ロボットのティーチングとは?ティーチングの種類と概要を解説
2019.08.27
ティーチング作業とは?
近年、工場のロボット化は製造業種を問わず、様々な分野で進んできております。
また、大企業だけでなく中小企業においてもロボット化・自動化は進んでいます。
しかしながら、ロボットを選定し導入したらそれで自動化を実現でき、生産性を高めることができるわけではありません。
周知の事実の通り、
ロボットはプログラミングを行うことにより動作を制御しています。
そのため、中小企業の様に品種が多品種でありながら、
ロット数が少量であるということは生産工程が逐次変化するということを表しています。
このように変化が多い、中小企業に良くある状況では
ロボット化を進めるために本ページで述べていく
”ティーチング“という作業が欠かせなくなっていきます。
では、一体“ティーチング”とは何なのか?
簡単に一言で表すと、
ティーチングとは「ロボットに望む動作を教えること」です。
このように、ロボットに望む動作を教える方法には様々な種類があります。
その中には、作業工程に最適な方法があることも分かっています。
そのため、本記事をご覧になっている方は
「このティーチング手法が自社に一番適していたのか、、、!」
というような、導入後の後悔が無くなることでしょう。
それでは、まず次項では
ティーチングの種類とその概要について簡単に説明していきます。
ティーチングの種類とその概要
ロボットに直接触れることなくティーチング(間接教示)する
1.オフラインティーチング
2.オンラインティーチング(ティーチング・プレイバック)
ロボットに直接触れながらティーチング(直接教示)する
3.ダイレクトティーチング
上記のように、分類することが可能です。
AIによるティーチングレスは厳密に言うと、
ティーチング作業をAIにより行うこととなります。
本ページでは一般的な教示方法である
間接教示法と直接教示法について述べていきます。
その前にまず、
本項ではそれぞれのティーチング方法を表にまとめてみました。
それぞれのティーチング方法を体系的にまとめましたので
どのような方法が自社には適しているのかを考える参考にして頂ければと思います。
それでは、まずはティーチングの1つであるオフラインティーチングからみていきましょう。
ダイレクトティーチング教示者が直接ロボット本体を動かすことにより動きを教示する方法になります。導入が増加している協働ロボットのティーチングではこの方法が多く採用されています。教示者が可動部を動かし、動作を記録させることで、より直観的にティーチングすることを可能にします。AIによるティーチングレスティーチング作業は属人的なものでありましたが、近年AIの自己学習機能を活用したティーチングレス化が進んでいます。オフラインティーチングにて行ったプログラミング作業に加え、オンラインティーチングで修正を繰り返すことで高品質の作業をミスなく高速で行うことが可能となります。
ティーチングの種類
オフライン
ティーチング
テキスト型
ロボットの動きの元となる、プログラムをテキストエディット用のソフトウェアで直接記入します。複雑な動きのプログラムには向かないため、簡単な動きをするロボットに用いられます。
シミュレータ型
ロボット言語のアップロードや、ダウンロードなどのデータのやり取りが可能です。ロボット言語を変換することができるため、各社のロボットに対応することが可能です。
エミュレータ型
教示者にとってティーチングが容易であるため、多くの産業用ロボットに採用されています。ロボット言語を用いて動作をプログラムし、直接実行させるティーチング方法となるためプログラム精度が高いという利点があります。
自動ティーチングシステム
CADデータから加工プログラムを自動的に作成するシステムです。技術的な難易度の高さから、まだ導入例は多くないと言われています。
オンライン
ティーチング
(ティーチング・プレイバック)
ロボットの教示者がティーチングペンダント(ロボットを動かすコントローラ)を用いて動作を記録します。次に、記録したデータを再生(プレイバック)させながら、さらに動作を微調整します。
オンラインティーチングでは実機を実際に稼働させながら教示する方法であるため、生産ラインを一度止めなければならず、時間的損失が発生することがデメリットとなります。
ダイレクト
ティーチング
教示者が直接ロボット本体を動かすことにより動きを教示する方法になります。導入が増加している協働ロボットのティーチングではこの方法が多く採用されています。教示者が可動部を動かし、動作を記録させることで、より直観的にティーチングすることを可能にします。
AIによる
ティーチングレス
ティーチング作業は属人的なものでありましたが、近年AIの自己学習機能を活用したティーチングレス化が進んでいます。オフラインティーチングにて行ったプログラミング作業に加え、オンラインティーチングで修正を繰り返すことで高品質の作業をミスなく高速で行うことが可能となります。
自社にはどの教示方法が適しているのか?
ここまでご覧になって頂けた方は
間接教示法と直接教示法の違いをご理解いただけたかと思います。
では、自社がロボットを導入し、自動化を実現するためには
どのような教示法、あるいはティーチングを行えるロボットが
適しているのかということで悩まれると思います。
本項では
・間接教示法に適した作業工程
・直接教示法に適した作業工程
上記に分けて説明していきたいと思います。
これらをご理解して頂けますと、
ロボット選定の際に自社に最適なロボットを
検討し易くなることでしょう。
まず、間接教示法と直接教示法のそれぞれが許容できる
作業工程を包含関係で表してみたいと思います。
上記で表す図のように、
直接教示法にできる作業工程が限られることが分かります。
では、包含関係を示したうえで
直接教示法にはどのような作業工程が向いているのかを説明していきます。
直接教示法に適した作業工程とは?
