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データドリブンを実現する「考え方」と具体的手法を解説

2021.04.02

「データドリブン」という言葉は主にマーケティング分野で使われている言葉ですが、最近では経営分野でも使われるようになってきました。2018年頃より盛んになった企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)が近年いっそう進んだことや、クラウドやデータ分析技術の進化によって、以前は扱いが困難だった膨大で複雑なビッグデータも分析・活用できるようになってきました。そして、経営の領域においても、これまで蓄積してきたデータを企業活動に生かそうという動きが広がって来ています。 では現状、私たちは経営判断や現場判断などの意思決定をする場合、どのようなことを根拠に判断しているでしょうか。 必要な情報を収集、纏めた上で判断する方、もしくは自らの勘・経験を頼り(いわゆるKKD(勘・経験・度胸))に判断する方もいらっしゃるでしょう。判断するには誰もが、前者であるべきと考えていますが、実際は、判断に活用出来るデータが出来るまでに「データを集計→表やグラフにする」といった作業に多くの労力と時間がかかる為、後者の場合で判断してしまうことも多くあるかと思います。誰もがデータを活用しなければならないと考えている中で、大きなギャップが存在しているという課題があります。 データドリブンはただの「紙→デジタル」の置き換えではありません。 例えば、現場の検査表を紙からタブレット入力にしてデータを保管しておくのは「ただのデジタル化」です。 検査表からデータ分析して設備の点検優先を自動でシステムから提案して人が判断・行動していくのが「データドリブン」です。 このように現場でも積極的データを基に、分析して、判断・行動していくのがあるべき姿です。 そのデータドリブンに移行するにあたりポイントになるのが以下です <クラウドの活用> 蓄積データについてサーバーをどこに構築するかの選択があります。もちろん、社内サーバーもよいですが、初期費用・メンテナンス・セキュリティを考えた場合、クラウド運用は大きなメリットがあります。 「クラウド」とは、クラウドベンダーが用意したITリソースをネットワーク越しに利用し、利用量に応じて料金を支払う方式のことです。サーバー機器を購入せずインターネット上でサーバーを利用するため、物理的な投資はなく、資産管理も必要ありません。つまり、サーバーを管理することが不要であることから、自社での製品アップデート作業やメンテナンスも不要となります。また、クラウドは専門知識がなくてもすぐに始めることができます。 いつでも環境が整っている為、サービスの導入時も設定のみで容易に利用を開始することができます。 詳しくはこちらのページをご参照ください(https://smart-factory.funaisoken.co.jp/glossary/201005/) <ブラウザの活用> 蓄積されたデータを「どこでも」「誰でも」見ることが求められます。 データがあっても「会社に帰って確認します」では効率が悪い。ですよね。 その場でデータから出来ればすぐに回答可能ですが、データが見えないだけで数日間進捗が遅れてしまい、もしかしたら、営業機会を逃してしまうかもしれません。 その点を改善するために活用したいのが「ブラウザ」です。 ブラウザは、英語の「browse(拾い読み)」が語源とされており、webサイトを閲覧するためのソフトを指します。有名なブラウザとして知られているのは以下の通りです。 Internetexplorer(Microsoft社) Microsoft Edge(Microsoft社) Googlechrome(Google社) Mozilla Firefox(Mozilla Foundation社) Safari(Apple社) 前述の「クラウド」を活用するためには、ブラウザ環境が必須となります。活用したいクラウドにより、最適なブラウザが異なるため、導入を検討する際にはしっかりと確認することが必要です。 <BIの活用> BI(ビジネスインテリジェンス)ツールとは、企業が持つさまざまなデータを分析・見える化して、経営や業務に役立てるソフトウェアのことです。表やグラフなど「見えるデータ」にするには、担当者が生データを加工(Excel入力→グラフ化)しなければなりません。この作業は単純なようですが、見えないところで担当者の多くの時間を使っています。報告資料の為に、時間をかけてデータを加工して、グラフや表を作るのは担当者の本来の業務ではありません。 BIツールを活用することで、「報告の為の資料作り」の必要がなくなり、担当者を含めた、様々な立場の方々が「見える化したデータ」を共有・活用することができるようになります。「顧客別の売上情報」「製品別の売上情報」「設備別の生産情報」など「必要なデータ」を「必要なとき」に見て、データから判断する、といったことが可能になります。データドリブンにおいてはBIツールの活用はマストになるでしょう。 <AIの活用> AIの得意とすることは蓄積されたデータから予測したり、判断することです。船井総研では「熟練作業の標準化」という切り口でAIの活用を御提案しています。 熟練作業はベテラン高齢者だけではなく、パートの方でも誰でもあり得ます。要するに、「長いこと経験しているその人しかできない」作業のことです。 AIを活用することで「いつでも、誰がやっても同じ結果に」ということが可能になります。 蓄積されているデータから最適な判断をAIがします。もちろん、蓄積データは当然その企業のノウハウとなります。未知のモノからAIが結論を出す訳ではありません。あくまでAIが持つデータは「企業の知」そのものです。熟練技術やベテラン担当者の作業は1~2年で他の人がマスターできるようなものではありません。かといっていつまでの熟練技術やベテランがいるわけではありません。AIを活用して、誰もがその技術を共有できる環境が今後必要になってきます。 データドリブンで考える上で重要なことは、データが会社の中心にあり、「いつでも・どこでもデータを取り出せる」ことです。コロナ禍により、さらに、このような環境の必要性はより重要なものとなりました。 個人のローカルPCだけに保管していたり、会社に戻らないとシステムが見られないのでは、判断やアクションが遅れてしまいます。「会社の知」を全員で共有し、データドリブンを実現していきましょう。 DX活用事例は以下のレポートをチェック!! この一冊で「AIを活用した業務効率化」の最新事例がわかる! 船井総研セミナー参加企業様からのご要望が多い「AIを活用した業務効率化」に関する最新事例を徹底解説! ①類似案件をAIを使って簡単検索営業・生産計画立案の業務効率 ②生産計画立案を自動最適化・脱属人化     https://smart-factory.funaisoken.co.jp/download/210305/ ■オンラインセミナー開催のお知らせ https://smart-factory.funaisoken.co.jp/event/ このような方におすすめ! AIに関心はあるが、自社の経営にAIを具体的にどう活用できるかを知りたい”製造業経営者”の方 営業部門がまだまだ属人的で、営業マンが個々の経験や勘に依存していると感じている”製造業経営者”の方 製造部門では熟練技術・職人的な業務があり、属人化・ブラックBOX化していると感じている”製造業経営者”の方 生産技術・生産管理部門も熟練者に知見とノウハウが集中して、標準化されていないと感じている”製造業経営者”の方 生産技術・生産管理部門も熟練者に知見とノウハウが集中して、標準化されていないと感じている”製造業経営者”の方 本セミナーで学べるポイント! ①”経営者目線”で知っておくべき製造業で実践できる具体的なAI活用事例が学べる! ~AIに関心はあるが、具体的な行動が取れない製造業経営者の為のセミナーです~ ②営業部門にAIを導入して営業マン個々の経験や勘に依存した体制から脱却した製造業事例が学べる! ~営業部門で具体的にAIをどう活用していくのかがハッキリ分かるセミナーです~ ③製造・生産技術・生産管理部門にAIを導入して熟練技術・職人技術を標準化・継承できる事例が学べる! ~製造現場と生産技術・生産管理部門でどんなAIが活用できるのかが明確になるセミナーです~ ④販売・仕入・在庫・原価管理・生産管理等の基幹システム系にAIを活用している事例が学べる! ~各業務の管理や基幹システムでAI活用して改革できる手法を学べるセミナーです~ ⑤自社の経営のどこにAIが活用できるかが分かり、具体的な行動計画が作れる! ~理論・理屈ではなく、現場で実践できる具体的な手法が分かります!~ ■工場AI・ロボット.comでは「無料オンライン診断サービス」を行っております 専門コンサルタントが無料でロボット活用について診断致します! DX活用したいが初めてでやり方が分からない・・・ データドリブン経営を実践したい・・・ 営業、見積もり業務が属人化している・・・ 生産管理に工数がかかっている・・・ 生産管理に工数がかかっている・・・ 他社の導入事例の詳細について聞きたい DX活用について相談できる所が見つからない・・・ ↓↓お申し込みはこちらから↓↓ https://lp.funaisoken.co.jp/mt/smart-factory/counsel.html 「データドリブン」という言葉は主にマーケティング分野で使われている言葉ですが、最近では経営分野でも使われるようになってきました。