ROBOT CONSULTING COLUMN 自動化・ロボットコンサルティングコラム

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産業用ロボットの種類と市場規模

2020.06.18

近年では、様々な業界においてロボットが用いられるようになってきています。 その背景には将来的な人口減少により生産年齢人口が減少することや、顧客のニーズを満たすようなロボットを、製造することが出来るまでに技術が発展していることなどが、挙げられます。 ロボットと一口に言っても産業用ロボット・家電ロボット・手術支援ロボット・医療支援ロボットなど様々な種類がありますが、その中でも最も注目を集めているのが産業用ロボットです。 では、「産業用ロボット」とは一体どういうものなのでしょうか? 1.産業用ロボットとは? 産業用ロボットの説明に入る前に、まずはロボットの定義を共有したいと思います。 ロボットの定義は明確に定まっている訳ではなく所々で色々な定義がされていますが、定義の一つに、“人の代わりに何等かの作業を自律的に行う装置、もしくは機械のこと。”とあります。 そのロボットの中で、注目されている産業用ロボットは、「自動制御され、再プログラム可能で、多目的なマニピュレーターであり、3軸以上でプログラム可能で、1か所に固定してまたは運動機能をもって産業自動化の用途に用いられるロボット」と日本工業規格JISで定義されています。 マニピュレーターとは人の手や腕の代わりに作業する機構を指します。このような産業用ロボットは、資金が潤沢な大企業のみが導入できるものと考えられてきましたが、近年では規模が小さい中小企業においてもロボット導入が可能となっています。 まだまだ多くの方が、ロボット化をただの単品大量生産の自動化だと考えていますが、それは大きな間違いです。 特に中小企業にとってロボット化とは ・売上UP・付加価値UP・生産性UP ・熟練業務の伝承・継承 ・優秀な若手の採用強化・教育育成 ・新規顧客の開拓 ・人手不足の解消 ・ロボットによる3K業務の代替 であり大きなメリットがあります。 2.産業用ロボットに関する市場を調査 先述の通り、産業用ロボットは今非常に注目を集めています。 IFR (国際ロボット連盟)のレポートによると、過去5 年で世界の産業用ロボットの販売台数は2 倍になるといわれています。その背景として、日本・韓国・欧州等における労働力人口減少や中国・新興国等における賃金上昇や品質向上ニーズ拡大等が挙げられます。 IFRのWorld Robotics Report によると、2017 年に世界の産業用ロボットの出荷台数は過去最高となる381,000 台を記録し、前年比30%増となりました。ロボットの年間販売台数は下記の図をみてもわかるように、年々増加しており1 年あたり平均14%増となっています。 *2009~2017年と2018~2021年の世界全体の産業用ロボットの推移年間販売数 出展:国際ロボット連盟2018 また、日本ロボット工業会の統計を見ても、国内メーカーの18年の受注額は9623億円で、前年比5,5%増加しました。6連続の前年比増加で、過去最高を記録しています。 日本は、世界一の産業用ロボット生産国ですが、2017 年に日本メーカーは世界の販売台数の56%を占めました。 輸出比率は 45%の増加を記録し、輸出先は北米や中国、韓国、ヨーロッパです。 日本以外で注目すべき国としては、中国です。近年、中国を中心としたアジア市場が産業用ロボット市場の大きな成長源となっています。 中国は既に稼働台数において日本に次ぐ世界第2位となっていますが、工場労働者1人当たりの台数は少なく、ロボットの導入余地が大きいと考えられ、今後日本を抜いていくことが予想されます。 ここまで数字面で、産業用ロボットが注目される根拠を説明してきましたが、ここからは社会的な面からも見ていきたいと思います。 国際ロボット連盟の会長である津田純嗣は以下のように述べています。 「産業用ロボットは製造業の進歩に欠かせない重要な役割を担っています。ロボットは、視覚認識やスキル学習、AIを用いた故障予測、マン・マシン・コラボレーションという新たな概念、そして容易なプログラミングなどの多くの最新のテクノロジー と共に進化を遂げています。こうしたテクノロジーは、製造業の生産性の向上と、ロボット応用分野の拡大に寄与するでしょう。IFRの予測では、世界中の工場へのロボットの年間導入台数は2021年に約630,000台に到達することが見込まれます。」 OECDの調査によると、テクノロジーを効果的に採用している企業は、採用していない企業よりも10倍生産性が高いことが示されており、津田会長が言うように産業用ロボットは製造業の進歩に必要不可欠であると考えられます。 また、昨今のコロナウイルスの影響により自動化は今後より進んでいくと考えられます。IFRや経済学者らはコロナ危機は、ロボットが産業と社会にもたらす重要な貢献を強調しているとの考えを示しています。 3.産業用ロボットの種類 産業用ロボットは幅広い分野で活用されていますが、一口に産業用ロボットといっても様々なタイプがあります。 ・垂直多関節ロボット 人間の腕に似た構造で自由度が高く、最も普及しているタイプの産業用ロボットです。 軸の数が多く、動作の自由度が非常に高いということから様々な作業を行うことができます。 自由度が高いことから、対象とするワークを回り込んでの作業も得意で、搬送・溶接・塗装・組立等多くの工程で導入されています。 ただ、多軸で自由度が高い半面、制御がやや複雑になります。 ・水平多関節ロボット(スカラロボット) 水平(スカラ)方向の動きに特化したロボットです。 最も主流となっているのが4軸のロボットで、関節は回転軸が全て垂直に揃っているため、必ずアームの先端が水平面内を移動します。 例えばものをつかみ上げる場合は、ハンドを対象物の真上まで動かし、垂直の直線軸でハンドを近づけます。 複雑な動作はできませんが、上下方向の剛性が高く、水平方向への柔軟性を持っているため、部品の押し込み作業などの組立工程に適しています。 ウエハの搬送や、基板を組み立てる際など用途は多岐に渡ります。 ・パラレルリンクロボット 並列なリンクを介して1点の動きを制御する方法(パラレルメカニズム)を使った産業用ロボットです。 複数モーターの出力を1点に集中させ、各関節が直接先端を制御するため、高精度・高出力で、非常に高速に動けるという特徴があります。 そのため、ベルトコンベヤーの上に取り付けられ、流れてくる製品を高速でピックアップして搬送することができます。 ・直交ロボット 直角に組み合わせた直線軸からなるシンプルなロボットです。 作業を施す範囲に対し、設置面積が広くなってしまうというデメリットはありますが、スライド機構による動作になるため、回転がないという特徴があります。 また、複雑な動作はできない代わりに、シンプルで安価であるといったことも特徴として挙げられます。 直行ロボットは重量物の搬送や、基板の組み立てなどに使用されています。最近では、単体で導入するのではなく、多関節ロボットと組み合わせて導入し、使われることが増えてきています。 そのほかにも、液晶パネルの搬送などに利用されている、「円筒座標型ロボット」や 産業用ロボットの元祖である「極座標型ロボット」等様々なロボットがあります。 また、産業用ロボットといっても、「協業ロボット」や「双腕ロボット」など、一般的な産業用ロボットとは違ったタイプのロボットもあります。 このように、産業用ロボットは今非常に注目を集めています。 今後、産業用ロボットによる自動化はより進んでいくことでしょう。 本記事では産業用ロボットの市場について解説しました。 他の記事では、中小企業がロボット化を実現している事例なども紹介しておりますから、ロボット化をお考えの方のきっとお役に立つことと思います。 是非一度、ご覧になって下さい。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 自動化・ロボット化事例集 vol.2 本事例集は、全国の先進的な工場が取り組む「自動化・ロボット化」の事例をまとめたものとなります。 これから自動化・ロボット化に取組もうと考える皆さまに、 「工場にロボット・IoTを導入する」ための具体的なノウハウを、 事例を通して知っていただくことを目的に作成しました。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー https://smart-factory.funaisoken.co.jp/download/automation-robotization-examples-02/ 近年では、様々な業界においてロボットが用いられるようになってきています。 その背景には将来的な人口減少により生産年齢人口が減少することや、顧客のニーズを満たすようなロボットを、製造することが出来るまでに技術が発展していることなどが、挙げられます。 ロボットと一口に言っても産業用ロボット・家電ロボット・手術支援ロボット・医療支援ロボットなど様々な種類がありますが、その中でも最も注目を集めているのが産業用ロボットです。 では、「産業用ロボット」とは一体どういうものなのでしょうか? 1.産業用ロボットとは? 産業用ロボットの説明に入る前に、まずはロボットの定義を共有したいと思います。 ロボットの定義は明確に定まっている訳ではなく所々で色々な定義がされていますが、定義の一つに、“人の代わりに何等かの作業を自律的に行う装置、もしくは機械のこと。”とあります。 そのロボットの中で、注目されている産業用ロボットは、「自動制御され、再プログラム可能で、多目的なマニピュレーターであり、3軸以上でプログラム可能で、1か所に固定してまたは運動機能をもって産業自動化の用途に用いられるロボット」と日本工業規格JISで定義されています。 マニピュレーターとは人の手や腕の代わりに作業する機構を指します。このような産業用ロボットは、資金が潤沢な大企業のみが導入できるものと考えられてきましたが、近年では規模が小さい中小企業においてもロボット導入が可能となっています。 まだまだ多くの方が、ロボット化をただの単品大量生産の自動化だと考えていますが、それは大きな間違いです。 特に中小企業にとってロボット化とは ・売上UP・付加価値UP・生産性UP ・熟練業務の伝承・継承 ・優秀な若手の採用強化・教育育成 ・新規顧客の開拓 ・人手不足の解消 ・ロボットによる3K業務の代替 であり大きなメリットがあります。 2.産業用ロボットに関する市場を調査 先述の通り、産業用ロボットは今非常に注目を集めています。 IFR (国際ロボット連盟)のレポートによると、過去5 年で世界の産業用ロボットの販売台数は2 倍になるといわれています。その背景として、日本・韓国・欧州等における労働力人口減少や中国・新興国等における賃金上昇や品質向上ニーズ拡大等が挙げられます。 IFRのWorld Robotics Report によると、2017 年に世界の産業用ロボットの出荷台数は過去最高となる381,000 台を記録し、前年比30%増となりました。ロボットの年間販売台数は下記の図をみてもわかるように、年々増加しており1 年あたり平均14%増となっています。 *2009~2017年と2018~2021年の世界全体の産業用ロボットの推移年間販売数 出展:国際ロボット連盟2018 また、日本ロボット工業会の統計を見ても、国内メーカーの18年の受注額は9623億円で、前年比5,5%増加しました。6連続の前年比増加で、過去最高を記録しています。 日本は、世界一の産業用ロボット生産国ですが、2017 年に日本メーカーは世界の販売台数の56%を占めました。 輸出比率は 45%の増加を記録し、輸出先は北米や中国、韓国、ヨーロッパです。 日本以外で注目すべき国としては、中国です。近年、中国を中心としたアジア市場が産業用ロボット市場の大きな成長源となっています。 中国は既に稼働台数において日本に次ぐ世界第2位となっていますが、工場労働者1人当たりの台数は少なく、ロボットの導入余地が大きいと考えられ、今後日本を抜いていくことが予想されます。 ここまで数字面で、産業用ロボットが注目される根拠を説明してきましたが、ここからは社会的な面からも見ていきたいと思います。 国際ロボット連盟の会長である津田純嗣は以下のように述べています。 「産業用ロボットは製造業の進歩に欠かせない重要な役割を担っています。ロボットは、視覚認識やスキル学習、AIを用いた故障予測、マン・マシン・コラボレーションという新たな概念、そして容易なプログラミングなどの多くの最新のテクノロジー と共に進化を遂げています。こうしたテクノロジーは、製造業の生産性の向上と、ロボット応用分野の拡大に寄与するでしょう。IFRの予測では、世界中の工場へのロボットの年間導入台数は2021年に約630,000台に到達することが見込まれます。」 OECDの調査によると、テクノロジーを効果的に採用している企業は、採用していない企業よりも10倍生産性が高いことが示されており、津田会長が言うように産業用ロボットは製造業の進歩に必要不可欠であると考えられます。 また、昨今のコロナウイルスの影響により自動化は今後より進んでいくと考えられます。IFRや経済学者らはコロナ危機は、ロボットが産業と社会にもたらす重要な貢献を強調しているとの考えを示しています。 3.産業用ロボットの種類 産業用ロボットは幅広い分野で活用されていますが、一口に産業用ロボットといっても様々なタイプがあります。 ・垂直多関節ロボット 人間の腕に似た構造で自由度が高く、最も普及しているタイプの産業用ロボットです。 軸の数が多く、動作の自由度が非常に高いということから様々な作業を行うことができます。 自由度が高いことから、対象とするワークを回り込んでの作業も得意で、搬送・溶接・塗装・組立等多くの工程で導入されています。 ただ、多軸で自由度が高い半面、制御がやや複雑になります。 ・水平多関節ロボット(スカラロボット) 水平(スカラ)方向の動きに特化したロボットです。 最も主流となっているのが4軸のロボットで、関節は回転軸が全て垂直に揃っているため、必ずアームの先端が水平面内を移動します。 例えばものをつかみ上げる場合は、ハンドを対象物の真上まで動かし、垂直の直線軸でハンドを近づけます。 複雑な動作はできませんが、上下方向の剛性が高く、水平方向への柔軟性を持っているため、部品の押し込み作業などの組立工程に適しています。 ウエハの搬送や、基板を組み立てる際など用途は多岐に渡ります。 ・パラレルリンクロボット 並列なリンクを介して1点の動きを制御する方法(パラレルメカニズム)を使った産業用ロボットです。 複数モーターの出力を1点に集中させ、各関節が直接先端を制御するため、高精度・高出力で、非常に高速に動けるという特徴があります。 そのため、ベルトコンベヤーの上に取り付けられ、流れてくる製品を高速でピックアップして搬送することができます。 ・直交ロボット 直角に組み合わせた直線軸からなるシンプルなロボットです。 作業を施す範囲に対し、設置面積が広くなってしまうというデメリットはありますが、スライド機構による動作になるため、回転がないという特徴があります。 また、複雑な動作はできない代わりに、シンプルで安価であるといったことも特徴として挙げられます。 直行ロボットは重量物の搬送や、基板の組み立てなどに使用されています。最近では、単体で導入するのではなく、多関節ロボットと組み合わせて導入し、使われることが増えてきています。 そのほかにも、液晶パネルの搬送などに利用されている、「円筒座標型ロボット」や 産業用ロボットの元祖である「極座標型ロボット」等様々なロボットがあります。 また、産業用ロボットといっても、「協業ロボット」や「双腕ロボット」など、一般的な産業用ロボットとは違ったタイプのロボットもあります。 このように、産業用ロボットは今非常に注目を集めています。 今後、産業用ロボットによる自動化はより進んでいくことでしょう。 本記事では産業用ロボットの市場について解説しました。 他の記事では、中小企業がロボット化を実現している事例なども紹介しておりますから、ロボット化をお考えの方のきっとお役に立つことと思います。 是非一度、ご覧になって下さい。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 自動化・ロボット化事例集 vol.2 本事例集は、全国の先進的な工場が取り組む「自動化・ロボット化」の事例をまとめたものとなります。 これから自動化・ロボット化に取組もうと考える皆さまに、 「工場にロボット・IoTを導入する」ための具体的なノウハウを、 事例を通して知っていただくことを目的に作成しました。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー https://smart-factory.funaisoken.co.jp/download/automation-robotization-examples-02/

