AI CONSULTING COLUMN AI・デジタル・IoTコンサルティングコラム

専門コンサルタントが執筆するAI・ロボットコラム
最新のAI・ロボット技術に精通したコンサルタントによる定期コラム

AIを活用した業務効率化最新事例解説レポート

2021.03.05

今回は、中堅・中小製造業経営者様向けの最新無料ダウンロードレポートについてご紹介いたします。 中堅・中小製造業経営者様向け「AIを活用した業務効率化」最新事例解説レポート ▼▼詳細は以下のボタンをクリック!(無料でレポートダウンロードできます)▼▼ 【レポートテーマ①】 AIを使って過去の類似案件を簡単検索!営業・生産計画立案の業務効率化! ・概要 見積りや生産計画立案は過去と類似した依頼があると、過去情報を参照していますが、それには多くの手間が発生します。更に、過去情報を個人で持っていて共有されていないケースが多く、無駄な作業が発生しやすくなります。 そのような作業に対してどのようにAIを活用して業務効率化を図るのかレポートで解説しています。 【レポートテーマ②】 ベテラン社員の“勘”と“経験”に頼った生産計画立案体制からの脱却! AIを活用し、生産計画立案を自動最適化・脱属人化! ・概要 生産計画の立案はベテラン社員が「経験」、「勘」、「度胸」によって計画し属人化(職人化)している状態となっていることが多く見受けられます。 ベテラン社員が多大な工数をかけて行っている生産計画立案をAIを活用して脱属人化する具体的手法をレポートにて解説しております。 【レポートテーマ③】 中堅・中小製造業における“AI化の進め方”とは? AI化の手順を1~16ステップに分けて徹底解説! ・概要 「AIを使ってみたいが相談できる所が無い、、、」 「手作業の単純業務に工数がかかっている、、、」 「一部の社員に偏っている業務がありノウハウを継承できていない、、、」 「高付加価値な業務をより効率よく行い生産性を高めたい、、、」 「経験と勘を要する業務で属人化している、、、」 「分析を通じてもっと品質改善&現場改善したい、、、」 「標準化・パッケージ化して誰でも出来るように継承したい、、、」 そのようなお悩みを解決するAI活用の手順を16ステップに分けて解説しています。 上記3テーマについて解説したレポートです。 無料でダウンロードできますので、是非お気軽にご覧ください! ▼▼詳細は以下のボタンをクリック!(無料でレポートダウンロードできます)▼▼ ■【2021年3月開催】オンラインセミナー開催のご案内 「製造業・メーカーの為の初めてのAI活用!社長セミナー」 https://smart-factory.funaisoken.co.jp/event/ <このような方におすすめ> 大手メーカーを除く中堅・中小メーカーの社長様 AIには興味はあるが、何から手を付ければ良いのか分からない社長様 自社のどんな業務にAI活用できるのか、自社で本当にAI導入できるのか分からない社長様 漠然とした理論・概論ではなく、実践的で現実的なAI手法を知りたい社長様 大手ではなく、中堅・中小の製造業・メーカーのAI取組事例を知りたい社長様 ▼オンラインセミナーの詳細・お申し込みは以下のURLから▼ このセミナーは終了しました。最新のセミナーはこちらから。 https://smart-factory.funaisoken.co.jp/event/ いつも当メルマガ・コラムをご愛読いただきありがとうございます。 今回は、中堅・中小製造業経営者様向けの最新無料ダウンロードレポートについてご紹介いたします。 中堅・中小製造業経営者様向け「AIを活用した業務効率化」最新事例解説レポート ▼▼詳細は以下のボタンをクリック!(無料でレポートダウンロードできます)▼▼ 【レポートテーマ①】 AIを使って過去の類似案件を簡単検索!営業・生産計画立案の業務効率化! ・概要 見積りや生産計画立案は過去と類似した依頼があると、過去情報を参照していますが、それには多くの手間が発生します。更に、過去情報を個人で持っていて共有されていないケースが多く、無駄な作業が発生しやすくなります。 そのような作業に対してどのようにAIを活用して業務効率化を図るのかレポートで解説しています。 【レポートテーマ②】 ベテラン社員の“勘”と“経験”に頼った生産計画立案体制からの脱却! AIを活用し、生産計画立案を自動最適化・脱属人化! ・概要 生産計画の立案はベテラン社員が「経験」、「勘」、「度胸」によって計画し属人化(職人化)している状態となっていることが多く見受けられます。 ベテラン社員が多大な工数をかけて行っている生産計画立案をAIを活用して脱属人化する具体的手法をレポートにて解説しております。 【レポートテーマ③】 中堅・中小製造業における“AI化の進め方”とは? AI化の手順を1~16ステップに分けて徹底解説! ・概要 「AIを使ってみたいが相談できる所が無い、、、」 「手作業の単純業務に工数がかかっている、、、」 「一部の社員に偏っている業務がありノウハウを継承できていない、、、」 「高付加価値な業務をより効率よく行い生産性を高めたい、、、」 「経験と勘を要する業務で属人化している、、、」 「分析を通じてもっと品質改善&現場改善したい、、、」 「標準化・パッケージ化して誰でも出来るように継承したい、、、」 そのようなお悩みを解決するAI活用の手順を16ステップに分けて解説しています。 上記3テーマについて解説したレポートです。 無料でダウンロードできますので、是非お気軽にご覧ください! ▼▼詳細は以下のボタンをクリック!(無料でレポートダウンロードできます)▼▼ ■【2021年3月開催】オンラインセミナー開催のご案内 「製造業・メーカーの為の初めてのAI活用!社長セミナー」 https://smart-factory.funaisoken.co.jp/event/ <このような方におすすめ> 大手メーカーを除く中堅・中小メーカーの社長様 AIには興味はあるが、何から手を付ければ良いのか分からない社長様 自社のどんな業務にAI活用できるのか、自社で本当にAI導入できるのか分からない社長様 漠然とした理論・概論ではなく、実践的で現実的なAI手法を知りたい社長様 大手ではなく、中堅・中小の製造業・メーカーのAI取組事例を知りたい社長様 ▼オンラインセミナーの詳細・お申し込みは以下のURLから▼ このセミナーは終了しました。最新のセミナーはこちらから。 https://smart-factory.funaisoken.co.jp/event/

初めての“AI画像検査”導入解説レポート!!

2021.02.12

3週連続!「導入解説レポート」リリース企画!! 第2週目の今回は、「初めての“AI画像検査”導入解説レポート」です! コラムではレポートの中身を少しだけお話します。 詳しくは導入解説レポートをダウンロード!! 1.中小製造業が抱える外観検査工程における悩みとは? 製造業において外観検査は切っても切れない存在です。 生産した製品にキズや汚れなどがないかの確認は主に検査員が行います。 外観検査は「目視検査」を検査員が行い、それにより「人件費」がかさみます。当然ながら検査員が自分の目でキズや汚れなどがないかを確認しますが、人間ですからミスを犯すことはありますので、外観不良のある製品が後工程に流れてしまう可能性もゼロではありません。また、キズの基準が曖昧となり検査の質が安定しない可能性があります。検査員による目視検査は一定のリスクがあると言えるでしょう。 昨今では、生産コストを抑えなければならないにもかかわらず高い品質が要求されます。検査コストは製品の原価に直接加算されますので、検査をいかに効率的に行うかが重要となってきます。 そういった背景の中で注目されているのが外観検査の自動化であり、画像認識技術とAI(人工知能)を活用した画像検査システムです。 工場AI・ロボット.comではAI画像検査システムの構築に積極的に取り組んでいます! 2. “AI画像検査”を導入するメリットとは? AI画像検査を導入によるメリットは多々ありますが代表的なメリットを以下に示します。 ①検査員削減による人員コスト削減 ②熟練検査作業者でも起こりうる見落とし(不良品流出)の防止 ③属人化した検査業務の脱属人化(システム化) ④不良データの蓄積による生産品質の改善、向上 ⑤不良情報の即時フィードバックによる生産性向上(大量の不良発生やロットアウト防止) では実際にAI画像検査を導入する具体的手法とはどのようなものなのでしょうか? 解説レポートでは導入の進め方について詳しく解説しています! 3.工場AI・ロボット.comが行うAI画像検査の強み 通常、AIシステムや画像検査システムベンダーに外観検査システムを依頼する場合、光沢のあるワークや透明なワークは「お断り」を受けるパターンが多いのが現状です。 たとえ“AI画像検査”自体が上手くいったとしてもその画像検査システムを運用する自動化システムの構想設計が適切でないと思った通りの効果が出ない可能性もあります。 工場AI・ロボット.comでは「お断り」のワークはもちろん、工場全体を見て確実に効果が出る“AI画像検査”システムを構築致します。 4.おわりに 詳細は「初めての“AI画像検査”導入解説レポート」をダウンロード!! https://smart-factory.funaisoken.co.jp/download/210212/ ■工場AI・ロボット.comでは「無料オンライン診断サービス」を行っております。 専門コンサルタントが無料でロボット活用について診断致します! ✓ロボットを導入したいが初めてでやり方が分からない・・・ ✓多品種少量生産の溶接ロボットを導入したい ✓旋盤工程のワーク供給にロボットを活用したい ✓人による目視検査を自動化したい ✓多品種少量生産の工場でも導入可能かどうかを知りたい ✓他社の導入事例の詳細について聞きたい ✓ロボットやAI活用について相談できる所が見つからない・・・ ご希望の場合は以下の問い合わせフォームより、「無料オンライン診断サービス希望」と明記の上お問い合わせ下さい!! https://lp.funaisoken.co.jp/mt/smart-factory/counsel.html 船井総研ではロボットやAIの導入に役立つダウンロードコンテンツやセミナーをご用意しております。 ■オンラインセミナー開催のお知らせ https://smart-factory.funaisoken.co.jp/event/ 製造業・メーカーの為の初めてのAI活用!社長セミナー ・「AIはまだ初心者」と感じているメーカー社長が知っておくべき初めてのAI導入法が分かる! ~AIなんて全くわからない...そんな社長の為のセミナーです~ ・大手が行う大規模で夢物語のAIではなく、中堅・中小メーカーに適したAI手法が分かる! ~大手メーカー様向けではなく、中堅・中小メーカー様向けです~ ・漠然とした理論・概論ではなく、現場で即使えて実践的なAI手法が分かる! ~理論・概論は一切なく、現場的・実践的な話を聞けます~ ・営業・設計・生産・メンテナンス・経営管理各部門において活用できるAIが分かる! ~具体的にどの部門・業務でどんなAIが活用できるかが分かります~ ・中堅・中小メーカーの実際のAI取組事例を知ることができる! ~大手ではなく、中堅・中小メーカーの実際の取組事例・実践事例を紹介します~ ↓↓↓セミナー詳細は下記からご覧ください↓↓↓ このセミナーは終了しました。最新のセミナーはこちらから。 https://smart-factory.funaisoken.co.jp/event/ 3週連続!「導入解説レポート」リリース企画!! 第2週目の今回は、「初めての“AI画像検査”導入解説レポート」です! コラムではレポートの中身を少しだけお話します。 詳しくは導入解説レポートをダウンロード!! 1.中小製造業が抱える外観検査工程における悩みとは? 製造業において外観検査は切っても切れない存在です。 生産した製品にキズや汚れなどがないかの確認は主に検査員が行います。 外観検査は「目視検査」を検査員が行い、それにより「人件費」がかさみます。当然ながら検査員が自分の目でキズや汚れなどがないかを確認しますが、人間ですからミスを犯すことはありますので、外観不良のある製品が後工程に流れてしまう可能性もゼロではありません。また、キズの基準が曖昧となり検査の質が安定しない可能性があります。検査員による目視検査は一定のリスクがあると言えるでしょう。 昨今では、生産コストを抑えなければならないにもかかわらず高い品質が要求されます。検査コストは製品の原価に直接加算されますので、検査をいかに効率的に行うかが重要となってきます。 そういった背景の中で注目されているのが外観検査の自動化であり、画像認識技術とAI(人工知能)を活用した画像検査システムです。 工場AI・ロボット.comではAI画像検査システムの構築に積極的に取り組んでいます! 2. “AI画像検査”を導入するメリットとは? AI画像検査を導入によるメリットは多々ありますが代表的なメリットを以下に示します。 ①検査員削減による人員コスト削減 ②熟練検査作業者でも起こりうる見落とし(不良品流出)の防止 ③属人化した検査業務の脱属人化(システム化) ④不良データの蓄積による生産品質の改善、向上 ⑤不良情報の即時フィードバックによる生産性向上(大量の不良発生やロットアウト防止) では実際にAI画像検査を導入する具体的手法とはどのようなものなのでしょうか? 解説レポートでは導入の進め方について詳しく解説しています! 3.工場AI・ロボット.comが行うAI画像検査の強み 通常、AIシステムや画像検査システムベンダーに外観検査システムを依頼する場合、光沢のあるワークや透明なワークは「お断り」を受けるパターンが多いのが現状です。 たとえ“AI画像検査”自体が上手くいったとしてもその画像検査システムを運用する自動化システムの構想設計が適切でないと思った通りの効果が出ない可能性もあります。 工場AI・ロボット.comでは「お断り」のワークはもちろん、工場全体を見て確実に効果が出る“AI画像検査”システムを構築致します。 4.おわりに 詳細は「初めての“AI画像検査”導入解説レポート」をダウンロード!! https://smart-factory.funaisoken.co.jp/download/210212/ ■工場AI・ロボット.comでは「無料オンライン診断サービス」を行っております。 専門コンサルタントが無料でロボット活用について診断致します! ✓ロボットを導入したいが初めてでやり方が分からない・・・ ✓多品種少量生産の溶接ロボットを導入したい ✓旋盤工程のワーク供給にロボットを活用したい ✓人による目視検査を自動化したい ✓多品種少量生産の工場でも導入可能かどうかを知りたい ✓他社の導入事例の詳細について聞きたい ✓ロボットやAI活用について相談できる所が見つからない・・・ ご希望の場合は以下の問い合わせフォームより、「無料オンライン診断サービス希望」と明記の上お問い合わせ下さい!! https://lp.funaisoken.co.jp/mt/smart-factory/counsel.html 船井総研ではロボットやAIの導入に役立つダウンロードコンテンツやセミナーをご用意しております。 ■オンラインセミナー開催のお知らせ https://smart-factory.funaisoken.co.jp/event/ 製造業・メーカーの為の初めてのAI活用!社長セミナー ・「AIはまだ初心者」と感じているメーカー社長が知っておくべき初めてのAI導入法が分かる! ~AIなんて全くわからない...そんな社長の為のセミナーです~ ・大手が行う大規模で夢物語のAIではなく、中堅・中小メーカーに適したAI手法が分かる! ~大手メーカー様向けではなく、中堅・中小メーカー様向けです~ ・漠然とした理論・概論ではなく、現場で即使えて実践的なAI手法が分かる! ~理論・概論は一切なく、現場的・実践的な話を聞けます~ ・営業・設計・生産・メンテナンス・経営管理各部門において活用できるAIが分かる! ~具体的にどの部門・業務でどんなAIが活用できるかが分かります~ ・中堅・中小メーカーの実際のAI取組事例を知ることができる! ~大手ではなく、中堅・中小メーカーの実際の取組事例・実践事例を紹介します~ ↓↓↓セミナー詳細は下記からご覧ください↓↓↓ このセミナーは終了しました。最新のセミナーはこちらから。 https://smart-factory.funaisoken.co.jp/event/

