記事公開日:2022.12.02
最終更新日:2024.03.27

CRPが中小製造業のシステム導入を成功に導く!

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「2025年の崖問題」を受けて新システム導入を検討されている方は多いかと思います。
しかし、技術革新を背景に現場からのシステム要件は高度化し、それに伴って開発工程も複雑化しています。
今回は、現場が求める要件を満たすシステムを効率的に構築するための有効な手法であるCRPについてご紹介いたします。

1.CRPとは

CRP(Conference Room Pilot)とは、パッケージシステムを導入する前に数ライセンス分だけ購入して当該パッケージが自社要件を満たすかどうかテストすること、を指します。
具体的には、新パッケージシステムのデータ設定・定義の確認、現行フローをどこまで再現できるか・再現できない場合に新業務フローはどのようになるのかのテストなどがCRPの実業務に該当します。

2.CRPが注目されている背景

CRPが注目されている背景には、システム開発の複雑化があります。
開発が複雑になる中でもシステムの作り直し・手戻りを最小限にするためにCRPはとても有効です。

昨今の技術革新に伴い「システムにできること」が増えた結果、現場からの要求機能は複雑化しています。
システム構築を進めていく途中で仕様変更となるケースも多く、要件定義から最終仕様の決定まで事前の計画に沿って進める「ウォーターフォール型」の開発では手戻りが発生しやすく非効率的です。
このような変化を受け、システム開発を小さなフェーズ(=小単位)に分け、小単位毎に実装・テストを繰り返すことで、最小限の手戻りリスクで開発を進める「アジャイル開発」という手法も注目を集めています。
アジャイル開発と同様に、要件が複雑化する中でも手戻りが最小限で済むようにシステム開発を進めるために、CRPが注目されています。

次に、製造業がCRPに取り組むメリットについて説明します。

3.製造業がCRPに取り組むメリット

製造業がCRPに取り組むメリットは下記のような内容が該当します。

①プロジェクト・開発期間の最短化
CRPを実施するメリットの1点目は、システム導入プロジェクト・システム開発期間の最短化が挙げられます。
事前に機能上の課題などが洗い出せるため、開発が開始してから手戻りが発生する可能性が低くなるためです。
CRPをせずシステム開発終了後に現場からのフィードバックを受けシステムを改修する場合、その分の開発工数・時間だけプロジェクト・システム開発の期間は長期化します。

②実運用のスムーズな切り替え
CRPを実施するメリットの2点目は、新システムに向けて実運用の切り替えがスムーズにできるという点です。
CRPを実施することで、機能要件を洗い出したうえで開発が進められるだけではなく実際の運用フローも整理したうえで実運用に移ることができるためです。
通常はシステムの並行稼働時、もしくは開発終了後に運用検討するケースが多いですが、CRPを実施すればその工程を前倒しにすることができ、スムーズに実運用に乗せることができます。

③新システムへの理解度の早期向上
CRPを実施するメリットの3点目は、現場社員・作業者による新システムへの理解度が早期に向上できるという点です。
CRPでは現場社員・作業者も新システムを触れることで、導入に先んじて操作感覚やシステム機能についての理解度を深めることができるためです。
システム移行方法として並行稼働を選択した場合、「いかに素早く正確に入力するか」が重要になりますが、CRPはその点で非常に有効です。

今回の記事はどちらかというとシステムベンダーが主体となって取り組む部分ですが、導入企業側もCRPのような導入手法を理解しておくことで、システム導入がより円滑に進む確率が高くなります。
システムベンダーに丸投げにならないよう、自社でも「どうしたらシステム導入が成功するか」を考えることが重要です。

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