめする理由を3つの視点から取り上げたいと思います。 2.自動化とは? まずは産業用ロボットによる自動化の進め方と大まかなコストを把握しましょう。 上述した通り産業用ロボットは単体では何も出来ません。何をさせるかによってカスタマイズが必要です。 そのカスタマイズを請け負ってくれるのがロボットシステムインテグレータです。日本にも大小数百のシステムインテグレータが存在しておりそれぞれ得意な分野や技術を保有しております。 そのため、ロボット導入を進める場合まずロボットシステムインテグレータに相談をする事をおすすめします。 対象の工程や必要な機能を洗い出してから設備構想を作っていくのですが、当然ロボットや追加機器の費用に加え、ロボットシステムインテグレータに支払う費用も発生します。 構想設計日や設置工事、立ち合い調整などの費用がメインとなりますがここに掛かる金額は必ず掛かってきますのでこれを踏まえての購入判断が必要となります。 例えば、小型から中型とされるロボットを用いて簡単なシステムを組んだ場合でも一千万近くは掛かります。 ロボットと追加機器の価格が五百万円程度だった場合に多くの場合はそれと同額程度のシステムインテグレータに支払う費用が掛かります。大体これが相場です。 つまりシンプルなシステム構成でもロボット+周辺機器+システムインテグレーションでは一千万円近くは掛かってきます。 システムインテグレーション費用は高い比率を占めていますが、安い買い物では無いので失敗してロボットを導入したが全く使っていない等の事態にならないようにきちんとシステムインテグレータと相談しながらシステムを構築していく必要があり独力でロボット導入を進める技術が無い限りは必ず必要になってきます。 高額投資にはなりますが、生産現場、生産品種に合わせたシステムを構築し運用する事が出来れば様々なメリットが生まれる為に投資対効果で回収する事が可能なのです。 投資対効果の中には省人や労働生産性の向上から生まれる直接効果とそれ以外の間接効果がありますが、特に間接効果によるメリットが大きく産業用ロボットをおすすめする理由として挙げる事が出来ます。 3.産業用ロボットをおすすめする理由①品質向上 まずロボット化によって生まれる間接効果として品質の向上があります。 卓越した職人の感覚による加工には敵いませんが、ロボットを用いて自動化出来た場合、繰り返し再現性が非常に高まります。 この繰り返し精度こそ人間を遥かに上回る性能をもっている為に加工や品質の仕上がりが一定になります。 導入初期段階ではもちろん調整が必要なのですが、一度良い品質のモノが出来てしまえば同じ品質のモノを作り続ける事が出来るのです。 逆に言ってしまえばそれ以上もそれ以下のモノも生産しないという事です。 しかし、ここで非常に重要なのはロボットで加工するモノの状態がいつも同じか?という所です。 生産現場では材料調達からはじまり大小様々な変化は日常的に発生します。 この材料の変化がロボットでの加工の品質結果を変化させてしまうのです。 ロボットを導入して安定した品質を保つ為には材料の安定が鍵となりますので注意しましょう。 4.産業用ロボットをおすすめする理由②危険な作業を省人化 昔から製造現場には3Kとよばれる作業があります。 キケン、キツイ、クサイの頭文字と取った造語ですが、ロボットはまさにこのような作業をさせるには持ってこいです。 ロボットは文句も言わず、何時間でも3K作業をこなす事が出来ます。 例えば、高温環境にある鋳造工程や溶接工程等、重量鉄骨の切断作業等の危険作業等にロボットを導入される企業が増えています。 これからの労働人口減少の影響を最初に受けるであろう3K作業を早めに自動化しておく事で将来的にも企業の存続を図る事がこの分野に置ける自動化の最大の効果とも言えます。 そして最先端の技術を使って自動化を進めている企業様にはおのずと優秀な人材が集まる事も想定出来ます。 3K作業はロボットにやらせて、優秀な人材にはロボットのプログラミング等を任せていくという企業も増えてきており、今後の製造業の主流とも言えると思います。 5.産業用ロボットをおすすめする理由③熟練工はさらに高い技術へ 上記の3K作業以外にも、自動化にむいている工程があります。手間が掛かるが格別特殊な技術の要らない加工工程です。 ロボットも周辺機器も各段に進歩を続けていますが、現時点では現場の職人に匹敵するものではありません。ロボットでは再現出来ない加工も多いです。 職人を育てる為には何年、何十年もの月日が必要でありその存在自体が会社の財産とも言える存在です。そしてその職人さんも徐々に減ってきている状況です。 それでは職人さんは本当にその特殊な技能を100%発揮しているでしょうか。誰でも出来る様な仕事を特殊な技能を持った職人にさせていないでしょうか。 そういう時にこそロボットを導入し簡単な加工はロボットにやらせてしまうのです。そして職人さんの手を空けて、その人にしか出来ない作業をやって貰う事で能力を100%発揮して貰います。 その中で更に高い技術を習得、技術伝承を担って貰うのです。 簡単な作業はロボットにやらせておいて熟練工はさらに高い技術の習得をする事で企業には更に高い技術が必要な仕事を取り込む事が出来ます。 そしてロボットと専門職人が共存する非常に魅力ある企業になる事でしょう。 本記事では産業用ロボットによる自動化のメリットについて述べてきましたが、如何でしたでしょうか。 もはやロボット後進国となりつつある日本の製造現場ですが、確かにロボットを導入する際の技術的な障壁やコスト面での課題も多くあると思います。 しかし将来を見据えてしっかりと腰を据えて自社に適したシステムを構築する事が今の時代に必要な取り組みではないでしょうか。 日本の中小企業の中でも時流に敏感な企業様はロボット導入を開始しており、今後のロボット導入を進める為の相談も増えつつあります。 そのような企業様は一歩先んじて自動化の技術を身に着け、着々と将来への準備をしております。 導入に関して課題も多いですが、しっかりと課題と効果を分析し、自動化への取り組みを進めて行って頂きたいですね。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 自動化・ロボット化事例集 vol.2 本事例集は、全国の先進的な工場が取り組む「自動化・ロボット化」の事例をまとめたものとなります。 これから自動化・ロボット化に取組もうと考える皆さまに、 「工場にロボット・IoTを導入する」ための具体的なノウハウを、 事例を通して知っていただくことを目的に作成しました。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー https://smart-factory.funaisoken.co.jp/download/automation-robotization-examples-02/   [sc name="robot"][/sc] 1.産業用ロボットとは? 産業用ロボットとひとことで言っても、その中には様々な特徴や性能をもったロボットが沢山あります。 代表的なものは、直行ロボット、多関節ロボット、双椀ロボット、パラレルリンクロボット等を挙げる事が出来ます。 そして、ロボットを使用する環境や求められる能力に合わせて様々な追加機能を持たせていく事で様々なジャンルへ適用していき、ハンドリング、ピッキング、溶接、塗装、研磨、検査、倉庫、等の工程に導入されています。 産業用ロボットの一番のメリットはその汎用性にあります。 上記で挙げた工程に要求される追加機能を持たせる事で様々な工程に対応出来ます。 それと同様に一つの工程の中では、多品種への対応が可能です。 例えば、溶接工程へのロボット導入の場合、多関節ロボットのハンドに溶接トーチを持たす事で溶接用のロボットとなります。 そして溶接トーチをTIG、MIG、YEG等に置き換える事で様々な溶接に対応可能です。 更には様々な形状と溶接条件のワークの加工が可能となり多品種対応も可能となります。 このように産業用ロボットの最大のメリットはその汎用性にあります。 小品種大ロット生産の場合、専用の自動機を製作し高い生産能力と低いコストでの生産が中心でしたが、世界的な不況や昨今のコロナショックにより、多品種少量生産のニーズが高まる環境下で大きく力を発揮するものです。 これまではロボットへの教示(ロボットの動くポイントや動作順等をロボットPRGにしてロボットコントローラに書き込む作業)は専門的な知識が必要で敷居の高いものでしたが、昨今では、世界的にロボット用ソフトウェアの開発が進み、専門知識の無い人、これまでロボットと縁の無かった人でも簡単に操作出来る様に開発が進んでいます。 特にヨーロッパや中国などはロボットの導入が積極的に行われておりますが、日本のロボット導入はあまり進んでおらず世界的に見て先進的とは言えない状況になっています。 20年後30年後の労働人口の不足は様々なメディアから報じられており、間違い無い事実であると思いますが、それでも日本ではロボットの導入が進んでいない状況です。 その理由として挙げられるのは、ロボットを導入して自動化する事のメリットを知らない事にあると思います。 そしてそのメリットを効果として投資対効果の試算を行う事と汎用性の高いロボットを自社の製造工程に合わせてカスタマイズする等の生産技術部門が無い企業が多いのもまた事実です。 本記事では、産業用ロボットをおすすめする理由を3つの視点から取り上げたいと思います。 2.自動化とは? まずは産業用ロボットによる自動化の進め方と大まかなコストを把握しましょう。 上述した通り産業用ロボットは単体では何も出来ません。何をさせるかによってカスタマイズが必要です。 そのカスタマイズを請け負ってくれるのがロボットシステムインテグレータです。日本にも大小数百のシステムインテグレータが存在しておりそれぞれ得意な分野や技術を保有しております。 そのため、ロボット導入を進める場合まずロボットシステムインテグレータに相談をする事をおすすめします。 対象の工程や必要な機能を洗い出してから設備構想を作っていくのですが、当然ロボットや追加機器の費用に加え、ロボットシステムインテグレータに支払う費用も発生します。 構想設計日や設置工事、立ち合い調整などの費用がメインとなりますがここに掛かる金額は必ず掛かってきますのでこれを踏まえての購入判断が必要となります。 例えば、小型から中型とされるロボットを用いて簡単なシステムを組んだ場合でも一千万近くは掛かります。 ロボットと追加機器の価格が五百万円程度だった場合に多くの場合はそれと同額程度のシステムインテグレータに支払う費用が掛かります。大体これが相場です。 つまりシンプルなシステム構成でもロボット+周辺機器+システムインテグレーションでは一千万円近くは掛かってきます。 システムインテグレーション費用は高い比率を占めていますが、安い買い物では無いので失敗してロボットを導入したが全く使っていない等の事態にならないようにきちんとシステムインテグレータと相談しながらシステムを構築していく必要があり独力でロボット導入を進める技術が無い限りは必ず必要になってきます。 高額投資にはなりますが、生産現場、生産品種に合わせたシステムを構築し運用する事が出来れば様々なメリットが生まれる為に投資対効果で回収する事が可能なのです。 投資対効果の中には省人や労働生産性の向上から生まれる直接効果とそれ以外の間接効果がありますが、特に間接効果によるメリットが大きく産業用ロボットをおすすめする理由として挙げる事が出来ます。 3.産業用ロボットをおすすめする理由①品質向上 まずロボット化によって生まれる間接効果として品質の向上があります。 卓越した職人の感覚による加工には敵いませんが、ロボットを用いて自動化出来た場合、繰り返し再現性が非常に高まります。 この繰り返し精度こそ人間を遥かに上回る性能をもっている為に加工や品質の仕上がりが一定になります。 導入初期段階ではもちろん調整が必要なのですが、一度良い品質のモノが出来てしまえば同じ品質のモノを作り続ける事が出来るのです。 逆に言ってしまえばそれ以上もそれ以下のモノも生産しないという事です。 しかし、ここで非常に重要なのはロボットで加工するモノの状態がいつも同じか?という所です。 生産現場では材料調達からはじまり大小様々な変化は日常的に発生します。 この材料の変化がロボットでの加工の品質結果を変化させてしまうのです。 ロボットを導入して安定した品質を保つ為には材料の安定が鍵となりますので注意しましょう。 4.産業用ロボットをおすすめする理由②危険な作業を省人化 昔から製造現場には3Kとよばれる作業があります。 キケン、キツイ、クサイの頭文字と取った造語ですが、ロボットはまさにこのような作業をさせるには持ってこいです。 ロボットは文句も言わず、何時間でも3K作業をこなす事が出来ます。 例えば、高温環境にある鋳造工程や溶接工程等、重量鉄骨の切断作業等の危険作業等にロボットを導入される企業が増えています。 これからの労働人口減少の影響を最初に受けるであろう3K作業を早めに自動化しておく事で将来的にも企業の存続を図る事がこの分野に置ける自動化の最大の効果とも言えます。 そして最先端の技術を使って自動化を進めている企業様にはおのずと優秀な人材が集まる事も想定出来ます。 3K作業はロボットにやらせて、優秀な人材にはロボットのプログラミング等を任せていくという企業も増えてきており、今後の製造業の主流とも言えると思います。 5.産業用ロボットをおすすめする理由③熟練工はさらに高い技術へ 上記の3K作業以外にも、自動化にむいている工程があります。手間が掛かるが格別特殊な技術の要らない加工工程です。 ロボットも周辺機器も各段に進歩を続けていますが、現時点では現場の職人に匹敵するものではありません。ロボットでは再現出来ない加工も多いです。 職人を育てる為には何年、何十年もの月日が必要でありその存在自体が会社の財産とも言える存在です。そしてその職人さんも徐々に減ってきている状況です。 それでは職人さんは本当にその特殊な技能を100%発揮しているでしょうか。誰でも出来る様な仕事を特殊な技能を持った職人にさせていないでしょうか。 そういう時にこそロボットを導入し簡単な加工はロボットにやらせてしまうのです。そして職人さんの手を空けて、その人にしか出来ない作業をやって貰う事で能力を100%発揮して貰います。 その中で更に高い技術を習得、技術伝承を担って貰うのです。 簡単な作業はロボットにやらせておいて熟練工はさらに高い技術の習得をする事で企業には更に高い技術が必要な仕事を取り込む事が出来ます。 そしてロボットと専門職人が共存する非常に魅力ある企業になる事でしょう。 本記事では産業用ロボットによる自動化のメリットについて述べてきましたが、如何でしたでしょうか。 もはやロボット後進国となりつつある日本の製造現場ですが、確かにロボットを導入する際の技術的な障壁やコスト面での課題も多くあると思います。 しかし将来を見据えてしっかりと腰を据えて自社に適したシステムを構築する事が今の時代に必要な取り組みではないでしょうか。 日本の中小企業の中でも時流に敏感な企業様はロボット導入を開始しており、今後のロボット導入を進める為の相談も増えつつあります。 そのような企業様は一歩先んじて自動化の技術を身に着け、着々と将来への準備をしております。 導入に関して課題も多いですが、しっかりと課題と効果を分析し、自動化への取り組みを進めて行って頂きたいですね。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 自動化・ロボット化事例集 vol.2 本事例集は、全国の先進的な工場が取り組む「自動化・ロボット化」の事例をまとめたものとなります。 これから自動化・ロボット化に取組もうと考える皆さまに、 「工場にロボット・IoTを導入する」ための具体的なノウハウを、 事例を通して知っていただくことを目的に作成しました。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー https://smart-factory.funaisoken.co.jp/download/automation-robotization-examples-02/   [sc name="robot"][/sc]

