記事公開日:2023.09.07
最終更新日:2024.02.19

AI外観検査とは?メリットやデメリット、導入事例から導入方法まで一挙ご紹介!

AI外観検査とは、文字通り外観の不良をAIによって検査する手法です。検査対象製品データを学習させれば、AI自身で画像認識のアルゴリズムを生成することができます。
では、AI外観検査を導入することで何ができるのでしょうか?また、従来の外観検査と比較して、AI外観検査は何がメリット/デメリットなのでしょうか?
この記事では、AI外観検査でできることとそのメリット、反対にAI外観検査でできないこととそのデメリット、 中小・中堅企業におけるAI外観検査事例、AI外観検査の導入方法についてご紹介します。

1.AI外観検査でできることとそのメリット

AI外観検査を導入するメリットは、主に4つあります。

  • 生産性の向上
  • 検査基準の標準化
  • 人間以上の検査精度の実現
  • データ学習作業の短縮化

です。一つ一つ解説していきます。

1-1.生産性の向上

1つ目のメリットは生産性の向上です。AI外観検査は、生産性を飛躍的に向上させることができます。AI外観検査を導入すれば、初期学習後検査を自動で行うことができるため、24時間体制で検査を行うことが可能になります。終業前に検査してほしい製品をセットしておけば、次の始業日に検査が終わっている状態で仕事を進めることができます。
総じて生産効率が向上するため、生産量の拡大や納期の短縮を実現することができます。

1-2.検査基準の標準化

2つ目のメリットは検査基準の標準化です。従来であれば、品質の標準化は非常に困難でした。目視で検査を行っている場合、作業者によって検査基準にばらつきが出てしまうためです。また作業者の疲労度合い等によってもさらに検査基準にばらつきが出てしまいます。
AI外観検査は先述の機械学習アルゴリズムを利用しているため、一度学習したモデルについては一貫して高い精度で検査を行うことができます。これにより、検査の品質が人の検査員に比べて均一化されます。特に、時間のかかる検査作業がある場合は、AI外観検査による検査基準標準化の恩恵が大きいと考えられています。

1-3.人間以上の検査精度の実現

3つ目のメリットは人間以上の検査精度の実現です。
先ほどの説明とも被りますが、人間が行う外観検査には、慢性的な疲労や注意力の低下によるヒューマンエラーがつきものです。また微細なキズや、微妙な色の違い、微妙な形状の違いなどの検査は、肉眼では判定が難しいものがほとんどです。
外観検査AIは機械学習を通じて学習し、一度学習したパターンを確実に認識します。そのため外観検査AIを導入すれば、検査過程でのヒューマンエラーをなくしたり、肉眼での判断が微妙な検査を精度高く行うことができます。

1-4.設定作業の短縮化

従来は、ルールベース(データを元に、検査基準を人間が設定する手法)による検査でも自動化が可能でしたが、検査項目ごとに人間が検査基準を考える必要がありました。つまり、品種の追加を行う際に、都度検査基準を数値化し、プログラムを組む必要がありました。
AI外観検査は比較的容易な初期設定で、自動的に検査を行うことができます。つまり、検査基準を考える手間と、プログラムを組む手間を失くすことができます。設定の際には、検査対象物のデータを学習用に提供する必要があり、またAIの精度を上げるために、定期的な学習が必要ですが、設定コストが大きく削減されています。

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2.AI外観検査ではできないこととデメリット

万能かと思われるAI外観検査ですが、もちろんできないこともあります。次に、AI外観検査ではできないことと付随するデメリットについて説明します。

2-1.短時間での大量検査

AI外観検査は、短い時間における大量検査を苦手としています。AIを使う際は、同時に大量のデータを処理しているため、一度に処理できる検査の量には限界があります。ケースによっては、従来の画像センサを用いた方が、効果的な場合があります。

2-2.寸法検査

AI外観検査では、寸法検査を行うことができません。AI画像検査で行うことができるのは、過去の画像データと比較して、検査対象が良品なのか?不良品なのか?を判定することのみです。元々の画像データを見て、正確に寸法を計測することは不可能です。その延長で考えれば、AIで寸法検査を行うことは不可能であるとわかるかと思います。

2-3.少量のデータのみを利用したAI外観検査

少量のデータのみでAI外観検査を行おうとすると、検査精度を出すことができず、実用的な自動検査システムにはなり得ません。外観検査においてAIを利用し、且つ高い精度を出したい場合は、100~1000サンプル以上は検査データを集める必要があります。外観検査AIを導入する際のネックは、この適切な画像データを集めることにあると言えます。

3.中小・中堅企業におけるAI外観検査事例9選

一口にAI外見検査、と言っても検査方法、検査対象は企業様によって多種多様です。この記事では、品質管理検査、組立時の検査、パッケージング検査、欠陥検出検査の4つの検査における、AI外観検査事例を計9事例紹介します。