直接教示法とは、前述したようにロボットを直接動かすことによって動作を教示する方法になります。この教示方法はロボットの動作に対して比較的精密度が求められない作業において用いることが一般的となります。
具体的には、以下のような作業工程において用いられております。
ネジ締め作業工程
組立て作業工程
部品の仕分け工程
整列工程
箱詰め工程
ピッキング工程
搬送工程
検査工程
測定工程
間接教示法に適した作業工程とは?
間接教示法は、精密度が求められる工程においても対応することが可能となります。
これは、人の手によるティーチングではなく機械を用いたプログラミングを行うことにより、精度を高めることが可能となるからです。
これらの教示方法により可能となる作業工程は
以下のような作業があります。
溶接
バリ取り
シーリング
ローラーヘム
カット
穴あけ
溶射
塗装
洗浄
搬送(軽量でないもの)
上記のような作業は勿論のこと、
前述した包含関係の図からも、この間接教示法は
直接教示法による作業もカバーすることが可能です。
まとめ
本記事では2つの教示方法と、
ティーチングの種類について説明してきました。
間接教示法は直接教示法が可能とする作業工程を包含していることから
汎用性が高い教示方法であることがわかります。
これを考えると、「間接教示法だけで良いのでは?」
と、思われるかもしれません。
しかし、直接教示法では、ティーチングペンダントを用いることなく
教示者が直接ロボットにティーイングすることが可能であるということから
間接的な教示法よりもティーチングが簡単です。
つまりはティーチングに掛かる作業時間を短縮することができるため、
生産性が高くなるというメリットも考えられます。
このように、それぞれの作業工程に
適した教示方法があることを理解すると
自社におけるロボット選定や導入した後の運用面が明らかになり、
ロボット化・自動化のイメージが着きやすくなると思います。
さらに、本サイトでは
ティーチングの種類や教示方法だけでなく、
それぞれの業種やその工程に特化したロボットについて
様々な事例をもとに解説しております。
そのため、そちらをご覧になって頂けると
より自社に適したロボットがどのようなものか
理解を深めることが出来ると思います。
是非、自社のロボットにおける導入検討のために
御一読いただければと思います。
[clink url="https://smart-factory.funaisoken.co.jp/special/quality-improvement-through-inspection-quality-challenged-by-a-company-with-50-employees/"]
[clink url="https://smart-factory.funaisoken.co.jp/special/a-town-factory-with-40-colleagues-performs-100-inspection-using-robots/"]
[clink url="https://smart-factory.funaisoken.co.jp/special/robotization-of-stud-welding-process/"]
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近年、工場のロボット化は製造業種を問わず、様々な分野で進んできております。
また、大企業だけでなく中小企業においてもロボット化・自動化は進んでいます。
しかしながら、ロボットを選定し導入したらそれで自動化を実現でき、生産性を高めることができるわけではありません。
周知の事実の通り、
ロボットはプログラミングを行うことにより動作を制御しています。
そのため、中小企業の様に品種が多品種でありながら、
ロット数が少量であるということは生産工程が逐次変化するということを表しています。
このように変化が多い、中小企業に良くある状況では
ロボット化を進めるために本ページで述べていく
”ティーチング“という作業が欠かせなくなっていきます。
では、一体“ティーチング”とは何なのか?
簡単に一言で表すと、
ティーチングとは「ロボットに望む動作を教えること」です。
このように、ロボットに望む動作を教える方法には様々な種類があります。
その中には、作業工程に最適な方法があることも分かっています。
そのため、本記事をご覧になっている方は
「このティーチング手法が自社に一番適していたのか、、、!」
というような、導入後の後悔が無くなることでしょう。
それでは、まず次項では
ティーチングの種類とその概要について簡単に説明していきます。
ティーチングの種類とその概要
ロボットに直接触れることなくティーチング(間接教示)する
1.オフラインティーチング
2.オンラインティーチング(ティーチング・プレイバック)
ロボットに直接触れながらティーチング(直接教示)する
3.ダイレクトティーチング
上記のように、分類することが可能です。
AIによるティーチングレスは厳密に言うと、
ティーチング作業をAIにより行うこととなります。
本ページでは一般的な教示方法である
間接教示法と直接教示法について述べていきます。
その前にまず、
本項ではそれぞれのティーチング方法を表にまとめてみました。
それぞれのティーチング方法を体系的にまとめましたので
どのような方法が自社には適しているのかを考える参考にして頂ければと思います。
それでは、まずはティーチングの1つであるオフラインティーチングからみていきましょう。