コロナ禍における製造業が目指していくべき姿とは

2020.05.28

コロナウィルスが引き起こした社会の変化と、これから製造業が目指していくべき姿について8つのポイントをご紹介します。 afterコロナではなくwithコロナ 緊急事態宣言が明け、いわゆる「afterコロナ」の時期に突入しました。 同時に、「withコロナ」という言葉も出てきています。「afterコロナ」と「withコロナ」、皆さんはこの違いを考えたことがありますか? 「afterコロナ」とは、文字の通りコロナ終息後の世界を示します。 それに対し、「withコロナ」とは、当面コロナが終息しないことを見込み、その前提で上手に「共生」しようという考え方です。 人類が感染症の消息に成功したのはペストだけだとも言われています。考え方によっては、意味と意義があって新型コロナ問題が噴出したとも捉えられますね。 オフィスワークにおける変化 コロナによって経済活動が止まり、失われた6週間なんて言われておりますが、同時にテクノロジーが一気に進化したのも、また事実です。まず、自宅のオフィス化についてどのように変わるでしょうか。 o 通勤という感覚は無くなる o 専用の部屋が必要になり、マンションの買い替え需要が増える(オフィス部屋) o マンションのリノベーション需要が増える(オンラインミーティングに合った内装) o 引っ越し時にはインターネット回線をかなり気にする o 自宅オフィススペースには香りや音楽が欲しくなる o スーツや仕事着を着る機会が減るので、関連ファッションは売上が下がる o 一方、部屋着は売れ、自宅のファシリティは売れる o 女子は洋服と化粧の消費が下がる o 自宅の光熱費が増える o 震災対応で備蓄が増える o PCは普通に2台持ち o 地元商店街が活性化する o 家事代行が流行る(旦那さんが家事をアウトソーシング) o 1人の時間を大切にしたくなる(ワンルームマンションを借りる) o 一方で、人の接点を増やしたがる(メリハリが効いたライフスタイル) 続いて、オフィスの変化はどのようなものがあるでしょうか。 o オフィスの面積・家賃、ウォーターサーバー、水道光熱費、会議室、ランチデリバリーは減る o 勤務はシフト制になる o 会議室の家賃はリモートツール関連費用に入れ替わる o リモートツールでのルールが会社の規律(就業規則)に加わる o フリーアドレス・フリーデスクが促進される o 総じてオフィスの販管費が減るので、それを従業員の在宅化支援に使える会社が喜ばれる o 接待文化は少なくなる o オフィスはブレストの場になる(オフィス家具の種類が変わるしおしゃれになる) o 会社の存在が少なくなる(存在意義、求心力がない) o 帰属意識が少なくなるので、同じ価値観が大切になる o 会社としての存在意義を出すためにレクリエーションが増える?(社員旅行、運動会、忘年会) o リモートランチやリモート飲み会が当たり前になる o リモートワークに対応できない会社には優秀な人財が集まらなくなる o 昔は「3K職種」の人気がなかったが、今後は「3密職種」も嫌がられる o 逆に、リモートワーク最先端を行くと、優秀な人財が採りやすくなる withコロナを生きていくためには しかし、現実として直面しているのは、生産調整やライン部分停止などの自粛活動による影響です。 さらに大きな影響を受けている場合は、事業撤退や廃業に追い込まれている企業もあります。M&Aや事業統合、海外進出している企業は国内回帰し、仕入れ先・調達先・販路の新規開拓が始まっています。 製造業が目指すべき方向は、大きく以下の4つだと考えます。 o スマートファクトリー o デジタルファクトリー o リモートファクトリー o スピードファクトリー スマートファクトリー・リモートファクトリーの一例をご紹介します。 o リモートでの営業から「リモート営業」へ o リモートでの受注から「リモート営業」へ o リモートで金型設計していたものは「金型設計AI」で o リモートで設備運転管理していたものは「設備運転管理IoT」へ o リモートで工程管理していたものは「工程管理IoT」へ o リモートで生産管理していたものは「生産管理クラウド」へ o リモートで現場監視していたものは「遠隔監視モニター」へ o リモートで見積もりしていたものは「見積もりAI」へ o リモートでプログラム設計していたものは「プログラム設計AI」へ o リモートで生産計画していたものは「生産計画AI」へ o リモートでロボットティーチングしていたものは「ロボットIoT」へ o リモートで外観検査していたものは「外観検査AI」へ o リモートで品質改善していたものは「品質改善AI」へ o リモートで行っていた朝礼は「遠隔監視モニター」へ これらは一体どういうことか、共通するのは以下のキーワードです。 o オンライン化・リモート化・クラウド化・遠隔化 o デジタル化・ソフト化・脱ハード依存 o AI化・IoT化 o ロボット化 o 5G化 o 縮小最適生産・少数精鋭生産 o 差別化生産・高付加価値生産 いやいやそんなの大企業でしょ、なんて思うかもしれませんが現実は変わってきています。 プログラムや金型を設計したり、見積もりや営業、受注が自宅からできれば、場所を選ばないので全国各地から優秀な人財を採ることができます。 将来的には日本に限らず、世界から採ることもできるかもしれません。採るべき人財を適切に採ると、生産は上がります。 ロボットを使うことで仕事を取られるのではなく、人を「活かす」ことができるからです。 製造業の場合、遠隔監視モニターを使ってオフラインティーチングをするなど、AIやIoTによって改善できるポイントはたくさんあります。 製造業がこれからを生き抜く大切なポイントまとめ 以上をまとめると、すぐに取り組み始めたい8つのポイントが見えてきます。 o 既存業務の自動化・省人化 o 3K業務の自動化 o 熟練業務・属人業務の標準化・見える化 o 熟練業務・属人業務の技術継承・誰でも出来る化・若手育成 o 熟練者をより高付加価値業務へ移行・付加価値UP o 新規顧客の開拓(新規売上UP) o 採用強化 o 3密の削減(リモート化) 短期的には、経営環境は全くの目先不透明感いっぱいかと思います。 しかし、中長期的には、ロボット化・AI化・デジタル化は間違いのない経営戦略であると言えます。 ロボット化・AI化・デジタル化(ソフト)を前提として、それに人間が合わせて各種生産設備(ハード)を選択する経営を目指していきませんか。 最後までご覧いただきありがとうございました。 この記事は、船井総研「スマートファクトリー研究会」での講演を一部抜粋したものです。 本研究会は、上記紹介させていただいたような取り組みをされている企業の皆様で構成されております。 よろしければ「スマートファクトリー研究会」へ参加してみませんか? ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 中堅・中小製造業 経営者様向け “工場のAI・デジタル化”最新事例解説レポート この1冊で、工場のAI・デジタル化の最新事例がわかる! 【事例①】AI活用を通じて「見積もり業務の標準化・脱属人化」を推進! 【事例②】付加価値を生まない検査工程から人手を開放!AIを活用した外観検査体制の構築! 【事例③】現場に散乱していた生産日報・日常点検表等のペーパーレス化を実現! ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー https://smart-factory.funaisoken.co.jp/download/201208/ コロナウィルスが引き起こした社会の変化と、これから製造業が目指していくべき姿について8つのポイントをご紹介します。 afterコロナではなくwithコロナ 緊急事態宣言が明け、いわゆる「afterコロナ」の時期に突入しました。 同時に、「withコロナ」という言葉も出てきています。「afterコロナ」と「withコロナ」、皆さんはこの違いを考えたことがありますか? 「afterコロナ」とは、文字の通りコロナ終息後の世界を示します。 それに対し、「withコロナ」とは、当面コロナが終息しないことを見込み、その前提で上手に「共生」しようという考え方です。 人類が感染症の消息に成功したのはペストだけだとも言われています。考え方によっては、意味と意義があって新型コロナ問題が噴出したとも捉えられますね。 オフィスワークにおける変化 コロナによって経済活動が止まり、失われた6週間なんて言われておりますが、同時にテクノロジーが一気に進化したのも、また事実です。まず、自宅のオフィス化についてどのように変わるでしょうか。 o 通勤という感覚は無くなる o 専用の部屋が必要になり、マンションの買い替え需要が増える(オフィス部屋) o マンションのリノベーション需要が増える(オンラインミーティングに合った内装) o 引っ越し時にはインターネット回線をかなり気にする o 自宅オフィススペースには香りや音楽が欲しくなる o スーツや仕事着を着る機会が減るので、関連ファッションは売上が下がる o 一方、部屋着は売れ、自宅のファシリティは売れる o 女子は洋服と化粧の消費が下がる o 自宅の光熱費が増える o 震災対応で備蓄が増える o PCは普通に2台持ち o 地元商店街が活性化する o 家事代行が流行る(旦那さんが家事をアウトソーシング) o 1人の時間を大切にしたくなる(ワンルームマンションを借りる) o 一方で、人の接点を増やしたがる(メリハリが効いたライフスタイル) 続いて、オフィスの変化はどのようなものがあるでしょうか。 o オフィスの面積・家賃、ウォーターサーバー、水道光熱費、会議室、ランチデリバリーは減る o 勤務はシフト制になる o 会議室の家賃はリモートツール関連費用に入れ替わる o リモートツールでのルールが会社の規律(就業規則)に加わる o フリーアドレス・フリーデスクが促進される o 総じてオフィスの販管費が減るので、それを従業員の在宅化支援に使える会社が喜ばれる o 接待文化は少なくなる o オフィスはブレストの場になる(オフィス家具の種類が変わるしおしゃれになる) o 会社の存在が少なくなる(存在意義、求心力がない) o 帰属意識が少なくなるので、同じ価値観が大切になる o 会社としての存在意義を出すためにレクリエーションが増える?(社員旅行、運動会、忘年会) o リモートランチやリモート飲み会が当たり前になる o リモートワークに対応できない会社には優秀な人財が集まらなくなる o 昔は「3K職種」の人気がなかったが、今後は「3密職種」も嫌がられる o 逆に、リモートワーク最先端を行くと、優秀な人財が採りやすくなる withコロナを生きていくためには しかし、現実として直面しているのは、生産調整やライン部分停止などの自粛活動による影響です。 さらに大きな影響を受けている場合は、事業撤退や廃業に追い込まれている企業もあります。M&Aや事業統合、海外進出している企業は国内回帰し、仕入れ先・調達先・販路の新規開拓が始まっています。 製造業が目指すべき方向は、大きく以下の4つだと考えます。 o スマートファクトリー o デジタルファクトリー o リモートファクトリー o スピードファクトリー スマートファクトリー・リモートファクトリーの一例をご紹介します。 o リモートでの営業から「リモート営業」へ o リモートでの受注から「リモート営業」へ o リモートで金型設計していたものは「金型設計AI」で o リモートで設備運転管理していたものは「設備運転管理IoT」へ o リモートで工程管理していたものは「工程管理IoT」へ o リモートで生産管理していたものは「生産管理クラウド」へ o リモートで現場監視していたものは「遠隔監視モニター」へ o リモートで見積もりしていたものは「見積もりAI」へ o リモートでプログラム設計していたものは「プログラム設計AI」へ o リモートで生産計画していたものは「生産計画AI」へ o リモートでロボットティーチングしていたものは「ロボットIoT」へ o リモートで外観検査していたものは「外観検査AI」へ o リモートで品質改善していたものは「品質改善AI」へ o リモートで行っていた朝礼は「遠隔監視モニター」へ これらは一体どういうことか、共通するのは以下のキーワードです。 o オンライン化・リモート化・クラウド化・遠隔化 o デジタル化・ソフト化・脱ハード依存 o AI化・IoT化 o ロボット化 o 5G化 o 縮小最適生産・少数精鋭生産 o 差別化生産・高付加価値生産 いやいやそんなの大企業でしょ、なんて思うかもしれませんが現実は変わってきています。 プログラムや金型を設計したり、見積もりや営業、受注が自宅からできれば、場所を選ばないので全国各地から優秀な人財を採ることができます。 将来的には日本に限らず、世界から採ることもできるかもしれません。採るべき人財を適切に採ると、生産は上がります。 ロボットを使うことで仕事を取られるのではなく、人を「活かす」ことができるからです。 製造業の場合、遠隔監視モニターを使ってオフラインティーチングをするなど、AIやIoTによって改善できるポイントはたくさんあります。 製造業がこれからを生き抜く大切なポイントまとめ 以上をまとめると、すぐに取り組み始めたい8つのポイントが見えてきます。 o 既存業務の自動化・省人化 o 3K業務の自動化 o 熟練業務・属人業務の標準化・見える化 o 熟練業務・属人業務の技術継承・誰でも出来る化・若手育成 o 熟練者をより高付加価値業務へ移行・付加価値UP o 新規顧客の開拓(新規売上UP) o 採用強化 o 3密の削減(リモート化) 短期的には、経営環境は全くの目先不透明感いっぱいかと思います。 しかし、中長期的には、ロボット化・AI化・デジタル化は間違いのない経営戦略であると言えます。 ロボット化・AI化・デジタル化(ソフト)を前提として、それに人間が合わせて各種生産設備(ハード)を選択する経営を目指していきませんか。 最後までご覧いただきありがとうございました。 この記事は、船井総研「スマートファクトリー研究会」での講演を一部抜粋したものです。 本研究会は、上記紹介させていただいたような取り組みをされている企業の皆様で構成されております。 よろしければ「スマートファクトリー研究会」へ参加してみませんか? ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 中堅・中小製造業 経営者様向け “工場のAI・デジタル化”最新事例解説レポート この1冊で、工場のAI・デジタル化の最新事例がわかる! 【事例①】AI活用を通じて「見積もり業務の標準化・脱属人化」を推進! 【事例②】付加価値を生まない検査工程から人手を開放!AIを活用した外観検査体制の構築! 【事例③】現場に散乱していた生産日報・日常点検表等のペーパーレス化を実現! ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー https://smart-factory.funaisoken.co.jp/download/201208/

