記事公開日:2021.09.09
最終更新日:2023.01.20
AIとRPAの役割
生産性向上・業務効率改善の課題を解決するために、AIやRPAが注目されています。どちらもソフトウエアによる業務の自動化に関連する概念であるため混同されがちですが、両者は明確な違いがあるため、活用を検討する際には理解が必要です。
Ⅰ.AI
AI(Artificial Intelligence)は、日本語では人工知能と言い、「人が実現するさまざまな知覚や知性を人工的に再現するもの」という意味合いで知られています。ソフトウエアを用いて人間の頭脳を人工的に再現しているため、人間が教えるか、仮に教えなくても大量のデータを学習・解析させることで、そこにあるルールを推論から発見して定義が可能となります。予測・分類・実行などの判断を伴う作業ができ、その適用範囲も広いのですが、都度推論を行うことから100%の精度を出すことが難しい側面があります。そのため、高精度なAI構築が必要な場合は時間と費用がかかるケースが多くなっています。
Ⅱ.RPA
RPA(Robotic Process Automation)は、ソフトウエアロボットによって定型作業の自動化を行うシステムを指します。
ソフトウエアロボットに人間が決めたルールを覚えさせ、その範囲内で業務を自動化することができます。この時、ルール内のことは100%こなせますが、覚えさせたルール以外のことは対応できない側面があります。
Ⅲ.AI活用の代表的な業務
- ・需要予測
- 蓄積されたビックデータを利用して、商品やサービスの需要を予測値として算出することができます。目的は、企業利益の最大化です。予測値を算出することによって、販売計画が立てられるだけでなく、データに基づいた合理的な生産計画が策定できます。そのほかにも、最適な在庫数を算出することが出来、それに応じて材料などの管理も可能となります。
- ・画像認識
- 画像をピクセル(画素)に分割し、そのパターンから対象の画像が持っている情報や意味を抽出する技術が「画像認識」です。街中でよく見かける、顔を認識する技術は「物体検出」と呼ばれています。そのほか、生産ライン上で不良品があった場合に異常として検出する「異常検知」や、もともと存在しない画像を複数の画像から要素を組み合わせることで画像を生成する「画像生成」なども画像認識技術の一つです。
- ・音声認識
- 音声データをコンピュータで扱うためには、アナログデータをデジタルデータに変換する必要があります。そのデータを周波数ごとに分解し、その要素の持つ意味を抽出する技術が「音声認識」です。議事録作成や記入作業の自動化などに利用されています。
- ・自動翻訳
- 以前は「自動翻訳」と言っても実際は使える言葉になっていないケースが多かったのですが、近年は言語の持つニュアンスなども加味され、より現実的に利用できる自動翻訳へと進化が進んでいます。これは、大量の情報と答えのサンプルから人間が学ぶ方法に近い手法でひたすら学習して、ルールを「覚えさせる」のではなく「自動的につくる」手法になったためです。この手法を「ディープラーニング」と言います。ディープラーニングはこちらの記事で詳解しておりますのでご参照ください。
https://smart-factory.funaisoken.co.jp/201109-2/
Ⅳ.RPA活用の代表的な業務
- ・バックオフィスの事務業務
- 財務や経理、人事、総務などのバックオフィス系の固定業務はRPAが最も得意とする分野です。データの収集を自動化することや、その収集したデータを自動で転記するなど、パーツごとの自動化が可能となります。
- ・固定業務
- 単一の作業を繰り返し行う業務について、バックオフィスの事務業務以外ではチャット返信やメール対応などがあります。「AについてはA’で返信する」などのルール化が明確にできるものについてはRPAで解決できる可能性が高いです。
最近では、RPA×AIを組み合わせて導入している事例も増えてきています。RPAで効率化できる部分と、AIでの開発が必要な箇所をしっかりと見分けて、双方の良いところを自社に最適な箇所に取り入れることで業務効率は飛躍的に向上します。技術の進歩によって、近い将来はAIもRPAも、我々が今Excelつかっているような使い勝手で利用が可能となり、身近なツールになることが予想されます。
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日時・会場
〈お申し込み期限につきまして〉開催日4日前までとなります。
開催方式:オンライン(PCがあればどこでも受講可能)
2021/09/22 (水)
13:30~16:00
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