産業用ロボットによる自動化のメリットを解説!

2020.06.12

1.産業用ロボットとは? 産業用ロボットとひとことで言っても、その中には様々な特徴や性能をもったロボットが沢山あります。 代表的なものは、直行ロボット、多関節ロボット、双椀ロボット、パラレルリンクロボット等を挙げる事が出来ます。 そして、ロボットを使用する環境や求められる能力に合わせて様々な追加機能を持たせていく事で様々なジャンルへ適用していき、ハンドリング、ピッキング、溶接、塗装、研磨、検査、倉庫、等の工程に導入されています。 産業用ロボットの一番のメリットはその汎用性にあります。 上記で挙げた工程に要求される追加機能を持たせる事で様々な工程に対応出来ます。 それと同様に一つの工程の中では、多品種への対応が可能です。 例えば、溶接工程へのロボット導入の場合、多関節ロボットのハンドに溶接トーチを持たす事で溶接用のロボットとなります。 そして溶接トーチをTIG、MIG、YEG等に置き換える事で様々な溶接に対応可能です。 更には様々な形状と溶接条件のワークの加工が可能となり多品種対応も可能となります。 このように産業用ロボットの最大のメリットはその汎用性にあります。 小品種大ロット生産の場合、専用の自動機を製作し高い生産能力と低いコストでの生産が中心でしたが、世界的な不況や昨今のコロナショックにより、多品種少量生産のニーズが高まる環境下で大きく力を発揮するものです。 これまではロボットへの教示(ロボットの動くポイントや動作順等をロボットPRGにしてロボットコントローラに書き込む作業)は専門的な知識が必要で敷居の高いものでしたが、昨今では、世界的にロボット用ソフトウェアの開発が進み、専門知識の無い人、これまでロボットと縁の無かった人でも簡単に操作出来る様に開発が進んでいます。 特にヨーロッパや中国などはロボットの導入が積極的に行われておりますが、日本のロボット導入はあまり進んでおらず世界的に見て先進的とは言えない状況になっています。 20年後30年後の労働人口の不足は様々なメディアから報じられており、間違い無い事実であると思いますが、それでも日本ではロボットの導入が進んでいない状況です。 その理由として挙げられるのは、ロボットを導入して自動化する事のメリットを知らない事にあると思います。 そしてそのメリットを効果として投資対効果の試算を行う事と汎用性の高いロボットを自社の製造工程に合わせてカスタマイズする等の生産技術部門が無い企業が多いのもまた事実です。 本記事では、産業用ロボットをおすすめする理由を3つの視点から取り上げたいと思います。 2.自動化とは? まずは産業用ロボットによる自動化の進め方と大まかなコストを把握しましょう。 上述した通り産業用ロボットは単体では何も出来ません。何をさせるかによってカスタマイズが必要です。 そのカスタマイズを請け負ってくれるのがロボットシステムインテグレータです。日本にも大小数百のシステムインテグレータが存在しておりそれぞれ得意な分野や技術を保有しております。 そのため、ロボット導入を進める場合まずロボットシステムインテグレータに相談をする事をおすすめします。 対象の工程や必要な機能を洗い出してから設備構想を作っていくのですが、当然ロボットや追加機器の費用に加え、ロボットシステムインテグレータに支払う費用も発生します。 構想設計日や設置工事、立ち合い調整などの費用がメインとなりますがここに掛かる金額は必ず掛かってきますのでこれを踏まえての購入判断が必要となります。 例えば、小型から中型とされるロボットを用いて簡単なシステムを組んだ場合でも一千万近くは掛かります。 ロボットと追加機器の価格が五百万円程度だった場合に多くの場合はそれと同額程度のシステムインテグレータに支払う費用が掛かります。大体これが相場です。 つまりシンプルなシステム構成でもロボット+周辺機器+システムインテグレーションでは一千万円近くは掛かってきます。 システムインテグレーション費用は高い比率を占めていますが、安い買い物では無いので失敗してロボットを導入したが全く使っていない等の事態にならないようにきちんとシステムインテグレータと相談しながらシステムを構築していく必要があり独力でロボット導入を進める技術が無い限りは必ず必要になってきます。 高額投資にはなりますが、生産現場、生産品種に合わせたシステムを構築し運用する事が出来れば様々なメリットが生まれる為に投資対効果で回収する事が可能なのです。 投資対効果の中には省人や労働生産性の向上から生まれる直接効果とそれ以外の間接効果がありますが、特に間接効果によるメリットが大きく産業用ロボットをおすすめする理由として挙げる事が出来ます。 3.産業用ロボットをおすすめする理由①品質向上 まずロボット化によって生まれる間接効果として品質の向上があります。 卓越した職人の感覚による加工には敵いませんが、ロボットを用いて自動化出来た場合、繰り返し再現性が非常に高まります。 この繰り返し精度こそ人間を遥かに上回る性能をもっている為に加工や品質の仕上がりが一定になります。 導入初期段階ではもちろん調整が必要なのですが、一度良い品質のモノが出来てしまえば同じ品質のモノを作り続ける事が出来るのです。 逆に言ってしまえばそれ以上もそれ以下のモノも生産しないという事です。 しかし、ここで非常に重要なのはロボットで加工するモノの状態がいつも同じか?という所です。 生産現場では材料調達からはじまり大小様々な変化は日常的に発生します。 この材料の変化がロボットでの加工の品質結果を変化させてしまうのです。 ロボットを導入して安定した品質を保つ為には材料の安定が鍵となりますので注意しましょう。 4.産業用ロボットをおすすめする理由②危険な作業を省人化 昔から製造現場には3Kとよばれる作業があります。 キケン、キツイ、クサイの頭文字と取った造語ですが、ロボットはまさにこのような作業をさせるには持ってこいです。 ロボットは文句も言わず、何時間でも3K作業をこなす事が出来ます。 例えば、高温環境にある鋳造工程や溶接工程等、重量鉄骨の切断作業等の危険作業等にロボットを導入される企業が増えています。 これからの労働人口減少の影響を最初に受けるであろう3K作業を早めに自動化しておく事で将来的にも企業の存続を図る事がこの分野に置ける自動化の最大の効果とも言えます。 そして最先端の技術を使って自動化を進めている企業様にはおのずと優秀な人材が集まる事も想定出来ます。 3K作業はロボットにやらせて、優秀な人材にはロボットのプログラミング等を任せていくという企業も増えてきており、今後の製造業の主流とも言えると思います。 5.産業用ロボットをおすすめする理由③熟練工はさらに高い技術へ 上記の3K作業以外にも、自動化にむいている工程があります。手間が掛かるが格別特殊な技術の要らない加工工程です。 ロボットも周辺機器も各段に進歩を続けていますが、現時点では現場の職人に匹敵するものではありません。ロボットでは再現出来ない加工も多いです。 職人を育てる為には何年、何十年もの月日が必要でありその存在自体が会社の財産とも言える存在です。そしてその職人さんも徐々に減ってきている状況です。 それでは職人さんは本当にその特殊な技能を100%発揮しているでしょうか。誰でも出来る様な仕事を特殊な技能を持った職人にさせていないでしょうか。 そういう時にこそロボットを導入し簡単な加工はロボットにやらせてしまうのです。そして職人さんの手を空けて、その人にしか出来ない作業をやって貰う事で能力を100%発揮して貰います。 その中で更に高い技術を習得、技術伝承を担って貰うのです。 簡単な作業はロボットにやらせておいて熟練工はさらに高い技術の習得をする事で企業には更に高い技術が必要な仕事を取り込む事が出来ます。 そしてロボットと専門職人が共存する非常に魅力ある企業になる事でしょう。 本記事では産業用ロボットによる自動化のメリットについて述べてきましたが、如何でしたでしょうか。 もはやロボット後進国となりつつある日本の製造現場ですが、確かにロボットを導入する際の技術的な障壁やコスト面での課題も多くあると思います。 しかし将来を見据えてしっかりと腰を据えて自社に適したシステムを構築する事が今の時代に必要な取り組みではないでしょうか。 日本の中小企業の中でも時流に敏感な企業様はロボット導入を開始しており、今後のロボット導入を進める為の相談も増えつつあります。 そのような企業様は一歩先んじて自動化の技術を身に着け、着々と将来への準備をしております。 導入に関して課題も多いですが、しっかりと課題と効果を分析し、自動化への取り組みを進めて行って頂きたいですね。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 自動化・ロボット化事例集 vol.2 本事例集は、全国の先進的な工場が取り組む「自動化・ロボット化」の事例をまとめたものとなります。 これから自動化・ロボット化に取組もうと考える皆さまに、 「工場にロボット・IoTを導入する」ための具体的なノウハウを、 事例を通して知っていただくことを目的に作成しました。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー https://smart-factory.funaisoken.co.jp/download/automation-robotization-examples-02/   [sc name="robot"][/sc] 1.