【成功事例に学ぶ】産業用ロボット活用による小物部品出庫(ピッキング)の自動化

2020.05.22

※以下導入事例は一般社団法人 日本ロボット工業会(JARA)「ロボット導入実証事業:事例紹介ハンドブック2017 」より抜粋 企業情報 業種:金属部品製造業 従業員規模:500名 エリア:関西 投資金額 66,000千円 直接効果・・省人効果4名省人(労働生産性3倍) 間接効果・・ミスピッキングの抑制、労働環境改善 この事例におけるロボット化によるメリット □ 人手に頼っていた部品の入出庫作業(使用先別の仕分け)のロボット化を実現。 □ 入庫時の衝撃や部品の接触による傷、破損を防止するハンドリング。 □ 4名分の工数を省人化 課題 こちらの企業様では、毎日の生産に合わせて自動機を製作する為に必要な部品をピッキングする作業を6名で実施されていました。ピッキング作業は従来の部品棚に並んでいるコンテナから一つ一つリストと照合しながら歩いて部品を探す為に部品間違いやピッキングの時間に多くの工数を費やしていました。歩行量が多く時間もかかる作業である点とピッキングが完了しないと生産が開始できないという点、6名もの作業者が必要という点、一人当たりの労働生産性を向上させる為に自動化を取り組む必要がありました。 ロボットを導入した工程 大小様々な形状で3000品目ある自動機組立用部品のピッキング作業 ポイント 貨幣処理機、自動サービス機器の組立用に納品された部品を、各組立ラインの工程別に用意された部品箱に入庫(振り分け)する。部品は、材質、大きさ、重量、形状がそれぞれ異なり、1日に3,000品目が入荷している。 この作業を、可動式の垂直多関節ロボット2台を使用し自動化を実施した。作業者が伝票のバーコードを読み取り、部品をコンベア上のトレーに入れると、バーコードの情報をもとに専用アプリケーションが必要な情報をICタグに書き込み、これを利用してロボットが行き先別の部品箱に部品を投入するシステムである。 ハンドリング方法の検討により、重量2,000gまでの部品の傷つかない形での投入を実現した。作業者に占める高齢者や女性の比率が高いため、これらの自動化をはかることで、作業者を身体および神経疲労から開放するとともに、4名分の工数が削減できた。 コンサルタントの視点 今回の事例の様に、製造業のうち特に組立を行う業態では、部品のピッキングが必要不可欠です。ピッキングを自動化する為には色々な方法がありますがこちらの企業様の様に汎用の多関節ロボットを用いて投資額を抑制しつつ自社で使いやすい様にカスタマイズする方法もあります。 産業用ロボットとQRコードなどによるデジタル機器との併用による部品管理は直近では多くのメーカーが開発設計を行っており、部品の入出庫を全自動で行う自動倉庫がコンパクトサイズで販売されるようになりました。ロボットとQR、ICタグ等のデジタル機器を用いた自動化システムの開発は今後更に加速していく事でしょう。 またアプリケーションについても改良が加えられロボットに対して知見が無い人でも操作できる様に更に使いやすくなっていく事でしょう。このような自動ピッキングシステムは大規模の倉庫だけではなく、小規模で多品種少量生産方式の採用している企業に導入してこそ真価を発揮すると考えています。 日本の働き手の減少の問題は深刻であり、すでにこのような倉庫でのピッキングシステムを導入し自動化されている企業様も多いです。まだ自動化に取り組まれていない企業様は要チェックですね。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 自動化・ロボット化事例集 vol.2 本事例集は、全国の先進的な工場が取り組む「自動化・ロボット化」の事例をまとめたものとなります。 これから自動化・ロボット化に取組もうと考える皆さまに、 「工場にロボット・IoTを導入する」ための具体的なノウハウを、 事例を通して知っていただくことを目的に作成しました。 ※こちらの事例集は、導入を検討している工場の担当者様限定となっております。 同業他社、メーカーや商社、SI事業者の方にはご送付をお断わりさせていただいております。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー https://smart-factory.funaisoken.co.jp/download/automation-robotization-examples-02/ ※以下導入事例は一般社団法人 日本ロボット工業会(JARA)「ロボット導入実証事業:事例紹介ハンドブック2017 」より抜粋 企業情報 業種:金属部品製造業 従業員規模:500名 エリア:関西 投資金額 66,000千円 直接効果・・省人効果4名省人(労働生産性3倍) 間接効果・・ミスピッキングの抑制、労働環境改善 この事例におけるロボット化によるメリット □ 人手に頼っていた部品の入出庫作業(使用先別の仕分け)のロボット化を実現。 □ 入庫時の衝撃や部品の接触による傷、破損を防止するハンドリング。 □ 4名分の工数を省人化 課題 こちらの企業様では、毎日の生産に合わせて自動機を製作する為に必要な部品をピッキングする作業を6名で実施されていました。ピッキング作業は従来の部品棚に並んでいるコンテナから一つ一つリストと照合しながら歩いて部品を探す為に部品間違いやピッキングの時間に多くの工数を費やしていました。歩行量が多く時間もかかる作業である点とピッキングが完了しないと生産が開始できないという点、6名もの作業者が必要という点、一人当たりの労働生産性を向上させる為に自動化を取り組む必要がありました。 ロボットを導入した工程 大小様々な形状で3000品目ある自動機組立用部品のピッキング作業 ポイント 貨幣処理機、自動サービス機器の組立用に納品された部品を、各組立ラインの工程別に用意された部品箱に入庫(振り分け)する。部品は、材質、大きさ、重量、形状がそれぞれ異なり、1日に3,000品目が入荷している。 この作業を、可動式の垂直多関節ロボット2台を使用し自動化を実施した。作業者が伝票のバーコードを読み取り、部品をコンベア上のトレーに入れると、バーコードの情報をもとに専用アプリケーションが必要な情報をICタグに書き込み、これを利用してロボットが行き先別の部品箱に部品を投入するシステムである。 ハンドリング方法の検討により、重量2,000gまでの部品の傷つかない形での投入を実現した。作業者に占める高齢者や女性の比率が高いため、これらの自動化をはかることで、作業者を身体および神経疲労から開放するとともに、4名分の工数が削減できた。 コンサルタントの視点 今回の事例の様に、製造業のうち特に組立を行う業態では、部品のピッキングが必要不可欠です。ピッキングを自動化する為には色々な方法がありますがこちらの企業様の様に汎用の多関節ロボットを用いて投資額を抑制しつつ自社で使いやすい様にカスタマイズする方法もあります。 産業用ロボットとQRコードなどによるデジタル機器との併用による部品管理は直近では多くのメーカーが開発設計を行っており、部品の入出庫を全自動で行う自動倉庫がコンパクトサイズで販売されるようになりました。ロボットとQR、ICタグ等のデジタル機器を用いた自動化システムの開発は今後更に加速していく事でしょう。 またアプリケーションについても改良が加えられロボットに対して知見が無い人でも操作できる様に更に使いやすくなっていく事でしょう。このような自動ピッキングシステムは大規模の倉庫だけではなく、小規模で多品種少量生産方式の採用している企業に導入してこそ真価を発揮すると考えています。 日本の働き手の減少の問題は深刻であり、すでにこのような倉庫でのピッキングシステムを導入し自動化されている企業様も多いです。まだ自動化に取り組まれていない企業様は要チェックですね。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 自動化・ロボット化事例集 vol.2 本事例集は、全国の先進的な工場が取り組む「自動化・ロボット化」の事例をまとめたものとなります。 これから自動化・ロボット化に取組もうと考える皆さまに、 「工場にロボット・IoTを導入する」ための具体的なノウハウを、 事例を通して知っていただくことを目的に作成しました。 ※こちらの事例集は、導入を検討している工場の担当者様限定となっております。 同業他社、メーカーや商社、SI事業者の方にはご送付をお断わりさせていただいております。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー https://smart-factory.funaisoken.co.jp/download/automation-robotization-examples-02/