3-1.品質管理検査

AI画像処理検査は製品の外観や仕上がりに対して高速かつ正確な検査を行うことができます。例えば、製品の表面の傷や欠陥、色の一貫性などを検出することができます。
AI外観検査事例①:成形品不良品の再検査
従来の検査システムでは、従来の画像検査装置では不良品のOK/NG判定ができないという課題がありました。AI外観検査システムを導入し、画像検査装置で撮影した不良品画像をAI画像処理で再検査することで、不良品と判定された成形品から良品を検出することができます。
AI外観検査事例②:漢方薬の材料不良品検査
漢方薬の材料不良品検査は、今まで目視でのみ検査することが可能でした。漢方薬の材料は様々な乾燥物が使われている事が多く、同じ材料でも形やサイズ、色も若干異なっていたりするためです。AI外観検査を導入し、AIに材料の形やサイズ、色を学習させることで、不良判定が曖昧な不良品や異物を検出することに成功しました。

3-2.組立時の検査

製品の組み立て工程においては、AI画像処理検査を行うことで部品の位置、方向、正確さなどを検査することができます。これにより、組み立ての正確性と一貫性を確保することが可能となります。
AI外観検査事例③:ボルト締結検査
自動車の各部品やボディパネルの組み立てにおいては、AI画像処理検査を用いることで、ボルトの位置、締結の正確さ、欠陥などを検査することができます。
AI外観検査事例④:部品の位置検査
自動車の部品の位置や方向が正しいかどうかを検査するために、AI画像処理検査が使用されます。例えば、ドアやパネルの位置や隙間の一貫性を確認することができます。
AI外観検査事例⑤:ワイヤーハーネス検査
自動車の配線やワイヤーハーネスの組み立てにおいて、AI画像処理検査は配線の接続や絶縁状態を検査します。異常や接触不良を早期に検出し、トラブルや故障を未然に防ぐことができます。

3-3.パッケージング検査

製品の包装やラベルの正確性、完全性、位置などを検査するためにAI画像処理を活用することができます。
AI外観検査事例⑥:ゼリー容器 胴部の製品フィルム検査
製品フィルにあるゼリー内容物の柄などが邪魔になり、フィルムの皺や汚れ、ズレなどが今までの検査装置では困難でした。AIに柄を学習させる事で、柄と皺や傷、汚れなどの区別が出来る様になり、ズレなども今まで以上に精度よく判定する事が出来るようになりました。
AI外観検査事例⑦:お惣菜の具材配置検査
食品工場(お惣菜)において、盛り付けられた具材を今までは目視検査で量や盛り付け位置、盛り付け方、異物などを検査していました。そこでAIに盛り付け方の正解画像を複数パターン覚えさせる事で、今までの検査装置では困難だった目視検査に近い検査が可能となりました。

3-4.欠陥検出検査

製品や部品の表面における欠陥や異常なパターンを検出するために、AI画像処理検査を使用することができます。例えば、溶接部や金型表面のクラック、ひずみ、欠けなどを検出することができます。
AI外観検査事例⑧:溶接不良検査
AIに溶接不良画像と正常な溶接画像を学習させる事により、目視検査でも非常に難しい「スパッタ付着」、「溶接忘れ」、「溶接の長さ不良」、「溶接位置不良」、「焼け跡一部処理忘れ」、「溶接サイズはみ出し」、「溶接かじり」、「溶接穴有」などカメラを使った画像検査で自動検出する事が出来るようになりました。
AI外観検査事例⑨:メッキ不良検査
「メッキ色」、「傷」「打痕」、「異物付着」、「肌荒れ」、「ゆず肌」、「メッキ無し」などの不良画像と良品画像をAIに学習する事で、これらの不良が自動検出する事が可能になりました。

4.AI外観検査の導入方法

外観検査AIを用いた検査の導入方法を大まかに説明致します。
【検討フェイズ】 ①画像準備:AIに学習させる画像を準備します。正常/以上な状態の画像を用意します。 ②AI学習:準備した画像をAIに読み込ませ、学習させます。 ③基準を満たす検査制度になるまで、AIに学習・検討を行います。 ④機械設置の検討:検査用カメラやPLCの設置方法の検討、AIとの接続方法などを検討します。 ⑤各種機械設置:各種機械を設置します・ 【実行フェイズ】⑦外観検査の開始:学習したAIを利用して、製造品の画像判定を行います。 ⑧AIの調整:検査データを蓄積していき、さらに検査制度を安定させます。 ⑨成功
AI外観検査が使われる前のルールベースの画像検査と比較したときの違いは、画像準備、AI学習のフェイズにおいて顕著に出ています。
ルールベースの画像検査では、検査基準を判断するアルゴリズムを担当者が決定する必要があります。撮像した画像に対して、長さや面積、濃淡位置などの特徴を数値的に定義する必要があり、またそれらを考慮し複雑なアルゴリズムを設定する必要があります。
AI外観検査では、検査用の画像を用意し、AIに学習させます。安定した検査精度を出すために、試行錯誤を行っていく必要があります。

5.まとめ

AI外観検査は、製造業において新しい品質管理のカタチとして注目されており、今後は、企業がAI外観検査を戦略的かつ有益なツールとして活用することが不可欠です。
この記事を読み、外観検査について、また外観検査AI導入方法についてさらに詳しく知りたい方は、是非下記のレポートをご活用ください。

 
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