【事例紹介】AIを活用した熟練技術の継承とは?

2020.12.21

労働人口の減少(特に熟練者の不足)や職人の高齢化等の流れが進んでいく中、 「熟練技術の継承」というのは企業規模を問わず、工場経営における一大テーマかと存じます。 今回のコラムでは、「AIを活用した熟練技術の継承」というテーマに関して、 製造業での取り組み事例を2つご紹介いたします。 【事例①:AI活用を通じて「見積もり業務の標準化・脱属人化」を推進】 <Before> 一部のベテラン営業担当者と社長自ら見積もり業務に従事。 自社内での見積もり算出に際して、 取引先から共有された図面データを用いる必要があったが、 取引先から共有された図面データのうち半分以上はそのまま使うことができず、 後工程の業務を円滑に行うために自社内で図面データを書き直す必要があった。 また、見積もり算出の参考として使用する 過去の見積もりデータを探し出す作業に多くの時間を取られていた。 <After> AIを活用し過去の類似案件を検索できるようにすることで、 「従来かかっていた時間よりも短い時間で」 かつ「より精度高く」見積もり作成を行うことが可能となった。 また、一部のベテランに依存していた見積もり業務を、 知識・経験の浅い社員でも問題なく実践できるようになった。 (⇒業務の標準化&脱属人化を推進) <取り組みのポイント> ・業務の標準化を通じた若手社員の即戦力化 ・「社長やベテランじゃなくてもできる仕事」は、社長やベテラン以外の人間に任せる ・熟練者は空いた時間で、より高付加価値な業務に従事してもらう 【事例②:AIを活用した外観検査体制の構築】 <Before> 多品種小ロット案件の最終検査(傷の有無の確認)を目視で実施していたが、 「作業者の感覚に頼るところが多い」 「証拠が取れていないケースが多く、トレーサビリティ不可となる(責任問題への発展に関する懸念)」 等の課題を抱えていた。 <After> AIを活用し、打痕・傷の特徴やOK・NGレベルを 教師データとして事前に学習させることで、外観検査システムを開発。 様々なパターン傷を学習させていくことで精度が向上。 検査担当者が検査工程に従事する時間を短縮させることができた。 <取り組みのポイント> ・ヒトが付加価値を生まない作業(=検査工程)をAIで代替 ・熟練技術をAI自体に継承する 以上、AIを活用した熟練技術の継承に関する事例についてご紹介いたしました。 今回ご紹介した事例の他にも、 AIやデジタル技術を活用した「工場のAI・デジタル化」に関する事例を 以下のレポート内でご紹介しております。 中堅・中小製造業 経営者様向け “工場のAI・デジタル化”最新事例解説レポート 上記の事例レポートは無料でダウンロードいただくことができます。 ご興味のある方は、是非チェックしてみてください。 ▼事例レポート無料ダウンロード お申し込みはこちら▼ https://smart-factory.funaisoken.co.jp/download/201208/ いつも当メルマガ・コラムをご愛読いただきありがとうございます。 労働人口の減少(特に熟練者の不足)や職人の高齢化等の流れが進んでいく中、 「熟練技術の継承」というのは企業規模を問わず、工場経営における一大テーマかと存じます。 今回のコラムでは、「AIを活用した熟練技術の継承」というテーマに関して、 製造業での取り組み事例を2つご紹介いたします。 【事例①:AI活用を通じて「見積もり業務の標準化・脱属人化」を推進】 <Before> 一部のベテラン営業担当者と社長自ら見積もり業務に従事。 自社内での見積もり算出に際して、 取引先から共有された図面データを用いる必要があったが、 取引先から共有された図面データのうち半分以上はそのまま使うことができず、 後工程の業務を円滑に行うために自社内で図面データを書き直す必要があった。 また、見積もり算出の参考として使用する 過去の見積もりデータを探し出す作業に多くの時間を取られていた。 <After> AIを活用し過去の類似案件を検索できるようにすることで、 「従来かかっていた時間よりも短い時間で」 かつ「より精度高く」見積もり作成を行うことが可能となった。 また、一部のベテランに依存していた見積もり業務を、 知識・経験の浅い社員でも問題なく実践できるようになった。 (⇒業務の標準化&脱属人化を推進) <取り組みのポイント> ・業務の標準化を通じた若手社員の即戦力化 ・「社長やベテランじゃなくてもできる仕事」は、社長やベテラン以外の人間に任せる ・熟練者は空いた時間で、より高付加価値な業務に従事してもらう 【事例②:AIを活用した外観検査体制の構築】 <Before> 多品種小ロット案件の最終検査(傷の有無の確認)を目視で実施していたが、 「作業者の感覚に頼るところが多い」 「証拠が取れていないケースが多く、トレーサビリティ不可となる(責任問題への発展に関する懸念)」 等の課題を抱えていた。 <After> AIを活用し、打痕・傷の特徴やOK・NGレベルを 教師データとして事前に学習させることで、外観検査システムを開発。 様々なパターン傷を学習させていくことで精度が向上。 検査担当者が検査工程に従事する時間を短縮させることができた。 <取り組みのポイント> ・ヒトが付加価値を生まない作業(=検査工程)をAIで代替 ・熟練技術をAI自体に継承する 以上、AIを活用した熟練技術の継承に関する事例についてご紹介いたしました。 今回ご紹介した事例の他にも、 AIやデジタル技術を活用した「工場のAI・デジタル化」に関する事例を 以下のレポート内でご紹介しております。 中堅・中小製造業 経営者様向け “工場のAI・デジタル化”最新事例解説レポート 上記の事例レポートは無料でダウンロードいただくことができます。 ご興味のある方は、是非チェックしてみてください。 ▼事例レポート無料ダウンロード お申し込みはこちら▼ https://smart-factory.funaisoken.co.jp/download/201208/

製造業におけるDXの進め方

2020.12.07

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」と定義されています。 DX化することで得られるメリットはたくさんあります。詳しくはこちらのコラムで紹介しておりますのでぜひご覧ください。 「AIとデジタル化の波は避けられない」 さて、「DX化」という言葉をよく耳にするようになった一方で、「製造DXのメリット・導入ポイント」「なぜ日本はDX化が進まないのか」「DX化が失敗する理由」というようなタイトルの記事をよく目にするようにもなりました。 経済産業省「DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~」 によると、生産プロセスに関する設備の稼働状況などのデータ収集を行っている企業の割合は、2019年度は51.0%となっており、2018 年度調査時より7%減少しております。 DX化を目指す一方で、現状は苦戦している企業が多いことがわかります。さらにこれからは、既存システムは変化していく状況に合わせて更新する必要があります。そのたびに要件は複雑になるため、既存システムの保守費は高額になると言われています。 DX化を進めていくことは必須と叫ばれているにも関わらず、進まないのはなぜでしょうか? その理由の一つに、日本人特有のマインドが関係していることが考えられます。日本人は1950~60年代の高度経済成長の成功体験が非常に大きく、その時代から何十年もかけて培われた世界的にも最高峰の現場による改善活動のおかげで、逆にDX化に踏み込めない思考になっています。この思考がDXというある意味システムに縛られる状況について、抵抗が生まれているのではないでしょうか。長年にわたり現場改善で運用していきたものをシステムに置きかえるのは容易ではありません。海外においては、日本と比較した場合、現場の声はさほど強くありません。その為、システムで現場を縛ることができ、DX化は進みやすい傾向があります。一方で日本では改善活動を行ってきた現場の力が強く、ITシステムが現場運用に合わせないといけないという状況が多く発生しています。その為、要件が複雑になり(もしくはシステム化できない)なかなか前に進んでいきません。 「現状はシステムに頼らなくても問題がない」と考えている現場の方は多いのではないのでしょうか。現場の力>ITシステムの構図が日本でDXが進まない根本要因と考えています。 とはいえ、やはりDX化を進めなければいけないのは明白です。 我々は、情報をもとに経営の意思決定をしなければなりません。現代においては営業部や製造部など多方面から様々な種類の情報収集するスピードが求められます、また、集められる情報は質・精度が高い必要があります。「高い質・精度の情報をリアルタイムで収集し、正確な情報を基に分析を行い経営判断する」これが今の時代に求められていることです。不確かな情報を手作業で取りまとめて資料作成に時間を費やす時代ではないということです。 それではどのように進めたらよいか? 中小企業の製造業に特化した船井総合研究所AI・ロボット支援室では、ロボットやAIの導入に役立つやセミナーをご用意しております。 この機会にぜひご参加ください。 ■ダウンロード事例集のご案内 https://smart-factory.funaisoken.co.jp/download/201208/ ■セミナー開催のお知らせ このセミナーは終了しました。最新のセミナーはこちらから。 https://smart-factory.funaisoken.co.jp/event/ 機械加工業の為の初めてのAI&ロボット活用!社長セミナー(オンライン) マシニングセンタ・NC旋盤・複合加工機等を保有していて多品種少量生産の熟練技術・職人技術・人手の掛かる業務にAI&ロボットを活用して自動化&生産性UP! 2/16(火)、18(木)、24(水) 13:00~15:00 DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」と定義されています。 DX化することで得られるメリットはたくさんあります。詳しくはこちらのコラムで紹介しておりますのでぜひご覧ください。 「AIとデジタル化の波は避けられない」 さて、「DX化」という言葉をよく耳にするようになった一方で、「製造DXのメリット・導入ポイント」「なぜ日本はDX化が進まないのか」「DX化が失敗する理由」というようなタイトルの記事をよく目にするようにもなりました。 経済産業省「DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~」 によると、生産プロセスに関する設備の稼働状況などのデータ収集を行っている企業の割合は、2019年度は51.0%となっており、2018 年度調査時より7%減少しております。 DX化を目指す一方で、現状は苦戦している企業が多いことがわかります。さらにこれからは、既存システムは変化していく状況に合わせて更新する必要があります。そのたびに要件は複雑になるため、既存システムの保守費は高額になると言われています。 DX化を進めていくことは必須と叫ばれているにも関わらず、進まないのはなぜでしょうか? その理由の一つに、日本人特有のマインドが関係していることが考えられます。日本人は1950~60年代の高度経済成長の成功体験が非常に大きく、その時代から何十年もかけて培われた世界的にも最高峰の現場による改善活動のおかげで、逆にDX化に踏み込めない思考になっています。この思考がDXというある意味システムに縛られる状況について、抵抗が生まれているのではないでしょうか。長年にわたり現場改善で運用していきたものをシステムに置きかえるのは容易ではありません。海外においては、日本と比較した場合、現場の声はさほど強くありません。その為、システムで現場を縛ることができ、DX化は進みやすい傾向があります。一方で日本では改善活動を行ってきた現場の力が強く、ITシステムが現場運用に合わせないといけないという状況が多く発生しています。その為、要件が複雑になり(もしくはシステム化できない)なかなか前に進んでいきません。 「現状はシステムに頼らなくても問題がない」と考えている現場の方は多いのではないのでしょうか。現場の力>ITシステムの構図が日本でDXが進まない根本要因と考えています。 とはいえ、やはりDX化を進めなければいけないのは明白です。 我々は、情報をもとに経営の意思決定をしなければなりません。現代においては営業部や製造部など多方面から様々な種類の情報収集するスピードが求められます、また、集められる情報は質・精度が高い必要があります。「高い質・精度の情報をリアルタイムで収集し、正確な情報を基に分析を行い経営判断する」これが今の時代に求められていることです。不確かな情報を手作業で取りまとめて資料作成に時間を費やす時代ではないということです。 それではどのように進めたらよいか? 中小企業の製造業に特化した船井総合研究所AI・ロボット支援室では、ロボットやAIの導入に役立つやセミナーをご用意しております。 この機会にぜひご参加ください。 ■ダウンロード事例集のご案内 https://smart-factory.funaisoken.co.jp/download/201208/ ■セミナー開催のお知らせ このセミナーは終了しました。最新のセミナーはこちらから。 https://smart-factory.funaisoken.co.jp/event/ 機械加工業の為の初めてのAI&ロボット活用!社長セミナー(オンライン) マシニングセンタ・NC旋盤・複合加工機等を保有していて多品種少量生産の熟練技術・職人技術・人手の掛かる業務にAI&ロボットを活用して自動化&生産性UP! 2/16(火)、18(木)、24(水) 13:00~15:00