2018年頃より盛んになった企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)が近年いっそう進んだことや、クラウドやデータ分析技術の進化によって、以前は扱いが困難だった膨大で複雑なビッグデータも分析・活用できるようになってきました。そして、経営の領域においても、これまで蓄積してきたデータを企業活動に生かそうという動きが広がって来ています。 では現状、私たちは経営判断や現場判断などの意思決定をする場合、どのようなことを根拠に判断しているでしょうか。 必要な情報を収集、纏めた上で判断する方、もしくは自らの勘・経験を頼り(いわゆるKKD(勘・経験・度胸))に判断する方もいらっしゃるでしょう。判断するには誰もが、前者であるべきと考えていますが、実際は、判断に活用出来るデータが出来るまでに「データを集計→表やグラフにする」といった作業に多くの労力と時間がかかる為、後者の場合で判断してしまうことも多くあるかと思います。誰もがデータを活用しなければならないと考えている中で、大きなギャップが存在しているという課題があります。 データドリブンはただの「紙→デジタル」の置き換えではありません。 例えば、現場の検査表を紙からタブレット入力にしてデータを保管しておくのは「ただのデジタル化」です。 検査表からデータ分析して設備の点検優先を自動でシステムから提案して人が判断・行動していくのが「データドリブン」です。 このように現場でも積極的データを基に、分析して、判断・行動していくのがあるべき姿です。 そのデータドリブンに移行するにあたりポイントになるのが以下です <クラウドの活用> 蓄積データについてサーバーをどこに構築するかの選択があります。もちろん、社内サーバーもよいですが、初期費用・メンテナンス・セキュリティを考えた場合、クラウド運用は大きなメリットがあります。 「クラウド」とは、クラウドベンダーが用意したITリソースをネットワーク越しに利用し、利用量に応じて料金を支払う方式のことです。サーバー機器を購入せずインターネット上でサーバーを利用するため、物理的な投資はなく、資産管理も必要ありません。つまり、サーバーを管理することが不要であることから、自社での製品アップデート作業やメンテナンスも不要となります。また、クラウドは専門知識がなくてもすぐに始めることができます。 いつでも環境が整っている為、サービスの導入時も設定のみで容易に利用を開始することができます。 詳しくはこちらのページをご参照ください(https://smart-factory.funaisoken.co.jp/glossary/201005/) <ブラウザの活用> 蓄積されたデータを「どこでも」「誰でも」見ることが求められます。 データがあっても「会社に帰って確認します」では効率が悪い。ですよね。 その場でデータから出来ればすぐに回答可能ですが、データが見えないだけで数日間進捗が遅れてしまい、もしかしたら、営業機会を逃してしまうかもしれません。 その点を改善するために活用したいのが「ブラウザ」です。 ブラウザは、英語の「browse(拾い読み)」が語源とされており、webサイトを閲覧するためのソフトを指します。有名なブラウザとして知られているのは以下の通りです。 Internetexplorer(Microsoft社) Microsoft Edge(Microsoft社) Googlechrome(Google社) Mozilla Firefox(Mozilla Foundation社) Safari(Apple社) 前述の「クラウド」を活用するためには、ブラウザ環境が必須となります。活用したいクラウドにより、最適なブラウザが異なるため、導入を検討する際にはしっかりと確認することが必要です。 <BIの活用> BI(ビジネスインテリジェンス)ツールとは、企業が持つさまざまなデータを分析・見える化して、経営や業務に役立てるソフトウェアのことです。表やグラフなど「見えるデータ」にするには、担当者が生データを加工(Excel入力→グラフ化)しなければなりません。この作業は単純なようですが、見えないところで担当者の多くの時間を使っています。報告資料の為に、時間をかけてデータを加工して、グラフや表を作るのは担当者の本来の業務ではありません。 BIツールを活用することで、「報告の為の資料作り」の必要がなくなり、担当者を含めた、様々な立場の方々が「見える化したデータ」を共有・活用することができるようになります。「顧客別の売上情報」「製品別の売上情報」「設備別の生産情報」など「必要なデータ」を「必要なとき」に見て、データから判断する、といったことが可能になります。データドリブンにおいてはBIツールの活用はマストになるでしょう。 <AIの活用> AIの得意とすることは蓄積されたデータから予測したり、判断することです。船井総研では「熟練作業の標準化」という切り口でAIの活用を御提案しています。 熟練作業はベテラン高齢者だけではなく、パートの方でも誰でもあり得ます。要するに、「長いこと経験しているその人しかできない」作業のことです。 AIを活用することで「いつでも、誰がやっても同じ結果に」ということが可能になります。 蓄積されているデータから最適な判断をAIがします。もちろん、蓄積データは当然その企業のノウハウとなります。未知のモノからAIが結論を出す訳ではありません。あくまでAIが持つデータは「企業の知」そのものです。熟練技術やベテラン担当者の作業は1~2年で他の人がマスターできるようなものではありません。かといっていつまでの熟練技術やベテランがいるわけではありません。AIを活用して、誰もがその技術を共有できる環境が今後必要になってきます。 データドリブンで考える上で重要なことは、データが会社の中心にあり、「いつでも・どこでもデータを取り出せる」ことです。コロナ禍により、さらに、このような環境の必要性はより重要なものとなりました。 個人のローカルPCだけに保管していたり、会社に戻らないとシステムが見られないのでは、判断やアクションが遅れてしまいます。「会社の知」を全員で共有し、データドリブンを実現していきましょう。 DX活用事例は以下のレポートをチェック!! この一冊で「AIを活用した業務効率化」の最新事例がわかる! 船井総研セミナー参加企業様からのご要望が多い「AIを活用した業務効率化」に関する最新事例を徹底解説! ①類似案件をAIを使って簡単検索営業・生産計画立案の業務効率 ②生産計画立案を自動最適化・脱属人化     https://smart-factory.funaisoken.co.jp/download/210305/ ■オンラインセミナー開催のお知らせ https://smart-factory.funaisoken.co.jp/event/ このような方におすすめ! AIに関心はあるが、自社の経営にAIを具体的にどう活用できるかを知りたい”製造業経営者”の方 営業部門がまだまだ属人的で、営業マンが個々の経験や勘に依存していると感じている”製造業経営者”の方 製造部門では熟練技術・職人的な業務があり、属人化・ブラックBOX化していると感じている”製造業経営者”の方 生産技術・生産管理部門も熟練者に知見とノウハウが集中して、標準化されていないと感じている”製造業経営者”の方 生産技術・生産管理部門も熟練者に知見とノウハウが集中して、標準化されていないと感じている”製造業経営者”の方 本セミナーで学べるポイント! ①”経営者目線”で知っておくべき製造業で実践できる具体的なAI活用事例が学べる! ~AIに関心はあるが、具体的な行動が取れない製造業経営者の為のセミナーです~ ②営業部門にAIを導入して営業マン個々の経験や勘に依存した体制から脱却した製造業事例が学べる! ~営業部門で具体的にAIをどう活用していくのかがハッキリ分かるセミナーです~ ③製造・生産技術・生産管理部門にAIを導入して熟練技術・職人技術を標準化・継承できる事例が学べる! ~製造現場と生産技術・生産管理部門でどんなAIが活用できるのかが明確になるセミナーです~ ④販売・仕入・在庫・原価管理・生産管理等の基幹システム系にAIを活用している事例が学べる! ~各業務の管理や基幹システムでAI活用して改革できる手法を学べるセミナーです~ ⑤自社の経営のどこにAIが活用できるかが分かり、具体的な行動計画が作れる! ~理論・理屈ではなく、現場で実践できる具体的な手法が分かります!~ ■工場AI・ロボット.comでは「無料オンライン診断サービス」を行っております 専門コンサルタントが無料でロボット活用について診断致します! DX活用したいが初めてでやり方が分からない・・・ データドリブン経営を実践したい・・・ 営業、見積もり業務が属人化している・・・ 生産管理に工数がかかっている・・・ 生産管理に工数がかかっている・・・ 他社の導入事例の詳細について聞きたい DX活用について相談できる所が見つからない・・・ ↓↓お申し込みはこちらから↓↓ https://lp.funaisoken.co.jp/mt/smart-factory/counsel.html