産業用ロボットとは? 産業用ロボットとひとことで言っても、その中には様々な特徴や性能をもったロボットが沢山あります。 代表的なものは、直行ロボット、多関節ロボット、双椀ロボット、パラレルリンクロボット等を挙げる事が出来ます。 そして、ロボットを使用する環境や求められる能力に合わせて様々な追加機能を持たせていく事で様々なジャンルへ適用していき、ハンドリング、ピッキング、溶接、塗装、研磨、検査、倉庫、等の工程に導入されています。 産業用ロボットの一番のメリットはその汎用性にあります。 上記で挙げた工程に要求される追加機能を持たせる事で様々な工程に対応出来ます。 それと同様に一つの工程の中では、多品種への対応が可能です。 例えば、溶接工程へのロボット導入の場合、多関節ロボットのハンドに溶接トーチを持たす事で溶接用のロボットとなります。 そして溶接トーチをTIG、MIG、YEG等に置き換える事で様々な溶接に対応可能です。 更には様々な形状と溶接条件のワークの加工が可能となり多品種対応も可能となります。 このように産業用ロボットの最大のメリットはその汎用性にあります。 小品種大ロット生産の場合、専用の自動機を製作し高い生産能力と低いコストでの生産が中心でしたが、世界的な不況や昨今のコロナショックにより、多品種少量生産のニーズが高まる環境下で大きく力を発揮するものです。 これまではロボットへの教示(ロボットの動くポイントや動作順等をロボットPRGにしてロボットコントローラに書き込む作業)は専門的な知識が必要で敷居の高いものでしたが、昨今では、世界的にロボット用ソフトウェアの開発が進み、専門知識の無い人、これまでロボットと縁の無かった人でも簡単に操作出来る様に開発が進んでいます。 特にヨーロッパや中国などはロボットの導入が積極的に行われておりますが、日本のロボット導入はあまり進んでおらず世界的に見て先進的とは言えない状況になっています。 20年後30年後の労働人口の不足は様々なメディアから報じられており、間違い無い事実であると思いますが、それでも日本ではロボットの導入が進んでいない状況です。 その理由として挙げられるのは、ロボットを導入して自動化する事のメリットを知らない事にあると思います。 そしてそのメリットを効果として投資対効果の試算を行う事と汎用性の高いロボットを自社の製造工程に合わせてカスタマイズする等の生産技術部門が無い企業が多いのもまた事実です。 本記事では、産業用ロボットをおすすめする理由を3つの視点から取り上げたいと思います。 2.自動化とは? まずは産業用ロボットによる自動化の進め方と大まかなコストを把握しましょう。 上述した通り産業用ロボットは単体では何も出来ません。何をさせるかによってカスタマイズが必要です。 そのカスタマイズを請け負ってくれるのがロボットシステムインテグレータです。日本にも大小数百のシステムインテグレータが存在しておりそれぞれ得意な分野や技術を保有しております。 そのため、ロボット導入を進める場合まずロボットシステムインテグレータに相談をする事をおすすめします。 対象の工程や必要な機能を洗い出してから設備構想を作っていくのですが、当然ロボットや追加機器の費用に加え、ロボットシステムインテグレータに支払う費用も発生します。 構想設計日や設置工事、立ち合い調整などの費用がメインとなりますがここに掛かる金額は必ず掛かってきますのでこれを踏まえての購入判断が必要となります。 例えば、小型から中型とされるロボットを用いて簡単なシステムを組んだ場合でも一千万近くは掛かります。 ロボットと追加機器の価格が五百万円程度だった場合に多くの場合はそれと同額程度のシステムインテグレータに支払う費用が掛かります。大体これが相場です。 つまりシンプルなシステム構成でもロボット+周辺機器+システムインテグレーションでは一千万円近くは掛かってきます。 システムインテグレーション費用は高い比率を占めていますが、安い買い物では無いので失敗してロボットを導入したが全く使っていない等の事態にならないようにきちんとシステムインテグレータと相談しながらシステムを構築していく必要があり独力でロボット導入を進める技術が無い限りは必ず必要になってきます。 高額投資にはなりますが、生産現場、生産品種に合わせたシステムを構築し運用する事が出来れば様々なメリットが生まれる為に投資対効果で回収する事が可能なのです。 投資対効果の中には省人や労働生産性の向上から生まれる直接効果とそれ以外の間接効果がありますが、特に間接効果によるメリットが大きく産業用ロボットをおすすめする理由として挙げる事が出来ます。 3.産業用ロボットをおすすめする理由①品質向上 まずロボット化によって生まれる間接効果として品質の向上があります。 卓越した職人の感覚による加工には敵いませんが、ロボットを用いて自動化出来た場合、繰り返し再現性が非常に高まります。 この繰り返し精度こそ人間を遥かに上回る性能をもっている為に加工や品質の仕上がりが一定になります。 導入初期段階ではもちろん調整が必要なのですが、一度良い品質のモノが出来てしまえば同じ品質のモノを作り続ける事が出来るのです。 逆に言ってしまえばそれ以上もそれ以下のモノも生産しないという事です。 しかし、ここで非常に重要なのはロボットで加工するモノの状態がいつも同じか?という所です。 生産現場では材料調達からはじまり大小様々な変化は日常的に発生します。 この材料の変化がロボットでの加工の品質結果を変化させてしまうのです。 ロボットを導入して安定した品質を保つ為には材料の安定が鍵となりますので注意しましょう。 4.産業用ロボットをおすすめする理由②危険な作業を省人化 昔から製造現場には3Kとよばれる作業があります。 キケン、キツイ、クサイの頭文字と取った造語ですが、ロボットはまさにこのような作業をさせるには持ってこいです。 ロボットは文句も言わず、何時間でも3K作業をこなす事が出来ます。 例えば、高温環境にある鋳造工程や溶接工程等、重量鉄骨の切断作業等の危険作業等にロボットを導入される企業が増えています。 これからの労働人口減少の影響を最初に受けるであろう3K作業を早めに自動化しておく事で将来的にも企業の存続を図る事がこの分野に置ける自動化の最大の効果とも言えます。 そして最先端の技術を使って自動化を進めている企業様にはおのずと優秀な人材が集まる事も想定出来ます。 3K作業はロボットにやらせて、優秀な人材にはロボットのプログラミング等を任せていくという企業も増えてきており、今後の製造業の主流とも言えると思います。 5.産業用ロボットをおすすめする理由③熟練工はさらに高い技術へ 上記の3K作業以外にも、自動化にむいている工程があります。手間が掛かるが格別特殊な技術の要らない加工工程です。 ロボットも周辺機器も各段に進歩を続けていますが、現時点では現場の職人に匹敵するものではありません。ロボットでは再現出来ない加工も多いです。 職人を育てる為には何年、何十年もの月日が必要でありその存在自体が会社の財産とも言える存在です。そしてその職人さんも徐々に減ってきている状況です。 それでは職人さんは本当にその特殊な技能を100%発揮しているでしょうか。誰でも出来る様な仕事を特殊な技能を持った職人にさせていないでしょうか。 そういう時にこそロボットを導入し簡単な加工はロボットにやらせてしまうのです。そして職人さんの手を空けて、その人にしか出来ない作業をやって貰う事で能力を100%発揮して貰います。 その中で更に高い技術を習得、技術伝承を担って貰うのです。 簡単な作業はロボットにやらせておいて熟練工はさらに高い技術の習得をする事で企業には更に高い技術が必要な仕事を取り込む事が出来ます。 そしてロボットと専門職人が共存する非常に魅力ある企業になる事でしょう。 本記事では産業用ロボットによる自動化のメリットについて述べてきましたが、如何でしたでしょうか。 もはやロボット後進国となりつつある日本の製造現場ですが、確かにロボットを導入する際の技術的な障壁やコスト面での課題も多くあると思います。 しかし将来を見据えてしっかりと腰を据えて自社に適したシステムを構築する事が今の時代に必要な取り組みではないでしょうか。 日本の中小企業の中でも時流に敏感な企業様はロボット導入を開始しており、今後のロボット導入を進める為の相談も増えつつあります。 そのような企業様は一歩先んじて自動化の技術を身に着け、着々と将来への準備をしております。 導入に関して課題も多いですが、しっかりと課題と効果を分析し、自動化への取り組みを進めて行って頂きたいですね。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 自動化・ロボット化事例集 vol.2 本事例集は、全国の先進的な工場が取り組む「自動化・ロボット化」の事例をまとめたものとなります。 これから自動化・ロボット化に取組もうと考える皆さまに、 「工場にロボット・IoTを導入する」ための具体的なノウハウを、 事例を通して知っていただくことを目的に作成しました。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー https://smart-factory.funaisoken.co.jp/download/automation-robotization-examples-02/   [sc name="robot"][/sc]