産業用ロボットの4つのティーチング種類と解説

2020.04.24

▼無料ダウンロードはこちらをクリック 産業用ロボット導入だけで終わっていませんか? 近年、工場のロボット化は製造業種を問わず、様々な分野で進んできております。大企業だけでなく中小企業においてもロボット化・自動化が導入されています。しかしながら、ロボット導入したら終わり、自動化が自然に実現でき、生産性を高められる訳ではありません。 周知の事実の通り、ロボットはプログラミングを行うことにより動作を制御しています。 中小企業のように多品種でありながら、ロット数が少量であるということは生産工程が逐次変化するということを表しています。そのため変化が多い中小企業のロボット化では”ティーチング“という作業が重要になっていきます。 一体“ティーチング”とは何なのか? 簡単に一言で表すと、「ロボットに望む動作を教えること」です。 動作を教える方法は様々な種類があります。 ティーチングの種類と概要について簡単に説明していきます。 産業用ロボットのティーチングの種類とその概要 前項で述べたティーチングですが、その方法は様々です。 現在一般的なティーチングの種類としては、以下の4つの種類が挙げられます。 1.オフラインティーチング 2.オンラインティーチング(ティーチング・プレイバック) 3.ダイレクトティーチング 4.AIによるティーチングレス より大きく分類すると下記になります。 ◆ロボットに直接触れることなくティーチング(間接教示)する 1.オフラインティーチング 2.オンラインティーチング(ティーチング・プレイバック) ◆ロボットに直接触れながらティーチング(直接教示)する 3.ダイレクトティーチング ◆ティーチング作業をAIにより行う 4.AIによるティーチングレス 本ページでは一般的な教示方法である 間接教示法と直接教示法について述べていきます。 その前にまず、 本項ではそれぞれのティーチング方法を表にまとめてみました。 ティーチングの種類 概要 オフラインティーチング(間接教示法) テキスト型 ロボットの動きの元となる、プログラムをテキストエディット用のソフトウェアで直接記入します。複雑な動きのプログラムには向かないため、簡単な動きをするロボットに用いられます。 シミュレータ型 ロボット言語のアップロードや、ダウンロードなどのデータのやり取りが可能です。ロボット言語を変換することができるため、各社のロボットに対応することが可能です。 エミュレータ型 教示者にとってティーチングが容易であるため、多くの産業用ロボットに採用されています。ロボット言語を用いて動作をプログラムし、直接実行させるティーチング方法となるためプログラム精度が高いという利点があります。 自動ティーチングシステム CADデータから加工プログラムを自動的に作成するシステムです。技術的な難易度の高さから、まだ導入例は多くないと言われています。 オンラインティーチング (ティーチング・プレイバック) 間接教示法 教示者が直接ロボット本体を動かすことにより動きを教示する方法になります。導入が増加している協働ロボットのティーチングではこの方法が多く採用されています。教示者が可動部を動かし、動作を記録させることで、より直観的にティーチングすることを可能にします。 AIによるティーチングレス ティーチング作業は属人的なものでありましたが、近年AIの自己学習機能を活用したティーチングレス化が進んでいます。オフラインティーチングにて行ったプログラミング作業に加え、オンラインティーチングで修正を繰り返すことで高品質の作業をミスなく高速で行うことが可能となります。 自社にはどの教示方法が適しているのか? では、自社がロボットを導入し、自動化を実現するためにはどのような教示法、あるいはティーチングを行えるロボットが適しているのかということで悩まれると思います。 ・間接教示法に適した作業工程 ・直接教示法に適した作業工程 上記に分けて説明していきます。 まず、間接教示法と直接教示法のそれぞれが許容できる 作業工程を包含関係で表してみたいと思います。 上記のように直接教示法にできる作業工程が限られることが分かります。 では、包含関係を考慮したうえで直接教示法にはどのような作業工程が向いているのかを説明していきます。 直接教示法に適した作業工程とは? 直接教示法とは、ロボットを直接動かすことによって動作を教示する方法になります。この教示方法はロボットの動作に対して比較的精密度が求められない作業において用いることが一般的となります。 具体的には、以下のような作業工程において用いられております。 ・ネジ締め作業工程 ・組立て作業工程 ・部品の仕分け工程 ・整列工程 ・箱詰め工程 ・ピッキング工程 ・搬送工程 ・検査工程 ・測定工程 間接教示法に適した作業工程とは? 間接教示法は、精密度が求められる工程においても対応することが可能となります。 これは、人の手によるティーチングではなく機械を用いたプログラミングを行うことにより、精度を高めることが可能となるからです。 これらの教示方法により可能となる作業工程は 以下のような作業があります。 ・溶接 ・バリ取り ・シーリング ・ローラーヘム ・カット ・穴あけ ・溶射 ・塗装 ・洗浄 ・搬送(軽量でないもの) 上記のような作業は勿論のこと、前述した包含関係の図からも、この間接教示法は直接教示法による作業もカバーすることが可能です。 間接教示法の中でもペンダントを使用する為に最も初期投資が掛からない方法です。 高頻度での教示の修正や複雑な軌道のロボットパスを生成する必要が無い場合はこちらがおすすめです。 しかし、一度の教示に掛かる時間は教示と動作確認と修正で数日間かかる場合も多く、教示を行う技術者の力量にも大きく差が出てくるので注意が必要です。 またオフラインティーチング法ではパソコンのソフトウェアを用いる必要があるので、初期投資が掛かります。ソフトウェアの購入費用として初期投資300万円~程掛かる事もめずらしく有りません。 立体的な形状のワークにそって軌道を作る時や、複雑な形状、多台のロボットの複合作業などの難易度の高い教示作業や、高頻度の品種追加、寸法変更などのマイナーチェンジが発生する場合に非常に有効です。また作業者の力量に左右されずにロボットパスを生成できる事も魅力です。 まとめ 本ページでは2つの教示方法と、ティーチングの種類について説明してきました。 間接教示法は直接教示法が可能とする作業工程を包含していることから汎用性が高い教示方法であることがわかります。 これを考えると、「間接教示法だけで良いのでは?」と、思われるかもしれません。 しかし、直接教示法では、ティーチングペンダントを用いることなく教示者が直接ロボットにティーイングすることが可能であるということから間接的な教示法よりもティーチングが簡単です。つまりはティーチングに掛かる作業時間を短縮することができるため、生産性が高くなるというメリットも考えられます。 このように、それぞれの作業工程に適した教示方法があることを理解すると自社におけるロボット選定や導入した後の運用面が明らかになり、ロボット化・自動化のイメージが着きやすくなると思います。 さらに、本サイトではティーチングの種類や教示方法だけでなく、それぞれの業種やその工程に特化したロボットについて様々な事例をもとに解説しております。 他社事例をご覧になって頂けるとより自社に適したロボットがどのようなものか理解を深めることが出来ると思います。 是非、自社のロボットにおける導入検討のために御一読いただければと思います。 ▼無料ダウンロードはこちらをクリック   [sc name="automation-robot"][/sc] ▼無料ダウンロードはこちらをクリック 産業用ロボット導入だけで終わっていませんか? 近年、工場のロボット化は製造業種を問わず、様々な分野で進んできております。大企業だけでなく中小企業においてもロボット化・自動化が導入されています。しかしながら、ロボット導入したら終わり、自動化が自然に実現でき、生産性を高められる訳ではありません。 周知の事実の通り、ロボットはプログラミングを行うことにより動作を制御しています。 中小企業のように多品種でありながら、ロット数が少量であるということは生産工程が逐次変化するということを表しています。そのため変化が多い中小企業のロボット化では”ティーチング“という作業が重要になっていきます。 一体“ティーチング”とは何なのか? 簡単に一言で表すと、「ロボットに望む動作を教えること」です。 動作を教える方法は様々な種類があります。 ティーチングの種類と概要について簡単に説明していきます。 産業用ロボットのティーチングの種類とその概要 前項で述べたティーチングですが、その方法は様々です。 現在一般的なティーチングの種類としては、以下の4つの種類が挙げられます。 1.オフラインティーチング 2.オンラインティーチング(ティーチング・プレイバック) 3.ダイレクトティーチング 4.AIによるティーチングレス より大きく分類すると下記になります。 ◆ロボットに直接触れることなくティーチング(間接教示)する 1.オフラインティーチング 2.オンラインティーチング(ティーチング・プレイバック) ◆ロボットに直接触れながらティーチング(直接教示)する 3.ダイレクトティーチング ◆ティーチング作業をAIにより行う 4.AIによるティーチングレス 本ページでは一般的な教示方法である 間接教示法と直接教示法について述べていきます。 その前にまず、 本項ではそれぞれのティーチング方法を表にまとめてみました。 ティーチングの種類 概要 オフラインティーチング(間接教示法) テキスト型 ロボットの動きの元となる、プログラムをテキストエディット用のソフトウェアで直接記入します。複雑な動きのプログラムには向かないため、簡単な動きをするロボットに用いられます。 シミュレータ型 ロボット言語のアップロードや、ダウンロードなどのデータのやり取りが可能です。ロボット言語を変換することができるため、各社のロボットに対応することが可能です。 エミュレータ型 教示者にとってティーチングが容易であるため、多くの産業用ロボットに採用されています。ロボット言語を用いて動作をプログラムし、直接実行させるティーチング方法となるためプログラム精度が高いという利点があります。 自動ティーチングシステム CADデータから加工プログラムを自動的に作成するシステムです。技術的な難易度の高さから、まだ導入例は多くないと言われています。 オンラインティーチング (ティーチング・プレイバック) 間接教示法 教示者が直接ロボット本体を動かすことにより動きを教示する方法になります。導入が増加している協働ロボットのティーチングではこの方法が多く採用されています。教示者が可動部を動かし、動作を記録させることで、より直観的にティーチングすることを可能にします。 AIによるティーチングレス ティーチング作業は属人的なものでありましたが、近年AIの自己学習機能を活用したティーチングレス化が進んでいます。オフラインティーチングにて行ったプログラミング作業に加え、オンラインティーチングで修正を繰り返すことで高品質の作業をミスなく高速で行うことが可能となります。 自社にはどの教示方法が適しているのか? では、自社がロボットを導入し、自動化を実現するためにはどのような教示法、あるいはティーチングを行えるロボットが適しているのかということで悩まれると思います。 ・間接教示法に適した作業工程 ・直接教示法に適した作業工程 上記に分けて説明していきます。 まず、間接教示法と直接教示法のそれぞれが許容できる 作業工程を包含関係で表してみたいと思います。 上記のように直接教示法にできる作業工程が限られることが分かります。 では、包含関係を考慮したうえで直接教示法にはどのような作業工程が向いているのかを説明していきます。 直接教示法に適した作業工程とは? 直接教示法とは、ロボットを直接動かすことによって動作を教示する方法になります。この教示方法はロボットの動作に対して比較的精密度が求められない作業において用いることが一般的となります。 具体的には、以下のような作業工程において用いられております。 ・ネジ締め作業工程 ・組立て作業工程 ・部品の仕分け工程 ・整列工程 ・箱詰め工程 ・ピッキング工程 ・搬送工程 ・検査工程 ・測定工程 間接教示法に適した作業工程とは? 間接教示法は、精密度が求められる工程においても対応することが可能となります。 これは、人の手によるティーチングではなく機械を用いたプログラミングを行うことにより、精度を高めることが可能となるからです。 これらの教示方法により可能となる作業工程は 以下のような作業があります。 ・溶接 ・バリ取り ・シーリング ・ローラーヘム ・カット ・穴あけ ・溶射 ・塗装 ・洗浄 ・搬送(軽量でないもの) 上記のような作業は勿論のこと、前述した包含関係の図からも、この間接教示法は直接教示法による作業もカバーすることが可能です。 間接教示法の中でもペンダントを使用する為に最も初期投資が掛からない方法です。 高頻度での教示の修正や複雑な軌道のロボットパスを生成する必要が無い場合はこちらがおすすめです。 しかし、一度の教示に掛かる時間は教示と動作確認と修正で数日間かかる場合も多く、教示を行う技術者の力量にも大きく差が出てくるので注意が必要です。 またオフラインティーチング法ではパソコンのソフトウェアを用いる必要があるので、初期投資が掛かります。ソフトウェアの購入費用として初期投資300万円~程掛かる事もめずらしく有りません。 立体的な形状のワークにそって軌道を作る時や、複雑な形状、多台のロボットの複合作業などの難易度の高い教示作業や、高頻度の品種追加、寸法変更などのマイナーチェンジが発生する場合に非常に有効です。また作業者の力量に左右されずにロボットパスを生成できる事も魅力です。 まとめ 本ページでは2つの教示方法と、ティーチングの種類について説明してきました。 間接教示法は直接教示法が可能とする作業工程を包含していることから汎用性が高い教示方法であることがわかります。 これを考えると、「間接教示法だけで良いのでは?」と、思われるかもしれません。 しかし、直接教示法では、ティーチングペンダントを用いることなく教示者が直接ロボットにティーイングすることが可能であるということから間接的な教示法よりもティーチングが簡単です。つまりはティーチングに掛かる作業時間を短縮することができるため、生産性が高くなるというメリットも考えられます。 このように、それぞれの作業工程に適した教示方法があることを理解すると自社におけるロボット選定や導入した後の運用面が明らかになり、ロボット化・自動化のイメージが着きやすくなると思います。 さらに、本サイトではティーチングの種類や教示方法だけでなく、それぞれの業種やその工程に特化したロボットについて様々な事例をもとに解説しております。 他社事例をご覧になって頂けるとより自社に適したロボットがどのようなものか理解を深めることが出来ると思います。 是非、自社のロボットにおける導入検討のために御一読いただければと思います。 ▼無料ダウンロードはこちらをクリック   [sc name="automation-robot"][/sc]