いまさら聞けない「SaaS」とは?

2021.02.26

▼事例レポート無料ダウンロード お申し込みはこちら▼ https://smart-factory.funaisoken.co.jp/download/201208/ 昨今はデジタル化やDXという言葉を聞かない日がなくなりました。今ではビジネス向けのニュースだけではなく一般視聴者に向けたDXの番組も始まっています。もはや誰もがITを使ってどのようなサービスが出来るようになるかを理解するようになりました。このような状況の中で、日々様々なサービスが生み出され、顧客はその便利さを体感出来るようになりました。多くの企業がデジタル化やDXの観点から会社方針を検討し、メーカーやソフトウェア会社は、様々なサービスを開発し、ユーザーはそれらを導入することで長年続いたアナログ的な業務からの脱却を図ろうとしています。 では昨今よく耳にするSaaSとはいったい何なのでしょうか。世界的にもスタンダートになり、日本でも多くの企業が導入しているSaaSについて今回は紹介していきます。 1.「クラウド」と「SaaS」 SaaS(Software as a Service:サース)とは、インターネット上でサービスを利用することができる仕組みのことです。所有するPCにパッケージ製品をインストールする利用形態ではなく、インターネット経由でクラウド上のソフトウェアにアクセスすることで利用できるサブスク型の形態となっています。 ここでは、さらに詳しく、「SaaS」という言葉の理解を深めると共に、同義で使われていることも多い「クラウド」という言葉についても解説します。 どちらもよく耳にする言葉ではありますが、両者の位置づけとしてはクラウドの種類の1つとしてSaaSがあります。 クラウドと一言で言っても形態にはさまざまな種類があります。代表的なものとして挙げられるのがSaaS(Software as a Service)です。 その以外にも PaaS(Platform as a Service:パース)/ IaaS(Infrastructure as a Service:イァース)等があります。 SaaSとは、ソフトウェアを提供するクラウドサービスのことで、ITインフラおよびミドルウェアに加え、アプリケーションソフトが提供されます。必要なものが全て揃えられている為、パッケージ製品がインターネット経由で利用できると考えても良いでしょう。代表的なサービスに、GmailやOffice365などがあり、私たちにとって最も身近なクラウドといえます。 このほか開発環境を提供するクラウドサービスPaaSや、サーバー(ITインフラ)のみを提供するクラウドサービスIaaSなどがあります。これらはインフラエンジニアや開発エンジニアに利用されることがほとんどです。 2.SaaSの市場 2019年10月に発表された富士キメラ総研の調査によると、2019年度のSaaS国内市場は5646億円と見込まれ、2023年度には8174億円まで拡大すると予想されています。また、総務省が発表した「情報通信白書 令和2年版」でも、SaaSを含めたクラウドサービスを利用する企業数は2019年の段階で前年より6.0%増加したことが報告されています。 2020年、新型コロナウイルスの世界的流行によって人々の生活は大きく変化しました。リモートワークの普及や、それに伴うレガシーソフトウエアからの脱却により、日本企業のデジタル化は5~10年分進んだとも言われています。DX(デジタルトランスフォーメーション)関連ソリューションを導入した企業とそうではない企業の差はますます大きくなっていくでしょう。 さらに、世界的にもクラウドサービス市場規模は、2021年には約3500億ドルの規模になると予測されており、今後も急成長することが見込まれています。その中でも、SaaSはクラウドサービス全体の1/3の割合を占め、成長率は平均約20%/年と、PaaS・IaaSなどと比較しても一番高い水準で売り上げを維持することが想定されています。 3.SaaSのメリットとデメリット それではなぜ、SaaSは急速に拡大するのでしょうか。ユーザー側のメリットとしては次のようなものが挙げられます。 導入を迅速に行うことができる → アカウントを取得するだけで利用できるためソフトウェアのインストールなどの作業をすることなく導入することができます。 安価なコストで使い始めることができる → 使用する分だけをお支払するサブスク型モデルであるため、無駄なコストが発生しません。 多くの場合、一定のトライアル期間がある → 一定期間サービスをお試しで使用できる形態をとっているサービスが多数存在するため、導入前に使用感を確認し比較することも可能です。 ハード・ソフトウェアの管理が不要 → 自社サーバーを使用する場合、サーバーPC・ソフトウェアの更新は必ず発生します。これは避けることは出来ません。一方SaaSの場合ハードやソフトバージョンアップ等のメンテナンスを含む保守作業はシステムの提供側が一括に行うため、利用者側の管理は不要です。 デバイスの種類を選ばない → クラウド上に公開されているものにアクセスする形態であるため、デバイスを選ばず使用することができます。 一方、ユーザー側は注意しておきたいデメリットもあります。 セキュリティガイドラインの整備が必要 → インターネット経由での利用であるため外部ソフトウェアと接続する必要があります。そのため、社内ネットワークが社外のどの程度のネットワークまで接続ができるかを検討する必要があります。 カスタマイズの範囲は小さい → パッケージソフトに比べてカスタマイズの制約があるのが一般的です。基本的には、そのシステムにあわせて社内の運用を変えていく考え方となります。 開発計画はシステム提供者側のスケジュールの制約を受ける → 機能の追加等のアップデートはシステム提供側のスケジュールで行われるため、その間の利用に制限がかかることがあります。 システムを利用する上では何事にもメリットでデメリットは存在します。これらを踏まえた上でも、システム導入を検討する際には、SaaSを選択肢に入れて検討する価値が大いにあります。 最後に、代表的なSaaSをご紹介します。 Salesforce :セールスフォース・ドットコム社が提供するCRM/顧客管理システム、SFA/営業支援システム、MA/マーケティングオートメーション カオナビ :カオナビ社が提供する人材マネジメントシステム Sansan :Sansan社が提供する法人向けクラウド名刺管理サービス G Suite :Google社が提供するビジネス向けグループウエアサービス 4.おわりに 今回は「SaaS」について解説しました。 船井総研ではロボットやAIの導入に役立つダウンロードコンテンツやセミナーをご用意しております。 ■オンラインセミナー開催のお知らせ https://smart-factory.funaisoken.co.jp/event/ 製造業・メーカーの為の初めてのAI活用!社長セミナー ・「AIはまだ初心者」と感じているメーカー社長が知っておくべき初めてのAI導入法が分かる! ~AIなんて全くわからない...そんな社長の為のセミナーです~ ・大手が行う大規模で夢物語のAIではなく、中堅・中小メーカーに適したAI手法が分かる! ~大手メーカー様向けではなく、中堅・中小メーカー様向けです~ ・漠然とした理論・概論ではなく、現場で即使えて実践的なAI手法が分かる! ~理論・概論は一切なく、現場的・実践的な話を聞けます~ ・営業・設計・生産・メンテナンス・経営管理各部門において活用できるAIが分かる! ~具体的にどの部門・業務でどんなAIが活用できるかが分かります~ ・中堅・中小メーカーの実際のAI取組事例を知ることができる! ~大手ではなく、中堅・中小メーカーの実際の取組事例・実践事例を紹介します~ ↓↓↓セミナー詳細は下記からご覧ください↓↓↓ このセミナーは終了しました。最新のセミナーはこちらから。 https://smart-factory.funaisoken.co.jp/event/ ■ダウンロード事例集のご紹介 「中堅・中小製造業経営者様向け“工場のAI・デジタル化”最新事例解説レポート」 上記の事例レポートは無料でダウンロードいただくことができます。 ご興味のある方は、是非チェックしてみてください。 ▼事例レポート無料ダウンロード お申し込みはこちら▼ https://smart-factory.funaisoken.co.jp/download/201208/ ▼事例レポート無料ダウンロード お申し込みはこちら▼ https://smart-factory.funaisoken.co.jp/download/201208/ 昨今はデジタル化やDXという言葉を聞かない日がなくなりました。今ではビジネス向けのニュースだけではなく一般視聴者に向けたDXの番組も始まっています。もはや誰もがITを使ってどのようなサービスが出来るようになるかを理解するようになりました。このような状況の中で、日々様々なサービスが生み出され、顧客はその便利さを体感出来るようになりました。多くの企業がデジタル化やDXの観点から会社方針を検討し、メーカーやソフトウェア会社は、様々なサービスを開発し、ユーザーはそれらを導入することで長年続いたアナログ的な業務からの脱却を図ろうとしています。 では昨今よく耳にするSaaSとはいったい何なのでしょうか。世界的にもスタンダートになり、日本でも多くの企業が導入しているSaaSについて今回は紹介していきます。 1.「クラウド」と「SaaS」 SaaS(Software as a Service:サース)とは、インターネット上でサービスを利用することができる仕組みのことです。所有するPCにパッケージ製品をインストールする利用形態ではなく、インターネット経由でクラウド上のソフトウェアにアクセスすることで利用できるサブスク型の形態となっています。 ここでは、さらに詳しく、「SaaS」という言葉の理解を深めると共に、同義で使われていることも多い「クラウド」という言葉についても解説します。 どちらもよく耳にする言葉ではありますが、両者の位置づけとしてはクラウドの種類の1つとしてSaaSがあります。 クラウドと一言で言っても形態にはさまざまな種類があります。代表的なものとして挙げられるのがSaaS(Software as a Service)です。 その以外にも PaaS(Platform as a Service:パース)/ IaaS(Infrastructure as a Service:イァース)等があります。 SaaSとは、ソフトウェアを提供するクラウドサービスのことで、ITインフラおよびミドルウェアに加え、アプリケーションソフトが提供されます。必要なものが全て揃えられている為、パッケージ製品がインターネット経由で利用できると考えても良いでしょう。代表的なサービスに、GmailやOffice365などがあり、私たちにとって最も身近なクラウドといえます。 このほか開発環境を提供するクラウドサービスPaaSや、サーバー(ITインフラ)のみを提供するクラウドサービスIaaSなどがあります。これらはインフラエンジニアや開発エンジニアに利用されることがほとんどです。 2.SaaSの市場 2019年10月に発表された富士キメラ総研の調査によると、2019年度のSaaS国内市場は5646億円と見込まれ、2023年度には8174億円まで拡大すると予想されています。また、総務省が発表した「情報通信白書 令和2年版」でも、SaaSを含めたクラウドサービスを利用する企業数は2019年の段階で前年より6.0%増加したことが報告されています。 2020年、新型コロナウイルスの世界的流行によって人々の生活は大きく変化しました。リモートワークの普及や、それに伴うレガシーソフトウエアからの脱却により、日本企業のデジタル化は5~10年分進んだとも言われています。DX(デジタルトランスフォーメーション)関連ソリューションを導入した企業とそうではない企業の差はますます大きくなっていくでしょう。 さらに、世界的にもクラウドサービス市場規模は、2021年には約3500億ドルの規模になると予測されており、今後も急成長することが見込まれています。その中でも、SaaSはクラウドサービス全体の1/3の割合を占め、成長率は平均約20%/年と、PaaS・IaaSなどと比較しても一番高い水準で売り上げを維持することが想定されています。 3.SaaSのメリットとデメリット それではなぜ、SaaSは急速に拡大するのでしょうか。ユーザー側のメリットとしては次のようなものが挙げられます。 導入を迅速に行うことができる → アカウントを取得するだけで利用できるためソフトウェアのインストールなどの作業をすることなく導入することができます。 安価なコストで使い始めることができる → 使用する分だけをお支払するサブスク型モデルであるため、無駄なコストが発生しません。 多くの場合、一定のトライアル期間がある → 一定期間サービスをお試しで使用できる形態をとっているサービスが多数存在するため、導入前に使用感を確認し比較することも可能です。 ハード・ソフトウェアの管理が不要 → 自社サーバーを使用する場合、サーバーPC・ソフトウェアの更新は必ず発生します。これは避けることは出来ません。一方SaaSの場合ハードやソフトバージョンアップ等のメンテナンスを含む保守作業はシステムの提供側が一括に行うため、利用者側の管理は不要です。 デバイスの種類を選ばない → クラウド上に公開されているものにアクセスする形態であるため、デバイスを選ばず使用することができます。 一方、ユーザー側は注意しておきたいデメリットもあります。 セキュリティガイドラインの整備が必要 → インターネット経由での利用であるため外部ソフトウェアと接続する必要があります。そのため、社内ネットワークが社外のどの程度のネットワークまで接続ができるかを検討する必要があります。 カスタマイズの範囲は小さい → パッケージソフトに比べてカスタマイズの制約があるのが一般的です。基本的には、そのシステムにあわせて社内の運用を変えていく考え方となります。 開発計画はシステム提供者側のスケジュールの制約を受ける → 機能の追加等のアップデートはシステム提供側のスケジュールで行われるため、その間の利用に制限がかかることがあります。 システムを利用する上では何事にもメリットでデメリットは存在します。これらを踏まえた上でも、システム導入を検討する際には、SaaSを選択肢に入れて検討する価値が大いにあります。 最後に、代表的なSaaSをご紹介します。 Salesforce :セールスフォース・ドットコム社が提供するCRM/顧客管理システム、SFA/営業支援システム、MA/マーケティングオートメーション カオナビ :カオナビ社が提供する人材マネジメントシステム Sansan :Sansan社が提供する法人向けクラウド名刺管理サービス G Suite :Google社が提供するビジネス向けグループウエアサービス 4.おわりに 今回は「SaaS」について解説しました。 船井総研ではロボットやAIの導入に役立つダウンロードコンテンツやセミナーをご用意しております。 ■オンラインセミナー開催のお知らせ https://smart-factory.funaisoken.co.jp/event/ 製造業・メーカーの為の初めてのAI活用!社長セミナー ・「AIはまだ初心者」と感じているメーカー社長が知っておくべき初めてのAI導入法が分かる! ~AIなんて全くわからない...そんな社長の為のセミナーです~ ・大手が行う大規模で夢物語のAIではなく、中堅・中小メーカーに適したAI手法が分かる! ~大手メーカー様向けではなく、中堅・中小メーカー様向けです~ ・漠然とした理論・概論ではなく、現場で即使えて実践的なAI手法が分かる! ~理論・概論は一切なく、現場的・実践的な話を聞けます~ ・営業・設計・生産・メンテナンス・経営管理各部門において活用できるAIが分かる! ~具体的にどの部門・業務でどんなAIが活用できるかが分かります~ ・中堅・中小メーカーの実際のAI取組事例を知ることができる! ~大手ではなく、中堅・中小メーカーの実際の取組事例・実践事例を紹介します~ ↓↓↓セミナー詳細は下記からご覧ください↓↓↓ このセミナーは終了しました。最新のセミナーはこちらから。 https://smart-factory.funaisoken.co.jp/event/ ■ダウンロード事例集のご紹介 「中堅・中小製造業経営者様向け“工場のAI・デジタル化”最新事例解説レポート」 上記の事例レポートは無料でダウンロードいただくことができます。 ご興味のある方は、是非チェックしてみてください。 ▼事例レポート無料ダウンロード お申し込みはこちら▼ https://smart-factory.funaisoken.co.jp/download/201208/