ダイレクトティーチング教示者が直接ロボット本体を動かすことにより動きを教示する方法になります。導入が増加している協働ロボットのティーチングではこの方法が多く採用されています。教示者が可動部を動かし、動作を記録させることで、より直観的にティーチングすることを可能にします。AIによるティーチングレスティーチング作業は属人的なものでありましたが、近年AIの自己学習機能を活用したティーチングレス化が進んでいます。オフラインティーチングにて行ったプログラミング作業に加え、オンラインティーチングで修正を繰り返すことで高品質の作業をミスなく高速で行うことが可能となります。
ティーチングの種類
オフライン
ティーチング
テキスト型
ロボットの動きの元となる、プログラムをテキストエディット用のソフトウェアで直接記入します。複雑な動きのプログラムには向かないため、簡単な動きをするロボットに用いられます。
シミュレータ型
ロボット言語のアップロードや、ダウンロードなどのデータのやり取りが可能です。ロボット言語を変換することができるため、各社のロボットに対応することが可能です。
エミュレータ型
教示者にとってティーチングが容易であるため、多くの産業用ロボットに採用されています。ロボット言語を用いて動作をプログラムし、直接実行させるティーチング方法となるためプログラム精度が高いという利点があります。
自動ティーチングシステム
CADデータから加工プログラムを自動的に作成するシステムです。技術的な難易度の高さから、まだ導入例は多くないと言われています。
オンライン
ティーチング
(ティーチング・プレイバック)
ロボットの教示者がティーチングペンダント(ロボットを動かすコントローラ)を用いて動作を記録します。次に、記録したデータを再生(プレイバック)させながら、さらに動作を微調整します。
オンラインティーチングでは実機を実際に稼働させながら教示する方法であるため、生産ラインを一度止めなければならず、時間的損失が発生することがデメリットとなります。
ダイレクト
ティーチング
教示者が直接ロボット本体を動かすことにより動きを教示する方法になります。導入が増加している協働ロボットのティーチングではこの方法が多く採用されています。教示者が可動部を動かし、動作を記録させることで、より直観的にティーチングすることを可能にします。
AIによる
ティーチングレス
ティーチング作業は属人的なものでありましたが、近年AIの自己学習機能を活用したティーチングレス化が進んでいます。オフラインティーチングにて行ったプログラミング作業に加え、オンラインティーチングで修正を繰り返すことで高品質の作業をミスなく高速で行うことが可能となります。
自社にはどの教示方法が適しているのか?
ここまでご覧になって頂けた方は
間接教示法と直接教示法の違いをご理解いただけたかと思います。
では、自社がロボットを導入し、自動化を実現するためには
どのような教示法、あるいはティーチングを行えるロボットが
適しているのかということで悩まれると思います。
本項では
・間接教示法に適した作業工程
・直接教示法に適した作業工程
上記に分けて説明していきたいと思います。
これらをご理解して頂けますと、
ロボット選定の際に自社に最適なロボットを
検討し易くなることでしょう。
まず、間接教示法と直接教示法のそれぞれが許容できる
作業工程を包含関係で表してみたいと思います。
上記で表す図のように、
直接教示法にできる作業工程が限られることが分かります。
では、包含関係を示したうえで
直接教示法にはどのような作業工程が向いているのかを説明していきます。
直接教示法に適した作業工程とは?
直接教示法とは、前述したようにロボットを直接動かすことによって動作を教示する方法になります。この教示方法はロボットの動作に対して比較的精密度が求められない作業において用いることが一般的となります。
具体的には、以下のような作業工程において用いられております。
ネジ締め作業工程
組立て作業工程
部品の仕分け工程
整列工程
箱詰め工程
ピッキング工程
搬送工程
検査工程
測定工程
間接教示法に適した作業工程とは?
間接教示法は、精密度が求められる工程においても対応することが可能となります。
これは、人の手によるティーチングではなく機械を用いたプログラミングを行うことにより、精度を高めることが可能となるからです。
これらの教示方法により可能となる作業工程は
以下のような作業があります。
溶接
バリ取り
シーリング
ローラーヘム
カット
穴あけ
溶射
塗装
洗浄
搬送(軽量でないもの)
上記のような作業は勿論のこと、
前述した包含関係の図からも、この間接教示法は
直接教示法による作業もカバーすることが可能です。
まとめ
本記事では2つの教示方法と、
ティーチングの種類について説明してきました。
間接教示法は直接教示法が可能とする作業工程を包含していることから
汎用性が高い教示方法であることがわかります。
これを考えると、「間接教示法だけで良いのでは?」
と、思われるかもしれません。
しかし、直接教示法では、ティーチングペンダントを用いることなく
教示者が直接ロボットにティーイングすることが可能であるということから
間接的な教示法よりもティーチングが簡単です。
つまりはティーチングに掛かる作業時間を短縮することができるため、
生産性が高くなるというメリットも考えられます。
このように、それぞれの作業工程に
適した教示方法があることを理解すると
自社におけるロボット選定や導入した後の運用面が明らかになり、
ロボット化・自動化のイメージが着きやすくなると思います。
さらに、本サイトでは
ティーチングの種類や教示方法だけでなく、
それぞれの業種やその工程に特化したロボットについて
様々な事例をもとに解説しております。
そのため、そちらをご覧になって頂けると
より自社に適したロボットがどのようなものか
理解を深めることが出来ると思います。
是非、自社のロボットにおける導入検討のために
御一読いただければと思います。
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