【成功事例に学ぶ】ロボットによる肉盛り溶接とオフラインティーチングで脱職人化

2020.04.09

※以下導入事例は一般社団法人 日本ロボット工業会(JARA)「ロボット導入実証事業:事例紹介ハンドブック2017 」より抜粋 企業情報 業種:金属部品製造業 従業員規模:200名 エリア:岡山県 この事例におけるロボット化によるメリット □ 非常に高度な技術を要する金型の修繕の為の肉盛り溶接加工を自動化する事で脱職人を達成すると同時に生産能力の大幅UPに成功した。 課題 こちらの企業様では、多品種の金属製品を生産しており、数万個に及ぶ多様な金型を保有しております。金型の保守や新規製作工程において、摩耗補修時に表面を硬化肉盛り処理しますが、高度な熟練技能と長い工数が必要となるため生産活動のネックでした。また高い技術を保有する職人を育てるには数十年の時間を要するので、今後の職人不足を想定したうえで脱職人化に向けた取り組み(デジタルイノベーション)を行う必要がありました。 ロボットを導入した工程 金型新規製作や金型修繕時の硬化肉盛り溶接工程 ポイント 硬化肉盛り溶接を自動化する為に、レーザクラッティング工法(金属の粉体を利用した肉盛り溶接工法)を採用されました。 自動化するための課題は、溶接欠陥が無く金型への入熱が少ない溶接条件と溶接歪が発生しにくい加パス(熟練者の経験値)を正確に再現するロボット軌跡制御と、ロボットティーチング作業の簡略化がありました。 課題を解決する為に、ロボットペンダントを用いたダイレクトティーチング方法ではなく、オフラインティーチングソフトウェアを導入しました。PCを用いて最適な加工パスを生成した上で、溶接工の経験と知識を加えて溶接条件やトーチの調整を重ねました。ペンダントによるティーチングではロボットを停止する必要があり、その間生産する事が出来ませんし、溶接工の技術を再現するようなトーチの軌道を教示するにも非常に多くの時間が必要となります。オフラインティーチングソフトを用いる事で、生産を行いながら他の金型の修繕の為のロボットプログラムを生成する事で多品種対応を実現されています。 結果として、溶接を自動化することで一連の金型製作/保守工程の熟練作業の置き換えを図り、専任者2名を削減できました。加えて処理時間を大幅短縮することに成功し、従業員を過酷な環境から解放することにも繋がりました。 コンサルタントの視点 金型の修繕など高い溶接技能が必要な場合でもロボットは対応できます。事例企業様も自動化システムを構築するまでは、多くの工夫や試行錯誤を行っていたと考えられますが、一度自動化してしまえば、「何故この作業を人が行っていたのか」と言えます。そして、1つでも工程を自動化すると自然とノウハウが身につき、他工程の自動化も進んでいくことでしょう。今回は2017年の導入事例ですが、数年経ったことで更なる成果を挙げられていると考えられます。初期投資費用はかかりますが、今後10年、20年先を考えた場合は正しい選択ではないでしょうか。国や地方自治体の補助金を上手に利用して負担を軽くする対策もあります。オフラインティーチングソフトにも色々な種類があります。例えば、海外で開発されたソフトウェアはメーカー純正のソフトウェアに比べて多機能ですが、初期導入費用は数百万円になります。しかし外部業者にロボットティーチングを依頼し、生産停止してティーチングすることを考えると、多品種であればあるほど効果が見込めます。さらに複雑な形状部品や色々な角度でのアプローチが必要な場合はより効果を発揮します。現在の製品がいつまで需要があるのか分からない、仕様変更が頻繁にある場合にも有効です。初期導入費用は掛かりますが、職人の雇用にかかっていた費用に置き換えると効果が期待できるかもしれません。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 板金・溶接加工業様向け 多品種少量溶接ロボット導入事例解説レポート この1冊で多品種少量溶接ロボット導入の具体的事例がわかる! ①多品種少量溶接ロボット導入の進め方 ②多品種少量溶接ロボットにおける具体的事例 ③補助金を活用した溶接ロボット導入成功事例 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー https://lp.funaisoken.co.jp/mt/smart-factory/dltext05-dl.html ※以下導入事例は一般社団法人 日本ロボット工業会(JARA)「ロボット導入実証事業:事例紹介ハンドブック2017 」より抜粋 企業情報 業種:金属部品製造業 従業員規模:200名 エリア:岡山県 この事例におけるロボット化によるメリット □ 非常に高度な技術を要する金型の修繕の為の肉盛り溶接加工を自動化する事で脱職人を達成すると同時に生産能力の大幅UPに成功した。 課題 こちらの企業様では、多品種の金属製品を生産しており、数万個に及ぶ多様な金型を保有しております。金型の保守や新規製作工程において、摩耗補修時に表面を硬化肉盛り処理しますが、高度な熟練技能と長い工数が必要となるため生産活動のネックでした。また高い技術を保有する職人を育てるには数十年の時間を要するので、今後の職人不足を想定したうえで脱職人化に向けた取り組み(デジタルイノベーション)を行う必要がありました。 ロボットを導入した工程 金型新規製作や金型修繕時の硬化肉盛り溶接工程 ポイント 硬化肉盛り溶接を自動化する為に、レーザクラッティング工法(金属の粉体を利用した肉盛り溶接工法)を採用されました。 自動化するための課題は、溶接欠陥が無く金型への入熱が少ない溶接条件と溶接歪が発生しにくい加パス(熟練者の経験値)を正確に再現するロボット軌跡制御と、ロボットティーチング作業の簡略化がありました。 課題を解決する為に、ロボットペンダントを用いたダイレクトティーチング方法ではなく、オフラインティーチングソフトウェアを導入しました。PCを用いて最適な加工パスを生成した上で、溶接工の経験と知識を加えて溶接条件やトーチの調整を重ねました。ペンダントによるティーチングではロボットを停止する必要があり、その間生産する事が出来ませんし、溶接工の技術を再現するようなトーチの軌道を教示するにも非常に多くの時間が必要となります。オフラインティーチングソフトを用いる事で、生産を行いながら他の金型の修繕の為のロボットプログラムを生成する事で多品種対応を実現されています。 結果として、溶接を自動化することで一連の金型製作/保守工程の熟練作業の置き換えを図り、専任者2名を削減できました。加えて処理時間を大幅短縮することに成功し、従業員を過酷な環境から解放することにも繋がりました。 コンサルタントの視点 金型の修繕など高い溶接技能が必要な場合でもロボットは対応できます。事例企業様も自動化システムを構築するまでは、多くの工夫や試行錯誤を行っていたと考えられますが、一度自動化してしまえば、「何故この作業を人が行っていたのか」と言えます。そして、1つでも工程を自動化すると自然とノウハウが身につき、他工程の自動化も進んでいくことでしょう。今回は2017年の導入事例ですが、数年経ったことで更なる成果を挙げられていると考えられます。初期投資費用はかかりますが、今後10年、20年先を考えた場合は正しい選択ではないでしょうか。国や地方自治体の補助金を上手に利用して負担を軽くする対策もあります。オフラインティーチングソフトにも色々な種類があります。例えば、海外で開発されたソフトウェアはメーカー純正のソフトウェアに比べて多機能ですが、初期導入費用は数百万円になります。しかし外部業者にロボットティーチングを依頼し、生産停止してティーチングすることを考えると、多品種であればあるほど効果が見込めます。さらに複雑な形状部品や色々な角度でのアプローチが必要な場合はより効果を発揮します。現在の製品がいつまで需要があるのか分からない、仕様変更が頻繁にある場合にも有効です。初期導入費用は掛かりますが、職人の雇用にかかっていた費用に置き換えると効果が期待できるかもしれません。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 板金・溶接加工業様向け 多品種少量溶接ロボット導入事例解説レポート この1冊で多品種少量溶接ロボット導入の具体的事例がわかる! ①多品種少量溶接ロボット導入の進め方 ②多品種少量溶接ロボットにおける具体的事例 ③補助金を活用した溶接ロボット導入成功事例 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー https://lp.funaisoken.co.jp/mt/smart-factory/dltext05-dl.html