中堅・中小製造業におけるAI導入の目的とは?

2020.11.24

突然ですが、読者の皆様は製造業における「AIの導入目的」をどのようにお考えでしょうか? 船井総研では、各業界の経営者・経営幹部の皆様向けに年間計900件超のセミナー開催を通じて、各業界の時流に適応したビジネスモデルや業務プロセスの紹介を行っております。 近年では、中堅・中小製造業の企業様向けにAI活用に関するセミナーを実施しておりますが、セミナーへご参加いただく全国各地の製造業の企業様から、 「AIを使って何ができるのか?」 「AIの導入目的をどのように考えていけばよいか?」 といったご質問をよく頂戴します。 そこで、今回のコラムでは、船井総研主催のAI活用に関するセミナーでもご紹介している「AI導入の目的」について、その一部をご紹介いたします。 中堅・中小製造業における主なAI導入の目的として、大きくは以下の4つが挙げられます。 【中堅・中小製造業における主なAI導入目的】   ①既存業務の自動化・省力化・標準化   ②3K業務の自動化   ③熟練業務・属人業務の技術継承・若手育成   ④熟練者をより付加価値の高い業務へ移行させる 以下に1つずつご紹介いたします。 1.AI導入目的①:既存業務の自動化・省力化・標準化 工場内やバックオフィスにてAIを活用し、これまで時間をかけて取り組んでいた業務を自動化・省力化・標準化したいというニーズは非常に大きいです。 例えば、とある製造業の支援先企業様では、現在「見積もりAIシステム」の開発に取り組まれています。 システムの概要としては、AIを活用して過去の類似案件を検索できるようにすることで、 「従来かかっていた時間よりも短い時間で」かつ 「精度高く見積もりを作成することができるようになる」というものです。 Step1)新規案件発生時に過去の見積もりデータを検索する Step2)過去の類似ワークの見積計算書・見積書等のデータを検出する という大きく2つのステップを経ることで、ベテランのみならず、知識や経験の浅い社員でも問題なく見積もり作成ができるようになります。 2.AI導入目的②:3K業務の自動化 3K業務とは、「きつい・汚い・危険」の頭文字「K」から取った言葉であり、労働条件が厳しい業務のことを指します。 この3K業務は、若年労働者から特に敬遠されることから、採用難や離職率の増加にも直結する要素となっています。 AIを活用し、3K業務を自動化することで、職業イメージの抜本的な改善を図り、結果として若手社員の採用を促すことにも繋がります。 また、昨今「働き方改革」の必要性が叫ばれている中、既存の従業員を3K業務から解放することで、既存の従業員にとって、より働きやすい現場環境を創出するという点でも、非常に意義のあるAI導入の目的設定であると言えます。 3.AI導入目的③:熟練業務・属人業務の技術継承・若手育成 これは、国内製造業のみならず、他の業界にも概ね当てはまる話ですが、「労働人口の減少(特に熟練者不足)」や「従業員の高齢化」が今後より進んでいくことが予測される中で、 「人手(特に熟練者)が不足していても問題なく運営できる体制を作る」 という発想がこれからの経営には必要となってきます。 例えば、とあるベテラン比率の高い製造業の企業様では、AIを導入して「熟練者の技術を買う」という考え方をもとに既存業務のAI化を進められています。 熟練者特有の技術・ノウハウを継承し、   1)経験や知識の浅い若手社員でも問題なく業務を進めることができる   2)経験や知識の浅い若手社員でも活躍できる土壌を形成する(若手社員の即戦力化) この辺りを狙いとして、既存業務のAI化を進められています。 4.AI導入目的④:熟練者をより付加価値の高い業務へ移行させる 全国各地の製造業の企業様にお話をお聞きしていると、AIを活用して熟練技術の継承を図る中で、現場のベテラン従業員の方から、 「AIを活用することで、自分たち(ベテラン従業員)の仕事がなくなるのでは?」 という懸念を表明されるケースが多々あるようです。 ただ、それに対する結論として言えるのは、AIというのは、「熟練者の仕事を奪うためのツール」ではないということです。 むしろ、AIというのは、「熟練者に “より高付加価値な業務” に従事してもらうためのツール」であると言えます。 技術継承を踏まえた上で、熟練者は空いた時間で「さらに付加価値の高い(ベテランだからこそできる)業務へ移行する」という、「人員配置・役割設計の再定義」の機会を発生させることに、AI導入の意義を見出すことができます。 5.おわりに 以上、ここまで「中堅・中小製造業におけるAI導入の目的とは?」というテーマについてお伝えさせていただきました。 中堅・中小製造業におけるAI導入に関する考え方や、具体的な事例をもっと知りたい方は、是非以下の「無料オンライン相談」をご活用ください。 ご相談内容に応じて最適なコンサルタントを選定し、対応させていただきます。 ▼無料オンライン相談のお申し込みはこちら▼ https://lp.funaisoken.co.jp/mt/smart-factory/counsel.html <無料レポートダウンロード> ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 中堅・中小製造業 経営者様向け “工場のAI化デジタル化”最新事例解説レポート この1冊で、工場のAI化デジタル化の最新事例がわかる! ①AI活用を通じて「見積もり業務の標準化・脱属人化」を推進! ②付加価値を生まない検査工程から人手を開放!AIを活用した外観検査体制の構築! ③現場に散乱していた生産日報・日常点検表等のペーパーレス化を実現! ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー https://lp.funaisoken.co.jp/mt/smart-factory/dltext04-dl.html いつも当メルマガ・コラムをご愛読いただきありがとうございます。 突然ですが、読者の皆様は製造業における「AIの導入目的」をどのようにお考えでしょうか? 船井総研では、各業界の経営者・経営幹部の皆様向けに年間計900件超のセミナー開催を通じて、各業界の時流に適応したビジネスモデルや業務プロセスの紹介を行っております。 近年では、中堅・中小製造業の企業様向けにAI活用に関するセミナーを実施しておりますが、セミナーへご参加いただく全国各地の製造業の企業様から、 「AIを使って何ができるのか?」 「AIの導入目的をどのように考えていけばよいか?」 といったご質問をよく頂戴します。 そこで、今回のコラムでは、船井総研主催のAI活用に関するセミナーでもご紹介している「AI導入の目的」について、その一部をご紹介いたします。 中堅・中小製造業における主なAI導入の目的として、大きくは以下の4つが挙げられます。 【中堅・中小製造業における主なAI導入目的】   ①既存業務の自動化・省力化・標準化   ②3K業務の自動化   ③熟練業務・属人業務の技術継承・若手育成   ④熟練者をより付加価値の高い業務へ移行させる 以下に1つずつご紹介いたします。 1.AI導入目的①:既存業務の自動化・省力化・標準化 工場内やバックオフィスにてAIを活用し、これまで時間をかけて取り組んでいた業務を自動化・省力化・標準化したいというニーズは非常に大きいです。 例えば、とある製造業の支援先企業様では、現在「見積もりAIシステム」の開発に取り組まれています。 システムの概要としては、AIを活用して過去の類似案件を検索できるようにすることで、 「従来かかっていた時間よりも短い時間で」かつ 「精度高く見積もりを作成することができるようになる」というものです。 Step1)新規案件発生時に過去の見積もりデータを検索する Step2)過去の類似ワークの見積計算書・見積書等のデータを検出する という大きく2つのステップを経ることで、ベテランのみならず、知識や経験の浅い社員でも問題なく見積もり作成ができるようになります。 2.AI導入目的②:3K業務の自動化 3K業務とは、「きつい・汚い・危険」の頭文字「K」から取った言葉であり、労働条件が厳しい業務のことを指します。 この3K業務は、若年労働者から特に敬遠されることから、採用難や離職率の増加にも直結する要素となっています。 AIを活用し、3K業務を自動化することで、職業イメージの抜本的な改善を図り、結果として若手社員の採用を促すことにも繋がります。 また、昨今「働き方改革」の必要性が叫ばれている中、既存の従業員を3K業務から解放することで、既存の従業員にとって、より働きやすい現場環境を創出するという点でも、非常に意義のあるAI導入の目的設定であると言えます。 3.AI導入目的③:熟練業務・属人業務の技術継承・若手育成 これは、国内製造業のみならず、他の業界にも概ね当てはまる話ですが、「労働人口の減少(特に熟練者不足)」や「従業員の高齢化」が今後より進んでいくことが予測される中で、 「人手(特に熟練者)が不足していても問題なく運営できる体制を作る」 という発想がこれからの経営には必要となってきます。 例えば、とあるベテラン比率の高い製造業の企業様では、AIを導入して「熟練者の技術を買う」という考え方をもとに既存業務のAI化を進められています。 熟練者特有の技術・ノウハウを継承し、   1)経験や知識の浅い若手社員でも問題なく業務を進めることができる   2)経験や知識の浅い若手社員でも活躍できる土壌を形成する(若手社員の即戦力化) この辺りを狙いとして、既存業務のAI化を進められています。 4.AI導入目的④:熟練者をより付加価値の高い業務へ移行させる 全国各地の製造業の企業様にお話をお聞きしていると、AIを活用して熟練技術の継承を図る中で、現場のベテラン従業員の方から、 「AIを活用することで、自分たち(ベテラン従業員)の仕事がなくなるのでは?」 という懸念を表明されるケースが多々あるようです。 ただ、それに対する結論として言えるのは、AIというのは、「熟練者の仕事を奪うためのツール」ではないということです。 むしろ、AIというのは、「熟練者に “より高付加価値な業務” に従事してもらうためのツール」であると言えます。 技術継承を踏まえた上で、熟練者は空いた時間で「さらに付加価値の高い(ベテランだからこそできる)業務へ移行する」という、「人員配置・役割設計の再定義」の機会を発生させることに、AI導入の意義を見出すことができます。 5.おわりに 以上、ここまで「中堅・中小製造業におけるAI導入の目的とは?」というテーマについてお伝えさせていただきました。 中堅・中小製造業におけるAI導入に関する考え方や、具体的な事例をもっと知りたい方は、是非以下の「無料オンライン相談」をご活用ください。 ご相談内容に応じて最適なコンサルタントを選定し、対応させていただきます。 ▼無料オンライン相談のお申し込みはこちら▼ https://lp.funaisoken.co.jp/mt/smart-factory/counsel.html <無料レポートダウンロード> ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 中堅・中小製造業 経営者様向け “工場のAI化デジタル化”最新事例解説レポート この1冊で、工場のAI化デジタル化の最新事例がわかる! ①AI活用を通じて「見積もり業務の標準化・脱属人化」を推進! ②付加価値を生まない検査工程から人手を開放!AIを活用した外観検査体制の構築! ③現場に散乱していた生産日報・日常点検表等のペーパーレス化を実現! ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー https://lp.funaisoken.co.jp/mt/smart-factory/dltext04-dl.html