クラウドを活用するメリット:後編

2021.01.29

今回は「クラウドを活用するメリット:後編」と題しまして、製造業におけるクラウド活用の主なメリットのうち、「コスト面以外のメリット」についてご紹介いたします。 ※「クラウドを活用するメリット:前編」は以下のURLからご覧いただけます。 https://smart-factory.funaisoken.co.jp/210115-2/ 1.導入面のメリット クラウド活用におけるコスト面以外のメリットとして、「導入面のメリット」が挙げられます。 ※クラウド=インターネット上のサーバーを利用してソフトウェアを利用すること オンプレミス(=自社内で独自の物理的なサーバーを保有し、自社内の設備によってソフトウェアを運用すること)と比べて、システムの導入が円滑に進みやすいという利点があります。 オンプレミスの場合、 開発環境や商用環境のインフラ設計・構築が独自に必要となる ネットワークの構築のために導入決定~利用開始までおよそ1年前後の期間を要する 等の特徴があります。 一方で、クラウドの場合、 システムの運用に必要なITリソースを自社で調達する必要がない 比較的容易にアカウントを取得できるため、申し込み・決済後すぐにサービスを利用開始できる という特徴があります。 2.運用面のメリット 続いて、クラウドの運用面に関するメリットです。 ①災害に強い オンプレミスの場合、「災害発生時に弱い」という点が運用面の課題としてよく取り上げられます。 具体的には、自社内に物理サーバーを構えてデータを運用するため、万一災害が発生した場合に、自社内のサーバーやデータの復旧に支障をきたすことが懸念されます。 一方で、クラウドサービスのサーバーは、データセンターに置かれているのが一般的です。 データセンターは、地震だけでなく火災や停電にも強い構造となっているため、自社でサーバーを保管するよりも、安全にデータを守ることができます。 ②場所を問わず、多様なデバイスからデータへのアクセスが可能 オンプレミスの場合、災害が発生すれば建物の倒壊や停電等によって会社で仕事ができない状況に陥ることが十分に考えられます。 災害の発生により出社が困難な場合や、会社の建物が倒壊した場合、システムの利用や事業そのものをストップせざるを得ません。 一方で、クラウドの場合、社内で使っているパソコンに限らず、インターネット環境さえ整備されていれば、社外であっても様々なデバイスを使って仕事を進めることができます。クラウドの活用によって最低限仕事が進められる状態を予め用意しておくことで、災害のために出社が困難な場合でも、自宅のパソコンやスマートフォン等のデバイスを用いて事業を継続することができます。 3.管理面のメリット 最後に、クラウドの管理面の主なメリットについてご紹介します。 ①サーバーのメンテナンスが不要 クラウドの場合、サーバーのメンテナンスをサーバーの提供事業者に任せることができるため、自社の事業やサービスの構築・運営に集中することができます。 社内にインフラ管理専門の担当者が社内にいる場合は、その担当者の管理負担を軽減することにも繋がります。 ②サーバーの機能や台数等を柔軟に調整することができる 一般に、オンプレミス型のサーバーの場合、機能等の変更に比較的長い時間を要するため、導入時にサービス拡大後のことも予め想定してシステム導入しておく必要があります。 一方でクラウドサーバーの場合、Web上でサーバーの機能や台数等の変更が随時可能です。 そのため、後から必要な分だけ機能や台数等を拡張していくという方針をとることが可能なので、管理面での無駄が発生しにくいというメリットがあります。 4.おわりに 以上、クラウド活用におけるコスト面以外のメリットについて、簡単にご紹介させていただきました。 新型コロナウイルスの影響により、企業規模を問わず働き方改革の実践がより一層求められていく中、自社内のデータの運用・管理方法についても、時流に適応した形を模索していきたいところです。 ■【2021年3月開催】オンラインセミナー開催のご案内 「製造業・メーカーの為の初めてのAI活用!社長セミナー」 <このような方におすすめ> 大手メーカーを除く中堅・中小メーカーの社長様 AIには興味はあるが、何から手を付ければ良いのか分からない社長様 自社のどんな業務にAI活用できるのか、自社で本当にAI導入できるのか分からない社長様 漠然とした理論・概論ではなく、実践的で現実的なAI手法を知りたい社長様 大手ではなく、中堅・中小の製造業・メーカーのAI取組事例を知りたい社長様 ▼オンラインセミナーの詳細・お申し込みは以下のURLから▼ このセミナーは終了しました。最新のセミナーはこちらから。 https://smart-factory.funaisoken.co.jp/event/ ■ダウンロード事例集のご紹介 「中堅・中小製造業経営者様向け“工場のAI・デジタル化”最新事例解説レポート」 いつも当メルマガ・コラムをご愛読いただきありがとうございます。 今回は「クラウドを活用するメリット:後編」と題しまして、製造業におけるクラウド活用の主なメリットのうち、「コスト面以外のメリット」についてご紹介いたします。 ※「クラウドを活用するメリット:前編」は以下のURLからご覧いただけます。 https://smart-factory.funaisoken.co.jp/210115-2/ 1.導入面のメリット クラウド活用におけるコスト面以外のメリットとして、「導入面のメリット」が挙げられます。 ※クラウド=インターネット上のサーバーを利用してソフトウェアを利用すること オンプレミス(=自社内で独自の物理的なサーバーを保有し、自社内の設備によってソフトウェアを運用すること)と比べて、システムの導入が円滑に進みやすいという利点があります。 オンプレミスの場合、 開発環境や商用環境のインフラ設計・構築が独自に必要となる ネットワークの構築のために導入決定~利用開始までおよそ1年前後の期間を要する 等の特徴があります。 一方で、クラウドの場合、 システムの運用に必要なITリソースを自社で調達する必要がない 比較的容易にアカウントを取得できるため、申し込み・決済後すぐにサービスを利用開始できる という特徴があります。 2.運用面のメリット 続いて、クラウドの運用面に関するメリットです。 ①災害に強い オンプレミスの場合、「災害発生時に弱い」という点が運用面の課題としてよく取り上げられます。 具体的には、自社内に物理サーバーを構えてデータを運用するため、万一災害が発生した場合に、自社内のサーバーやデータの復旧に支障をきたすことが懸念されます。 一方で、クラウドサービスのサーバーは、データセンターに置かれているのが一般的です。 データセンターは、地震だけでなく火災や停電にも強い構造となっているため、自社でサーバーを保管するよりも、安全にデータを守ることができます。 ②場所を問わず、多様なデバイスからデータへのアクセスが可能 オンプレミスの場合、災害が発生すれば建物の倒壊や停電等によって会社で仕事ができない状況に陥ることが十分に考えられます。 災害の発生により出社が困難な場合や、会社の建物が倒壊した場合、システムの利用や事業そのものをストップせざるを得ません。 一方で、クラウドの場合、社内で使っているパソコンに限らず、インターネット環境さえ整備されていれば、社外であっても様々なデバイスを使って仕事を進めることができます。クラウドの活用によって最低限仕事が進められる状態を予め用意しておくことで、災害のために出社が困難な場合でも、自宅のパソコンやスマートフォン等のデバイスを用いて事業を継続することができます。 3.管理面のメリット 最後に、クラウドの管理面の主なメリットについてご紹介します。 ①サーバーのメンテナンスが不要 クラウドの場合、サーバーのメンテナンスをサーバーの提供事業者に任せることができるため、自社の事業やサービスの構築・運営に集中することができます。 社内にインフラ管理専門の担当者が社内にいる場合は、その担当者の管理負担を軽減することにも繋がります。 ②サーバーの機能や台数等を柔軟に調整することができる 一般に、オンプレミス型のサーバーの場合、機能等の変更に比較的長い時間を要するため、導入時にサービス拡大後のことも予め想定してシステム導入しておく必要があります。 一方でクラウドサーバーの場合、Web上でサーバーの機能や台数等の変更が随時可能です。 そのため、後から必要な分だけ機能や台数等を拡張していくという方針をとることが可能なので、管理面での無駄が発生しにくいというメリットがあります。 4.おわりに 以上、クラウド活用におけるコスト面以外のメリットについて、簡単にご紹介させていただきました。 新型コロナウイルスの影響により、企業規模を問わず働き方改革の実践がより一層求められていく中、自社内のデータの運用・管理方法についても、時流に適応した形を模索していきたいところです。 ■【2021年3月開催】オンラインセミナー開催のご案内 「製造業・メーカーの為の初めてのAI活用!社長セミナー」 <このような方におすすめ> 大手メーカーを除く中堅・中小メーカーの社長様 AIには興味はあるが、何から手を付ければ良いのか分からない社長様 自社のどんな業務にAI活用できるのか、自社で本当にAI導入できるのか分からない社長様 漠然とした理論・概論ではなく、実践的で現実的なAI手法を知りたい社長様 大手ではなく、中堅・中小の製造業・メーカーのAI取組事例を知りたい社長様 ▼オンラインセミナーの詳細・お申し込みは以下のURLから▼ このセミナーは終了しました。最新のセミナーはこちらから。 https://smart-factory.funaisoken.co.jp/event/ ■ダウンロード事例集のご紹介 「中堅・中小製造業経営者様向け“工場のAI・デジタル化”最新事例解説レポート」

