記事公開日:2022.10.25
最終更新日:2023.01.20

DX人材が実践している「プログラミング的思考」とは

近年、プログラミングという言葉が多く出回るようになり、その仕事に関わっていない方からも話を耳にするようになりました。
DXが加速していく中で、プログラミング的思考をもっていること、会社としてノウハウを持っていることは大きな価値となります。

では、なぜプログラミング的思考が必要なのか?そもそもDXとプログラミング的思考はどのような結びつきがあるのか?について、具体例を挙げながら解説していきます。

1.プログラミング的思考とは?

プログラミング的思考とは、端的に言うと「プログラム設計の際の思考方法をプログラミング以外の事柄で使用すること」を意味します。
必要となる力は大きく分けて下記の2点が挙げられます。

  • 目的達成のために必要なマイルストーンを適切に設計する力
  • マイルストーンを一般化・抽象化して汎用性を持たせる力

「目的達成のために必要なマイルストーンを適切に設計する力」
プログラミングでは、目的達成のために必要なプログラムのフローを設計し、それに基づいてプログラムを設計し、目的達成を目指します。具体例として、テキストエディタに10段の三角形をアスタリスクで作成するプログラムを作ってみましょう。

①必要となる部品の整理

  • 10段の繰り返し
  • 段数が増えると空白を減らす処理
  • 段数が増えるとアスタリスクが増える処理

②フローの設計
i. 10文字のうち、段数を引いた数だけ空白を入力し、段数分アスタリスクを入力
1段目 : 「□□□□□□□□□* 」
2段目 : 「□□□□□□□□* * 」
3段目 : 「□□□□□□□* * * 」

ii. iを10回繰り返す
※上記より綺麗なアルゴリズムはあると思いますが、例として挙げさせていただいております。

実行結果は
三角形をアスタリスクで作成するプログラム1
となります。
今回のプログラムでは、10段すべてを1行ずつ記述するのではなく、段数を経ていくたびに空白とアスタリスクの数を増減させて記述させることで、成果を変えずにマイルストーンを減らして目的を達成することができました。

この考え方を具体的に業務に落とし込むとこのようになります。
例)システム導入提案資料をチームで作成する場合
①必要となる部品の整理
・システムの説明
・クライアントの課題整理
・他社の事例
・導入効果・メリット
②フローの設計
i. クライアントの課題を整理し、問題提起をおこなう
ii. その課題を解決するためのシステムの説明
iii. システム導入によってどのような効果が得られるのかの説明
iv. 他社の事例

プログラミング的思考があると、上記のようにそれぞれ独立した部品として扱うことが出来るようになり、仕事の割り振りが明確になります。

「マイルストーンを一般化・抽象化して汎用性を持たせる力」
上記の例を一般化・抽象化し、他の用途にも展開できるようにします。

例)三角形のプログラムの場合
10段の要望から20段、30段の要望が出てきた場合、毎度数字を書き換えるのは手間がかかります。
そのため、必要となる部分を変数として設定し、1つ書き換えるだけですべてが変わるように設計します。
プログラムはこのようになります。
三角形をアスタリスクで作成するプログラム2
三角形をアスタリスクで作成するプログラム3
countの数字のみを変更するだけで、実行結果が変更できるようになりました。

例)システム導入提案資料をチームで作成する場合
それぞれの部品の資料の会社名や会社情報にわかりやすく目印を付け、どの部分を変更すれば良いのかをあらかじめ設定しておきます。
また、資料をそれぞれ別で保存しておき、誰でも活用できるような共有フォルダに格納することで、1から作成した資料を他の方が再度作ることなく使用できるようになり、チーム全体の効率性が向上します。

このように、必要となる部品の分解、フロー作成が完了した後に汎用性を持たせる一工夫をするだけで大きな効果を生むことがあります。組み合わせの数は部品の数が多ければ多いほど膨大になります。そうなると、効率的な資料作成が可能となります。

2.DXとプログラミング的思考の結びつき

DXを行う上で、プログラミング的思考は必須となっていきます。
プログラミング的思考が無いと、デジタルを活用した業務が複雑化してしまい、アナログ業務の効率化を目的としたデジタル活用であるはずなのに、結果として効率化されていないという状態に陥ってしまう恐れがあります。

プログラミング的思考があると、上記の問題を解決することが可能です。

デジタル活用による複雑化の原因は、アナログ業務をそのままデジタル化してしまうことにあります。業務改善によって今も昔も業務内容は大きく変更しており、これからも大きく変更していきます。その際に、単にトレンドのツールに飛びつくのではなく、ツール入れ替えの際に都度業務の最適化を行う必要があります。
新しいツールを入れる際には、そのツールに合った新しい観点から業務を振り返り、そのツールに合うように業務設計し直さなければならないため、ツールを導入するまではどのように業務を最適化したらよいのかがはっきりしないのですが、業務を最適化“しやすく”することは出来ます。そこでプログラミング的思考が役に立ちます。
一連の業務を部品化して独立化させます。また、何度も修正するようなところは変数に置き換えて汎用性を高くします。これにより、部品の入れ替えだけで業務改善が出来るようになります。
持続的な会社にする為に、これからのトレンドにいち早く乗っていくためにはプログラミング的思考が必要不可欠となるのです。

3.日常的にプログラミング的思考を鍛える方法

それでは、どのようにしてプログラミング的思考を鍛えるのか、について説明していきます。

一番の方法はプログラミングを勉強し、業務に落とし込むことはできないかと常日頃考えて実行してみることになります。
しかし、これは学習コストが高く、効果が出るまでには時間がかかるため、日常的に鍛えられる方法を説明していきます。

日常的にプログラミング的思考を鍛える方法は、「都度、自身の行動を部品化し、効率化できる部分が無かったかを振り返り、次に活かすこと」です。

簡単な例として、出社するまでのタスクの優先順位付けを挙げます。
起床してから、出社するまで、朝食や着替え等、様々なタスクが存在しています。その際に、どの順序でタスクを行うと、効率化できるのかを毎回1分で良いので考えてみることでプログラミング的思考力を身に付けることができます。
また、効率化できると感じた理由まで考えられると、同じようなタスクが来た際に瞬時に判断できるようになります。

4.まとめ

プログラミング的思考という名前ですが、求められている力は「部品分解力」と「抽象化、一般化の力」となります。ただ、この2つの力を養うことができるスキルがプログラミングであるということです。
プログラミングには上記で述べた機能以外にも豊富な効率化のヒントが隠されています。是非ヒントを活用して日常業務へ落とし込んでみてください。

 

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