AIのいろは「機械学習とディープラーニング」を学ぼう

2020.11.09

今回のコラムは現在のAIを語る上では欠かせない「機械学習とディープラーニング」について説明していきたいと思います。何となく聞いたことがある2つの言葉ですが、きちんと違いがわかりますか? 以前のAIの歴史を振り返るコラムでは第三次ブームの火付け役という紹介をしました。この2つキーワードがなぜ、AI再ブームの火付け役となったのか、ここでは一歩踏み込んだ話をしていきましょう。 1.AIとは「赤ちゃん」です AIの良いところはあらゆる過去の膨大なデータを学習して、忖度なく最適な解を示してくれるということです。AIはよく「赤ちゃん」に例えられます。赤ちゃんは親から動きや言葉を学ぶことで、やがて自分で判断できるようになります。生まれたばかりの赤ちゃんが一人では何も出来ないように、AIも何も教えなければ何もできません。AIも赤ちゃんも経験を積めば積むほど、最適な(精度の高い)言葉や動きが出来るようになります。どちらも最適な解(言葉や動き)を出す為には、たくさんたくさん学習していく必要があるのです。 2.機械学習とディープラーニング では、AIではどのように学習していくのでしょうか。AIの場合、学習の方法(目の付け所)を教えてあげる必要があります。目の付け所を教える=「特徴量を定義する」という言い方をします。例えば、りんごが赤りんごか青りんごを画像処理にて判断させる際には、まず①赤りんごと青りんごの2種類のいろいろな写真(学習データ)をAIに覚えさせます。赤りんごと言ってもたくさんの種類がありますよね。次に②「色に着目しなさい」と指示します。するとAIは自ら色を見て、初めて見る写真でも学習データと照らし合わせて赤りんごか青りんごかを判断することが出来ます。 では誰が「色に着目しなさい」と指示するのでしょうか。2つの言葉の違いは「目の付け所(特徴量の定義)を誰が指示するか?」ここがポイントになっていきます。 【機械学習とは】 機械学習は「人が特徴を定義する」技術です。人が目の付け所(特徴量を定義)を教えておくことで、既存の大量のデータをAI自ら解析してルールを見つけ出します。データはより多くあればあるほど精度は高くなっていきます。 つまり、トレーニングによって「特定のタスク」を実行できるようになる技術です。上記においては「りんごの色を見て赤りんごか青りんごか判断する特定のタスク」ということになります。 この手法は、自動で返答するチャットボットや、店舗来客予測など、出力の予測や傾向の発見を伴うプロジェクトで力を発揮します。 【ディープラーニングとは】 一方で、ディープラーニングは「人工知能が学習データから特徴を自動で抽出する」技術です。 機械学習が進化したとも言えるディープラーニングは、たくさんのデータを解析する際、どこに注目すればよいかを「自分で判断」し、人からの指示ではなく自動で学習して賢くなっていきます。機械学習では人が特徴量を定義していた為、人が特徴を判断できない場合(間違えて判断している場合)、AIは上手く判断が出来ません。 ディープラーニングは、そのような特徴を定義するのが難しい時に高い効果を発揮します。 特にディープラーニングは特徴を定義するのが難しい「言葉」を得意としており、主な適用領域は「音声認識」「画像認識」「言語処理」の3点と言われています。 GoogleHomeやiPhoneに搭載されているSiriなどでは、人間の音声を聞き取り、さらにテキストAIで意味を理解する音声認識技術が活用されています。また、画像認識領域では、商品検索や商品の検査工程など物体認識率が向上し、商用利用が拡大しています。言語処理領域では、機械翻訳などへの適応が始まっています。 機械学習とディープラーニングの違いは、分析の対象を区別する際に「特徴量という目の付け所を自動的に見つけ出せるか」という点になります。 3.Googleの猫(ディープラーニング始まりの話) 2012年にGoogle社の研究チームは、YouTubeに投稿された動画(静止画)の中から無作為に1000万枚の画像を取り出してAIに学習させ、人が教えることなくAIが自発的に猫を認識することに成功したことを発表しました。 この研究の最大のポイントは「人がAIに猫という【概念】を教えたわけではない」という点です。これは当時としてはかなり衝撃的なニュースとして取り上げられました。AI自身がYouTube上にある画像のパターンを自ら特徴をづけ、「猫」という言葉を紐づけていき、「猫」というものを自ら覚えていったのです。これまで必要とされた学習データを使うことなく。これは、人間がものを覚える過程とよく似ています。「猫」いうものは、誰から教わったという事でもなく、周りの人が「猫」と呼んでいるものを何度も聞いて特徴を見て、人は「猫」を認識するようになります。 AI領域では、人がAIに学習させた場合を「教師あり学習(学習データあり)」、人が何も教えていない学習を「教師なし学習(学習データなし)」と言います。 Googleの発表は、1000万枚の画像を学習・パターン分析しているうちにAIが画像内の特長を認識し、特定のものについて自動的に認知が出来るようになった初めての「教師なし学習」の実例として世界で注目され、ディープラーニングの可能性が証明された新しい時代の幕開けの瞬間となりました。 4.ディープラーニングにより可能になること 例えば、米国のSentient Technologies社では、商品検索にディープラーニングを使用しています。靴や服の好みなど、言葉では言い表すことが難しい「感覚」について、消費者がどの商品を検索しクリックしたかなどの情報を基に、次の商品を提案してくれるシステムです。 また、車の自動運転技術は、ディープラーニングを利用して作られた技術で最も期待されているものの1つと言えます。GPSによる位置情報や車に搭載されたカメラの情報などから、AIが学習し道路状況や渋滞状況を分析します。さらに、それらの情報によりAIが自動的に空間を把握することで、交差点の一時停止や右折・左折などもできるようになります。 ロボット工学の分野もディープラーニングとともに大きく進化しています。前述のように、特定の画像を自動的に認識できるようになった技術は検査工程にも応用されています。 AIによる外観検査について、詳しくはこちらをご参照ください。 https://smart-factory.funaisoken.co.jp/glossary/200925/ ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 中堅・中小製造業 経営者様向け 「AIを活用した業務効率化」最新事例解説レポート この一冊で「AIを活用した業務効率化」の最新事例がわかる! ①類似案件をAIを使って簡単検索 営業・生産計画立案の業務効率 ②生産計画立案を自動最適化・脱属人化 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー https://smart-factory.funaisoken.co.jp/download/210305/ 今回のコラムは現在のAIを語る上では欠かせない「機械学習とディープラーニング」について説明していきたいと思います。何となく聞いたことがある2つの言葉ですが、きちんと違いがわかりますか? 以前のAIの歴史を振り返るコラムでは第三次ブームの火付け役という紹介をしました。この2つキーワードがなぜ、AI再ブームの火付け役となったのか、ここでは一歩踏み込んだ話をしていきましょう。 1.AIとは「赤ちゃん」です AIの良いところはあらゆる過去の膨大なデータを学習して、忖度なく最適な解を示してくれるということです。AIはよく「赤ちゃん」に例えられます。赤ちゃんは親から動きや言葉を学ぶことで、やがて自分で判断できるようになります。生まれたばかりの赤ちゃんが一人では何も出来ないように、AIも何も教えなければ何もできません。AIも赤ちゃんも経験を積めば積むほど、最適な(精度の高い)言葉や動きが出来るようになります。どちらも最適な解(言葉や動き)を出す為には、たくさんたくさん学習していく必要があるのです。 2.機械学習とディープラーニング では、AIではどのように学習していくのでしょうか。AIの場合、学習の方法(目の付け所)を教えてあげる必要があります。目の付け所を教える=「特徴量を定義する」という言い方をします。例えば、りんごが赤りんごか青りんごを画像処理にて判断させる際には、まず①赤りんごと青りんごの2種類のいろいろな写真(学習データ)をAIに覚えさせます。赤りんごと言ってもたくさんの種類がありますよね。次に②「色に着目しなさい」と指示します。するとAIは自ら色を見て、初めて見る写真でも学習データと照らし合わせて赤りんごか青りんごかを判断することが出来ます。 では誰が「色に着目しなさい」と指示するのでしょうか。2つの言葉の違いは「目の付け所(特徴量の定義)を誰が指示するか?」ここがポイントになっていきます。 【機械学習とは】 機械学習は「人が特徴を定義する」技術です。人が目の付け所(特徴量を定義)を教えておくことで、既存の大量のデータをAI自ら解析してルールを見つけ出します。データはより多くあればあるほど精度は高くなっていきます。 つまり、トレーニングによって「特定のタスク」を実行できるようになる技術です。上記においては「りんごの色を見て赤りんごか青りんごか判断する特定のタスク」ということになります。 この手法は、自動で返答するチャットボットや、店舗来客予測など、出力の予測や傾向の発見を伴うプロジェクトで力を発揮します。 【ディープラーニングとは】 一方で、ディープラーニングは「人工知能が学習データから特徴を自動で抽出する」技術です。 機械学習が進化したとも言えるディープラーニングは、たくさんのデータを解析する際、どこに注目すればよいかを「自分で判断」し、人からの指示ではなく自動で学習して賢くなっていきます。機械学習では人が特徴量を定義していた為、人が特徴を判断できない場合(間違えて判断している場合)、AIは上手く判断が出来ません。 ディープラーニングは、そのような特徴を定義するのが難しい時に高い効果を発揮します。 特にディープラーニングは特徴を定義するのが難しい「言葉」を得意としており、主な適用領域は「音声認識」「画像認識」「言語処理」の3点と言われています。 GoogleHomeやiPhoneに搭載されているSiriなどでは、人間の音声を聞き取り、さらにテキストAIで意味を理解する音声認識技術が活用されています。また、画像認識領域では、商品検索や商品の検査工程など物体認識率が向上し、商用利用が拡大しています。言語処理領域では、機械翻訳などへの適応が始まっています。 機械学習とディープラーニングの違いは、分析の対象を区別する際に「特徴量という目の付け所を自動的に見つけ出せるか」という点になります。 3.Googleの猫(ディープラーニング始まりの話) 2012年にGoogle社の研究チームは、YouTubeに投稿された動画(静止画)の中から無作為に1000万枚の画像を取り出してAIに学習させ、人が教えることなくAIが自発的に猫を認識することに成功したことを発表しました。 この研究の最大のポイントは「人がAIに猫という【概念】を教えたわけではない」という点です。これは当時としてはかなり衝撃的なニュースとして取り上げられました。AI自身がYouTube上にある画像のパターンを自ら特徴をづけ、「猫」という言葉を紐づけていき、「猫」というものを自ら覚えていったのです。これまで必要とされた学習データを使うことなく。これは、人間がものを覚える過程とよく似ています。「猫」いうものは、誰から教わったという事でもなく、周りの人が「猫」と呼んでいるものを何度も聞いて特徴を見て、人は「猫」を認識するようになります。 AI領域では、人がAIに学習させた場合を「教師あり学習(学習データあり)」、人が何も教えていない学習を「教師なし学習(学習データなし)」と言います。 Googleの発表は、1000万枚の画像を学習・パターン分析しているうちにAIが画像内の特長を認識し、特定のものについて自動的に認知が出来るようになった初めての「教師なし学習」の実例として世界で注目され、ディープラーニングの可能性が証明された新しい時代の幕開けの瞬間となりました。 4.ディープラーニングにより可能になること 例えば、米国のSentient Technologies社では、商品検索にディープラーニングを使用しています。靴や服の好みなど、言葉では言い表すことが難しい「感覚」について、消費者がどの商品を検索しクリックしたかなどの情報を基に、次の商品を提案してくれるシステムです。 また、車の自動運転技術は、ディープラーニングを利用して作られた技術で最も期待されているものの1つと言えます。GPSによる位置情報や車に搭載されたカメラの情報などから、AIが学習し道路状況や渋滞状況を分析します。さらに、それらの情報によりAIが自動的に空間を把握することで、交差点の一時停止や右折・左折などもできるようになります。 ロボット工学の分野もディープラーニングとともに大きく進化しています。前述のように、特定の画像を自動的に認識できるようになった技術は検査工程にも応用されています。 AIによる外観検査について、詳しくはこちらをご参照ください。 https://smart-factory.funaisoken.co.jp/glossary/200925/ ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 中堅・中小製造業 経営者様向け 「AIを活用した業務効率化」最新事例解説レポート この一冊で「AIを活用した業務効率化」の最新事例がわかる! ①類似案件をAIを使って簡単検索 営業・生産計画立案の業務効率 ②生産計画立案を自動最適化・脱属人化 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー https://smart-factory.funaisoken.co.jp/download/210305/