産業用ロボットの4つのティーチング種類と解説

2020.04.24

▼無料ダウンロードはこちらをクリック 産業用ロボット導入だけで終わっていませんか? 近年、工場のロボット化は製造業種を問わず、様々な分野で進んできております。大企業だけでなく中小企業においてもロボット化・自動化が導入されています。しかしながら、ロボット導入したら終わり、自動化が自然に実現でき、生産性を高められる訳ではありません。 周知の事実の通り、ロボットはプログラミングを行うことにより動作を制御しています。 中小企業のように多品種でありながら、ロット数が少量であるということは生産工程が逐次変化するということを表しています。そのため変化が多い中小企業のロボット化では”ティーチング“という作業が重要になっていきます。 一体“ティーチング”とは何なのか? 簡単に一言で表すと、「ロボットに望む動作を教えること」です。 動作を教える方法は様々な種類があります。 ティーチングの種類と概要について簡単に説明していきます。 産業用ロボットのティーチングの種類とその概要 前項で述べたティーチングですが、その方法は様々です。 現在一般的なティーチングの種類としては、以下の4つの種類が挙げられます。 1.オフラインティーチング 2.オンラインティーチング(ティーチング・プレイバック) 3.ダイレクトティーチング 4.AIによるティーチングレス より大きく分類すると下記になります。 ◆ロボットに直接触れることなくティーチング(間接教示)する 1.オフラインティーチング 2.オンラインティーチング(ティーチング・プレイバック) ◆ロボットに直接触れながらティーチング(直接教示)する 3.ダイレクトティーチング ◆ティーチング作業をAIにより行う 4.AIによるティーチングレス 本ページでは一般的な教示方法である 間接教示法と直接教示法について述べていきます。 その前にまず、 本項ではそれぞれのティーチング方法を表にまとめてみました。 ティーチングの種類 概要 オフラインティーチング(間接教示法) テキスト型 ロボットの動きの元となる、プログラムをテキストエディット用のソフトウェアで直接記入します。複雑な動きのプログラムには向かないため、簡単な動きをするロボットに用いられます。 シミュレータ型 ロボット言語のアップロードや、ダウンロードなどのデータのやり取りが可能です。ロボット言語を変換することができるため、各社のロボットに対応することが可能です。 エミュレータ型 教示者にとってティーチングが容易であるため、多くの産業用ロボットに採用されています。ロボット言語を用いて動作をプログラムし、直接実行させるティーチング方法となるためプログラム精度が高いという利点があります。 自動ティーチングシステム CADデータから加工プログラムを自動的に作成するシステムです。技術的な難易度の高さから、まだ導入例は多くないと言われています。 オンラインティーチング (ティーチング・プレイバック) 間接教示法 教示者が直接ロボット本体を動かすことにより動きを教示する方法になります。導入が増加している協働ロボットのティーチングではこの方法が多く採用されています。教示者が可動部を動かし、動作を記録させることで、より直観的にティーチングすることを可能にします。 AIによるティーチングレス ティーチング作業は属人的なものでありましたが、近年AIの自己学習機能を活用したティーチングレス化が進んでいます。オフラインティーチングにて行ったプログラミング作業に加え、オンラインティーチングで修正を繰り返すことで高品質の作業をミスなく高速で行うことが可能となります。 自社にはどの教示方法が適しているのか? では、自社がロボットを導入し、自動化を実現するためにはどのような教示法、あるいはティーチングを行えるロボットが適しているのかということで悩まれると思います。 ・間接教示法に適した作業工程 ・直接教示法に適した作業工程 上記に分けて説明していきます。 まず、間接教示法と直接教示法のそれぞれが許容できる 作業工程を包含関係で表してみたいと思います。 上記のように直接教示法にできる作業工程が限られることが分かります。 では、包含関係を考慮したうえで直接教示法にはどのような作業工程が向いているのかを説明していきます。 直接教示法に適した作業工程とは? 直接教示法とは、ロボットを直接動かすことによって動作を教示する方法になります。この教示方法はロボットの動作に対して比較的精密度が求められない作業において用いることが一般的となります。 具体的には、以下のような作業工程において用いられております。 ・ネジ締め作業工程 ・組立て作業工程 ・部品の仕分け工程 ・整列工程 ・箱詰め工程 ・ピッキング工程 ・搬送工程 ・検査工程 ・測定工程 間接教示法に適した作業工程とは? 間接教示法は、精密度が求められる工程においても対応することが可能となります。 これは、人の手によるティーチングではなく機械を用いたプログラミングを行うことにより、精度を高めることが可能となるからです。 これらの教示方法により可能となる作業工程は 以下のような作業があります。 ・溶接 ・バリ取り ・シーリング ・ローラーヘム ・カット ・穴あけ ・溶射 ・塗装 ・洗浄 ・搬送(軽量でないもの) 上記のような作業は勿論のこと、前述した包含関係の図からも、この間接教示法は直接教示法による作業もカバーすることが可能です。 間接教示法の中でもペンダントを使用する為に最も初期投資が掛からない方法です。 高頻度での教示の修正や複雑な軌道のロボットパスを生成する必要が無い場合はこちらがおすすめです。 しかし、一度の教示に掛かる時間は教示と動作確認と修正で数日間かかる場合も多く、教示を行う技術者の力量にも大きく差が出てくるので注意が必要です。 またオフラインティーチング法ではパソコンのソフトウェアを用いる必要があるので、初期投資が掛かります。ソフトウェアの購入費用として初期投資300万円~程掛かる事もめずらしく有りません。 立体的な形状のワークにそって軌道を作る時や、複雑な形状、多台のロボットの複合作業などの難易度の高い教示作業や、高頻度の品種追加、寸法変更などのマイナーチェンジが発生する場合に非常に有効です。また作業者の力量に左右されずにロボットパスを生成できる事も魅力です。 まとめ 本ページでは2つの教示方法と、ティーチングの種類について説明してきました。 間接教示法は直接教示法が可能とする作業工程を包含していることから汎用性が高い教示方法であることがわかります。 これを考えると、「間接教示法だけで良いのでは?」と、思われるかもしれません。 しかし、直接教示法では、ティーチングペンダントを用いることなく教示者が直接ロボットにティーイングすることが可能であるということから間接的な教示法よりもティーチングが簡単です。つまりはティーチングに掛かる作業時間を短縮することができるため、生産性が高くなるというメリットも考えられます。 このように、それぞれの作業工程に適した教示方法があることを理解すると自社におけるロボット選定や導入した後の運用面が明らかになり、ロボット化・自動化のイメージが着きやすくなると思います。 さらに、本サイトではティーチングの種類や教示方法だけでなく、それぞれの業種やその工程に特化したロボットについて様々な事例をもとに解説しております。 他社事例をご覧になって頂けるとより自社に適したロボットがどのようなものか理解を深めることが出来ると思います。 是非、自社のロボットにおける導入検討のために御一読いただければと思います。 ▼無料ダウンロードはこちらをクリック   [sc name="automation-robot"][/sc] ▼無料ダウンロードはこちらをクリック 産業用ロボット導入だけで終わっていませんか? 近年、工場のロボット化は製造業種を問わず、様々な分野で進んできております。大企業だけでなく中小企業においてもロボット化・自動化が導入されています。しかしながら、ロボット導入したら終わり、自動化が自然に実現でき、生産性を高められる訳ではありません。 周知の事実の通り、ロボットはプログラミングを行うことにより動作を制御しています。 中小企業のように多品種でありながら、ロット数が少量であるということは生産工程が逐次変化するということを表しています。そのため変化が多い中小企業のロボット化では”ティーチング“という作業が重要になっていきます。 一体“ティーチング”とは何なのか? 簡単に一言で表すと、「ロボットに望む動作を教えること」です。 動作を教える方法は様々な種類があります。 ティーチングの種類と概要について簡単に説明していきます。 産業用ロボットのティーチングの種類とその概要 前項で述べたティーチングですが、その方法は様々です。 現在一般的なティーチングの種類としては、以下の4つの種類が挙げられます。 1.オフラインティーチング 2.オンラインティーチング(ティーチング・プレイバック) 3.ダイレクトティーチング 4.AIによるティーチングレス より大きく分類すると下記になります。 ◆ロボットに直接触れることなくティーチング(間接教示)する 1.オフラインティーチング 2.オンラインティーチング(ティーチング・プレイバック) ◆ロボットに直接触れながらティーチング(直接教示)する 3.ダイレクトティーチング ◆ティーチング作業をAIにより行う 4.AIによるティーチングレス 本ページでは一般的な教示方法である 間接教示法と直接教示法について述べていきます。 その前にまず、 本項ではそれぞれのティーチング方法を表にまとめてみました。 ティーチングの種類 概要 オフラインティーチング(間接教示法) テキスト型 ロボットの動きの元となる、プログラムをテキストエディット用のソフトウェアで直接記入します。複雑な動きのプログラムには向かないため、簡単な動きをするロボットに用いられます。 シミュレータ型 ロボット言語のアップロードや、ダウンロードなどのデータのやり取りが可能です。ロボット言語を変換することができるため、各社のロボットに対応することが可能です。 エミュレータ型 教示者にとってティーチングが容易であるため、多くの産業用ロボットに採用されています。ロボット言語を用いて動作をプログラムし、直接実行させるティーチング方法となるためプログラム精度が高いという利点があります。 自動ティーチングシステム CADデータから加工プログラムを自動的に作成するシステムです。技術的な難易度の高さから、まだ導入例は多くないと言われています。 オンラインティーチング (ティーチング・プレイバック) 間接教示法 教示者が直接ロボット本体を動かすことにより動きを教示する方法になります。導入が増加している協働ロボットのティーチングではこの方法が多く採用されています。教示者が可動部を動かし、動作を記録させることで、より直観的にティーチングすることを可能にします。 AIによるティーチングレス ティーチング作業は属人的なものでありましたが、近年AIの自己学習機能を活用したティーチングレス化が進んでいます。オフラインティーチングにて行ったプログラミング作業に加え、オンラインティーチングで修正を繰り返すことで高品質の作業をミスなく高速で行うことが可能となります。 自社にはどの教示方法が適しているのか? では、自社がロボットを導入し、自動化を実現するためにはどのような教示法、あるいはティーチングを行えるロボットが適しているのかということで悩まれると思います。 ・間接教示法に適した作業工程 ・直接教示法に適した作業工程 上記に分けて説明していきます。 まず、間接教示法と直接教示法のそれぞれが許容できる 作業工程を包含関係で表してみたいと思います。 上記のように直接教示法にできる作業工程が限られることが分かります。 では、包含関係を考慮したうえで直接教示法にはどのような作業工程が向いているのかを説明していきます。 直接教示法に適した作業工程とは? 直接教示法とは、ロボットを直接動かすことによって動作を教示する方法になります。この教示方法はロボットの動作に対して比較的精密度が求められない作業において用いることが一般的となります。 具体的には、以下のような作業工程において用いられております。 ・ネジ締め作業工程 ・組立て作業工程 ・部品の仕分け工程 ・整列工程 ・箱詰め工程 ・ピッキング工程 ・搬送工程 ・検査工程 ・測定工程 間接教示法に適した作業工程とは? 間接教示法は、精密度が求められる工程においても対応することが可能となります。 これは、人の手によるティーチングではなく機械を用いたプログラミングを行うことにより、精度を高めることが可能となるからです。 これらの教示方法により可能となる作業工程は 以下のような作業があります。 ・溶接 ・バリ取り ・シーリング ・ローラーヘム ・カット ・穴あけ ・溶射 ・塗装 ・洗浄 ・搬送(軽量でないもの) 上記のような作業は勿論のこと、前述した包含関係の図からも、この間接教示法は直接教示法による作業もカバーすることが可能です。 間接教示法の中でもペンダントを使用する為に最も初期投資が掛からない方法です。 高頻度での教示の修正や複雑な軌道のロボットパスを生成する必要が無い場合はこちらがおすすめです。 しかし、一度の教示に掛かる時間は教示と動作確認と修正で数日間かかる場合も多く、教示を行う技術者の力量にも大きく差が出てくるので注意が必要です。 またオフラインティーチング法ではパソコンのソフトウェアを用いる必要があるので、初期投資が掛かります。ソフトウェアの購入費用として初期投資300万円~程掛かる事もめずらしく有りません。 立体的な形状のワークにそって軌道を作る時や、複雑な形状、多台のロボットの複合作業などの難易度の高い教示作業や、高頻度の品種追加、寸法変更などのマイナーチェンジが発生する場合に非常に有効です。また作業者の力量に左右されずにロボットパスを生成できる事も魅力です。 まとめ 本ページでは2つの教示方法と、ティーチングの種類について説明してきました。 間接教示法は直接教示法が可能とする作業工程を包含していることから汎用性が高い教示方法であることがわかります。 これを考えると、「間接教示法だけで良いのでは?」と、思われるかもしれません。 しかし、直接教示法では、ティーチングペンダントを用いることなく教示者が直接ロボットにティーイングすることが可能であるということから間接的な教示法よりもティーチングが簡単です。つまりはティーチングに掛かる作業時間を短縮することができるため、生産性が高くなるというメリットも考えられます。 このように、それぞれの作業工程に適した教示方法があることを理解すると自社におけるロボット選定や導入した後の運用面が明らかになり、ロボット化・自動化のイメージが着きやすくなると思います。 さらに、本サイトではティーチングの種類や教示方法だけでなく、それぞれの業種やその工程に特化したロボットについて様々な事例をもとに解説しております。 他社事例をご覧になって頂けるとより自社に適したロボットがどのようなものか理解を深めることが出来ると思います。 是非、自社のロボットにおける導入検討のために御一読いただければと思います。 ▼無料ダウンロードはこちらをクリック   [sc name="automation-robot"][/sc]