クラウドを活用するメリット:前編

2021.01.15

昨今の「DX」推進に関連し、注目される技術として「クラウド」技術があります。日常生活の中でも、スマートフォンで撮影した写真や動画の保存先として、聞いたことがあると思います。今回は、製造業において「クラウド」を活用することのメリットを解説します。 1.「クラウド」とは? 多くの人にとって、クラウドの最もイメージしやすいものは、「インターネット上のデータ保存スペース」ではないかと思います。確かにこの機能は、クラウドが提供するサービスの一つです。 本コラムで取り上げる「クラウド」の定義は、「クラウド・コンピューティング(cloud computing)」で、その意味は、「インターネット上のネットワーク、サーバ、ストレージ、アプリケーション、サービスなどを共有化して、サービス提供事業者が、利用者に容易に利用可能とするモデル」(※1)です。このようなモデルを使用して提供されるサービスやシステムは、「クラウドサービス」「クラウドシステム」「SaaS」、単に「クラウド」とも呼ばれます。 対義語として、「オンプレミス(on-premises)」があります。こちらは、「自社の中に、コンピュータ、ネットワーク、サーバ、ストレージ、アプリケーションなどのハードウェア、ソフトウェアを保有して、自社で管理・運用するモデル」を意味しています。 (※1:総務省国民のための情報セキュリティサイトhttps://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/security/glossary/02.html#ku02)つまり「クラウド」は、自社でサーバ等の設備を準備する必要無く、PCのウェブブラウザを使って、インターネット上のサービス提供事業者の所有するサーバでアプリケーションを動かす技術といえます。 2.クラウドを活用するメリットとは? 前提として「クラウド」技術はIT分野に属します。製造業のIT分野は、管理システム(基幹システム、生産管理システムなど)運用、データ(図面、実績など)保存、アプリケーション運用、情報処理などが該当します。 クラウドを活用することで、上記の項目にどのようなメリットをもたらすのでしょうか? 従来、企業がコンピュータを使用した環境を構築する場合、「オンプレミス」が当たり前でした。それが、ハードウェアの発達(ストレージの大容量化、サーバの処理能力向上、通信速度環境の高速・安定化など)により、クラウド技術が発達し、環境構築にクラウドを活用することが可能となりました。そのため「クラウドを活用する」ことで、オンプレミスで環境構築(=自社ですべてを手配)する必要性が無くなり、導入ハードルの高さを下げることが可能になりました。 具体例は、Microsoft社のofficeです。従来(オンプレミス)はパッケージで販売され、新バージョンが発売されると、使用人数分のパッケージを購入し、その数だけ、1台1台バージョンアップ作業を行っていました。現在(クラウド)では、office365を選択すれば、月または年単位で定額料金を支払うことで常に最新版officeを使用可能です。また、ウェ ブサイトから契約・解約手続きができるので、常に使用する分だけ契約をし、ムダを無くすことが可能です。 3.クラウドを活用することで得られる具体的なメリット では、クラウドを活用することで得られるメリットで、特に着目すべきところは、どこでしょうか? その1つ目は、やはり「コスト」です。 製造業で、製品に付加価値を与えているのは、製造工程です。一方、システム環境に投資することは、業務効率化などの生産性改善には寄与するものの、付加価値を向上させるものではありません。そのため、従来のオンプレミスのシステム環境構築は、その投資額に対して得られるメリットが小さいために、投資自体が積極的に行われてきませんでした。特に中小企業では、システム投資に行うくらいであれば、同じ金額の生産設備を購入したほうが、売り上げた増えるといった状況でした。 一方、「クラウド」を活用すれば、システム環境構築費用の大部分を占める、「設備費用」「開発・カスタマイズ費用」「保守運用費用」をサービス提供事業者側で負担し、そのサービスの利用者が少しずつ負担する形式を取ることになります。そのため、利用者側が負担するコストを抑制することが出来、システム投資が大変行いやすくなります。 4.おわりに 今回は、「クラウドを活用するメリット前編」として、クラウド技術を導入することで得られるメリットのうち、コスト面について解説しました。来月は、「クラウドを活用するメリット後編」として、製造業でクラウドを活用することで得られるコスト面以外のメリットについて解説していきます。中小企業の製造業に特化した船井総合研究所AI・ロボット支援室では、ロボットやAIの導入に役立つダウンロードコンテンツやセミナーをご用意しております。この機会にぜひご参加ください。 ■ダウンロード事例集のご案内 ■セミナー開催のお知らせ 機械加工業の為の初めてのAI&ロボット活用!社長セミナー(オンライン)マシニングセンタ・NC旋盤・複合加工機等を保有していて多品種少量生産の熟練技術・職人技術・人手の掛かる業務にAI&ロボットを活用して自動化&産性UP! 2/16(火)、18(木)、24(水) 13:00~15:00 昨今の「DX」推進に関連し、注目される技術として「クラウド」技術があります。日常生活の中でも、スマートフォンで撮影した写真や動画の保存先として、聞いたことがあると思います。今回は、製造業において「クラウド」を活用することのメリットを解説します。 1.「クラウド」とは? 多くの人にとって、クラウドの最もイメージしやすいものは、「インターネット上のデータ保存スペース」ではないかと思います。確かにこの機能は、クラウドが提供するサービスの一つです。 本コラムで取り上げる「クラウド」の定義は、「クラウド・コンピューティング(cloud computing)」で、その意味は、「インターネット上のネットワーク、サーバ、ストレージ、アプリケーション、サービスなどを共有化して、サービス提供事業者が、利用者に容易に利用可能とするモデル」(※1)です。このようなモデルを使用して提供されるサービスやシステムは、「クラウドサービス」「クラウドシステム」「SaaS」、単に「クラウド」とも呼ばれます。 対義語として、「オンプレミス(on-premises)」があります。こちらは、「自社の中に、コンピュータ、ネットワーク、サーバ、ストレージ、アプリケーションなどのハードウェア、ソフトウェアを保有して、自社で管理・運用するモデル」を意味しています。 (※1:総務省国民のための情報セキュリティサイトhttps://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/security/glossary/02.html#ku02)つまり「クラウド」は、自社でサーバ等の設備を準備する必要無く、PCのウェブブラウザを使って、インターネット上のサービス提供事業者の所有するサーバでアプリケーションを動かす技術といえます。 2.クラウドを活用するメリットとは? 前提として「クラウド」技術はIT分野に属します。製造業のIT分野は、管理システム(基幹システム、生産管理システムなど)運用、データ(図面、実績など)保存、アプリケーション運用、情報処理などが該当します。 クラウドを活用することで、上記の項目にどのようなメリットをもたらすのでしょうか? 従来、企業がコンピュータを使用した環境を構築する場合、「オンプレミス」が当たり前でした。それが、ハードウェアの発達(ストレージの大容量化、サーバの処理能力向上、通信速度環境の高速・安定化など)により、クラウド技術が発達し、環境構築にクラウドを活用することが可能となりました。そのため「クラウドを活用する」ことで、オンプレミスで環境構築(=自社ですべてを手配)する必要性が無くなり、導入ハードルの高さを下げることが可能になりました。 具体例は、Microsoft社のofficeです。従来(オンプレミス)はパッケージで販売され、新バージョンが発売されると、使用人数分のパッケージを購入し、その数だけ、1台1台バージョンアップ作業を行っていました。現在(クラウド)では、office365を選択すれば、月または年単位で定額料金を支払うことで常に最新版officeを使用可能です。また、ウェ ブサイトから契約・解約手続きができるので、常に使用する分だけ契約をし、ムダを無くすことが可能です。 3.クラウドを活用することで得られる具体的なメリット では、クラウドを活用することで得られるメリットで、特に着目すべきところは、どこでしょうか? その1つ目は、やはり「コスト」です。 製造業で、製品に付加価値を与えているのは、製造工程です。一方、システム環境に投資することは、業務効率化などの生産性改善には寄与するものの、付加価値を向上させるものではありません。そのため、従来のオンプレミスのシステム環境構築は、その投資額に対して得られるメリットが小さいために、投資自体が積極的に行われてきませんでした。特に中小企業では、システム投資に行うくらいであれば、同じ金額の生産設備を購入したほうが、売り上げた増えるといった状況でした。 一方、「クラウド」を活用すれば、システム環境構築費用の大部分を占める、「設備費用」「開発・カスタマイズ費用」「保守運用費用」をサービス提供事業者側で負担し、そのサービスの利用者が少しずつ負担する形式を取ることになります。そのため、利用者側が負担するコストを抑制することが出来、システム投資が大変行いやすくなります。 4.おわりに 今回は、「クラウドを活用するメリット前編」として、クラウド技術を導入することで得られるメリットのうち、コスト面について解説しました。来月は、「クラウドを活用するメリット後編」として、製造業でクラウドを活用することで得られるコスト面以外のメリットについて解説していきます。中小企業の製造業に特化した船井総合研究所AI・ロボット支援室では、ロボットやAIの導入に役立つダウンロードコンテンツやセミナーをご用意しております。この機会にぜひご参加ください。 ■ダウンロード事例集のご案内 ■セミナー開催のお知らせ 機械加工業の為の初めてのAI&ロボット活用!社長セミナー(オンライン)マシニングセンタ・NC旋盤・複合加工機等を保有していて多品種少量生産の熟練技術・職人技術・人手の掛かる業務にAI&ロボットを活用して自動化&産性UP! 2/16(火)、18(木)、24(水) 13:00~15:00

