記事公開日:2022.12.13
最終更新日:2023.08.19

【製造業】原価管理の導入でコスト削減!導入から運用定着まで解説

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いつも当コラムをご愛読いただきありがとうございます。

1.個別原価管理とは

本コラムでは、多くの企業で導入したいが、なかなか実行・定着までにいたらない“個別”原価管理について、導入・定着のポイントについて説明をさせていただきます。

個別原価管理(以下、原価管理)とは、受注生産を主とするものづくり企業においては、製造指示書等の一区分の製造にかかったコストの中身を見える化したものです。
原価管理を説明した資料は、テキストやWebサイト、説明動画も多くありますが、なぜ多くの企業で導入が困難なのでしょうか。
難しそう、何をすればいいかわからないといったイメージで敬遠していることもあると思いますが、実際に導入・定着を現場で実施してきた立場からポイントを下記させていただきます。

本コラムのポイントは、以下の3つです。
(1)原価管理のメリット・デメリット
(2)導入する前に必要なこと
(3)定着に必要な仕組み作り

2.原価管理のメリット・デメリット

原価管理は、前述したように一つの製造作業指示書で指示された製品を作成するのにかかるコストを費目別に計算したものです。
よって、今まで大雑把に計算していた企業にとっては、曖昧であった労務費や材料費、消耗品費などが明確に出てくることになります。
その結果として、材料工具の無駄遣い、在庫過多、作るたびに赤字が増える製品といったものがわかるようになります。
このように今まで曖昧であったものが、数字で表されるので、コスト改善を行うための、ポイントを定めやすくなり、目標設定と効果測定も実施しやすくなります。
一方で、現場にとっては、曖昧だったことが数字で定量的に表現されるようになるので、敬遠したい取組であったりします。

何事もそうですが、原価管理においても、メリット・デメリットの両面があります。
経営者にとっては、メリットが多いかもしれませんが、会社として取り組む上では、そのバランスをとること、つまり、現場にとってもメリットがある管理であることを理解してもらう必要があります。

では、具体的にどうすればよいでしょうか?

3.スモールスタートで原価管理を導入

まずは、原価管理を導入する目的について設定することが重要です。
先ほども述べたように原価管理導入のメリットは大きいですが、導入・運用共にそれなりの手間がかかります。
制度を作るには、専門知識を学習する必要があり、自社にあった形の仕組みを作るためにはある程度の試行錯誤は必須です。

そこで、ここでは、スモールスタートで原価管理を導入するために必要なことを説明させていただきます。
このスモールスタートできっかけを作っていただき、取組を通して原価管理を高度に発展させていく流れを提案します。

①管理したい費目の範囲を決定する
テキスト通りに導入しようとすると、細かい費目が多く、自社の実態とあわないことがあります。
そこで、すべてを管理対象とするのではなく、確認したい費目に優先順位を定め、その上位から計算するようにします。

②部分的に導入する
全ての製品に適応するのではなく、製造頻度が多い製品や売上金額が大きい製品などに絞って導入します。
その絞った対象で、原価計算や試験運用をすることで本運用前に取組の質を向上させることができます。

③プロジェクト化し、改善を継続する
担当者に任せるのでなく、経営者自身をオーナーとしたプロジェクトを組織し、定期的に改善状況をフォローし、最終的なゴールに到達するまで続けることが重要です。

4.定着に必要な仕組みづくり

導入前の事前準備には、スモールスタートを行うことで、取組の質を向上させることを提案させて頂きました。
次のステップとして、実際導入して運用を定着していくにはどうしたらよいでしょうか。
基本的には原価管理を始めると、想定より多くコストがかかっていること、または、その逆であることが判明し、コストが多くかかっているところは、削減する活動を開始するのが普通です。
このコスト削減を金額の大小のみに着目して行うとなかなか運用が継続せずに社員が積極的に参加しない取組となり、徐々に形骸化していきます。

そこで、原価管理をうまく定着しスパイラルアップさせるためのポイントを2つ下記します。
基本は情報を広く共有し、原価管理は経営層だけの話ではないことを認識してもらいます。

①結果の見える化
どこの階層までオープンにするかは、各会社の社風にもよりますが、主任クラスまでには結果を共有し、自身が携わった製品が会社にどれだけの利益を与えて貢献しているのかを認識してもらう。

②結果の活用
現場の改善活動をおこなっている企業は多いと思いますが、活動結果を定量的に評価しづらいといった側面があります。
そこで、評価基準にコスト評価を加えることで、時間短縮の事例であれば、その結果でどれだけ安く作れるようになって、会社の売上が上がったかがわかるようになります

5.まとめ

今回のコラムでは、原価管理を開始から運用定着する流れについて簡単ではありますが、ポイントを説明させていただきました。
今回の紹介した内容をきっかけに、自社での原価に関する会話を開始し、コスト改善などの取り組みに発展させていただければ幸いです。
また、上記内容について、より具体的に詳細をお知りになりたい場合や導入支援が必要といった場合は、お気軽に弊社にご相談いただければ幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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