【投資対効果の考え方】多品種少量生産の自動化・ロボット化

2020.03.26

▼無料ダウンロードはこちらをクリック 近年、顧客ニーズの多様化に伴い、これらのニーズに応える手法として多品種少量生産に取り組む企業が増えています。 また労働人口減少の環境下で多品種少量生産体制の企業が生産工程の自動化に取り組む企業も増えています。 しかし、生産体制によって自動化の考え方は大きく異なってきます。特に多品種少量生産を行う生産体制の場合は、自動化する事が非常に困難なイメージを持たれている方も多く、自動化が進まない要因の一つとなっています。 多品種少量生産のメリットとデメリットについて メリット ・顧客のニーズに合わせた質と量の製品を供給する事が出来る ・必要なものを必要な数だけ生産する事で、在庫を抑制する事が出来る ・細かな仕様変更などにも対応できる。 ・品質不具合発生時に細かくロット管理が出来る。 ・設備の切り替え時短改善等が進み、質の高い生産が出来る ・作業者や技術者が多品種対応する事で著しく成長する。 ・一部製品の需要が無くなり受注が無くなっても他製品でカバーする事が出来る。 デメリット ・切り替え性を高める事が出来なければ生産効率を低下させてしまう。 ・品質再現性を高める事が出来なければ、品質が不安定になってしまう。 ・原料、材料の保管にスペースが必要 ・原料、材料の調達にシビアなコントロールが必要 ・生産計画調整にシビアなコントロールが必要 ・人員教育に時間が掛かる(技術、作業習得) ・一部の人間しか生産する事が出来ない等の技術的課題が発生する。 上記の様に多品種少量生産が大量生産システムに比べてはるかに難易度の高い仕事が求められるのが多品種少量生産です。 さらにメリットとデメリット比較すると、基本的にはデメリットを解消すればそれがすべてメリットになるという事が言えます。 そういう意味でも多品種少量生産が【質の高いものづくり】といわれる所以ですね。 多品種少量生産はロボット化に向かないと思われてる方も多いですが、上記デメリットを見ると自動化した方が解決する問題の方が多い事が分かると思います。 ・設備の切り替え性 人が切り替え作業している工程を自動した場合、属人的な違いが無くなります。 ・品質再現性 人よりも機械の方が同じ作業を繰り返すのは上手です。 ・生産計画調整や原料、材料調達  計画をもとに自動で調達を行うシステムを導入すれば、属人的な能力差が発生しない。 ・一部の人間しか生産出来ない  自動化する事で誰でもボタンを押せば生産する事が出来ます。 つまり多品種少量生産ほど自動化に向いているのです。 多品種生産工程の自動化課題 しかし、多品種少量生産のデメリットである点を自動機で克服していく為には、課題も多いです。 この課題を克服する自動機を投資回収できる範囲の投資で構築出来るかがポイントであり難しい所です。 直近では多様な製品、技術が開発されており、基本的に自動化出来ない工程は無いというレベルまで来てると思いますが、高額な費用を捻出する必要があります。 自社製品の工法や加工内容や受注ロット、切り替え頻度を加味した上で自動化設備の中身を取捨選択していく必要があります。 基本的に自動化設備に用いられる機器は高額なものが多く、機器単体では機能を果たせないものが多い為、生産システムとして成り立つ状態に仕上げるにはシステムインテグレーターの協力が必要であり、システムインテグレーターにも設計費用や工賃を支払う必要がありますので、どうしても費用全体は高額になってしまい、自動化設備の導入障壁となってしまうのです。 性能を維持したまま、価格を大幅に下げる事は難しい為、システム全体の費用を下げる為には機器の数を減らす必要が出てきます。そうすると求めるスペックが出ないという悪循環に落ちてしまいます。 この悪循環に陥らない為に最も必要な考え方は、自動化システム導入した際の効果算出にあるのではないでしょうか。 正しく導入効果を算出して長期的な視点で投資判断を行う事が肝要と思います。 投資対効果算出の考え方 定量的効果 人間が行っていた作業を自動化することで、労働時間を短縮させることができます。 自動化と作業配分の見直し等で残業代も削減できれば効果の上積みとなります。 自動化システムの導入により削減できた人件費が定量的効果にあたります。 定量的効果の具体的な値は、以下の計算式で求めることができます。 削減できた人件費(年)=1年間に自動化した工程の作業に掛けていた時間(単位:時間)×担当者の時給 となります。 しかし、自動化したからといってそれまで作業していた作業者が居なくなるという事では無い場合、自動化する事で浮いた時間を他作業に置き換えた場合の生産能力向上や作業配分された事での残業時間や休日出勤の抑制の効果を算出する必要があります。 つまり、自動化システムで如何に既存作業者の時間を浮かすか、そして浮いた時間で如何に付加価値を生むかが重要な要素です。 定性的効果 自動化システムを導入する効果は、定量的効果のほかに数値で表しにくい効果もあります。 (自動システム導入後には効果を算出しやすいが導入前段階での試算が難しいです。) ・特定のスキルを持った人材を確保、育成する必要がなくなる。 ・生産能力が一定になる。(生産数のムラが無くなる) ・人的ミスの削減 ・品質の安定 ・人的ミスの削減と品質の安定により、加工ミスや不良品が発生した場合に必要になる後追い調査や再処理の手間とかかる人件費なども減らすことが可能 ・一度自動化してしまえば、属人的な要素が限りなく減少するので、技術者の退職や人員の配置変更や人手不足の影響が受けなくなります。 ・材料の供給方法を検討すれば24時間での稼働も可能です。夜間に翌日使用分の加工をさせておく事も可能です。 投資対効果を大きくするにはどうすればよいのか 投資対効果を最大限に発揮するには、前述したとおり、自動化して浮いた人手を如何に付加価値の高い業務にシフトさせる事が出来るかがカギとなります。 これまでに取り込めなかった新規分野での受注獲得する事で新たな収益を生み出す事などが最も良い例ですね。 平行して、自動化システムの稼働率向上や、切り替え時間の短縮、生産能力の向上も当然必須となります。 自動化システム導入の前の効果算出の段階で、自動機導入後の付加価値を生み出すシナリオを作成し、自動システムを導入した後にも継続して導入効果を最大限高める工夫と努力が必要です。 システム導入費用を削減するのは、自力では難しいですが、システム導入による効果は自力でいかようにも膨らませる事が出来ると思います。 まとめ 今回は、多品種少量生産の自動化について述べてきましたが如何でしょうか。 基本的に多品種少量生産こそ自動化に向いていると思います。 しかし導入障壁となっている多品種対応故の設備費用に対して、価格に注目してしまうと前に進めなくなってしまいます。 自動化システムを導入後に如何にして効果を生み出すかを正確に試算していく事で投資判断を進める事が肝要ではないかと考えます。 そして、自動システム導入後の継続した付加価値業務の推進で自動化システムの導入効果を最大限に高めていく取り組みを組織方針として打ち出し実行していく事が必要ではないでしょうか。 ▼無料ダウンロードはこちらをクリック   [sc name="automation-robot"][/sc] [sc name="robot"][/sc] ▼無料ダウンロードはこちらをクリック 近年、顧客ニーズの多様化に伴い、これらのニーズに応える手法として多品種少量生産に取り組む企業が増えています。 また労働人口減少の環境下で多品種少量生産体制の企業が生産工程の自動化に取り組む企業も増えています。 しかし、生産体制によって自動化の考え方は大きく異なってきます。特に多品種少量生産を行う生産体制の場合は、自動化する事が非常に困難なイメージを持たれている方も多く、自動化が進まない要因の一つとなっています。 多品種少量生産のメリットとデメリットについて メリット ・顧客のニーズに合わせた質と量の製品を供給する事が出来る ・必要なものを必要な数だけ生産する事で、在庫を抑制する事が出来る ・細かな仕様変更などにも対応できる。 ・品質不具合発生時に細かくロット管理が出来る。 ・設備の切り替え時短改善等が進み、質の高い生産が出来る ・作業者や技術者が多品種対応する事で著しく成長する。 ・一部製品の需要が無くなり受注が無くなっても他製品でカバーする事が出来る。 デメリット ・切り替え性を高める事が出来なければ生産効率を低下させてしまう。 ・品質再現性を高める事が出来なければ、品質が不安定になってしまう。 ・原料、材料の保管にスペースが必要 ・原料、材料の調達にシビアなコントロールが必要 ・生産計画調整にシビアなコントロールが必要 ・人員教育に時間が掛かる(技術、作業習得) ・一部の人間しか生産する事が出来ない等の技術的課題が発生する。 上記の様に多品種少量生産が大量生産システムに比べてはるかに難易度の高い仕事が求められるのが多品種少量生産です。 さらにメリットとデメリット比較すると、基本的にはデメリットを解消すればそれがすべてメリットになるという事が言えます。 そういう意味でも多品種少量生産が【質の高いものづくり】といわれる所以ですね。 多品種少量生産はロボット化に向かないと思われてる方も多いですが、上記デメリットを見ると自動化した方が解決する問題の方が多い事が分かると思います。 ・設備の切り替え性 人が切り替え作業している工程を自動した場合、属人的な違いが無くなります。 ・品質再現性 人よりも機械の方が同じ作業を繰り返すのは上手です。 ・生産計画調整や原料、材料調達  計画をもとに自動で調達を行うシステムを導入すれば、属人的な能力差が発生しない。 ・一部の人間しか生産出来ない  自動化する事で誰でもボタンを押せば生産する事が出来ます。 つまり多品種少量生産ほど自動化に向いているのです。 多品種生産工程の自動化課題 しかし、多品種少量生産のデメリットである点を自動機で克服していく為には、課題も多いです。 この課題を克服する自動機を投資回収できる範囲の投資で構築出来るかがポイントであり難しい所です。 直近では多様な製品、技術が開発されており、基本的に自動化出来ない工程は無いというレベルまで来てると思いますが、高額な費用を捻出する必要があります。 自社製品の工法や加工内容や受注ロット、切り替え頻度を加味した上で自動化設備の中身を取捨選択していく必要があります。 基本的に自動化設備に用いられる機器は高額なものが多く、機器単体では機能を果たせないものが多い為、生産システムとして成り立つ状態に仕上げるにはシステムインテグレーターの協力が必要であり、システムインテグレーターにも設計費用や工賃を支払う必要がありますので、どうしても費用全体は高額になってしまい、自動化設備の導入障壁となってしまうのです。 性能を維持したまま、価格を大幅に下げる事は難しい為、システム全体の費用を下げる為には機器の数を減らす必要が出てきます。そうすると求めるスペックが出ないという悪循環に落ちてしまいます。 この悪循環に陥らない為に最も必要な考え方は、自動化システム導入した際の効果算出にあるのではないでしょうか。 正しく導入効果を算出して長期的な視点で投資判断を行う事が肝要と思います。 投資対効果算出の考え方 定量的効果 人間が行っていた作業を自動化することで、労働時間を短縮させることができます。 自動化と作業配分の見直し等で残業代も削減できれば効果の上積みとなります。 自動化システムの導入により削減できた人件費が定量的効果にあたります。 定量的効果の具体的な値は、以下の計算式で求めることができます。 削減できた人件費(年)=1年間に自動化した工程の作業に掛けていた時間(単位:時間)×担当者の時給 となります。 しかし、自動化したからといってそれまで作業していた作業者が居なくなるという事では無い場合、自動化する事で浮いた時間を他作業に置き換えた場合の生産能力向上や作業配分された事での残業時間や休日出勤の抑制の効果を算出する必要があります。 つまり、自動化システムで如何に既存作業者の時間を浮かすか、そして浮いた時間で如何に付加価値を生むかが重要な要素です。 定性的効果 自動化システムを導入する効果は、定量的効果のほかに数値で表しにくい効果もあります。 (自動システム導入後には効果を算出しやすいが導入前段階での試算が難しいです。) ・特定のスキルを持った人材を確保、育成する必要がなくなる。 ・生産能力が一定になる。(生産数のムラが無くなる) ・人的ミスの削減 ・品質の安定 ・人的ミスの削減と品質の安定により、加工ミスや不良品が発生した場合に必要になる後追い調査や再処理の手間とかかる人件費なども減らすことが可能 ・一度自動化してしまえば、属人的な要素が限りなく減少するので、技術者の退職や人員の配置変更や人手不足の影響が受けなくなります。 ・材料の供給方法を検討すれば24時間での稼働も可能です。夜間に翌日使用分の加工をさせておく事も可能です。 投資対効果を大きくするにはどうすればよいのか 投資対効果を最大限に発揮するには、前述したとおり、自動化して浮いた人手を如何に付加価値の高い業務にシフトさせる事が出来るかがカギとなります。 これまでに取り込めなかった新規分野での受注獲得する事で新たな収益を生み出す事などが最も良い例ですね。 平行して、自動化システムの稼働率向上や、切り替え時間の短縮、生産能力の向上も当然必須となります。 自動化システム導入の前の効果算出の段階で、自動機導入後の付加価値を生み出すシナリオを作成し、自動システムを導入した後にも継続して導入効果を最大限高める工夫と努力が必要です。 システム導入費用を削減するのは、自力では難しいですが、システム導入による効果は自力でいかようにも膨らませる事が出来ると思います。 まとめ 今回は、多品種少量生産の自動化について述べてきましたが如何でしょうか。 基本的に多品種少量生産こそ自動化に向いていると思います。 しかし導入障壁となっている多品種対応故の設備費用に対して、価格に注目してしまうと前に進めなくなってしまいます。 自動化システムを導入後に如何にして効果を生み出すかを正確に試算していく事で投資判断を進める事が肝要ではないかと考えます。 そして、自動システム導入後の継続した付加価値業務の推進で自動化システムの導入効果を最大限に高めていく取り組みを組織方針として打ち出し実行していく事が必要ではないでしょうか。 ▼無料ダウンロードはこちらをクリック   [sc name="automation-robot"][/sc] [sc name="robot"][/sc]