【投資対効果の考え方】多品種少量生産の自動化・ロボット化

2020.03.26

▼無料ダウンロードはこちらをクリック 近年、顧客ニーズの多様化に伴い、これらのニーズに応える手法として多品種少量生産に取り組む企業が増えています。 また労働人口減少の環境下で多品種少量生産体制の企業が生産工程の自動化に取り組む企業も増えています。 しかし、生産体制によって自動化の考え方は大きく異なってきます。特に多品種少量生産を行う生産体制の場合は、自動化する事が非常に困難なイメージを持たれている方も多く、自動化が進まない要因の一つとなっています。 多品種少量生産のメリットとデメリットについて メリット ・顧客のニーズに合わせた質と量の製品を供給する事が出来る ・必要なものを必要な数だけ生産する事で、在庫を抑制する事が出来る ・細かな仕様変更などにも対応できる。 ・品質不具合発生時に細かくロット管理が出来る。 ・設備の切り替え時短改善等が進み、質の高い生産が出来る ・作業者や技術者が多品種対応する事で著しく成長する。 ・一部製品の需要が無くなり受注が無くなっても他製品でカバーする事が出来る。 デメリット ・切り替え性を高める事が出来なければ生産効率を低下させてしまう。 ・品質再現性を高める事が出来なければ、品質が不安定になってしまう。 ・原料、材料の保管にスペースが必要 ・原料、材料の調達にシビアなコントロールが必要 ・生産計画調整にシビアなコントロールが必要 ・人員教育に時間が掛かる(技術、作業習得) ・一部の人間しか生産する事が出来ない等の技術的課題が発生する。 上記の様に多品種少量生産が大量生産システムに比べてはるかに難易度の高い仕事が求められるのが多品種少量生産です。 さらにメリットとデメリット比較すると、基本的にはデメリットを解消すればそれがすべてメリットになるという事が言えます。 そういう意味でも多品種少量生産が【質の高いものづくり】といわれる所以ですね。 多品種少量生産はロボット化に向かないと思われてる方も多いですが、上記デメリットを見ると自動化した方が解決する問題の方が多い事が分かると思います。 ・設備の切り替え性 人が切り替え作業している工程を自動した場合、属人的な違いが無くなります。 ・品質再現性 人よりも機械の方が同じ作業を繰り返すのは上手です。 ・生産計画調整や原料、材料調達  計画をもとに自動で調達を行うシステムを導入すれば、属人的な能力差が発生しない。 ・一部の人間しか生産出来ない  自動化する事で誰でもボタンを押せば生産する事が出来ます。 つまり多品種少量生産ほど自動化に向いているのです。 多品種生産工程の自動化課題 しかし、多品種少量生産のデメリットである点を自動機で克服していく為には、課題も多いです。 この課題を克服する自動機を投資回収できる範囲の投資で構築出来るかがポイントであり難しい所です。 直近では多様な製品、技術が開発されており、基本的に自動化出来ない工程は無いというレベルまで来てると思いますが、高額な費用を捻出する必要があります。 自社製品の工法や加工内容や受注ロット、切り替え頻度を加味した上で自動化設備の中身を取捨選択していく必要があります。 基本的に自動化設備に用いられる機器は高額なものが多く、機器単体では機能を果たせないものが多い為、生産システムとして成り立つ状態に仕上げるにはシステムインテグレーターの協力が必要であり、システムインテグレーターにも設計費用や工賃を支払う必要がありますので、どうしても費用全体は高額になってしまい、自動化設備の導入障壁となってしまうのです。 性能を維持したまま、価格を大幅に下げる事は難しい為、システム全体の費用を下げる為には機器の数を減らす必要が出てきます。そうすると求めるスペックが出ないという悪循環に落ちてしまいます。 この悪循環に陥らない為に最も必要な考え方は、自動化システム導入した際の効果算出にあるのではないでしょうか。 正しく導入効果を算出して長期的な視点で投資判断を行う事が肝要と思います。 投資対効果算出の考え方 定量的効果 人間が行っていた作業を自動化することで、労働時間を短縮させることができます。 自動化と作業配分の見直し等で残業代も削減できれば効果の上積みとなります。 自動化システムの導入により削減できた人件費が定量的効果にあたります。 定量的効果の具体的な値は、以下の計算式で求めることができます。 削減できた人件費(年)=1年間に自動化した工程の作業に掛けていた時間(単位:時間)×担当者の時給 となります。 しかし、自動化したからといってそれまで作業していた作業者が居なくなるという事では無い場合、自動化する事で浮いた時間を他作業に置き換えた場合の生産能力向上や作業配分された事での残業時間や休日出勤の抑制の効果を算出する必要があります。 つまり、自動化システムで如何に既存作業者の時間を浮かすか、そして浮いた時間で如何に付加価値を生むかが重要な要素です。 定性的効果 自動化システムを導入する効果は、定量的効果のほかに数値で表しにくい効果もあります。 (自動システム導入後には効果を算出しやすいが導入前段階での試算が難しいです。) ・特定のスキルを持った人材を確保、育成する必要がなくなる。 ・生産能力が一定になる。(生産数のムラが無くなる) ・人的ミスの削減 ・品質の安定 ・人的ミスの削減と品質の安定により、加工ミスや不良品が発生した場合に必要になる後追い調査や再処理の手間とかかる人件費なども減らすことが可能 ・一度自動化してしまえば、属人的な要素が限りなく減少するので、技術者の退職や人員の配置変更や人手不足の影響が受けなくなります。 ・材料の供給方法を検討すれば24時間での稼働も可能です。夜間に翌日使用分の加工をさせておく事も可能です。 投資対効果を大きくするにはどうすればよいのか 投資対効果を最大限に発揮するには、前述したとおり、自動化して浮いた人手を如何に付加価値の高い業務にシフトさせる事が出来るかがカギとなります。 これまでに取り込めなかった新規分野での受注獲得する事で新たな収益を生み出す事などが最も良い例ですね。 平行して、自動化システムの稼働率向上や、切り替え時間の短縮、生産能力の向上も当然必須となります。 自動化システム導入の前の効果算出の段階で、自動機導入後の付加価値を生み出すシナリオを作成し、自動システムを導入した後にも継続して導入効果を最大限高める工夫と努力が必要です。 システム導入費用を削減するのは、自力では難しいですが、システム導入による効果は自力でいかようにも膨らませる事が出来ると思います。 まとめ 今回は、多品種少量生産の自動化について述べてきましたが如何でしょうか。 基本的に多品種少量生産こそ自動化に向いていると思います。 しかし導入障壁となっている多品種対応故の設備費用に対して、価格に注目してしまうと前に進めなくなってしまいます。 自動化システムを導入後に如何にして効果を生み出すかを正確に試算していく事で投資判断を進める事が肝要ではないかと考えます。 そして、自動システム導入後の継続した付加価値業務の推進で自動化システムの導入効果を最大限に高めていく取り組みを組織方針として打ち出し実行していく事が必要ではないでしょうか。 ▼無料ダウンロードはこちらをクリック   [sc name="automation-robot"][/sc] [sc name="robot"][/sc] ▼無料ダウンロードはこちらをクリック 近年、顧客ニーズの多様化に伴い、これらのニーズに応える手法として多品種少量生産に取り組む企業が増えています。 また労働人口減少の環境下で多品種少量生産体制の企業が生産工程の自動化に取り組む企業も増えています。 しかし、生産体制によって自動化の考え方は大きく異なってきます。特に多品種少量生産を行う生産体制の場合は、自動化する事が非常に困難なイメージを持たれている方も多く、自動化が進まない要因の一つとなっています。 多品種少量生産のメリットとデメリットについて メリット ・顧客のニーズに合わせた質と量の製品を供給する事が出来る ・必要なものを必要な数だけ生産する事で、在庫を抑制する事が出来る ・細かな仕様変更などにも対応できる。 ・品質不具合発生時に細かくロット管理が出来る。 ・設備の切り替え時短改善等が進み、質の高い生産が出来る ・作業者や技術者が多品種対応する事で著しく成長する。 ・一部製品の需要が無くなり受注が無くなっても他製品でカバーする事が出来る。 デメリット ・切り替え性を高める事が出来なければ生産効率を低下させてしまう。 ・品質再現性を高める事が出来なければ、品質が不安定になってしまう。 ・原料、材料の保管にスペースが必要 ・原料、材料の調達にシビアなコントロールが必要 ・生産計画調整にシビアなコントロールが必要 ・人員教育に時間が掛かる(技術、作業習得) ・一部の人間しか生産する事が出来ない等の技術的課題が発生する。 上記の様に多品種少量生産が大量生産システムに比べてはるかに難易度の高い仕事が求められるのが多品種少量生産です。 さらにメリットとデメリット比較すると、基本的にはデメリットを解消すればそれがすべてメリットになるという事が言えます。 そういう意味でも多品種少量生産が【質の高いものづくり】といわれる所以ですね。 多品種少量生産はロボット化に向かないと思われてる方も多いですが、上記デメリットを見ると自動化した方が解決する問題の方が多い事が分かると思います。 ・設備の切り替え性 人が切り替え作業している工程を自動した場合、属人的な違いが無くなります。 ・品質再現性 人よりも機械の方が同じ作業を繰り返すのは上手です。 ・生産計画調整や原料、材料調達  計画をもとに自動で調達を行うシステムを導入すれば、属人的な能力差が発生しない。 ・一部の人間しか生産出来ない  自動化する事で誰でもボタンを押せば生産する事が出来ます。 つまり多品種少量生産ほど自動化に向いているのです。 多品種生産工程の自動化課題 しかし、多品種少量生産のデメリットである点を自動機で克服していく為には、課題も多いです。 この課題を克服する自動機を投資回収できる範囲の投資で構築出来るかがポイントであり難しい所です。 直近では多様な製品、技術が開発されており、基本的に自動化出来ない工程は無いというレベルまで来てると思いますが、高額な費用を捻出する必要があります。 自社製品の工法や加工内容や受注ロット、切り替え頻度を加味した上で自動化設備の中身を取捨選択していく必要があります。 基本的に自動化設備に用いられる機器は高額なものが多く、機器単体では機能を果たせないものが多い為、生産システムとして成り立つ状態に仕上げるにはシステムインテグレーターの協力が必要であり、システムインテグレーターにも設計費用や工賃を支払う必要がありますので、どうしても費用全体は高額になってしまい、自動化設備の導入障壁となってしまうのです。 性能を維持したまま、価格を大幅に下げる事は難しい為、システム全体の費用を下げる為には機器の数を減らす必要が出てきます。そうすると求めるスペックが出ないという悪循環に落ちてしまいます。 この悪循環に陥らない為に最も必要な考え方は、自動化システム導入した際の効果算出にあるのではないでしょうか。 正しく導入効果を算出して長期的な視点で投資判断を行う事が肝要と思います。 投資対効果算出の考え方 定量的効果 人間が行っていた作業を自動化することで、労働時間を短縮させることができます。 自動化と作業配分の見直し等で残業代も削減できれば効果の上積みとなります。 自動化システムの導入により削減できた人件費が定量的効果にあたります。 定量的効果の具体的な値は、以下の計算式で求めることができます。 削減できた人件費(年)=1年間に自動化した工程の作業に掛けていた時間(単位:時間)×担当者の時給 となります。 しかし、自動化したからといってそれまで作業していた作業者が居なくなるという事では無い場合、自動化する事で浮いた時間を他作業に置き換えた場合の生産能力向上や作業配分された事での残業時間や休日出勤の抑制の効果を算出する必要があります。 つまり、自動化システムで如何に既存作業者の時間を浮かすか、そして浮いた時間で如何に付加価値を生むかが重要な要素です。 定性的効果 自動化システムを導入する効果は、定量的効果のほかに数値で表しにくい効果もあります。 (自動システム導入後には効果を算出しやすいが導入前段階での試算が難しいです。) ・特定のスキルを持った人材を確保、育成する必要がなくなる。 ・生産能力が一定になる。(生産数のムラが無くなる) ・人的ミスの削減 ・品質の安定 ・人的ミスの削減と品質の安定により、加工ミスや不良品が発生した場合に必要になる後追い調査や再処理の手間とかかる人件費なども減らすことが可能 ・一度自動化してしまえば、属人的な要素が限りなく減少するので、技術者の退職や人員の配置変更や人手不足の影響が受けなくなります。 ・材料の供給方法を検討すれば24時間での稼働も可能です。夜間に翌日使用分の加工をさせておく事も可能です。 投資対効果を大きくするにはどうすればよいのか 投資対効果を最大限に発揮するには、前述したとおり、自動化して浮いた人手を如何に付加価値の高い業務にシフトさせる事が出来るかがカギとなります。 これまでに取り込めなかった新規分野での受注獲得する事で新たな収益を生み出す事などが最も良い例ですね。 平行して、自動化システムの稼働率向上や、切り替え時間の短縮、生産能力の向上も当然必須となります。 自動化システム導入の前の効果算出の段階で、自動機導入後の付加価値を生み出すシナリオを作成し、自動システムを導入した後にも継続して導入効果を最大限高める工夫と努力が必要です。 システム導入費用を削減するのは、自力では難しいですが、システム導入による効果は自力でいかようにも膨らませる事が出来ると思います。 まとめ 今回は、多品種少量生産の自動化について述べてきましたが如何でしょうか。 基本的に多品種少量生産こそ自動化に向いていると思います。 しかし導入障壁となっている多品種対応故の設備費用に対して、価格に注目してしまうと前に進めなくなってしまいます。 自動化システムを導入後に如何にして効果を生み出すかを正確に試算していく事で投資判断を進める事が肝要ではないかと考えます。 そして、自動システム導入後の継続した付加価値業務の推進で自動化システムの導入効果を最大限に高めていく取り組みを組織方針として打ち出し実行していく事が必要ではないでしょうか。 ▼無料ダウンロードはこちらをクリック   [sc name="automation-robot"][/sc] [sc name="robot"][/sc]

産業用ロボットシステムの導入コスト抑制 (シンプルな位置決めでより安く、より正確に)

2020.03.11

※以下導入事例は一般社団法人 日本ロボット工業会(JARA)「ロボット導入実証事業:事例紹介ハンドブック2018 」より抜粋 企業情報 業種:金属加工業 従業員数:60名 エリア:愛知県 この事例におけるロボット化によるメリット □ 人手による作業をそのままロボットに代替えした場合の一番の課題である材料の位相確認や位置決めについて従来のロボットシステムでは3Dビジョンセンサ等が必要になり、ロボットシステム全体の導入費用が高くなってくるが、この事例では上手く部品の流れや自動化対象アイテムの絞り込みを行う事で高価なビジョンセンサ等を不要とし、ロボットシステム全体の導入費用を抑制させている。 課題 非常に多品種を小ロットで製造されており、マシニングセンタへのワークの着脱頻度が高い状況でした。特にマシニングセンタへのワークの脱着に常に人が張り付いている必要があり、加工費削減の為に自動化を検討する必要がありました。ワークの脱着作業自体は単純な作業ですが、自動化した場合は製品の位置検出にて3Dビジョンセンサ等高価な機器が必要でありシステム全体の導入費用が高くなってしまい導入に踏み切る事が出来ませんでした。 ロボットを導入した工程 マシニングセンタ加工機へのワーク供給排出工程 ポイント 今回の導入事例では、ワークの着脱を自動化したいが、前工程のワーク整列状態が一定では無いため位置検出をカメラ等で行う必要がありました。しかし、3Dビジョンセンサを用いたシステムでは費用と効果が釣り合わなく、導入費用を抑制すると同時に位置決めの繰り返し制度を高めるパレットシステムによるワーク供給方式を選択しました。人が加工開始前に加工数量分のワークをパレットにセットしておくだけで供給、排出を自動でロボットが行ってくれるので、これまで張り付いていた作業員に手待ち時間が出来、マシニングセンタの加工PRG生成等の付加価値の高い業務を取り込む事が出来ました。 また加工品種変更時の切り替え時間を抑制するロボットハンドが共通でワークの形状見直しや加工対象ワークの絞り込み、生産ロット数の限定(パレットサイズを満たす生産ロット)等の運用面の改善を積み重ねて運用されています。 結果として以下のように投資額を抑制する事が出来ています。 ●3Dビジョンセンサを使用したシステム ロボット 400万円 三次元カメラ 550万円 その他設備費 768万円 システムインテグレーション費 762万円 合計 2480万円 ●導入したシステム ロボット 400万円 三次元カメラ 0万円 その他設備費 628万円 システムインテグレーション費 722万円 合計 1750万円 コンサルタントの視点 ワークをどのように掴むか、どのように位置決めを行うかというのは、常に難しい課題としてロボット導入障壁になってきます。確かに3Dビジョンセンサ等を活用する事で生まれるメリットは多大ですが、費用面と同時に3Dビジョンセンサを用いたロボットティーチングは難易度が高く、充分なロボット取り扱いスキルを持った人が必要という一面があります。今回の事例のように生産ロット数や加工タクトなどの特性を把握した上で、自動化対象アイテムやロット数を限定し、効果に見合うロボットシステムを構築する事は非常に大切な事ですね。特に位置決めについては、ハード面でしっかりと精度を担保する事が長期的な生産活動の中でも安定性を高めてくれます。ハードで対策出来るところは可能な限りハードで行った上で、ビジョンセンサ等のデジタル機器を導入する事が肝要と感じます。自動化のシステムは費用を掛ければ掛けるほど多機能なモノが出来上がりますが、本当に必要な要素だけを選択し規制概念に捉われる事なく新しいシステムを構築していくスタンスが必要と感じさせる事例でした。 ダウンロード事例集のご案内 本事例集は、全国の先進的な工場が取り組む「自動化・ロボット化」の事例をまとめたものとなります。 これから自動化・ロボット化に取組もうと考える皆さまに、 「町工場にロボット・IoTを導入する」ための具体的なノウハウを、 事例を通して知っていただくことを目的に作成しました。 以下のフォームボタンより、必要事項を入力し送信ください。 2〜3営業日以内に担当者より事例集を送付いたします。 事例集を申し込む 【ご確認ください】 こちらの事例集は、導入を検討している工場の担当者様限定となっております。 同業他社、メーカーや商社、SI事業者の方にはご送付をお断りする場合がございます。 ※以下導入事例は一般社団法人 日本ロボット工業会(JARA)「ロボット導入実証事業:事例紹介ハンドブック2018 」より抜粋 企業情報 業種:金属加工業 従業員数:60名 エリア:愛知県 この事例におけるロボット化によるメリット □ 人手による作業をそのままロボットに代替えした場合の一番の課題である材料の位相確認や位置決めについて従来のロボットシステムでは3Dビジョンセンサ等が必要になり、ロボットシステム全体の導入費用が高くなってくるが、この事例では上手く部品の流れや自動化対象アイテムの絞り込みを行う事で高価なビジョンセンサ等を不要とし、ロボットシステム全体の導入費用を抑制させている。 課題 非常に多品種を小ロットで製造されており、マシニングセンタへのワークの着脱頻度が高い状況でした。特にマシニングセンタへのワークの脱着に常に人が張り付いている必要があり、加工費削減の為に自動化を検討する必要がありました。ワークの脱着作業自体は単純な作業ですが、自動化した場合は製品の位置検出にて3Dビジョンセンサ等高価な機器が必要でありシステム全体の導入費用が高くなってしまい導入に踏み切る事が出来ませんでした。 ロボットを導入した工程 マシニングセンタ加工機へのワーク供給排出工程 ポイント 今回の導入事例では、ワークの着脱を自動化したいが、前工程のワーク整列状態が一定では無いため位置検出をカメラ等で行う必要がありました。しかし、3Dビジョンセンサを用いたシステムでは費用と効果が釣り合わなく、導入費用を抑制すると同時に位置決めの繰り返し制度を高めるパレットシステムによるワーク供給方式を選択しました。人が加工開始前に加工数量分のワークをパレットにセットしておくだけで供給、排出を自動でロボットが行ってくれるので、これまで張り付いていた作業員に手待ち時間が出来、マシニングセンタの加工PRG生成等の付加価値の高い業務を取り込む事が出来ました。 また加工品種変更時の切り替え時間を抑制するロボットハンドが共通でワークの形状見直しや加工対象ワークの絞り込み、生産ロット数の限定(パレットサイズを満たす生産ロット)等の運用面の改善を積み重ねて運用されています。 結果として以下のように投資額を抑制する事が出来ています。 ●3Dビジョンセンサを使用したシステム ロボット 400万円 三次元カメラ 550万円 その他設備費 768万円 システムインテグレーション費 762万円 合計 2480万円 ●導入したシステム ロボット 400万円 三次元カメラ 0万円 その他設備費 628万円 システムインテグレーション費 722万円 合計 1750万円 コンサルタントの視点 ワークをどのように掴むか、どのように位置決めを行うかというのは、常に難しい課題としてロボット導入障壁になってきます。確かに3Dビジョンセンサ等を活用する事で生まれるメリットは多大ですが、費用面と同時に3Dビジョンセンサを用いたロボットティーチングは難易度が高く、充分なロボット取り扱いスキルを持った人が必要という一面があります。今回の事例のように生産ロット数や加工タクトなどの特性を把握した上で、自動化対象アイテムやロット数を限定し、効果に見合うロボットシステムを構築する事は非常に大切な事ですね。特に位置決めについては、ハード面でしっかりと精度を担保する事が長期的な生産活動の中でも安定性を高めてくれます。ハードで対策出来るところは可能な限りハードで行った上で、ビジョンセンサ等のデジタル機器を導入する事が肝要と感じます。自動化のシステムは費用を掛ければ掛けるほど多機能なモノが出来上がりますが、本当に必要な要素だけを選択し規制概念に捉われる事なく新しいシステムを構築していくスタンスが必要と感じさせる事例でした。 ダウンロード事例集のご案内 本事例集は、全国の先進的な工場が取り組む「自動化・ロボット化」の事例をまとめたものとなります。 これから自動化・ロボット化に取組もうと考える皆さまに、 「町工場にロボット・IoTを導入する」ための具体的なノウハウを、 事例を通して知っていただくことを目的に作成しました。 以下のフォームボタンより、必要事項を入力し送信ください。 2〜3営業日以内に担当者より事例集を送付いたします。 事例集を申し込む 【ご確認ください】 こちらの事例集は、導入を検討している工場の担当者様限定となっております。 同業他社、メーカーや商社、SI事業者の方にはご送付をお断りする場合がございます。