製造業におけるDXの進め方

2020.12.07

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」と定義されています。 DX化することで得られるメリットはたくさんあります。詳しくはこちらのコラムで紹介しておりますのでぜひご覧ください。 「AIとデジタル化の波は避けられない」 さて、「DX化」という言葉をよく耳にするようになった一方で、「製造DXのメリット・導入ポイント」「なぜ日本はDX化が進まないのか」「DX化が失敗する理由」というようなタイトルの記事をよく目にするようにもなりました。 経済産業省「DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~」 によると、生産プロセスに関する設備の稼働状況などのデータ収集を行っている企業の割合は、2019年度は51.0%となっており、2018 年度調査時より7%減少しております。 DX化を目指す一方で、現状は苦戦している企業が多いことがわかります。さらにこれからは、既存システムは変化していく状況に合わせて更新する必要があります。そのたびに要件は複雑になるため、既存システムの保守費は高額になると言われています。 DX化を進めていくことは必須と叫ばれているにも関わらず、進まないのはなぜでしょうか? その理由の一つに、日本人特有のマインドが関係していることが考えられます。日本人は1950~60年代の高度経済成長の成功体験が非常に大きく、その時代から何十年もかけて培われた世界的にも最高峰の現場による改善活動のおかげで、逆にDX化に踏み込めない思考になっています。この思考がDXというある意味システムに縛られる状況について、抵抗が生まれているのではないでしょうか。長年にわたり現場改善で運用していきたものをシステムに置きかえるのは容易ではありません。海外においては、日本と比較した場合、現場の声はさほど強くありません。その為、システムで現場を縛ることができ、DX化は進みやすい傾向があります。一方で日本では改善活動を行ってきた現場の力が強く、ITシステムが現場運用に合わせないといけないという状況が多く発生しています。その為、要件が複雑になり(もしくはシステム化できない)なかなか前に進んでいきません。 「現状はシステムに頼らなくても問題がない」と考えている現場の方は多いのではないのでしょうか。現場の力>ITシステムの構図が日本でDXが進まない根本要因と考えています。 とはいえ、やはりDX化を進めなければいけないのは明白です。 我々は、情報をもとに経営の意思決定をしなければなりません。現代においては営業部や製造部など多方面から様々な種類の情報収集するスピードが求められます、また、集められる情報は質・精度が高い必要があります。「高い質・精度の情報をリアルタイムで収集し、正確な情報を基に分析を行い経営判断する」これが今の時代に求められていることです。不確かな情報を手作業で取りまとめて資料作成に時間を費やす時代ではないということです。 それではどのように進めたらよいか? 中小企業の製造業に特化した船井総合研究所AI・ロボット支援室では、ロボットやAIの導入に役立つやセミナーをご用意しております。 この機会にぜひご参加ください。 ■ダウンロード事例集のご案内 https://smart-factory.funaisoken.co.jp/download/201208/ ■セミナー開催のお知らせ このセミナーは終了しました。最新のセミナーはこちらから。 https://smart-factory.funaisoken.co.jp/event/ 機械加工業の為の初めてのAI&ロボット活用!社長セミナー(オンライン) マシニングセンタ・NC旋盤・複合加工機等を保有していて多品種少量生産の熟練技術・職人技術・人手の掛かる業務にAI&ロボットを活用して自動化&生産性UP! 2/16(火)、18(木)、24(水) 13:00~15:00 DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」と定義されています。 DX化することで得られるメリットはたくさんあります。詳しくはこちらのコラムで紹介しておりますのでぜひご覧ください。 「AIとデジタル化の波は避けられない」 さて、「DX化」という言葉をよく耳にするようになった一方で、「製造DXのメリット・導入ポイント」「なぜ日本はDX化が進まないのか」「DX化が失敗する理由」というようなタイトルの記事をよく目にするようにもなりました。 経済産業省「DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~」 によると、生産プロセスに関する設備の稼働状況などのデータ収集を行っている企業の割合は、2019年度は51.0%となっており、2018 年度調査時より7%減少しております。 DX化を目指す一方で、現状は苦戦している企業が多いことがわかります。さらにこれからは、既存システムは変化していく状況に合わせて更新する必要があります。そのたびに要件は複雑になるため、既存システムの保守費は高額になると言われています。 DX化を進めていくことは必須と叫ばれているにも関わらず、進まないのはなぜでしょうか? その理由の一つに、日本人特有のマインドが関係していることが考えられます。日本人は1950~60年代の高度経済成長の成功体験が非常に大きく、その時代から何十年もかけて培われた世界的にも最高峰の現場による改善活動のおかげで、逆にDX化に踏み込めない思考になっています。この思考がDXというある意味システムに縛られる状況について、抵抗が生まれているのではないでしょうか。長年にわたり現場改善で運用していきたものをシステムに置きかえるのは容易ではありません。海外においては、日本と比較した場合、現場の声はさほど強くありません。その為、システムで現場を縛ることができ、DX化は進みやすい傾向があります。一方で日本では改善活動を行ってきた現場の力が強く、ITシステムが現場運用に合わせないといけないという状況が多く発生しています。その為、要件が複雑になり(もしくはシステム化できない)なかなか前に進んでいきません。 「現状はシステムに頼らなくても問題がない」と考えている現場の方は多いのではないのでしょうか。現場の力>ITシステムの構図が日本でDXが進まない根本要因と考えています。 とはいえ、やはりDX化を進めなければいけないのは明白です。 我々は、情報をもとに経営の意思決定をしなければなりません。現代においては営業部や製造部など多方面から様々な種類の情報収集するスピードが求められます、また、集められる情報は質・精度が高い必要があります。「高い質・精度の情報をリアルタイムで収集し、正確な情報を基に分析を行い経営判断する」これが今の時代に求められていることです。不確かな情報を手作業で取りまとめて資料作成に時間を費やす時代ではないということです。 それではどのように進めたらよいか? 中小企業の製造業に特化した船井総合研究所AI・ロボット支援室では、ロボットやAIの導入に役立つやセミナーをご用意しております。 この機会にぜひご参加ください。 ■ダウンロード事例集のご案内 https://smart-factory.funaisoken.co.jp/download/201208/ ■セミナー開催のお知らせ このセミナーは終了しました。最新のセミナーはこちらから。 https://smart-factory.funaisoken.co.jp/event/ 機械加工業の為の初めてのAI&ロボット活用!社長セミナー(オンライン) マシニングセンタ・NC旋盤・複合加工機等を保有していて多品種少量生産の熟練技術・職人技術・人手の掛かる業務にAI&ロボットを活用して自動化&生産性UP! 2/16(火)、18(木)、24(水) 13:00~15:00