製造業におけるAIの歴史

2020.10.19

製造業の世界において、今後さまざまな形で「AI」の導入・活用シーンが増えていくことが 現在各種メディアによって謳われています。 最近でこそ、「AI」という言葉については、 あらゆるビジネス環境において馴染みが出てきておりますが、 実のところ、AIという概念はこれまでの歴史の過程の中で、 「ブーム」と「下火」になることを繰り返し、現在に至ります。 今回のコラムでは、今後、製造業における「AIの活用」や 「AIとの共存」というテーマを考えていくにあたって、 その基盤となる「AIの歴史」について、簡単にご紹介いたします。 1.第一次AIブーム 第一次AIブームは、1950年代後半~1960年代に起こったと言われています。 この時代におけるAIの具体的な機能としては、 コンピューターによる「推論」や「探索」が実現できるようになったという点が挙げられます。 推論とは ⇒ある事実をもとにして、未知の事柄をおしはかり論じること。 探索とは ⇒蓄積された情報の集合から、特定の情報要求を満たすような情報を探し出すこと。 しかしながら、当時のAIの力の及ぶ範囲としては、 例えばコンピューターによってゲームやパズルを解かせることや、 迷路のゴールを探させる程度のものに留まっていたとされており、 「トイ・プロブレム(おもちゃの問題)」以上の複雑な問題を解くことはできませんでした。 当時の社会における現実的かつ複合的な課題に対しては適応することができず、 AIが社会に果たす役割としては極めて限定的なものになるとのことから、 AIブーム自体は下火となり、その後“冬の時代”が続くことになります。 2.第二次AIブーム 第二次AIブームは、1980年代であると言われています。 この時代に起こった顕著な動きとして、専門家の知識をAIに教え込む 「エキスパートシステム」の開発が目指されたことが挙げられます。 各分野の専門家特有の知識をAIに教え込み、 その道の専門家のごとくAIが振る舞うというプログラムの開発が進みました。 しかしながら、AIへ知識を教え込むにあたって、 膨大な量の情報を人が教え込む必要があったことから、 AIの実社会への適用自体はこの時点でも十分には進みませんでした。 コスト・時間・運用面での課題を十分にクリアできなかったことから、 この時代以降、再びAIは、しばらく“冬の時代”へと突入します。 3.第三次AIブーム 第三次AIブームは、2000年代から現在まで続いていると言われています。 この時代における特筆事項として、 ①「機械学習」が実用化された ②「ディープラーニング」が登場した という大きく2つの技術革新が起こったことが挙げられます。 「機械学習」とは、人工知能のプログラム自身が 自律的に学習する仕組みのことを表します。 ここでいう「学習」の根幹は、 「認識・判断の対象となる物事を分類する」という処理のことですが、 人がAIに対してすべての知識をインプットしなくても、 一定のデータを蓄積すれば、そのデータをもとに機械が学習することによって、 解答の精度を上げるという仕組みがこの時代に発展・浸透してきました。 一方、「ディープラーニング」とは、 「第三次AIブーム到来の火付け役」とも言われており、 位置づけとしては「機械学習の一種」ということになります。 従来型の機械学習は、 人による特徴の定義が多くの場合に必要とされていましたが、 一方で、ディープラーニングの場合は、 人が特徴の定義をしなくても、マシンそのものが自律的に特徴づけを行い、 高い精度のもとに自ら学習を進めていくことができます。 元々、ディープラーニングを活用するためには 膨大な情報を長時間にわたって取り扱う必要があったため、 2000年代初頭の段階ではまだまだ実用的でないという 評価・判断が一定数存在しました。 しかし、2016年以降、ビックデータに関する取り組みの広がりや、 マシンの処理速度の高性能化によって、 ディープラーニングの取り組みが急速に広がっていきました。 大量の学習データを確保できることに加えて、 それらを学習するための時間も大幅に短縮することができるようになったことから、 ディープラーニングの導入・活用の機会が増え、第三次AIブームはさらに過熱しました。 このディープラーニングの登場により、AIは単なる一時的なブームではなく、 社会全体の発展を支えるための重要なツール・基盤としての役割を拡大させていきます。 また、このディープラーニングについては、 ①画像・動画識別力(⇒人でいう“眼”の代わり) ②自然言語・会話制御力(⇒人でいう“耳と口”の代わり) ③物体制御力(⇒人でいう“身体”の代わり) という大きく3つの点でAIの力を高め、 社会の中でのAIの実用範囲を広げたと言われています。 以上、ここまでAIの歴史について簡単にお伝えしてきました。 AIについては今後もさらに技術的な発展が見込める中、 現代の技術として「AIでできること」と「AIでできないこと」を見極めた上で、 ・何のためにAIを活用するのか?(AIの活用目的) ・いかにして自社のビジネスに活用していくか?(AIの活用方法) という2点について、積極的に追求していきたいところです。 (参考文献) 『人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの』 松尾 豊 (著) 『文系AI人材になる―統計・プログラム知識は不要』 野口 竜司 (著) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 中堅・中小製造業 経営者様向け “工場のAI・デジタル化”最新事例解説レポート この1冊で、工場のAI・デジタル化の最新事例がわかる! 【事例①】AI活用を通じて「見積もり業務の標準化・脱属人化」を推進! 【事例②】付加価値を生まない検査工程から人手を開放!AIを活用した外観検査体制の構築! 【事例③】現場に散乱していた生産日報・日常点検表等のペーパーレス化を実現! ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー https://smart-factory.funaisoken.co.jp/download/201208/ 製造業の世界において、今後さまざまな形で「AI」の導入・活用シーンが増えていくことが 現在各種メディアによって謳われています。 最近でこそ、「AI」という言葉については、 あらゆるビジネス環境において馴染みが出てきておりますが、 実のところ、AIという概念はこれまでの歴史の過程の中で、 「ブーム」と「下火」になることを繰り返し、現在に至ります。 今回のコラムでは、今後、製造業における「AIの活用」や 「AIとの共存」というテーマを考えていくにあたって、 その基盤となる「AIの歴史」について、簡単にご紹介いたします。 1.第一次AIブーム 第一次AIブームは、1950年代後半~1960年代に起こったと言われています。 この時代におけるAIの具体的な機能としては、 コンピューターによる「推論」や「探索」が実現できるようになったという点が挙げられます。 推論とは ⇒ある事実をもとにして、未知の事柄をおしはかり論じること。 探索とは ⇒蓄積された情報の集合から、特定の情報要求を満たすような情報を探し出すこと。 しかしながら、当時のAIの力の及ぶ範囲としては、 例えばコンピューターによってゲームやパズルを解かせることや、 迷路のゴールを探させる程度のものに留まっていたとされており、 「トイ・プロブレム(おもちゃの問題)」以上の複雑な問題を解くことはできませんでした。 当時の社会における現実的かつ複合的な課題に対しては適応することができず、 AIが社会に果たす役割としては極めて限定的なものになるとのことから、 AIブーム自体は下火となり、その後“冬の時代”が続くことになります。 2.第二次AIブーム 第二次AIブームは、1980年代であると言われています。 この時代に起こった顕著な動きとして、専門家の知識をAIに教え込む 「エキスパートシステム」の開発が目指されたことが挙げられます。 各分野の専門家特有の知識をAIに教え込み、 その道の専門家のごとくAIが振る舞うというプログラムの開発が進みました。 しかしながら、AIへ知識を教え込むにあたって、 膨大な量の情報を人が教え込む必要があったことから、 AIの実社会への適用自体はこの時点でも十分には進みませんでした。 コスト・時間・運用面での課題を十分にクリアできなかったことから、 この時代以降、再びAIは、しばらく“冬の時代”へと突入します。 3.第三次AIブーム 第三次AIブームは、2000年代から現在まで続いていると言われています。 この時代における特筆事項として、 ①「機械学習」が実用化された ②「ディープラーニング」が登場した という大きく2つの技術革新が起こったことが挙げられます。 「機械学習」とは、人工知能のプログラム自身が 自律的に学習する仕組みのことを表します。 ここでいう「学習」の根幹は、 「認識・判断の対象となる物事を分類する」という処理のことですが、 人がAIに対してすべての知識をインプットしなくても、 一定のデータを蓄積すれば、そのデータをもとに機械が学習することによって、 解答の精度を上げるという仕組みがこの時代に発展・浸透してきました。 一方、「ディープラーニング」とは、 「第三次AIブーム到来の火付け役」とも言われており、 位置づけとしては「機械学習の一種」ということになります。 従来型の機械学習は、 人による特徴の定義が多くの場合に必要とされていましたが、 一方で、ディープラーニングの場合は、 人が特徴の定義をしなくても、マシンそのものが自律的に特徴づけを行い、 高い精度のもとに自ら学習を進めていくことができます。 元々、ディープラーニングを活用するためには 膨大な情報を長時間にわたって取り扱う必要があったため、 2000年代初頭の段階ではまだまだ実用的でないという 評価・判断が一定数存在しました。 しかし、2016年以降、ビックデータに関する取り組みの広がりや、 マシンの処理速度の高性能化によって、 ディープラーニングの取り組みが急速に広がっていきました。 大量の学習データを確保できることに加えて、 それらを学習するための時間も大幅に短縮することができるようになったことから、 ディープラーニングの導入・活用の機会が増え、第三次AIブームはさらに過熱しました。 このディープラーニングの登場により、AIは単なる一時的なブームではなく、 社会全体の発展を支えるための重要なツール・基盤としての役割を拡大させていきます。 また、このディープラーニングについては、 ①画像・動画識別力(⇒人でいう“眼”の代わり) ②自然言語・会話制御力(⇒人でいう“耳と口”の代わり) ③物体制御力(⇒人でいう“身体”の代わり) という大きく3つの点でAIの力を高め、 社会の中でのAIの実用範囲を広げたと言われています。 以上、ここまでAIの歴史について簡単にお伝えしてきました。 AIについては今後もさらに技術的な発展が見込める中、 現代の技術として「AIでできること」と「AIでできないこと」を見極めた上で、 ・何のためにAIを活用するのか?(AIの活用目的) ・いかにして自社のビジネスに活用していくか?(AIの活用方法) という2点について、積極的に追求していきたいところです。 (参考文献) 『人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの』 松尾 豊 (著) 『文系AI人材になる―統計・プログラム知識は不要』 野口 竜司 (著) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 中堅・中小製造業 経営者様向け “工場のAI・デジタル化”最新事例解説レポート この1冊で、工場のAI・デジタル化の最新事例がわかる! 【事例①】AI活用を通じて「見積もり業務の標準化・脱属人化」を推進! 【事例②】付加価値を生まない検査工程から人手を開放!AIを活用した外観検査体制の構築! 【事例③】現場に散乱していた生産日報・日常点検表等のペーパーレス化を実現! ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー https://smart-factory.funaisoken.co.jp/download/201208/