溶接ロボットシステムの構成と使用方法

2020.02.28

▼無料ダウンロードはこちらをクリック 一般的に産業用ロボットによる自動溶接にはガスシールドアーク溶接を用います。 ガスシールドアーク溶接とは、溶接による接合部に不活性ガスを吹き付けながら接合し、接合部の変色や錆を防止するものです。不活性ガスにてアーク発生部の周囲をシールド(保護)する溶接方法を下記に分類していきます。 ガスシールドアーク溶接の分類と使い分けについて ガスシールドアーク溶接は, 1、消耗電極式 2、非消耗電極式 に大別されます。 ・消耗電極式にはシールドガスの種類によって分類されます 1、MIG(Metal Inert Gas)溶接 ミグ溶接はAr,He(または,これらの混合ガス)のような不活性ガス,あるいは,これに酸素や炭素ガスのような活性ガスを少量添加してシールドガスとして用いる方法 2、MAG(Metal Active Gas)溶接 ①炭酸ガスアーク溶接(シールドガスとして炭酸ガスを用いるもの) ②混合ガスアーク溶接(シールドガスとしてアルゴンと炭酸ガスの混合ガスを用いる) ・非消耗電極式のガスシールドアーク溶接 3、TIG(Tungsten Inert Gas)溶接(アルゴン雰囲気中でタングステン電極と母材との間にアークを発生させ,そのアーク熱によって溶加材および母材を溶融して溶接する方法) それぞれの溶接方法の特徴 (1) マグ溶接(MAG溶接) マグ溶接は安価な炭酸ガスを単独で,またはアルゴンと混合して用いる溶接方法で軟鋼,高張力鋼,および低合金鋼の溶接に広く用いられています。マグ溶接に用いられるソリッドワイヤやフラックス入りワイヤは,自動化が安易で溶接の合理化が図りやすいため,全溶接材料の中に占める使用比率は近年非常に高くなっています。 (2) ミグ溶接(MIG溶接) ミグ溶接はアルミニウム,チタンのように本来は溶接時に酸化,窒化しやすい金属を対象に開発され,その他非鉄金属,ステンレス鋼等にも使用されていた。純イナートガスでシールドしながら溶接する場合と,ステンレス鋼の場合のようにアーク安定性の面より若干の酸素を混合して使用する場合があります。ミグ溶接によれば清浄な溶着金属が得られますが,アルゴンが高価なため適用される範囲はアルミニウム合金,ステンレス鋼,耐熱合金鋼等が主体です。 (3) ティグ溶接(TIG溶接) 溶接トーチと溶加棒とをそれぞれ手で持って行う溶接が主ですが,溶接ワイヤを自動的に送給してトーチも自動送りする全自動ティグ溶接装置も実用化されており,溶接ロボットにティグ溶接を適用している例もあります。 ティグ溶接は非消耗電極式であるためワイヤ自身が電極となってアーク熱で溶融する消耗電極式と異なり,電極からの溶融金属の移行がないので,これによるアーク不安定さやスパッタの発生がなく静かな溶接法です。 ロボット化が進んでいる製造現場 ロボットは工場で加工する溶接作業に多く用いられています。 特に自動車は,溶接個所が多く,同じ物が繰り返し生産されるので,ロボット化が容易に行えます。溶接方法としては、SPOT溶接が特に進んでいます。ロボット溶接によって自動車部品の溶接個所で品質の安定と大量生産が可能になりました。 他には事務機器・農機具・家電・車両など工場内溶接で量産品がある場合は,溶接物の材質(鋼材・ステンレス材・アルミニウム材)や板厚に関係なく,また企業の規模に関係なくロボット化が進んでいます。 一方,造船や橋梁・建設も溶接は多いですが,現場溶接が多いことと溶接部位が多種多様にわたるため一部を除いてロボット化は進んでおりません。 溶接ロボットシステムの構成 アーク溶接ロボットの標準的な構成は下記があります。対象となるワークや工法に応じて最適なシステム選定が必要です。 ①マニピュレータ(ロボット本体) ②制御装置(コントローラ) ③ティーチペンダント ④溶接電源 ⑤溶接トーチ(MIG,MAG、TIG溶接方法に合ったもの) ⑥ワイヤ供給装置(溶接方法に合ったもの) ⑦回転テーブル(小物、複雑形状物対象) 様々な角度で最適な溶接を実現する為に、多関節ロボット+回転テーブルでの自動化システムが昨今では標準になってきています。 回転テーブルとは、単軸、複数軸を持ち、溶接するワークを固定しながら、任意の角度にテーブルが回転し、様々な形状のワークに対しても効率的なロボット溶接を可能にしてくれるテーブルです。軸数や可搬重量もさまざまラインナップがあり、複雑な形状のワークや指定された加工条件を満たすための溶接方法の実現を助けてくれます。またロボットコントローラーと連動して動かす事が出来るので、ティーチングも比較的簡単になってきています。 溶接ロボットの使用方法 溶接ロボットを使用する為には手順を正確に行う必要があります。ロボットを導入すればすぐに良い品質のモノが出来るわけではありません。地道に一つ一つの作業にて発生する課題をクリアしていく事で、最終的な品質を担保していくことができます。 ①溶接ワークの固定治具設計 (接合物やワークを固定する治具の設計) ②ロボットのティーチング (溶接トーチの軌道や溶接開始点、終了点の教示) ③溶接条件の見直し (溶接状況や仕上がりを確認しながら、溶接電流やトーチの向き、角度の調整) ④自動運転 (実際に自動運転をしてさらに高品質なモノが生産できるように調整を重ねていく) 溶接方法やワーク形状によっては、トーチがワークに届かない、うまく接合が出来ないなど発生します。課題が発生した時は、治具の設計を見直し、溶接トーチの大きさや角度を調整する必要があります。 ロボットは、良くも悪くも融通が利きませんので、人任せに行っていた作業を自動化する際は必ず作業の要素分解と技術的な解決策が必要です。 ロボットティーチング(教示)について 基本的には、各社ロボットメーカーの標準ソフトウェアとティーチングペンダントを使用してロボットにティーチングを行います。ティーチングペンダントによるロボットの操作は各社メーカーが行う教育を受ければ、数日で動作させる事が可能です。(一般的にロボットメーカーで2日間程度の講習会を開催しています。) しかし、ペンダントによる操作が出来るようになっても、実際に溶接が品質水準を満たすものに仕上げるために、何度も試運転と調整が必要です。溶接に対する知識を持っている方のアドバイスも必要になってくるでしょう。 ロボットメーカー以外にも、CAD上で溶接の軌道を自動でシュミレーションしてロボットPRGを作成してくれるオフラインティーチングソフトウェアを販売している会社も数社あります。非常に便利なソフトウェアが開発されており、ライセンス制で価格も数百万しますが、ティーチングの頻度や難易度を検討した上で購入される企業も多いようです。 そして、安全面については特に注意し、ロボット作業に従事する人は,労働安全衛生法で「産業用ロボットに関する安全衛生特別教育」の受講が義務づけられていますので必ず受講してからの作業が必須となります。この資格はロボットメーカーで行われる操作講習会に参加することで得られます。 まとめ 今回は溶接の種類やロボット溶接の方法について述べて来ました。もともと人が行ってきた作業を自動化するのは、要件定義ができれば難しいことではありません。一番大事なのは、導入のコストや自動化システムの継続的な活用(品種追加や溶接条件変更への対応)です。 溶接工が不足すると想定される溶接業界のロボット塗装の取り組みは、今後も加速していくと考えられますが、自在にロボットを操れる人材が少ないのも現状です。 すでにロボット塗装を導入されている企業は、比較的若手社員にロボットを自在に操る教育に力を入れています。ロボット操作者の教育と確保が今後溶接業全体の主流になりそうだと感じます。 (参考文献 一般社団法人 日本溶接協会HP  http://www-it.jwes.or.jp/qa/index.jsp ) ▼無料ダウンロードはこちらをクリック   [sc name="automation-robot"][/sc] [sc name="welding-robot"][/sc] ▼無料ダウンロードはこちらをクリック 一般的に産業用ロボットによる自動溶接にはガスシールドアーク溶接を用います。 ガスシールドアーク溶接とは、溶接による接合部に不活性ガスを吹き付けながら接合し、接合部の変色や錆を防止するものです。不活性ガスにてアーク発生部の周囲をシールド(保護)する溶接方法を下記に分類していきます。 ガスシールドアーク溶接の分類と使い分けについて ガスシールドアーク溶接は, 1、消耗電極式 2、非消耗電極式 に大別されます。 ・消耗電極式にはシールドガスの種類によって分類されます 1、MIG(Metal Inert Gas)溶接 ミグ溶接はAr,He(または,これらの混合ガス)のような不活性ガス,あるいは,これに酸素や炭素ガスのような活性ガスを少量添加してシールドガスとして用いる方法 2、MAG(Metal Active Gas)溶接 ①炭酸ガスアーク溶接(シールドガスとして炭酸ガスを用いるもの) ②混合ガスアーク溶接(シールドガスとしてアルゴンと炭酸ガスの混合ガスを用いる) ・非消耗電極式のガスシールドアーク溶接 3、TIG(Tungsten Inert Gas)溶接(アルゴン雰囲気中でタングステン電極と母材との間にアークを発生させ,そのアーク熱によって溶加材および母材を溶融して溶接する方法) それぞれの溶接方法の特徴 (1) マグ溶接(MAG溶接) マグ溶接は安価な炭酸ガスを単独で,またはアルゴンと混合して用いる溶接方法で軟鋼,高張力鋼,および低合金鋼の溶接に広く用いられています。マグ溶接に用いられるソリッドワイヤやフラックス入りワイヤは,自動化が安易で溶接の合理化が図りやすいため,全溶接材料の中に占める使用比率は近年非常に高くなっています。 (2) ミグ溶接(MIG溶接) ミグ溶接はアルミニウム,チタンのように本来は溶接時に酸化,窒化しやすい金属を対象に開発され,その他非鉄金属,ステンレス鋼等にも使用されていた。純イナートガスでシールドしながら溶接する場合と,ステンレス鋼の場合のようにアーク安定性の面より若干の酸素を混合して使用する場合があります。ミグ溶接によれば清浄な溶着金属が得られますが,アルゴンが高価なため適用される範囲はアルミニウム合金,ステンレス鋼,耐熱合金鋼等が主体です。 (3) ティグ溶接(TIG溶接) 溶接トーチと溶加棒とをそれぞれ手で持って行う溶接が主ですが,溶接ワイヤを自動的に送給してトーチも自動送りする全自動ティグ溶接装置も実用化されており,溶接ロボットにティグ溶接を適用している例もあります。 ティグ溶接は非消耗電極式であるためワイヤ自身が電極となってアーク熱で溶融する消耗電極式と異なり,電極からの溶融金属の移行がないので,これによるアーク不安定さやスパッタの発生がなく静かな溶接法です。 ロボット化が進んでいる製造現場 ロボットは工場で加工する溶接作業に多く用いられています。 特に自動車は,溶接個所が多く,同じ物が繰り返し生産されるので,ロボット化が容易に行えます。溶接方法としては、SPOT溶接が特に進んでいます。ロボット溶接によって自動車部品の溶接個所で品質の安定と大量生産が可能になりました。 他には事務機器・農機具・家電・車両など工場内溶接で量産品がある場合は,溶接物の材質(鋼材・ステンレス材・アルミニウム材)や板厚に関係なく,また企業の規模に関係なくロボット化が進んでいます。 一方,造船や橋梁・建設も溶接は多いですが,現場溶接が多いことと溶接部位が多種多様にわたるため一部を除いてロボット化は進んでおりません。 溶接ロボットシステムの構成 アーク溶接ロボットの標準的な構成は下記があります。対象となるワークや工法に応じて最適なシステム選定が必要です。 ①マニピュレータ(ロボット本体) ②制御装置(コントローラ) ③ティーチペンダント ④溶接電源 ⑤溶接トーチ(MIG,MAG、TIG溶接方法に合ったもの) ⑥ワイヤ供給装置(溶接方法に合ったもの) ⑦回転テーブル(小物、複雑形状物対象) 様々な角度で最適な溶接を実現する為に、多関節ロボット+回転テーブルでの自動化システムが昨今では標準になってきています。 回転テーブルとは、単軸、複数軸を持ち、溶接するワークを固定しながら、任意の角度にテーブルが回転し、様々な形状のワークに対しても効率的なロボット溶接を可能にしてくれるテーブルです。軸数や可搬重量もさまざまラインナップがあり、複雑な形状のワークや指定された加工条件を満たすための溶接方法の実現を助けてくれます。またロボットコントローラーと連動して動かす事が出来るので、ティーチングも比較的簡単になってきています。 溶接ロボットの使用方法 溶接ロボットを使用する為には手順を正確に行う必要があります。ロボットを導入すればすぐに良い品質のモノが出来るわけではありません。地道に一つ一つの作業にて発生する課題をクリアしていく事で、最終的な品質を担保していくことができます。 ①溶接ワークの固定治具設計 (接合物やワークを固定する治具の設計) ②ロボットのティーチング (溶接トーチの軌道や溶接開始点、終了点の教示) ③溶接条件の見直し (溶接状況や仕上がりを確認しながら、溶接電流やトーチの向き、角度の調整) ④自動運転 (実際に自動運転をしてさらに高品質なモノが生産できるように調整を重ねていく) 溶接方法やワーク形状によっては、トーチがワークに届かない、うまく接合が出来ないなど発生します。課題が発生した時は、治具の設計を見直し、溶接トーチの大きさや角度を調整する必要があります。 ロボットは、良くも悪くも融通が利きませんので、人任せに行っていた作業を自動化する際は必ず作業の要素分解と技術的な解決策が必要です。 ロボットティーチング(教示)について 基本的には、各社ロボットメーカーの標準ソフトウェアとティーチングペンダントを使用してロボットにティーチングを行います。ティーチングペンダントによるロボットの操作は各社メーカーが行う教育を受ければ、数日で動作させる事が可能です。(一般的にロボットメーカーで2日間程度の講習会を開催しています。) しかし、ペンダントによる操作が出来るようになっても、実際に溶接が品質水準を満たすものに仕上げるために、何度も試運転と調整が必要です。溶接に対する知識を持っている方のアドバイスも必要になってくるでしょう。 ロボットメーカー以外にも、CAD上で溶接の軌道を自動でシュミレーションしてロボットPRGを作成してくれるオフラインティーチングソフトウェアを販売している会社も数社あります。非常に便利なソフトウェアが開発されており、ライセンス制で価格も数百万しますが、ティーチングの頻度や難易度を検討した上で購入される企業も多いようです。 そして、安全面については特に注意し、ロボット作業に従事する人は,労働安全衛生法で「産業用ロボットに関する安全衛生特別教育」の受講が義務づけられていますので必ず受講してからの作業が必須となります。この資格はロボットメーカーで行われる操作講習会に参加することで得られます。 まとめ 今回は溶接の種類やロボット溶接の方法について述べて来ました。もともと人が行ってきた作業を自動化するのは、要件定義ができれば難しいことではありません。一番大事なのは、導入のコストや自動化システムの継続的な活用(品種追加や溶接条件変更への対応)です。 溶接工が不足すると想定される溶接業界のロボット塗装の取り組みは、今後も加速していくと考えられますが、自在にロボットを操れる人材が少ないのも現状です。 すでにロボット塗装を導入されている企業は、比較的若手社員にロボットを自在に操る教育に力を入れています。ロボット操作者の教育と確保が今後溶接業全体の主流になりそうだと感じます。 (参考文献 一般社団法人 日本溶接協会HP  http://www-it.jwes.or.jp/qa/index.jsp ) ▼無料ダウンロードはこちらをクリック   [sc name="automation-robot"][/sc] [sc name="welding-robot"][/sc]