コロナ禍における製造業が目指していくべき姿とは

2020.05.28

コロナウィルスが引き起こした社会の変化と、これから製造業が目指していくべき姿について8つのポイントをご紹介します。 afterコロナではなくwithコロナ 緊急事態宣言が明け、いわゆる「afterコロナ」の時期に突入しました。 同時に、「withコロナ」という言葉も出てきています。「afterコロナ」と「withコロナ」、皆さんはこの違いを考えたことがありますか? 「afterコロナ」とは、文字の通りコロナ終息後の世界を示します。 それに対し、「withコロナ」とは、当面コロナが終息しないことを見込み、その前提で上手に「共生」しようという考え方です。 人類が感染症の消息に成功したのはペストだけだとも言われています。考え方によっては、意味と意義があって新型コロナ問題が噴出したとも捉えられますね。 オフィスワークにおける変化 コロナによって経済活動が止まり、失われた6週間なんて言われておりますが、同時にテクノロジーが一気に進化したのも、また事実です。まず、自宅のオフィス化についてどのように変わるでしょうか。 o 通勤という感覚は無くなる o 専用の部屋が必要になり、マンションの買い替え需要が増える(オフィス部屋) o マンションのリノベーション需要が増える(オンラインミーティングに合った内装) o 引っ越し時にはインターネット回線をかなり気にする o 自宅オフィススペースには香りや音楽が欲しくなる o スーツや仕事着を着る機会が減るので、関連ファッションは売上が下がる o 一方、部屋着は売れ、自宅のファシリティは売れる o 女子は洋服と化粧の消費が下がる o 自宅の光熱費が増える o 震災対応で備蓄が増える o PCは普通に2台持ち o 地元商店街が活性化する o 家事代行が流行る(旦那さんが家事をアウトソーシング) o 1人の時間を大切にしたくなる(ワンルームマンションを借りる) o 一方で、人の接点を増やしたがる(メリハリが効いたライフスタイル) 続いて、オフィスの変化はどのようなものがあるでしょうか。 o オフィスの面積・家賃、ウォーターサーバー、水道光熱費、会議室、ランチデリバリーは減る o 勤務はシフト制になる o 会議室の家賃はリモートツール関連費用に入れ替わる o リモートツールでのルールが会社の規律(就業規則)に加わる o フリーアドレス・フリーデスクが促進される o 総じてオフィスの販管費が減るので、それを従業員の在宅化支援に使える会社が喜ばれる o 接待文化は少なくなる o オフィスはブレストの場になる(オフィス家具の種類が変わるしおしゃれになる) o 会社の存在が少なくなる(存在意義、求心力がない) o 帰属意識が少なくなるので、同じ価値観が大切になる o 会社としての存在意義を出すためにレクリエーションが増える?(社員旅行、運動会、忘年会) o リモートランチやリモート飲み会が当たり前になる o リモートワークに対応できない会社には優秀な人財が集まらなくなる o 昔は「3K職種」の人気がなかったが、今後は「3密職種」も嫌がられる o 逆に、リモートワーク最先端を行くと、優秀な人財が採りやすくなる withコロナを生きていくためには しかし、現実として直面しているのは、生産調整やライン部分停止などの自粛活動による影響です。 さらに大きな影響を受けている場合は、事業撤退や廃業に追い込まれている企業もあります。M&Aや事業統合、海外進出している企業は国内回帰し、仕入れ先・調達先・販路の新規開拓が始まっています。 製造業が目指すべき方向は、大きく以下の4つだと考えます。 o スマートファクトリー o デジタルファクトリー o リモートファクトリー o スピードファクトリー スマートファクトリー・リモートファクトリーの一例をご紹介します。 o リモートでの営業から「リモート営業」へ o リモートでの受注から「リモート営業」へ o リモートで金型設計していたものは「金型設計AI」で o リモートで設備運転管理していたものは「設備運転管理IoT」へ o リモートで工程管理していたものは「工程管理IoT」へ o リモートで生産管理していたものは「生産管理クラウド」へ o リモートで現場監視していたものは「遠隔監視モニター」へ o リモートで見積もりしていたものは「見積もりAI」へ o リモートでプログラム設計していたものは「プログラム設計AI」へ o リモートで生産計画していたものは「生産計画AI」へ o リモートでロボットティーチングしていたものは「ロボットIoT」へ o リモートで外観検査していたものは「外観検査AI」へ o リモートで品質改善していたものは「品質改善AI」へ o リモートで行っていた朝礼は「遠隔監視モニター」へ これらは一体どういうことか、共通するのは以下のキーワードです。 o オンライン化・リモート化・クラウド化・遠隔化 o デジタル化・ソフト化・脱ハード依存 o AI化・IoT化 o ロボット化 o 5G化 o 縮小最適生産・少数精鋭生産 o 差別化生産・高付加価値生産 いやいやそんなの大企業でしょ、なんて思うかもしれませんが現実は変わってきています。 プログラムや金型を設計したり、見積もりや営業、受注が自宅からできれば、場所を選ばないので全国各地から優秀な人財を採ることができます。 将来的には日本に限らず、世界から採ることもできるかもしれません。採るべき人財を適切に採ると、生産は上がります。 ロボットを使うことで仕事を取られるのではなく、人を「活かす」ことができるからです。 製造業の場合、遠隔監視モニターを使ってオフラインティーチングをするなど、AIやIoTによって改善できるポイントはたくさんあります。 製造業がこれからを生き抜く大切なポイントまとめ 以上をまとめると、すぐに取り組み始めたい8つのポイントが見えてきます。 o 既存業務の自動化・省人化 o 3K業務の自動化 o 熟練業務・属人業務の標準化・見える化 o 熟練業務・属人業務の技術継承・誰でも出来る化・若手育成 o 熟練者をより高付加価値業務へ移行・付加価値UP o 新規顧客の開拓(新規売上UP) o 採用強化 o 3密の削減(リモート化) 短期的には、経営環境は全くの目先不透明感いっぱいかと思います。 しかし、中長期的には、ロボット化・AI化・デジタル化は間違いのない経営戦略であると言えます。 ロボット化・AI化・デジタル化(ソフト)を前提として、それに人間が合わせて各種生産設備(ハード)を選択する経営を目指していきませんか。 最後までご覧いただきありがとうございました。 この記事は、船井総研「スマートファクトリー研究会」での講演を一部抜粋したものです。 本研究会は、上記紹介させていただいたような取り組みをされている企業の皆様で構成されております。 よろしければ「スマートファクトリー研究会」へ参加してみませんか? ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 中堅・中小製造業 経営者様向け “工場のAI・デジタル化”最新事例解説レポート この1冊で、工場のAI・デジタル化の最新事例がわかる! 【事例①】AI活用を通じて「見積もり業務の標準化・脱属人化」を推進! 【事例②】付加価値を生まない検査工程から人手を開放!AIを活用した外観検査体制の構築! 【事例③】現場に散乱していた生産日報・日常点検表等のペーパーレス化を実現! ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー https://smart-factory.funaisoken.co.jp/download/201208/ コロナウィルスが引き起こした社会の変化と、これから製造業が目指していくべき姿について8つのポイントをご紹介します。 afterコロナではなくwithコロナ 緊急事態宣言が明け、いわゆる「afterコロナ」の時期に突入しました。 同時に、「withコロナ」という言葉も出てきています。「afterコロナ」と「withコロナ」、皆さんはこの違いを考えたことがありますか? 「afterコロナ」とは、文字の通りコロナ終息後の世界を示します。 それに対し、「withコロナ」とは、当面コロナが終息しないことを見込み、その前提で上手に「共生」しようという考え方です。 人類が感染症の消息に成功したのはペストだけだとも言われています。考え方によっては、意味と意義があって新型コロナ問題が噴出したとも捉えられますね。 オフィスワークにおける変化 コロナによって経済活動が止まり、失われた6週間なんて言われておりますが、同時にテクノロジーが一気に進化したのも、また事実です。まず、自宅のオフィス化についてどのように変わるでしょうか。 o 通勤という感覚は無くなる o 専用の部屋が必要になり、マンションの買い替え需要が増える(オフィス部屋) o マンションのリノベーション需要が増える(オンラインミーティングに合った内装) o 引っ越し時にはインターネット回線をかなり気にする o 自宅オフィススペースには香りや音楽が欲しくなる o スーツや仕事着を着る機会が減るので、関連ファッションは売上が下がる o 一方、部屋着は売れ、自宅のファシリティは売れる o 女子は洋服と化粧の消費が下がる o 自宅の光熱費が増える o 震災対応で備蓄が増える o PCは普通に2台持ち o 地元商店街が活性化する o 家事代行が流行る(旦那さんが家事をアウトソーシング) o 1人の時間を大切にしたくなる(ワンルームマンションを借りる) o 一方で、人の接点を増やしたがる(メリハリが効いたライフスタイル) 続いて、オフィスの変化はどのようなものがあるでしょうか。 o オフィスの面積・家賃、ウォーターサーバー、水道光熱費、会議室、ランチデリバリーは減る o 勤務はシフト制になる o 会議室の家賃はリモートツール関連費用に入れ替わる o リモートツールでのルールが会社の規律(就業規則)に加わる o フリーアドレス・フリーデスクが促進される o 総じてオフィスの販管費が減るので、それを従業員の在宅化支援に使える会社が喜ばれる o 接待文化は少なくなる o オフィスはブレストの場になる(オフィス家具の種類が変わるしおしゃれになる) o 会社の存在が少なくなる(存在意義、求心力がない) o 帰属意識が少なくなるので、同じ価値観が大切になる o 会社としての存在意義を出すためにレクリエーションが増える?(社員旅行、運動会、忘年会) o リモートランチやリモート飲み会が当たり前になる o リモートワークに対応できない会社には優秀な人財が集まらなくなる o 昔は「3K職種」の人気がなかったが、今後は「3密職種」も嫌がられる o 逆に、リモートワーク最先端を行くと、優秀な人財が採りやすくなる withコロナを生きていくためには しかし、現実として直面しているのは、生産調整やライン部分停止などの自粛活動による影響です。 さらに大きな影響を受けている場合は、事業撤退や廃業に追い込まれている企業もあります。M&Aや事業統合、海外進出している企業は国内回帰し、仕入れ先・調達先・販路の新規開拓が始まっています。 製造業が目指すべき方向は、大きく以下の4つだと考えます。 o スマートファクトリー o デジタルファクトリー o リモートファクトリー o スピードファクトリー スマートファクトリー・リモートファクトリーの一例をご紹介します。 o リモートでの営業から「リモート営業」へ o リモートでの受注から「リモート営業」へ o リモートで金型設計していたものは「金型設計AI」で o リモートで設備運転管理していたものは「設備運転管理IoT」へ o リモートで工程管理していたものは「工程管理IoT」へ o リモートで生産管理していたものは「生産管理クラウド」へ o リモートで現場監視していたものは「遠隔監視モニター」へ o リモートで見積もりしていたものは「見積もりAI」へ o リモートでプログラム設計していたものは「プログラム設計AI」へ o リモートで生産計画していたものは「生産計画AI」へ o リモートでロボットティーチングしていたものは「ロボットIoT」へ o リモートで外観検査していたものは「外観検査AI」へ o リモートで品質改善していたものは「品質改善AI」へ o リモートで行っていた朝礼は「遠隔監視モニター」へ これらは一体どういうことか、共通するのは以下のキーワードです。 o オンライン化・リモート化・クラウド化・遠隔化 o デジタル化・ソフト化・脱ハード依存 o AI化・IoT化 o ロボット化 o 5G化 o 縮小最適生産・少数精鋭生産 o 差別化生産・高付加価値生産 いやいやそんなの大企業でしょ、なんて思うかもしれませんが現実は変わってきています。 プログラムや金型を設計したり、見積もりや営業、受注が自宅からできれば、場所を選ばないので全国各地から優秀な人財を採ることができます。 将来的には日本に限らず、世界から採ることもできるかもしれません。採るべき人財を適切に採ると、生産は上がります。 ロボットを使うことで仕事を取られるのではなく、人を「活かす」ことができるからです。 製造業の場合、遠隔監視モニターを使ってオフラインティーチングをするなど、AIやIoTによって改善できるポイントはたくさんあります。 製造業がこれからを生き抜く大切なポイントまとめ 以上をまとめると、すぐに取り組み始めたい8つのポイントが見えてきます。 o 既存業務の自動化・省人化 o 3K業務の自動化 o 熟練業務・属人業務の標準化・見える化 o 熟練業務・属人業務の技術継承・誰でも出来る化・若手育成 o 熟練者をより高付加価値業務へ移行・付加価値UP o 新規顧客の開拓(新規売上UP) o 採用強化 o 3密の削減(リモート化) 短期的には、経営環境は全くの目先不透明感いっぱいかと思います。 しかし、中長期的には、ロボット化・AI化・デジタル化は間違いのない経営戦略であると言えます。 ロボット化・AI化・デジタル化(ソフト)を前提として、それに人間が合わせて各種生産設備(ハード)を選択する経営を目指していきませんか。 最後までご覧いただきありがとうございました。 この記事は、船井総研「スマートファクトリー研究会」での講演を一部抜粋したものです。 本研究会は、上記紹介させていただいたような取り組みをされている企業の皆様で構成されております。 よろしければ「スマートファクトリー研究会」へ参加してみませんか? ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 中堅・中小製造業 経営者様向け “工場のAI・デジタル化”最新事例解説レポート この1冊で、工場のAI・デジタル化の最新事例がわかる! 【事例①】AI活用を通じて「見積もり業務の標準化・脱属人化」を推進! 【事例②】付加価値を生まない検査工程から人手を開放!AIを活用した外観検査体制の構築! 【事例③】現場に散乱していた生産日報・日常点検表等のペーパーレス化を実現! ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー https://smart-factory.funaisoken.co.jp/download/201208/