コロナ禍で求められるAI・デジタル活用による業務改革

2020.10.05

1.今、直面している日本の人材不足 日本の人口は、2009年をピークに毎年減少し続けています。総務省によると、2020年1月1日現在の日本の人口は1億2602万人、そのうち15~64歳の人口は7513万人となり、これは全体の約60%の人が労働人口として該当することを示します。また、国立社会保障・人口問題研究所の生産年齢人口の調査によると、2015年には7,728万人いた労働世代の人口が、2029年には7,000万人、2056年には5,000万人を割り込むと予測されています。 さらに、少子高齢化による労働人口の減少により、有効求人倍率も上昇しています。有効求人倍率とは、就職希望者一人当たりに何件の求人があるかを表した数値のことです。厚生労働省によると、2009年度から2019年までに有効求人倍率は10年連続で上昇しています。2019年度の有効求人倍率1.55倍に比べ、2020年度は新型コロナウイルスによる影響で1.08倍まで低下しましたが、人口が減っている以上、人材不足問題は更に大きくなっていくことが予想されます。 また、中小企業庁が発表する「中小企業白書」によると、1986年時点では、ほぼすべての地域で製造業の従業者が最多でした。しかし、2014年時点では、小売業やサービス業の労働者数が最多となる市町村が増加し、製造業からサービス業へと産業構造が変化していることも大きな問題です。 2.Withコロナで求められる本気の業務改革 業務改革と言えば、2016年8月に閣議決定した「働き方改革」より、プライベートの時間を大切にする価値観が広まり、労働者側の価値観の変化と多様化が進みました。 働き方改革の目的の一つは、今年に開催される予定だった東京オリンピックの初日をテレワーク・デイとして、企業への在宅や本社以外のオフィスでの勤務を呼び掛け、通勤者を減らし、東京オリンピックの期間中に観戦者が朝のラッシュ時に移動できるような環境作りをするというものでした。しかし、コロナをきっかけに多くの企業が半ば強制的に従来の仕事のやり方について見直しを迫られました。他人事であったテレワークやそれに伴う社内ツールのデジタル化について避けられない状況に直面した企業は多いでしょう。その中でたくさんの新しい価値観が生まれたことは間違いなく、この価値観は今後の生活・仕事のスタンダードとなっていくでしょう。 仕事の業務についても新しい価値観が生まれました。それはハンコ文化に代表される「業務の簡素化」です。すべてのことに「目の前の業務が本当に意味・価値はあるのか」と立ち止まって考える習慣が生まれました。意味がなければ廃止する。無駄だと感じてきた人力でアナログな作業はデジタル化に移行して効率化しようといった考え方をする人が多くなりました。 このような考え方をする人が多くなってきた中で、企業としてその波に乗れない企業は大きなリスクは抱えることになるでしょう。それは、デジタル化により業務効率化が図れないリスクではありません。最も重要なリスクは「社員のモチベーションの低下」です。今、デジタル化に対する社員の目は敏感です。自社がデジタル化に対応してくれないと感じれば、会社への信頼は揺らぎ、個々人のやる気は失われていくでしょう。逆に会社としてデジタル化に積極的な姿勢を見せれば、社員は「会社が社員のことを考えてくれている」と感じ、積極的に仕事に取り組むようになります。デジタル化への姿勢とは、効率化の数値に見えないところで社員に影響していくものです。 3.各業界の取り組み では、今各業界ではどのような取り組みがなされているのでしょうか。実例を挙げて見ていきましょう。少ない人材を効率よく回しながら従業員の満足度を上げるための第一歩として、マニュアル化された定型度の高い業務の自動化が挙げられます。そこには、人間の知的なふるまいを人工的に再現することができる「AI」が活用されています。ここでは、デジタル化の中でもAIを活用したシステムを紹介していきます。 例えば銀行では、取引時に印鑑票という顧客の印影や個人情報を記載した書類を利用します。実際、とある銀行では、数億ページの印鑑票を複数の倉庫に保管し、必要に応じて専用端末から参照していたのですが、書類の電子化は進んでおらず事務処理に膨大な時間がかかっていたそうです。その書類を、光学的文字認識(OCR)という書面上の文字を読み取り電子化するAI技術(AIOCR)を用いて電子化したことで、大幅に業務が効率化したことが報告されています。 また、弊社船井総合研究所では、人材の採用にAIを活用しています。AIによって、似た志向を持つ、相性の良いコンサルタントをマッチングさせ、面接官ではなくリクルーターとして内定までを応援しています。面接官がすべての学生からの質問を担当するのではなく、選定されたコンサルタントに選考に関しての質問や悩みを相談できるので、入社してからの意識の乖離を減少させることができるだけでなく、お互いが効率よく時間を使うことができます。 他にも、AIチャットボットによりお問い合わせ業務担当者の人員を削減、営業手段の1つであるTwitterへの投稿代行、製造現場では不良発生傾向を自動分類するなどAIでできることは多岐に渡ります。 4.AIが社会基盤を構築するようになった世界 AIによって雇用が奪われる危険性があるとの指摘があります。しかし、それは悲観的な見方であり、実際は期待される要素の方が多くあります。「人員不足が加速する中、AIで出来ることはAIに置きかえ、浮いた時間・人員を本来行うべき付加価値の高い仕事に充てる」という考えが近い将来には主流になっていきます。残念ながら今は長時間労働が前提とした働き方が多いですが、長時間労働のすべてが付加価値の高い仕事ではないはずです。「人がやるべき仕事」「AIにやらせる仕事」の役割分担がより明確になっていく中で、生産性の低い作業は自然になくなっていくでしょう。勘違いしてはいけないのは、AIは大企業だけが導入しているわけではありません。企業規模に関係なくAIを取り入れている企業は多くおります。テレワークが他人事ではなくなったように、AIも他人事ではありません。人口が減少していく日本社会において、AIは 我々の生活・仕事隅々にまで恩恵を与えることでしょう。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 中堅・中小製造業 経営者様向け “工場のAI・デジタル化”最新事例解説レポート この1冊で、工場のAI・デジタル化の最新事例がわかる! 【事例①】AI活用を通じて「見積もり業務の標準化・脱属人化」を推進! 【事例②】付加価値を生まない検査工程から人手を開放!AIを活用した外観検査体制の構築! 【事例③】現場に散乱していた生産日報・日常点検表等のペーパーレス化を実現! ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー https://smart-factory.funaisoken.co.jp/download/201208/ 1.今、直面している日本の人材不足 日本の人口は、2009年をピークに毎年減少し続けています。総務省によると、2020年1月1日現在の日本の人口は1億2602万人、そのうち15~64歳の人口は7513万人となり、これは全体の約60%の人が労働人口として該当することを示します。また、国立社会保障・人口問題研究所の生産年齢人口の調査によると、2015年には7,728万人いた労働世代の人口が、2029年には7,000万人、2056年には5,000万人を割り込むと予測されています。 さらに、少子高齢化による労働人口の減少により、有効求人倍率も上昇しています。有効求人倍率とは、就職希望者一人当たりに何件の求人があるかを表した数値のことです。厚生労働省によると、2009年度から2019年までに有効求人倍率は10年連続で上昇しています。2019年度の有効求人倍率1.55倍に比べ、2020年度は新型コロナウイルスによる影響で1.08倍まで低下しましたが、人口が減っている以上、人材不足問題は更に大きくなっていくことが予想されます。 また、中小企業庁が発表する「中小企業白書」によると、1986年時点では、ほぼすべての地域で製造業の従業者が最多でした。しかし、2014年時点では、小売業やサービス業の労働者数が最多となる市町村が増加し、製造業からサービス業へと産業構造が変化していることも大きな問題です。 2.Withコロナで求められる本気の業務改革 業務改革と言えば、2016年8月に閣議決定した「働き方改革」より、プライベートの時間を大切にする価値観が広まり、労働者側の価値観の変化と多様化が進みました。 働き方改革の目的の一つは、今年に開催される予定だった東京オリンピックの初日をテレワーク・デイとして、企業への在宅や本社以外のオフィスでの勤務を呼び掛け、通勤者を減らし、東京オリンピックの期間中に観戦者が朝のラッシュ時に移動できるような環境作りをするというものでした。しかし、コロナをきっかけに多くの企業が半ば強制的に従来の仕事のやり方について見直しを迫られました。他人事であったテレワークやそれに伴う社内ツールのデジタル化について避けられない状況に直面した企業は多いでしょう。その中でたくさんの新しい価値観が生まれたことは間違いなく、この価値観は今後の生活・仕事のスタンダードとなっていくでしょう。 仕事の業務についても新しい価値観が生まれました。それはハンコ文化に代表される「業務の簡素化」です。すべてのことに「目の前の業務が本当に意味・価値はあるのか」と立ち止まって考える習慣が生まれました。意味がなければ廃止する。無駄だと感じてきた人力でアナログな作業はデジタル化に移行して効率化しようといった考え方をする人が多くなりました。 このような考え方をする人が多くなってきた中で、企業としてその波に乗れない企業は大きなリスクは抱えることになるでしょう。それは、デジタル化により業務効率化が図れないリスクではありません。最も重要なリスクは「社員のモチベーションの低下」です。今、デジタル化に対する社員の目は敏感です。自社がデジタル化に対応してくれないと感じれば、会社への信頼は揺らぎ、個々人のやる気は失われていくでしょう。逆に会社としてデジタル化に積極的な姿勢を見せれば、社員は「会社が社員のことを考えてくれている」と感じ、積極的に仕事に取り組むようになります。デジタル化への姿勢とは、効率化の数値に見えないところで社員に影響していくものです。 3.各業界の取り組み では、今各業界ではどのような取り組みがなされているのでしょうか。実例を挙げて見ていきましょう。少ない人材を効率よく回しながら従業員の満足度を上げるための第一歩として、マニュアル化された定型度の高い業務の自動化が挙げられます。そこには、人間の知的なふるまいを人工的に再現することができる「AI」が活用されています。ここでは、デジタル化の中でもAIを活用したシステムを紹介していきます。 例えば銀行では、取引時に印鑑票という顧客の印影や個人情報を記載した書類を利用します。実際、とある銀行では、数億ページの印鑑票を複数の倉庫に保管し、必要に応じて専用端末から参照していたのですが、書類の電子化は進んでおらず事務処理に膨大な時間がかかっていたそうです。その書類を、光学的文字認識(OCR)という書面上の文字を読み取り電子化するAI技術(AIOCR)を用いて電子化したことで、大幅に業務が効率化したことが報告されています。 また、弊社船井総合研究所では、人材の採用にAIを活用しています。AIによって、似た志向を持つ、相性の良いコンサルタントをマッチングさせ、面接官ではなくリクルーターとして内定までを応援しています。面接官がすべての学生からの質問を担当するのではなく、選定されたコンサルタントに選考に関しての質問や悩みを相談できるので、入社してからの意識の乖離を減少させることができるだけでなく、お互いが効率よく時間を使うことができます。 他にも、AIチャットボットによりお問い合わせ業務担当者の人員を削減、営業手段の1つであるTwitterへの投稿代行、製造現場では不良発生傾向を自動分類するなどAIでできることは多岐に渡ります。 4.AIが社会基盤を構築するようになった世界 AIによって雇用が奪われる危険性があるとの指摘があります。しかし、それは悲観的な見方であり、実際は期待される要素の方が多くあります。「人員不足が加速する中、AIで出来ることはAIに置きかえ、浮いた時間・人員を本来行うべき付加価値の高い仕事に充てる」という考えが近い将来には主流になっていきます。残念ながら今は長時間労働が前提とした働き方が多いですが、長時間労働のすべてが付加価値の高い仕事ではないはずです。「人がやるべき仕事」「AIにやらせる仕事」の役割分担がより明確になっていく中で、生産性の低い作業は自然になくなっていくでしょう。勘違いしてはいけないのは、AIは大企業だけが導入しているわけではありません。企業規模に関係なくAIを取り入れている企業は多くおります。テレワークが他人事ではなくなったように、AIも他人事ではありません。人口が減少していく日本社会において、AIは 我々の生活・仕事隅々にまで恩恵を与えることでしょう。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 中堅・中小製造業 経営者様向け “工場のAI・デジタル化”最新事例解説レポート この1冊で、工場のAI・デジタル化の最新事例がわかる! 【事例①】AI活用を通じて「見積もり業務の標準化・脱属人化」を推進! 【事例②】付加価値を生まない検査工程から人手を開放!AIを活用した外観検査体制の構築! 【事例③】現場に散乱していた生産日報・日常点検表等のペーパーレス化を実現! ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー https://smart-factory.funaisoken.co.jp/download/201208/

