記事公開日:2022.11.16
最終更新日:2023.01.20

DXを低コストで実現するためのポイント

いつも当コラムをご愛読いただきありがとうございます。

今回は、「DXを低コストで実現するためのポイントとは?」
というテーマについてお伝えさせていただきます。

さて、近年全国各地の中堅・中小製造業の企業様にて、
DX推進の一環として「業務のシステム化」に関する
コンサルティングをさせていただく機会が増えています。

その中で、お付き合い先の製造業の経営者様から、
「システム化にはやはり多額のお金がかかるんですよね…」
といったお声を頂戴することがあります。

「できるだけ低コストでシステム化を実現したい!」という想いは、
多くの製造業経営者様の間で共通の認識であることを、
日々実感する次第です。

もちろん、「補助金活用」という手段を通じて、
システム化に伴う金額的な負担を軽減する
という選択肢もありますが、
申請した補助金が不採択になってしまった場合のリスクを考慮すると、
「補助金活用」以外の手段も同時に考えていきたいところ。

そこで、今回のコラムでは
「システム化に伴うコストの低減」に繋げるために
有効なポイントを2つご紹介いたします。

1.ポイント(1):システム化の前に「既存業務の見直し・再定義」からスタートする

「システム化に伴うコストの低減」へと繋げるために重要なポイントとして、
既存の業務フローや業務の考え方をすべてシステム化しようとするのではなく、
システム導入を契機として、

  • 既存の業務のあり方を見直し、
  • 余計な業務工程や考え方・ルール等を削ぎ落とす

ことが挙げられます。

多くの場合、現場担当者は「今の仕事が必要で、正しい」と思っているため、
現場担当者に対して「どのような仕事のやり方がベストか?」を聞いても、
「今の仕事のやり方がベスト」という答え以外はなかなか返ってきづらいです。

このような状況の中で、
既存の業務フローや業務の考え方を
すべてシステム化しようとしてしまうと、
システム化に伴うコストは自然と上がってしまいます。

「業務のシステム化」に関するコンサルティングの流れとして、
既存業務を客観的に分析・整理することからスタートするわけですが、
システム化に伴うコストを低減するためには、

  • これまでの会社の常識や前任者の名残りで、既存業務の標準化が進んでいない業務はないか?
  • 客観的に考えると特に競争優位になっていないのに、「単に複雑なだけ」の業務が残っていないか?
  • よくよく聞いてみると実施目的が曖昧だが、これまでの慣習で残ったままになっている業務はないか?
  • 自社の業績アップ(売上アップ・利益アップ・コスト削減)に貢献しているかどうか不透明な業務はないか?

等の客観的かつ経営的な観点から、
現状を俯瞰し整理していくことが必要です。

「システムへの投資後」ではなく、
「システムに投資する前」の段階で、
既存業務のあり方や目的等を問い直し、
その上で既存業務の簡素化・再定義を進めていくことが、
「システム化に伴うコスト低減」に向けた第一歩となります。

2.ポイント(2):「機能」ではなく、「本当に解決したい課題」から考える

結論としては、「1回のシステム開発に多くの機能・条件を求めすぎない」ことが特に重要となります。

よくある例としては、

  • 既存の業務フローや業務の考え方をすべてシステム化しようとする。
  • 「本当に解決したい課題」を絞らずに、機能の話ばかりに終始する。
  • 各機能に対して優先順位を明確につけずに、すべての機能を1つのシステムに組み込もうとする。
  • その他にも自社特有の機能を1つのシステムに「あれもこれも」と追加しようとする。
  • 結果としてシステム開発費用が膨れ上がる。
  • システム開発費用と比例して、システム開発工数も延びてしまう。
  • より多くの機能・条件を1つのシステム内でカバーする必要があるため、システム開発が難航してしまう。
  • システムの出来自体も、かなり複雑なものになってしまう。

等の事柄が挙げられます。

上記のような発想のまま、
1度で完璧なものを完成させる前提でシステム化を進めてしまうと、
システム化に伴うコストは高騰し、
結果的にシステム化自体も失敗する可能性が高まってしまいます。

システム化に伴うコストの高騰と
システム化自体の失敗を回避するための進め方の一例としては、

①現場の事実をもとにした課題の整理
②解くべき課題の優先順位付け
③優先度の高い課題を解決する機能の洗い出し
④必要機能のシステムへの落とし込み

という流れを踏まえた上で、
どうしても追加したい機能や条件がある場合は、
開発フェーズを分けて導入を進める等の進め方がおすすめです。

システムに搭載する機能自体は、
あくまでも「本当に解決したい課題」を解決するための手段にすぎません。

したがって、業務のシステム化を進めるにあたっては、
「どのような機能を追加するか?(=手段)」の議論の前に、
「本当に解決したい課題は何か?(=目的)」を十分に議論し、
内容を整理する機会を確保することが必要となります。

 
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