溶接ロボットシステムの構成と使用方法

2020.02.28

▼無料ダウンロードはこちらをクリック 一般的に産業用ロボットによる自動溶接にはガスシールドアーク溶接を用います。 ガスシールドアーク溶接とは、溶接による接合部に不活性ガスを吹き付けながら接合し、接合部の変色や錆を防止するものです。不活性ガスにてアーク発生部の周囲をシールド(保護)する溶接方法を下記に分類していきます。 ガスシールドアーク溶接の分類と使い分けについて ガスシールドアーク溶接は, 1、消耗電極式 2、非消耗電極式 に大別されます。 ・消耗電極式にはシールドガスの種類によって分類されます 1、MIG(Metal Inert Gas)溶接 ミグ溶接はAr,He(または,これらの混合ガス)のような不活性ガス,あるいは,これに酸素や炭素ガスのような活性ガスを少量添加してシールドガスとして用いる方法 2、MAG(Metal Active Gas)溶接 ①炭酸ガスアーク溶接(シールドガスとして炭酸ガスを用いるもの) ②混合ガスアーク溶接(シールドガスとしてアルゴンと炭酸ガスの混合ガスを用いる) ・非消耗電極式のガスシールドアーク溶接 3、TIG(Tungsten Inert Gas)溶接(アルゴン雰囲気中でタングステン電極と母材との間にアークを発生させ,そのアーク熱によって溶加材および母材を溶融して溶接する方法) それぞれの溶接方法の特徴 (1) マグ溶接(MAG溶接) マグ溶接は安価な炭酸ガスを単独で,またはアルゴンと混合して用いる溶接方法で軟鋼,高張力鋼,および低合金鋼の溶接に広く用いられています。マグ溶接に用いられるソリッドワイヤやフラックス入りワイヤは,自動化が安易で溶接の合理化が図りやすいため,全溶接材料の中に占める使用比率は近年非常に高くなっています。 (2) ミグ溶接(MIG溶接) ミグ溶接はアルミニウム,チタンのように本来は溶接時に酸化,窒化しやすい金属を対象に開発され,その他非鉄金属,ステンレス鋼等にも使用されていた。純イナートガスでシールドしながら溶接する場合と,ステンレス鋼の場合のようにアーク安定性の面より若干の酸素を混合して使用する場合があります。ミグ溶接によれば清浄な溶着金属が得られますが,アルゴンが高価なため適用される範囲はアルミニウム合金,ステンレス鋼,耐熱合金鋼等が主体です。 (3) ティグ溶接(TIG溶接) 溶接トーチと溶加棒とをそれぞれ手で持って行う溶接が主ですが,溶接ワイヤを自動的に送給してトーチも自動送りする全自動ティグ溶接装置も実用化されており,溶接ロボットにティグ溶接を適用している例もあります。 ティグ溶接は非消耗電極式であるためワイヤ自身が電極となってアーク熱で溶融する消耗電極式と異なり,電極からの溶融金属の移行がないので,これによるアーク不安定さやスパッタの発生がなく静かな溶接法です。 ロボット化が進んでいる製造現場 ロボットは工場で加工する溶接作業に多く用いられています。 特に自動車は,溶接個所が多く,同じ物が繰り返し生産されるので,ロボット化が容易に行えます。溶接方法としては、SPOT溶接が特に進んでいます。ロボット溶接によって自動車部品の溶接個所で品質の安定と大量生産が可能になりました。 他には事務機器・農機具・家電・車両など工場内溶接で量産品がある場合は,溶接物の材質(鋼材・ステンレス材・アルミニウム材)や板厚に関係なく,また企業の規模に関係なくロボット化が進んでいます。 一方,造船や橋梁・建設も溶接は多いですが,現場溶接が多いことと溶接部位が多種多様にわたるため一部を除いてロボット化は進んでおりません。 溶接ロボットシステムの構成 アーク溶接ロボットの標準的な構成は下記があります。対象となるワークや工法に応じて最適なシステム選定が必要です。 ①マニピュレータ(ロボット本体) ②制御装置(コントローラ) ③ティーチペンダント ④溶接電源 ⑤溶接トーチ(MIG,MAG、TIG溶接方法に合ったもの) ⑥ワイヤ供給装置(溶接方法に合ったもの) ⑦回転テーブル(小物、複雑形状物対象) 様々な角度で最適な溶接を実現する為に、多関節ロボット+回転テーブルでの自動化システムが昨今では標準になってきています。 回転テーブルとは、単軸、複数軸を持ち、溶接するワークを固定しながら、任意の角度にテーブルが回転し、様々な形状のワークに対しても効率的なロボット溶接を可能にしてくれるテーブルです。軸数や可搬重量もさまざまラインナップがあり、複雑な形状のワークや指定された加工条件を満たすための溶接方法の実現を助けてくれます。またロボットコントローラーと連動して動かす事が出来るので、ティーチングも比較的簡単になってきています。 溶接ロボットの使用方法 溶接ロボットを使用する為には手順を正確に行う必要があります。ロボットを導入すればすぐに良い品質のモノが出来るわけではありません。地道に一つ一つの作業にて発生する課題をクリアしていく事で、最終的な品質を担保していくことができます。 ①溶接ワークの固定治具設計 (接合物やワークを固定する治具の設計) ②ロボットのティーチング (溶接トーチの軌道や溶接開始点、終了点の教示) ③溶接条件の見直し (溶接状況や仕上がりを確認しながら、溶接電流やトーチの向き、角度の調整) ④自動運転 (実際に自動運転をしてさらに高品質なモノが生産できるように調整を重ねていく) 溶接方法やワーク形状によっては、トーチがワークに届かない、うまく接合が出来ないなど発生します。課題が発生した時は、治具の設計を見直し、溶接トーチの大きさや角度を調整する必要があります。 ロボットは、良くも悪くも融通が利きませんので、人任せに行っていた作業を自動化する際は必ず作業の要素分解と技術的な解決策が必要です。 ロボットティーチング(教示)について 基本的には、各社ロボットメーカーの標準ソフトウェアとティーチングペンダントを使用してロボットにティーチングを行います。ティーチングペンダントによるロボットの操作は各社メーカーが行う教育を受ければ、数日で動作させる事が可能です。(一般的にロボットメーカーで2日間程度の講習会を開催しています。) しかし、ペンダントによる操作が出来るようになっても、実際に溶接が品質水準を満たすものに仕上げるために、何度も試運転と調整が必要です。溶接に対する知識を持っている方のアドバイスも必要になってくるでしょう。 ロボットメーカー以外にも、CAD上で溶接の軌道を自動でシュミレーションしてロボットPRGを作成してくれるオフラインティーチングソフトウェアを販売している会社も数社あります。非常に便利なソフトウェアが開発されており、ライセンス制で価格も数百万しますが、ティーチングの頻度や難易度を検討した上で購入される企業も多いようです。 そして、安全面については特に注意し、ロボット作業に従事する人は,労働安全衛生法で「産業用ロボットに関する安全衛生特別教育」の受講が義務づけられていますので必ず受講してからの作業が必須となります。この資格はロボットメーカーで行われる操作講習会に参加することで得られます。 まとめ 今回は溶接の種類やロボット溶接の方法について述べて来ました。もともと人が行ってきた作業を自動化するのは、要件定義ができれば難しいことではありません。一番大事なのは、導入のコストや自動化システムの継続的な活用(品種追加や溶接条件変更への対応)です。 溶接工が不足すると想定される溶接業界のロボット塗装の取り組みは、今後も加速していくと考えられますが、自在にロボットを操れる人材が少ないのも現状です。 すでにロボット塗装を導入されている企業は、比較的若手社員にロボットを自在に操る教育に力を入れています。ロボット操作者の教育と確保が今後溶接業全体の主流になりそうだと感じます。 (参考文献 一般社団法人 日本溶接協会HP  http://www-it.jwes.or.jp/qa/index.jsp ) ▼無料ダウンロードはこちらをクリック   [sc name="automation-robot"][/sc] [sc name="welding-robot"][/sc] ▼無料ダウンロードはこちらをクリック 一般的に産業用ロボットによる自動溶接にはガスシールドアーク溶接を用います。 ガスシールドアーク溶接とは、溶接による接合部に不活性ガスを吹き付けながら接合し、接合部の変色や錆を防止するものです。不活性ガスにてアーク発生部の周囲をシールド(保護)する溶接方法を下記に分類していきます。 ガスシールドアーク溶接の分類と使い分けについて ガスシールドアーク溶接は, 1、消耗電極式 2、非消耗電極式 に大別されます。 ・消耗電極式にはシールドガスの種類によって分類されます 1、MIG(Metal Inert Gas)溶接 ミグ溶接はAr,He(または,これらの混合ガス)のような不活性ガス,あるいは,これに酸素や炭素ガスのような活性ガスを少量添加してシールドガスとして用いる方法 2、MAG(Metal Active Gas)溶接 ①炭酸ガスアーク溶接(シールドガスとして炭酸ガスを用いるもの) ②混合ガスアーク溶接(シールドガスとしてアルゴンと炭酸ガスの混合ガスを用いる) ・非消耗電極式のガスシールドアーク溶接 3、TIG(Tungsten Inert Gas)溶接(アルゴン雰囲気中でタングステン電極と母材との間にアークを発生させ,そのアーク熱によって溶加材および母材を溶融して溶接する方法) それぞれの溶接方法の特徴 (1) マグ溶接(MAG溶接) マグ溶接は安価な炭酸ガスを単独で,またはアルゴンと混合して用いる溶接方法で軟鋼,高張力鋼,および低合金鋼の溶接に広く用いられています。マグ溶接に用いられるソリッドワイヤやフラックス入りワイヤは,自動化が安易で溶接の合理化が図りやすいため,全溶接材料の中に占める使用比率は近年非常に高くなっています。 (2) ミグ溶接(MIG溶接) ミグ溶接はアルミニウム,チタンのように本来は溶接時に酸化,窒化しやすい金属を対象に開発され,その他非鉄金属,ステンレス鋼等にも使用されていた。純イナートガスでシールドしながら溶接する場合と,ステンレス鋼の場合のようにアーク安定性の面より若干の酸素を混合して使用する場合があります。ミグ溶接によれば清浄な溶着金属が得られますが,アルゴンが高価なため適用される範囲はアルミニウム合金,ステンレス鋼,耐熱合金鋼等が主体です。 (3) ティグ溶接(TIG溶接) 溶接トーチと溶加棒とをそれぞれ手で持って行う溶接が主ですが,溶接ワイヤを自動的に送給してトーチも自動送りする全自動ティグ溶接装置も実用化されており,溶接ロボットにティグ溶接を適用している例もあります。 ティグ溶接は非消耗電極式であるためワイヤ自身が電極となってアーク熱で溶融する消耗電極式と異なり,電極からの溶融金属の移行がないので,これによるアーク不安定さやスパッタの発生がなく静かな溶接法です。 ロボット化が進んでいる製造現場 ロボットは工場で加工する溶接作業に多く用いられています。 特に自動車は,溶接個所が多く,同じ物が繰り返し生産されるので,ロボット化が容易に行えます。溶接方法としては、SPOT溶接が特に進んでいます。ロボット溶接によって自動車部品の溶接個所で品質の安定と大量生産が可能になりました。 他には事務機器・農機具・家電・車両など工場内溶接で量産品がある場合は,溶接物の材質(鋼材・ステンレス材・アルミニウム材)や板厚に関係なく,また企業の規模に関係なくロボット化が進んでいます。 一方,造船や橋梁・建設も溶接は多いですが,現場溶接が多いことと溶接部位が多種多様にわたるため一部を除いてロボット化は進んでおりません。 溶接ロボットシステムの構成 アーク溶接ロボットの標準的な構成は下記があります。対象となるワークや工法に応じて最適なシステム選定が必要です。 ①マニピュレータ(ロボット本体) ②制御装置(コントローラ) ③ティーチペンダント ④溶接電源 ⑤溶接トーチ(MIG,MAG、TIG溶接方法に合ったもの) ⑥ワイヤ供給装置(溶接方法に合ったもの) ⑦回転テーブル(小物、複雑形状物対象) 様々な角度で最適な溶接を実現する為に、多関節ロボット+回転テーブルでの自動化システムが昨今では標準になってきています。 回転テーブルとは、単軸、複数軸を持ち、溶接するワークを固定しながら、任意の角度にテーブルが回転し、様々な形状のワークに対しても効率的なロボット溶接を可能にしてくれるテーブルです。軸数や可搬重量もさまざまラインナップがあり、複雑な形状のワークや指定された加工条件を満たすための溶接方法の実現を助けてくれます。またロボットコントローラーと連動して動かす事が出来るので、ティーチングも比較的簡単になってきています。 溶接ロボットの使用方法 溶接ロボットを使用する為には手順を正確に行う必要があります。ロボットを導入すればすぐに良い品質のモノが出来るわけではありません。地道に一つ一つの作業にて発生する課題をクリアしていく事で、最終的な品質を担保していくことができます。 ①溶接ワークの固定治具設計 (接合物やワークを固定する治具の設計) ②ロボットのティーチング (溶接トーチの軌道や溶接開始点、終了点の教示) ③溶接条件の見直し (溶接状況や仕上がりを確認しながら、溶接電流やトーチの向き、角度の調整) ④自動運転 (実際に自動運転をしてさらに高品質なモノが生産できるように調整を重ねていく) 溶接方法やワーク形状によっては、トーチがワークに届かない、うまく接合が出来ないなど発生します。課題が発生した時は、治具の設計を見直し、溶接トーチの大きさや角度を調整する必要があります。 ロボットは、良くも悪くも融通が利きませんので、人任せに行っていた作業を自動化する際は必ず作業の要素分解と技術的な解決策が必要です。 ロボットティーチング(教示)について 基本的には、各社ロボットメーカーの標準ソフトウェアとティーチングペンダントを使用してロボットにティーチングを行います。ティーチングペンダントによるロボットの操作は各社メーカーが行う教育を受ければ、数日で動作させる事が可能です。(一般的にロボットメーカーで2日間程度の講習会を開催しています。) しかし、ペンダントによる操作が出来るようになっても、実際に溶接が品質水準を満たすものに仕上げるために、何度も試運転と調整が必要です。溶接に対する知識を持っている方のアドバイスも必要になってくるでしょう。 ロボットメーカー以外にも、CAD上で溶接の軌道を自動でシュミレーションしてロボットPRGを作成してくれるオフラインティーチングソフトウェアを販売している会社も数社あります。非常に便利なソフトウェアが開発されており、ライセンス制で価格も数百万しますが、ティーチングの頻度や難易度を検討した上で購入される企業も多いようです。 そして、安全面については特に注意し、ロボット作業に従事する人は,労働安全衛生法で「産業用ロボットに関する安全衛生特別教育」の受講が義務づけられていますので必ず受講してからの作業が必須となります。この資格はロボットメーカーで行われる操作講習会に参加することで得られます。 まとめ 今回は溶接の種類やロボット溶接の方法について述べて来ました。もともと人が行ってきた作業を自動化するのは、要件定義ができれば難しいことではありません。一番大事なのは、導入のコストや自動化システムの継続的な活用(品種追加や溶接条件変更への対応)です。 溶接工が不足すると想定される溶接業界のロボット塗装の取り組みは、今後も加速していくと考えられますが、自在にロボットを操れる人材が少ないのも現状です。 すでにロボット塗装を導入されている企業は、比較的若手社員にロボットを自在に操る教育に力を入れています。ロボット操作者の教育と確保が今後溶接業全体の主流になりそうだと感じます。 (参考文献 一般社団法人 日本溶接協会HP  http://www-it.jwes.or.jp/qa/index.jsp ) ▼無料ダウンロードはこちらをクリック   [sc name="automation-robot"][/sc] [sc name="welding-robot"][/sc]