AI搭載ロボットコントローラーによるロボット制御の事例と解説

2020.07.14

近年、AIを搭載したロボットコントローラーの需要が高まっています。 今回はその「AI搭載ロボットコントローラー」について事例を交えて解説します。 1.ロボットティーチングの現状と課題 ロボットを動かすために必要な作業が「ティーチング」です。 ティーチング作業は非常に複雑、かつ専門知識を要する作業であり、専門のロボットプログラマーが行うのが一般的です。 ロボットを動かすにはペンダント(操作パネル)を使います。 このペンダントでティーチングの修正や動作確認を行っていくのですが、一般的に使用されているペンダントの画面はプログラムが羅列された文字だらけの画面であり非常に複雑です。 このプログラム画面からロボットの動きを想像するのは容易ではありません。そのため工場の現場レベルでティーチングを行うことはほぼ不可能なのが現状となっています。 2.AI搭載ロボットコントローラーによる制御とは そのような背景で近年注目されているのが「AI搭載ロボットコントローラー」です。 通常のロボットコントローラーと比較すると、大きく3つのメリットがあります。 ①ティーチング作業が簡単 ②生産性向上 ③操作性、メンテナンス性の向上 まず、一番のメリットはティーチング作業が圧倒的に簡単であることです。ワークのピンキング位置、ワークの置き位置、を指定するだけで後はAIが自動で判断してロボットの軌跡を生成します。 この時、あらかじめ登録した障害物との干渉を回避しつつ最適な動きをAIが自動で生成してくれます。 次に生産性向上です。 従来のティーチング作業では人間のような滑らかな動きをロボットで表現することは困難でした。 しかし、AI搭載ロボットコントローラーでは先にも記載した通り、AIが最適な動きを自動で生成します。 それにより、従来のような何点ものティーチングポイントを経由する動きと比べるとサイクルタイムが大幅に改善されます。 最後に、メンテナンス性・操作性の向上です。 通常のコントローラーではロボットメーカーごとにコントローラーが異なるため違うメーカーのロボットを導入する度に新しい操作方法を覚える必要がありました。 近年開発されているAI搭載ロボットコントローラーの中には、メーカーを選ばずどんなメーカーのロボットも直接制御できる物もあります。 それにより、操作も覚えやすく、メンテナンス方法も統一されるので操作ミスによるトラブルや「チョコ停」時の復旧時間短縮にも繋がり、結果として生産性も向上します。 3.事例と解説 では、具体的にどのような場面において導入されているのでしょうか。 事例を交えて解説していきます。 ・事例①自動車部品バラ積みピッキング コンテナのような深い箱に無作為に投入されているシャフトやギヤのようなワークを3Dビジョンシステムと組み合わせてピッキングし次工程(例えばバリ取り装置など)にワークセットするシステムが実装されています。この場合における圧倒的なメリットはやはり「バラ積みピッキング」が可能となったことです。 本来であればピッキングするワークは治具等を用いて綺麗に整列して並べて置く必要がありました。 3DビジョンとAIを組み合わせることで、箱の中にある様々なワークの姿勢を判断し、最適な掴み位置を自動で判断してピッキングします。 さらに、箱の底付近のワークをピッキングする際にはロボットと箱の干渉が懸念されますが、それも干渉の無い姿勢をAIが判断して最適な姿勢と軌跡で動きます。ピッキング後の動作もまるで人間が物を手で運ぶようにスムーズな動きを実現し、従来のティーチングによる動きと比べるとサイクルタイムが大幅に減少しています。 人間が行う場合と変わらないスピードで(むしろ、より速く)ロボットが無人で作業を続ける、これを2台、3台と展開していくことにより3名で作業していた工程が2名に、2名で作業していた工程が1名に、1名が付きっ切りだった工程が無人に、と工場の省人化が進んでいきます。 事例②物流倉庫における多品種ケースの荷下ろし作業 物流倉庫において、毎日大量に納品される商品をパレットから仕分け用のコンベアに載せ替える作業があり、これまでは全て手作業で行ってきました。しかし、高さのある積み荷や、時には20kg近いケースもあり作業員の負担となっていました。 この場合においてロボット化の問題となるのが、ランダムにケースが積まれている場合です。 従来のロボットコントローラーではランダムに積まれているケースをロボットで取ろうとした場合には、一つ一つ品種登録し、様々なパターンをプログラムし、と膨大な時間と費用がかかってしまいます。 そのように工数をかけてもあらかじめ設定したパターン以外ではロボットは動けません。要するに現実的には実現不可能となります。 そこで採用されたのがAI搭載ロボットコントローラーと3Dビジョンシステムを組み合わせたデパレタイズ(荷下ろし)システムです。事例①と同様に、AIと3Dビジョンを組み合わせることでランダムに積み重ねられたケースの荷下ろしが可能となりました。 このように、作業員に負荷の高い作業をロボットに行わせ、手の空いた作業員にはより付加価値の高い作業にシフトしてもらうというのもロボット化の目指すべきところです。 4.まとめ いかかがでしたでしょうか? ロボット導入による省人化=従業員数を減らす、ではありません。 その空いた工数を、AI・ロボットの管理メンテナンス人員として育てる、新たなAI・ロボットシステムを作っていく未来ある人材(人財)として育てる。さらにそのような分野の採用を強化し会社を育てる。 中小製造業の目指すべきAI、ロボット導入の本質はそこにあるのかもしれません。 「AIとロボット、なんか難しそう、、」 「どうせ大手じゃなきゃ導入できないんでしょ、、」 「うちは中小で資金力が無いから、、」 そう思われた方もいらっしゃるかもしれません。が、そんなことはありません。 Withコロナ時代における企業の優位性を確保するため、優秀な人材(人財)を確保するため、最先端のAI搭載ロボットコントローラーの導入を検討してみてはいかがでしょうか? ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 自動化・ロボット化事例集 vol.2 本事例集は、全国の先進的な工場が取り組む「自動化・ロボット化」の事例をまとめたものとなります。 これから自動化・ロボット化に取組もうと考える皆さまに、 「工場にロボット・IoTを導入する」ための具体的なノウハウを、 事例を通して知っていただくことを目的に作成しました。 ※こちらの事例集は、導入を検討している工場の担当者様限定となっております。 同業他社、メーカーや商社、SI事業者の方にはご送付をお断わりさせていただいております。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー https://smart-factory.funaisoken.co.jp/download/automation-robotization-examples-02/ 近年、AIを搭載したロボットコントローラーの需要が高まっています。 今回はその「AI搭載ロボットコントローラー」について事例を交えて解説します。 1.ロボットティーチングの現状と課題 ロボットを動かすために必要な作業が「ティーチング」です。 ティーチング作業は非常に複雑、かつ専門知識を要する作業であり、専門のロボットプログラマーが行うのが一般的です。 ロボットを動かすにはペンダント(操作パネル)を使います。 このペンダントでティーチングの修正や動作確認を行っていくのですが、一般的に使用されているペンダントの画面はプログラムが羅列された文字だらけの画面であり非常に複雑です。 このプログラム画面からロボットの動きを想像するのは容易ではありません。そのため工場の現場レベルでティーチングを行うことはほぼ不可能なのが現状となっています。 2.AI搭載ロボットコントローラーによる制御とは そのような背景で近年注目されているのが「AI搭載ロボットコントローラー」です。 通常のロボットコントローラーと比較すると、大きく3つのメリットがあります。 ①ティーチング作業が簡単 ②生産性向上 ③操作性、メンテナンス性の向上 まず、一番のメリットはティーチング作業が圧倒的に簡単であることです。ワークのピンキング位置、ワークの置き位置、を指定するだけで後はAIが自動で判断してロボットの軌跡を生成します。 この時、あらかじめ登録した障害物との干渉を回避しつつ最適な動きをAIが自動で生成してくれます。 次に生産性向上です。 従来のティーチング作業では人間のような滑らかな動きをロボットで表現することは困難でした。 しかし、AI搭載ロボットコントローラーでは先にも記載した通り、AIが最適な動きを自動で生成します。 それにより、従来のような何点ものティーチングポイントを経由する動きと比べるとサイクルタイムが大幅に改善されます。 最後に、メンテナンス性・操作性の向上です。 通常のコントローラーではロボットメーカーごとにコントローラーが異なるため違うメーカーのロボットを導入する度に新しい操作方法を覚える必要がありました。 近年開発されているAI搭載ロボットコントローラーの中には、メーカーを選ばずどんなメーカーのロボットも直接制御できる物もあります。 それにより、操作も覚えやすく、メンテナンス方法も統一されるので操作ミスによるトラブルや「チョコ停」時の復旧時間短縮にも繋がり、結果として生産性も向上します。 3.事例と解説 では、具体的にどのような場面において導入されているのでしょうか。 事例を交えて解説していきます。 ・事例①自動車部品バラ積みピッキング コンテナのような深い箱に無作為に投入されているシャフトやギヤのようなワークを3Dビジョンシステムと組み合わせてピッキングし次工程(例えばバリ取り装置など)にワークセットするシステムが実装されています。この場合における圧倒的なメリットはやはり「バラ積みピッキング」が可能となったことです。 本来であればピッキングするワークは治具等を用いて綺麗に整列して並べて置く必要がありました。 3DビジョンとAIを組み合わせることで、箱の中にある様々なワークの姿勢を判断し、最適な掴み位置を自動で判断してピッキングします。 さらに、箱の底付近のワークをピッキングする際にはロボットと箱の干渉が懸念されますが、それも干渉の無い姿勢をAIが判断して最適な姿勢と軌跡で動きます。ピッキング後の動作もまるで人間が物を手で運ぶようにスムーズな動きを実現し、従来のティーチングによる動きと比べるとサイクルタイムが大幅に減少しています。 人間が行う場合と変わらないスピードで(むしろ、より速く)ロボットが無人で作業を続ける、これを2台、3台と展開していくことにより3名で作業していた工程が2名に、2名で作業していた工程が1名に、1名が付きっ切りだった工程が無人に、と工場の省人化が進んでいきます。 事例②物流倉庫における多品種ケースの荷下ろし作業 物流倉庫において、毎日大量に納品される商品をパレットから仕分け用のコンベアに載せ替える作業があり、これまでは全て手作業で行ってきました。しかし、高さのある積み荷や、時には20kg近いケースもあり作業員の負担となっていました。 この場合においてロボット化の問題となるのが、ランダムにケースが積まれている場合です。 従来のロボットコントローラーではランダムに積まれているケースをロボットで取ろうとした場合には、一つ一つ品種登録し、様々なパターンをプログラムし、と膨大な時間と費用がかかってしまいます。 そのように工数をかけてもあらかじめ設定したパターン以外ではロボットは動けません。要するに現実的には実現不可能となります。 そこで採用されたのがAI搭載ロボットコントローラーと3Dビジョンシステムを組み合わせたデパレタイズ(荷下ろし)システムです。事例①と同様に、AIと3Dビジョンを組み合わせることでランダムに積み重ねられたケースの荷下ろしが可能となりました。 このように、作業員に負荷の高い作業をロボットに行わせ、手の空いた作業員にはより付加価値の高い作業にシフトしてもらうというのもロボット化の目指すべきところです。 4.まとめ いかかがでしたでしょうか? ロボット導入による省人化=従業員数を減らす、ではありません。 その空いた工数を、AI・ロボットの管理メンテナンス人員として育てる、新たなAI・ロボットシステムを作っていく未来ある人材(人財)として育てる。さらにそのような分野の採用を強化し会社を育てる。 中小製造業の目指すべきAI、ロボット導入の本質はそこにあるのかもしれません。 「AIとロボット、なんか難しそう、、」 「どうせ大手じゃなきゃ導入できないんでしょ、、」 「うちは中小で資金力が無いから、、」 そう思われた方もいらっしゃるかもしれません。が、そんなことはありません。 Withコロナ時代における企業の優位性を確保するため、優秀な人材(人財)を確保するため、最先端のAI搭載ロボットコントローラーの導入を検討してみてはいかがでしょうか? ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 自動化・ロボット化事例集 vol.2 本事例集は、全国の先進的な工場が取り組む「自動化・ロボット化」の事例をまとめたものとなります。 これから自動化・ロボット化に取組もうと考える皆さまに、 「工場にロボット・IoTを導入する」ための具体的なノウハウを、 事例を通して知っていただくことを目的に作成しました。 ※こちらの事例集は、導入を検討している工場の担当者様限定となっております。 同業他社、メーカーや商社、SI事業者の方にはご送付をお断わりさせていただいております。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー https://smart-factory.funaisoken.co.jp/download/automation-robotization-examples-02/

