記事公開日:2023.05.09
最終更新日:2023.05.09
正確な原価管理のためのたった1つの要素
いつも当コラムをご愛読いただきありがとうございます。
原価管理と一言にいっても、様々な管理手法・システムがあり、どれが良いのかを判断することが難しく考えられている方も多いのではないでしょうか?
しかし、どんな手法・システムを利用するにあたっても、重要な1つの要素が欠けていれば、活用を見据えた原価管理は出来ないのです。今回は原価管理の活用先やどのような原価管理が良いのかについて説明していきます。
1.原価管理に必要な要素とは?
まず前提として、今回記述する内容は財務の為の管理ではありません。社内で管理・改善していくための原価管理となります。
さて、本題となる原価管理に必要な要素なのですが、原価管理をする上で必要な要素とは、
「データ化の障壁が高い項目を如何にデータ化できるか」
です。
必要な要素に関して、原価の構造図を用いて説明していきます。
この図は本やインターネットでもよく見るので馴染み深い方もいると思います。
これらの項目の管理方法は大きく下記画像のように分類することができます。
まず、原価、製造原価、利益は「計算によって求められる項目」であり、
- 原価=製造原価+管理費・販売費
- 製造原価=労務費+材料費+光熱費+その他
- 利益=売価‐原価
となります。
原価管理において、「如何に原価管理システムに計算させるか?」が対象要素を管理する上で必要な手段となります。
原価管理システムであれば、基本機能として備わっているものであるため、この項目の管理は比較的容易であると考えられます。
次に、売価、材料費、その他、管理費・販売費は「データ化されている項目」であり、
業務をする上で請求書や見積書など、必ず紙やExcel、システムに記載しているものとなります。
原価管理においては、「如何に原価管理システムに入力することが出来るか?」が肝になっています。
この項目を管理するためには、手入力、システム間データ連携、RPA等により比較的容易に管理が出来るようになります。
最後に労務費、光熱費は「データ化の障壁が高い項目」であり、
特に労務費は製造工数を正確に把握しないと管理することができません。
労務費が把握できないと、製造原価を把握することが出来ず、さらに原価、利益も把握することが出来なくなってしまいます。
つまり、正確な原価管理を実行するためには、正確な労務費(製造工数)を把握することが必須となるのです。
2.原価管理をすることによる副次的な効果・原価管理の活用先
正確な製造工数が把握できるようになり、正確な原価管理が出来るようになると、そのデータを活用した現場改善が出来るようになっていきます。
製造工数が把握できておらず、おおざっぱな標準工数で原価管理してしまうと、原価改善を行う際に不明確なデータをもとに改善に取り組むことになるため、会社にとってはリスクとなり得る可能性があります。
原価管理をするにあたって、製造工数を取得する際に最低限必要な情報があります。
- 誰が
- どの製品の(どの注文番号の)
- どの工程を
- どの設備で
- いくつ
- どのくらいの時間をかけて
- 段取り/加工したのか
上記の情報を製造工数と紐づけることができると、その項目別で分析が出来るようになるのです。
例)注文番号別分析、製品別分析、工程別分析、設備別分析、担当者別分析、時系列分析
分析によって、ボトルネックを検出することが出来るようになり、改善による効果シミュレーションができるようになるため、現場の実態に即した投資が出来るようになっていきます。
また、工数データを集計して工場のモニターに表示することで、現場の方への改善の動機付けを行うことも可能になっていきます。
3.まとめ
正確な原価管理をするためには正確な製造工数が必要であり、さらにその製造工数は現場改善や投資判断に活用できるということをご理解いただけたと思います。
では、具体的にどのように正確な製造工数を取得していくのが良いのか?については、弊社主催の原価管理セミナーまたはHP問い合わせにて事例をもとに詳細にお話ししておりますので、ご興味をお持ちになりましたら、申込・お問い合わせいただければと思います。
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