産業用ロボット導入!自動化によって生産効率を高める5つのポイント

2020.02.04

1 はじめに 産業用ロボットで溶接や運搬、組立作業を自動化にしようと考えている企業様は多いかと思います。ただし、生産効率を高めるにはいくつかポイントがあります。従来の手作業による溶接の生産形態を踏襲していたのでは効果があまり見られません。そこで、今回はロボット導入する際に気を付けたいポイントをお伝えしたいと思います! 1.1 ロボット導入を前提にした生産システム全体の改革 まずは、産業用ロボットを導入する事を前提にした生産システム全体の改革が必要です。モノの流れや作業順序など溶接加工の上下流に当たる工程の改革をロボット導入による自動化と並行して行う事で、モノ作り全体の効率が高まり結果、他工程への改革に繋がっていく好循環のスパイラルに繋がっていきます。 溶接・塗装・運搬・組立を自動化する事で省人効果や熟練作業者の代替え等の直接的な効果にとどまらず、工場全体の変革に踏み込む事が大きな間接的効果を生み出すのではないでしょうか。 1.2 作業を分解して分析することでコスト削減 生産現場で感じる多くの課題から、産業用ロボットの導入を検討されていらっしゃる方は多く、既存の生産工程をそのままロボットに置き換えるイメージを持っている方も多いと思います。 しかし、ロボットを導入する過程では、ロボットで加工するモノのハンドリングや作業工程の分解が必要になります。既存の生産体制で何となく一連の工程として作業していても、自動化する際は切り分けて考えます。作業を細分化して可能な限り効率良い動作をロボットシステムで導入するのは、必然的に既存作業を一つ一つ分析しなおして最も効率良い方法を模索するという事なのです。 この既存作業を分解して分析する一連の作業そのものが、工場全体のモノの流れを整流化するために大事です。 作業要素を分解していく過程で、既存の生産方式では明確に定量化されて管理されていなかった寸法や性質、分量を調査する事で隠れていた無駄を発見出来れば、コスト削減につながり自動化に伴った間接的効果が出てきます。 1.3 自動化を前提としたロボットシステムを設計 ロボットによる自動化システムの稼働率や生産能力を最大限に発揮させるためには、同形状や類似形状品をグルーピングし、加工方法や運搬のステーション毎に自動化する事で生まれる効果(人工や生産性)を分析し、ステーション毎に必要な機能を備えた自動化システムを設計します。 上記の作業分解と効果分析があいまいなまま自動化システムを導入すると、逆に効率が悪化してしまいます。しっかりと既存の生産体制の作業を分析し、課題を見極めて自動化する対象行程の絞り込みを行えば、おのずと成果は上がります。一連の作業の改革を実行する事で、他工程の問題が見えるようになり、更に作業やコストの改善が進んで行くのではないでしょうか。 1.4 産業用ロボットのティーチングと操作性 産業用ロボットの操作性は自動化の効率を最大限高めている為に必要な要件です。一度自動化システムの導入が完了してもそれを維持する為や、より活用範囲を広げる為には時折人間の力が必要になってきます。 この時、経験の浅い人でも容易に動作を変更・追加できるソフトウェアを使用しているかというのは、非常に大きな要件です。 多品種・小ロット型の生産や、不定期で発生する加工部品のマイナーチェンジに生産現場が素早く対応出来る事が、長期間で自動化による経済効果を発揮する為に必要となりますので、自動化を検討する際は、ロボット制御のアプリケーションにも注目する必要があります。 基本的にロボットメーカー各社ではそれぞれのロボット対応のPRG編集ソフトウェアを開発しています。 しかし、こちらのソフトウェアは基本的にティーチングペンダントを用いて、ロボットに軌道や動作種別を教示していくものですので、それほど多機能なものではありません。 一度ティーチングしてしまえば数か月から数年変更が必要無いというような生産方式の場合は、上記のソフトウェアでも十分に対応可能と思いますが、高頻度で加工の仕様や形状の変更が起きる工程の自動化の場合は非常に対応が困難となってきます。 (ティーチングペンダントでのティーチングは、現場で実際の加工と突き合わせながら一つ一つ手でロボットを操作してPRGを作成していくので、一般的に非常に多くの工数が掛かります) 1.5 オフラインティーリングソフトウェアの活用 しかし現在、ロボットメーカー各社に対応している汎用の「オフラインティーチングソフトウェア」の開発が非常に進んできています。この「オフラインティーチングソフトウェア」の何が長所かというとPCを用いてシミュレーションを行いながらロボットの動作を決めていく事が出来る点です。 部品組み立て工程や運搬工程であれば、3D-CADを基にPC上で干渉回避を確認しながらロボットハンドの軌道を設定していけます。溶接工程であれば、加工物の3D-CADを基に溶接面の軌道や溶接条件などもほぼ自動でPRGを作成してくれます。 オフラインティーチングソフトウェアのメーカーも各社操作性を高める為に様々な工夫を施しており、まったく知識の無かった人でも数日間のトレーニングを受けて、実際に操作できる用になるレベルまで利便性は向上しています。今後もこの分野は更に進歩し、より簡単により早くにロボットティーチングが出来るようになってくると思われますので要チェックです。 2 まとめ 産業用ロボットを導入し最大限に効果を発揮する為には、 1. 既存作業の要素分解と各工程を自動化したときの経済効果を確認 2. 要素分解した作業毎の整備や定量化できていない要素を分析し、ムダを見つけ改善する 3. 自動化を前提とした最適なシステムの設計を行う。 4. 導入後の仕様方法や生産品種を検討した上でロボットティーチングの方法を決める。 5. 多品種生産やロボットティーチングの工数を削減したい場合は、オフラインティーチングソフトの導入も検討する。 上記により間接的にコスト改善効果や生産システム全体の見直しを図る事が肝要であると述べて来ました。人間の作業をロボットに置き換えるという局所的な見方ではなく、製造現場全体の改革のひとつの手段として産業用ロボットの導入を検討してみてはいかがでしょうか。 本記事ではロボットとはどのような種類があるのかを簡単にまとめてきました。他の記事では、中小企業がロボット化を実現している事例なども紹介しておりますから、ロボット化をお考えの方のきっとお役に立つことと思います。是非一度、ご覧になって下さい。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 自動化・ロボット化事例集 vol.2 本事例集は、全国の先進的な工場が取り組む「自動化・ロボット化」の事例をまとめたものとなります。 これから自動化・ロボット化に取組もうと考える皆さまに、 「工場にロボット・IoTを導入する」ための具体的なノウハウを、 事例を通して知っていただくことを目的に作成しました。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー https://smart-factory.funaisoken.co.jp/download/automation-robotization-examples-02/   [sc name="robot"][/sc] 1 はじめに 産業用ロボットで溶接や運搬、組立作業を自動化にしようと考えている企業様は多いかと思います。ただし、生産効率を高めるにはいくつかポイントがあります。従来の手作業による溶接の生産形態を踏襲していたのでは効果があまり見られません。そこで、今回はロボット導入する際に気を付けたいポイントをお伝えしたいと思います! 1.1 ロボット導入を前提にした生産システム全体の改革 まずは、産業用ロボットを導入する事を前提にした生産システム全体の改革が必要です。モノの流れや作業順序など溶接加工の上下流に当たる工程の改革をロボット導入による自動化と並行して行う事で、モノ作り全体の効率が高まり結果、他工程への改革に繋がっていく好循環のスパイラルに繋がっていきます。 溶接・塗装・運搬・組立を自動化する事で省人効果や熟練作業者の代替え等の直接的な効果にとどまらず、工場全体の変革に踏み込む事が大きな間接的効果を生み出すのではないでしょうか。 1.2 作業を分解して分析することでコスト削減 生産現場で感じる多くの課題から、産業用ロボットの導入を検討されていらっしゃる方は多く、既存の生産工程をそのままロボットに置き換えるイメージを持っている方も多いと思います。 しかし、ロボットを導入する過程では、ロボットで加工するモノのハンドリングや作業工程の分解が必要になります。既存の生産体制で何となく一連の工程として作業していても、自動化する際は切り分けて考えます。作業を細分化して可能な限り効率良い動作をロボットシステムで導入するのは、必然的に既存作業を一つ一つ分析しなおして最も効率良い方法を模索するという事なのです。 この既存作業を分解して分析する一連の作業そのものが、工場全体のモノの流れを整流化するために大事です。 作業要素を分解していく過程で、既存の生産方式では明確に定量化されて管理されていなかった寸法や性質、分量を調査する事で隠れていた無駄を発見出来れば、コスト削減につながり自動化に伴った間接的効果が出てきます。 