産業用ロボットの4つのティーチング種類と解説

2020.04.24

▼無料ダウンロードはこちらをクリック 産業用ロボット導入だけで終わっていませんか? 近年、工場のロボット化は製造業種を問わず、様々な分野で進んできております。大企業だけでなく中小企業においてもロボット化・自動化が導入されています。しかしながら、ロボット導入したら終わり、自動化が自然に実現でき、生産性を高められる訳ではありません。 周知の事実の通り、ロボットはプログラミングを行うことにより動作を制御しています。 中小企業のように多品種でありながら、ロット数が少量であるということは生産工程が逐次変化するということを表しています。そのため変化が多い中小企業のロボット化では”ティーチング“という作業が重要になっていきます。 一体“ティーチング”とは何なのか? 簡単に一言で表すと、「ロボットに望む動作を教えること」です。 動作を教える方法は様々な種類があります。 ティーチングの種類と概要について簡単に説明していきます。 産業用ロボットのティーチングの種類とその概要 前項で述べたティーチングですが、その方法は様々です。 現在一般的なティーチングの種類としては、以下の4つの種類が挙げられます。 1.オフラインティーチング 2.オンラインティーチング(ティーチング・プレイバック) 3.ダイレクトティーチング 4.AIによるティーチングレス より大きく分類すると下記になります。 ◆ロボットに直接触れることなくティーチング(間接教示)する 1.オフラインティーチング 2.オンラインティーチング(ティーチング・プレイバック) ◆ロボットに直接触れながらティーチング(直接教示)する 3.ダイレクトティーチング ◆ティーチング作業をAIにより行う 4.AIによるティーチングレス 本ページでは一般的な教示方法である 間接教示法と直接教示法について述べていきます。 その前にまず、 本項ではそれぞれのティーチング方法を表にまとめてみました。 ティーチングの種類 概要 オフラインティーチング(間接教示法) テキスト型 ロボットの動きの元となる、プログラムをテキストエディット用のソフトウェアで直接記入します。複雑な動きのプログラムには向かないため、簡単な動きをするロボットに用いられます。 シミュレータ型 ロボット言語のアップロードや、ダウンロードなどのデータのやり取りが可能です。ロボット言語を変換することができるため、各社のロボットに対応することが可能です。 エミュレータ型 教示者にとってティーチングが容易であるため、多くの産業用ロボットに採用されています。ロボット言語を用いて動作をプログラムし、直接実行させるティーチング方法となるためプログラム精度が高いという利点があります。 自動ティーチングシステム CADデータから加工プログラムを自動的に作成するシステムです。技術的な難易度の高さから、まだ導入例は多くないと言われています。 オンラインティーチング (ティーチング・プレイバック) 間接教示法 教示者が直接ロボット本体を動かすことにより動きを教示する方法になります。導入が増加している協働ロボットのティーチングではこの方法が多く採用されています。教示者が可動部を動かし、動作を記録させることで、より直観的にティーチングすることを可能にします。 AIによるティーチングレス ティーチング作業は属人的なものでありましたが、近年AIの自己学習機能を活用したティーチングレス化が進んでいます。オフラインティーチングにて行ったプログラミング作業に加え、オンラインティーチングで修正を繰り返すことで高品質の作業をミスなく高速で行うことが可能となります。 自社にはどの教示方法が適しているのか? では、自社がロボットを導入し、自動化を実現するためにはどのような教示法、あるいはティーチングを行えるロボットが適しているのかということで悩まれると思います。 ・間接教示法に適した作業工程 ・直接教示法に適した作業工程 上記に分けて説明していきます。 まず、間接教示法と直接教示法のそれぞれが許容できる 作業工程を包含関係で表してみたいと思います。 上記のように直接教示法にできる作業工程が限られることが分かります。 では、包含関係を考慮したうえで直接教示法にはどのような作業工程が向いているのかを説明していきます。 直接教示法に適した作業工程とは? 直接教示法とは、ロボットを直接動かすことによって動作を教示する方法になります。この教示方法はロボットの動作に対して比較的精密度が求められない作業において用いることが一般的となります。 具体的には、以下のような作業工程において用いられております。 ・ネジ締め作業工程 ・組立て作業工程 ・部品の仕分け工程 ・整列工程 ・箱詰め工程 ・ピッキング工程 ・搬送工程 ・検査工程 ・測定工程 間接教示法に適した作業工程とは? 間接教示法は、精密度が求められる工程においても対応することが可能となります。 これは、人の手によるティーチングではなく機械を用いたプログラミングを行うことにより、精度を高めることが可能となるからです。 これらの教示方法により可能となる作業工程は 以下のような作業があります。 ・溶接 ・バリ取り ・シーリング ・ローラーヘム ・カット ・穴あけ ・溶射 ・塗装 ・洗浄 ・搬送(軽量でないもの) 上記のような作業は勿論のこと、前述した包含関係の図からも、この間接教示法は直接教示法による作業もカバーすることが可能です。 間接教示法の中でもペンダントを使用する為に最も初期投資が掛からない方法です。 高頻度での教示の修正や複雑な軌道のロボットパスを生成する必要が無い場合はこちらがおすすめです。 しかし、一度の教示に掛かる時間は教示と動作確認と修正で数日間かかる場合も多く、教示を行う技術者の力量にも大きく差が出てくるので注意が必要です。 またオフラインティーチング法ではパソコンのソフトウェアを用いる必要があるので、初期投資が掛かります。ソフトウェアの購入費用として初期投資300万円~程掛かる事もめずらしく有りません。 立体的な形状のワークにそって軌道を作る時や、複雑な形状、多台のロボットの複合作業などの難易度の高い教示作業や、高頻度の品種追加、寸法変更などのマイナーチェンジが発生する場合に非常に有効です。また作業者の力量に左右されずにロボットパスを生成できる事も魅力です。 まとめ 本ページでは2つの教示方法と、ティーチングの種類について説明してきました。 間接教示法は直接教示法が可能とする作業工程を包含していることから汎用性が高い教示方法であることがわかります。 これを考えると、「間接教示法だけで良いのでは?」と、思われるかもしれません。 しかし、直接教示法では、ティーチングペンダントを用いることなく教示者が直接ロボットにティーイングすることが可能であるということから間接的な教示法よりもティーチングが簡単です。つまりはティーチングに掛かる作業時間を短縮することができるため、生産性が高くなるというメリットも考えられます。 このように、それぞれの作業工程に適した教示方法があることを理解すると自社におけるロボット選定や導入した後の運用面が明らかになり、ロボット化・自動化のイメージが着きやすくなると思います。 さらに、本サイトではティーチングの種類や教示方法だけでなく、それぞれの業種やその工程に特化したロボットについて様々な事例をもとに解説しております。 他社事例をご覧になって頂けるとより自社に適したロボットがどのようなものか理解を深めることが出来ると思います。 是非、自社のロボットにおける導入検討のために御一読いただければと思います。 ▼無料ダウンロードはこちらをクリック   [sc name="automation-robot"][/sc] ▼無料ダウンロードはこちらをクリック 産業用ロボット導入だけで終わっていませんか? 近年、工場のロボット化は製造業種を問わず、様々な分野で進んできております。大企業だけでなく中小企業においてもロボット化・自動化が導入されています。しかしながら、ロボット導入したら終わり、自動化が自然に実現でき、生産性を高められる訳ではありません。 周知の事実の通り、ロボットはプログラミングを行うことにより動作を制御しています。 中小企業のように多品種でありながら、ロット数が少量であるということは生産工程が逐次変化するということを表しています。そのため変化が多い中小企業のロボット化では”ティーチング“という作業が重要になっていきます。 一体“ティーチング”とは何なのか? 簡単に一言で表すと、「ロボットに望む動作を教えること」です。 動作を教える方法は様々な種類があります。 ティーチングの種類と概要について簡単に説明していきます。 産業用ロボットのティーチングの種類とその概要 前項で述べたティーチングですが、その方法は様々です。 現在一般的なティーチングの種類としては、以下の4つの種類が挙げられます。 1.オフラインティーチング 2.オンラインティーチング(ティーチング・プレイバック) 3.ダイレクトティーチング 4.AIによるティーチングレス より大きく分類すると下記になります。 ◆ロボットに直接触れることなくティーチング(間接教示)する 1.オフラインティーチング 2.オンラインティーチング(ティーチング・プレイバック) ◆ロボットに直接触れながらティーチング(直接教示)する 3.ダイレクトティーチング ◆ティーチング作業をAIにより行う 4.AIによるティーチングレス 本ページでは一般的な教示方法である 間接教示法と直接教示法について述べていきます。 その前にまず、 本項ではそれぞれのティーチング方法を表にまとめてみました。 ティーチングの種類 概要 オフラインティーチング(間接教示法) テキスト型 ロボットの動きの元となる、プログラムをテキストエディット用のソフトウェアで直接記入します。複雑な動きのプログラムには向かないため、簡単な動きをするロボットに用いられます。 シミュレータ型 ロボット言語のアップロードや、ダウンロードなどのデータのやり取りが可能です。ロボット言語を変換することができるため、各社のロボットに対応することが可能です。 エミュレータ型 教示者にとってティーチングが容易であるため、多くの産業用ロボットに採用されています。ロボット言語を用いて動作をプログラムし、直接実行させるティーチング方法となるためプログラム精度が高いという利点があります。 自動ティーチングシステム CADデータから加工プログラムを自動的に作成するシステムです。技術的な難易度の高さから、まだ導入例は多くないと言われています。 オンラインティーチング (ティーチング・プレイバック) 間接教示法 教示者が直接ロボット本体を動かすことにより動きを教示する方法になります。導入が増加している協働ロボットのティーチングではこの方法が多く採用されています。教示者が可動部を動かし、動作を記録させることで、より直観的にティーチングすることを可能にします。 AIによるティーチングレス ティーチング作業は属人的なものでありましたが、近年AIの自己学習機能を活用したティーチングレス化が進んでいます。オフラインティーチングにて行ったプログラミング作業に加え、オンラインティーチングで修正を繰り返すことで高品質の作業をミスなく高速で行うことが可能となります。 自社にはどの教示方法が適しているのか? では、自社がロボットを導入し、自動化を実現するためにはどのような教示法、あるいはティーチングを行えるロボットが適しているのかということで悩まれると思います。 ・間接教示法に適した作業工程 ・直接教示法に適した作業工程 上記に分けて説明していきます。 まず、間接教示法と直接教示法のそれぞれが許容できる 作業工程を包含関係で表してみたいと思います。 上記のように直接教示法にできる作業工程が限られることが分かります。 では、包含関係を考慮したうえで直接教示法にはどのような作業工程が向いているのかを説明していきます。 直接教示法に適した作業工程とは? 直接教示法とは、ロボットを直接動かすことによって動作を教示する方法になります。この教示方法はロボットの動作に対して比較的精密度が求められない作業において用いることが一般的となります。 具体的には、以下のような作業工程において用いられております。 ・ネジ締め作業工程 ・組立て作業工程 ・部品の仕分け工程 ・整列工程 ・箱詰め工程 ・ピッキング工程 ・搬送工程 ・検査工程 ・測定工程 間接教示法に適した作業工程とは? 間接教示法は、精密度が求められる工程においても対応することが可能となります。 これは、人の手によるティーチングではなく機械を用いたプログラミングを行うことにより、精度を高めることが可能となるからです。 これらの教示方法により可能となる作業工程は 以下のような作業があります。 ・溶接 ・バリ取り ・シーリング ・ローラーヘム ・カット ・穴あけ ・溶射 ・塗装 ・洗浄 ・搬送(軽量でないもの) 上記のような作業は勿論のこと、前述した包含関係の図からも、この間接教示法は直接教示法による作業もカバーすることが可能です。 間接教示法の中でもペンダントを使用する為に最も初期投資が掛からない方法です。 高頻度での教示の修正や複雑な軌道のロボットパスを生成する必要が無い場合はこちらがおすすめです。 しかし、一度の教示に掛かる時間は教示と動作確認と修正で数日間かかる場合も多く、教示を行う技術者の力量にも大きく差が出てくるので注意が必要です。 またオフラインティーチング法ではパソコンのソフトウェアを用いる必要があるので、初期投資が掛かります。ソフトウェアの購入費用として初期投資300万円~程掛かる事もめずらしく有りません。 立体的な形状のワークにそって軌道を作る時や、複雑な形状、多台のロボットの複合作業などの難易度の高い教示作業や、高頻度の品種追加、寸法変更などのマイナーチェンジが発生する場合に非常に有効です。また作業者の力量に左右されずにロボットパスを生成できる事も魅力です。 まとめ 本ページでは2つの教示方法と、ティーチングの種類について説明してきました。 間接教示法は直接教示法が可能とする作業工程を包含していることから汎用性が高い教示方法であることがわかります。 これを考えると、「間接教示法だけで良いのでは?」と、思われるかもしれません。 しかし、直接教示法では、ティーチングペンダントを用いることなく教示者が直接ロボットにティーイングすることが可能であるということから間接的な教示法よりもティーチングが簡単です。つまりはティーチングに掛かる作業時間を短縮することができるため、生産性が高くなるというメリットも考えられます。 このように、それぞれの作業工程に適した教示方法があることを理解すると自社におけるロボット選定や導入した後の運用面が明らかになり、ロボット化・自動化のイメージが着きやすくなると思います。 さらに、本サイトではティーチングの種類や教示方法だけでなく、それぞれの業種やその工程に特化したロボットについて様々な事例をもとに解説しております。 他社事例をご覧になって頂けるとより自社に適したロボットがどのようなものか理解を深めることが出来ると思います。 是非、自社のロボットにおける導入検討のために御一読いただければと思います。 ▼無料ダウンロードはこちらをクリック   [sc name="automation-robot"][/sc]