4つの溶接工程を1台のロボットに集約!若手社員でも多種溶接対応!

2020.02.05

※以下導入事例は一般社団法人 日本ロボット工業会(JARA)「ロボット導入実証事業:事例紹介ハンドブック2018 」より抜粋 企業情報 業種:板金加工業 従業員数:34人 エリア:長野県 この事例におけるロボット化によるメリット □ ファイバーレーザー溶接システムを導入しspot溶接、tig溶接、レーザー溶接、仕上げ研磨の作業をロボット1台に集約した。 課題 お客様からの高い溶接品質要求を達成する為には、熟練した職人さんにしか任せる事が出来ない一方で、受注も拡大していき熟練工の工数が取れない状況の中で、生産効率を高めていく必要があった。既存設備としてTIG溶接ロボットは導入していたが、SPOT溶接やレーザー溶接、仕上げ研磨工程と一連加工業務の生産効率の向上が必要であった。 ロボットを導入した工程 TIG溶接、SPOT溶接、YAGレーザー溶接,仕上げ研磨工程を1台のロボットで実現 ポイント 今回のロボットシステムには、レーザビーム形状を自在に変化させられる最新ファイバーレーザー発信器を垂直多関節ロボットに持たせて、高度な微細溶接を可能にする新工法を確立しました。これにより、現在の4工程を1台のロボットに集約することができるとともに、熟練工に頼らずパート社員でも安全に加工可能な体制を構築することが可能となりました。加えて、労働生産性の向上や品質の向上、熟練技能のロボット化、イニシャルコスト及びランニングコストの削減が図れました。 従来のシステムであったなら各工程(TIG溶接、SPOT溶接、YAGレーザー溶接,仕上げ研磨工程)それぞれに多関節ロボットが専用に1台ずつ必要であり設置スペースやコストも大きなモノとなっていたところを、ファイバー溶接システムを導入しロボット1台で各工程の作業すべてをこなせる様になりました。 このような自動化システムを導入し熟練工の工数を削減し若手社員への教育や更に難易度の高い溶接作業を行ってもらう事で多面的な成果を生んでいます。 コンサルタントの視点 日本の製造現場では熟練工の不足や若手社員の確保など技術継承についても大きな課題があります。 しかし、今回紹介した事例の企業のような取り組みをされている企業には今後も若手社員が入り熟練工の技術を学ぶ一方でロボット活用が出来る新しい技術者がどんどん生まれていくことでしょう。そして将来さらに先進的なものづくりを実践され、日本のものづくりを革新されていくのだと思います。 生産現場の課題について真剣に取り組んでメーカーやSIERと協力し、先進的なシステム構築を進めるのは本当に大事なことですね。溶接工程に限らずあらゆる分野でロボットの性能が向上している昨今、規制概念に捉われる事なく新しいシステムを構築していくスタンスが必要と感じさせる事例でした。 セミナー開催のお知らせ 多品種少量板金加工業が行う初めてのロボット導入セミナー このような方にオススメ ✓従業員100名以下の小さな町工場を経営している社長様 ✓多品種少量生産&一品一様なものづくりをしている社長様 ✓ロボット化に関心はあるが知識ゼロ&経験ゼロの社長様 ✓本当にロボット化ができるのか?採算が合うのか?不安に思っている社長様 ✓初めてのロボット導入で上手な進め方が分からない社長様 ▼詳しくは下記より特設ページをご覧ください。 概要 本事例集は、全国の先進的な工場が取り組む「自動化・ロボット化」の事例をまとめたものとなります。 これから自動化・ロボット化に取組もうと考える皆さまに、 「町工場にロボット・IoTを導入する」ための具体的なノウハウを、 事例を通して知っていただくことを目的に作成しました。 以下のフォームボタンより、必要事項を入力し送信ください。 2〜3営業日以内に担当者より事例集を送付いたします。 事例集を申し込む 【ご確認ください】 こちらの事例集は、導入を検討している工場の担当者様限定となっております。 同業他社、メーカーや商社、SI事業者の方にはご送付をお断りする場合がございます。 ※以下導入事例は一般社団法人 日本ロボット工業会(JARA)「ロボット導入実証事業:事例紹介ハンドブック2018 」より抜粋 企業情報 業種:板金加工業 従業員数:34人 エリア:長野県 この事例におけるロボット化によるメリット □ ファイバーレーザー溶接システムを導入しspot溶接、tig溶接、レーザー溶接、仕上げ研磨の作業をロボット1台に集約した。 課題 お客様からの高い溶接品質要求を達成する為には、熟練した職人さんにしか任せる事が出来ない一方で、受注も拡大していき熟練工の工数が取れない状況の中で、生産効率を高めていく必要があった。既存設備としてTIG溶接ロボットは導入していたが、SPOT溶接やレーザー溶接、仕上げ研磨工程と一連加工業務の生産効率の向上が必要であった。 ロボットを導入した工程 TIG溶接、SPOT溶接、YAGレーザー溶接,仕上げ研磨工程を1台のロボットで実現 ポイント 今回のロボットシステムには、レーザビーム形状を自在に変化させられる最新ファイバーレーザー発信器を垂直多関節ロボットに持たせて、高度な微細溶接を可能にする新工法を確立しました。これにより、現在の4工程を1台のロボットに集約することができるとともに、熟練工に頼らずパート社員でも安全に加工可能な体制を構築することが可能となりました。加えて、労働生産性の向上や品質の向上、熟練技能のロボット化、イニシャルコスト及びランニングコストの削減が図れました。 従来のシステムであったなら各工程(TIG溶接、SPOT溶接、YAGレーザー溶接,仕上げ研磨工程)それぞれに多関節ロボットが専用に1台ずつ必要であり設置スペースやコストも大きなモノとなっていたところを、ファイバー溶接システムを導入しロボット1台で各工程の作業すべてをこなせる様になりました。 このような自動化システムを導入し熟練工の工数を削減し若手社員への教育や更に難易度の高い溶接作業を行ってもらう事で多面的な成果を生んでいます。 コンサルタントの視点 日本の製造現場では熟練工の不足や若手社員の確保など技術継承についても大きな課題があります。 しかし、今回紹介した事例の企業のような取り組みをされている企業には今後も若手社員が入り熟練工の技術を学ぶ一方でロボット活用が出来る新しい技術者がどんどん生まれていくことでしょう。そして将来さらに先進的なものづくりを実践され、日本のものづくりを革新されていくのだと思います。 生産現場の課題について真剣に取り組んでメーカーやSIERと協力し、先進的なシステム構築を進めるのは本当に大事なことですね。溶接工程に限らずあらゆる分野でロボットの性能が向上している昨今、規制概念に捉われる事なく新しいシステムを構築していくスタンスが必要と感じさせる事例でした。 セミナー開催のお知らせ 多品種少量板金加工業が行う初めてのロボット導入セミナー このような方にオススメ ✓従業員100名以下の小さな町工場を経営している社長様 ✓多品種少量生産&一品一様なものづくりをしている社長様 ✓ロボット化に関心はあるが知識ゼロ&経験ゼロの社長様 ✓本当にロボット化ができるのか?採算が合うのか?不安に思っている社長様 ✓初めてのロボット導入で上手な進め方が分からない社長様 ▼詳しくは下記より特設ページをご覧ください。 概要 本事例集は、全国の先進的な工場が取り組む「自動化・ロボット化」の事例をまとめたものとなります。 これから自動化・ロボット化に取組もうと考える皆さまに、 「町工場にロボット・IoTを導入する」ための具体的なノウハウを、 事例を通して知っていただくことを目的に作成しました。 以下のフォームボタンより、必要事項を入力し送信ください。 2〜3営業日以内に担当者より事例集を送付いたします。 事例集を申し込む 【ご確認ください】 こちらの事例集は、導入を検討している工場の担当者様限定となっております。 同業他社、メーカーや商社、SI事業者の方にはご送付をお断りする場合がございます。