1.3 自動化を前提としたロボットシステムを設計 ロボットによる自動化システムの稼働率や生産能力を最大限に発揮させるためには、同形状や類似形状品をグルーピングし、加工方法や運搬のステーション毎に自動化する事で生まれる効果(人工や生産性)を分析し、ステーション毎に必要な機能を備えた自動化システムを設計します。 上記の作業分解と効果分析があいまいなまま自動化システムを導入すると、逆に効率が悪化してしまいます。しっかりと既存の生産体制の作業を分析し、課題を見極めて自動化する対象行程の絞り込みを行えば、おのずと成果は上がります。一連の作業の改革を実行する事で、他工程の問題が見えるようになり、更に作業やコストの改善が進んで行くのではないでしょうか。 1.4 産業用ロボットのティーチングと操作性 産業用ロボットの操作性は自動化の効率を最大限高めている為に必要な要件です。一度自動化システムの導入が完了してもそれを維持する為や、より活用範囲を広げる為には時折人間の力が必要になってきます。 この時、経験の浅い人でも容易に動作を変更・追加できるソフトウェアを使用しているかというのは、非常に大きな要件です。 多品種・小ロット型の生産や、不定期で発生する加工部品のマイナーチェンジに生産現場が素早く対応出来る事が、長期間で自動化による経済効果を発揮する為に必要となりますので、自動化を検討する際は、ロボット制御のアプリケーションにも注目する必要があります。 基本的にロボットメーカー各社ではそれぞれのロボット対応のPRG編集ソフトウェアを開発しています。 しかし、こちらのソフトウェアは基本的にティーチングペンダントを用いて、ロボットに軌道や動作種別を教示していくものですので、それほど多機能なものではありません。 一度ティーチングしてしまえば数か月から数年変更が必要無いというような生産方式の場合は、上記のソフトウェアでも十分に対応可能と思いますが、高頻度で加工の仕様や形状の変更が起きる工程の自動化の場合は非常に対応が困難となってきます。 (ティーチングペンダントでのティーチングは、現場で実際の加工と突き合わせながら一つ一つ手でロボットを操作してPRGを作成していくので、一般的に非常に多くの工数が掛かります) 1.5 オフラインティーリングソフトウェアの活用 しかし現在、ロボットメーカー各社に対応している汎用の「オフラインティーチングソフトウェア」の開発が非常に進んできています。この「オフラインティーチングソフトウェア」の何が長所かというとPCを用いてシミュレーションを行いながらロボットの動作を決めていく事が出来る点です。 部品組み立て工程や運搬工程であれば、3D-CADを基にPC上で干渉回避を確認しながらロボットハンドの軌道を設定していけます。溶接工程であれば、加工物の3D-CADを基に溶接面の軌道や溶接条件などもほぼ自動でPRGを作成してくれます。 オフラインティーチングソフトウェアのメーカーも各社操作性を高める為に様々な工夫を施しており、まったく知識の無かった人でも数日間のトレーニングを受けて、実際に操作できる用になるレベルまで利便性は向上しています。今後もこの分野は更に進歩し、より簡単により早くにロボットティーチングが出来るようになってくると思われますので要チェックです。 2 まとめ 産業用ロボットを導入し最大限に効果を発揮する為には、 1. 既存作業の要素分解と各工程を自動化したときの経済効果を確認 2. 要素分解した作業毎の整備や定量化できていない要素を分析し、ムダを見つけ改善する 3. 自動化を前提とした最適なシステムの設計を行う。 4. 導入後の仕様方法や生産品種を検討した上でロボットティーチングの方法を決める。 5. 多品種生産やロボットティーチングの工数を削減したい場合は、オフラインティーチングソフトの導入も検討する。 上記により間接的にコスト改善効果や生産システム全体の見直しを図る事が肝要であると述べて来ました。人間の作業をロボットに置き換えるという局所的な見方ではなく、製造現場全体の改革のひとつの手段として産業用ロボットの導入を検討してみてはいかがでしょうか。 本記事ではロボットとはどのような種類があるのかを簡単にまとめてきました。他の記事では、中小企業がロボット化を実現している事例なども紹介しておりますから、ロボット化をお考えの方のきっとお役に立つことと思います。是非一度、ご覧になって下さい。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 自動化・ロボット化事例集 vol.2 本事例集は、全国の先進的な工場が取り組む「自動化・ロボット化」の事例をまとめたものとなります。 これから自動化・ロボット化に取組もうと考える皆さまに、 「工場にロボット・IoTを導入する」ための具体的なノウハウを、 事例を通して知っていただくことを目的に作成しました。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー https://smart-factory.funaisoken.co.jp/download/automation-robotization-examples-02/   [sc name="robot"][/sc]
工場自動化に向けて産業用ロボットの特徴を知る

工場自動化に向けて産業用ロボットの特徴を知る

2019.09.25

近年、ロボットはあらゆる分野において、その裾野を拡げてきております。 製造業においてもそれは例外ではなく、工場のロボット化、ファクトリーオートメーション(FA)など、人により呼称は様々ではありますが、着実にロボットは私たちの身近なものとなってきているようです。 このように言うと、「確かにロボット化は大手の自動車工場の生産ラインなどに活用されている例とかよく見るね。」とか、「投資資金が潤沢な企業では最近ロボット化が進んでいるようだね。」など、どうやら“大企業が省人化の為に投入するもの=産業用ロボット”と思われているのかもしれないようです。 しかし本来、産業用ロボットとはそのような大企業の大量生産に用いられるだけではなく、中小企業の町工場など、少量多品種の生産体制に用いられることで成果を大いに発揮するものです。 ところで、この“産業用ロボット”とは、一体よく聞く “ロボット”とどのような違いがあるのでしょうか? 産業用ロボットもロボットの内の一つでありますが、その用途は製造業の現場、工場などに限られます。 これから話を進めていく上で、定義を明確にする必要があると思いますので、以下に日本工業規格JISによる定義を示します。 1 産業用ロボットとは 日本工業規格JISによると、 「自動制御され、再プログラム可能で、多目的なマニピュレータであり、3軸以上でプログラム可能で、1か所に固定して又は移動機能をもって、産業自動化の用途に用いられるロボット。」 と、このように定義付けられています。 (※日本工業規格JIS 「JIS B 0134:2015 2.9,産業用ロボット」) このことからも、産業用ロボットは、形ではなく大まかな機能に焦点が当てられています。 しかしながら、この産業用ロボットは日々の技術的な進歩により、急速に進化を遂げてきています。 上記の定義によれば、産業用ロボットとは、同じ動作を繰り返し、それをずっと続けるための機械ではない様に受け止められたのではないでしょうか。 定義中にも「自動制御され、再プログラム可能で、多目的なマニピュレータ」と、あるように産業用ロボットは大企業のような大量生産に適したものであるとはどこにも書いていないのです。 むしろ、各種の作業をプログラミングによって実行でき、再プログラミング可能で多目的な機械というのは中小企業のような多品種少量の生産体制において活躍が期待されるロボットであると言えるでしょう。 2 産業用ロボットの種類は? 産業用ロボットとは製造業の現場、工場の自動化を助けるものであるということは分かってきました。 しかし、産業用ロボットと一口に語っても様々な形状、機能を持ったものがあります。 それらロボットには一つ一つ、機能を最大限に発揮する工程があるようです。どんな種類のロボットがあるのか見ていきましょう 現在、一般的に産業ロボットというと、以下のような4種類が基本のロボットの種類となるようです。順を追って簡単に説明していきます。 2.1 垂直多関節ロボット 現在、工場に投入されているロボットの中では最もポピュラーな産業用ロボットとなります。 この垂直多関節型のロボットは、人間の腕の間接に似ているロボットです。 軸の数が多いことにより、動作の自由度が非常に高いということが特徴の一つです。 このように自由度が高いことで対象とするワークを回り込んでの作業も得意です。 しかし、その多軸ということからも制御がやや複雑になります。 具体的な例としては、自動車の溶接工程、組立工程など、様々な用途で使われています。 2.2 水平多関節ロボット 水平(スカラ)方向の動きに特化したロボットです。 水平多関節型のロボットは別名としてスカラロボットと呼ばれることが多々あります。 このロボットの関節は回転軸が全て垂直に揃っているため、必ずアームの先端が水平面内を移動します。 このことから、平面的な作業に向いていると言えます。 ウエハの搬送や、基板を組み立てる際など用途は多岐に渡っております。 2.3 パラレルリンクロボット 多関節型のロボットは軸が直列に繋がっている型でした。 しかし、それに対してパラレルリンク型では並列(パラレル)に軸が配置されているロボットとなります。 可動範囲はやや狭いですが、それぞれの関節が直接、先端を制御することが可能となり、非常に高速で動けるという特徴があります。 一般的には、アームで先端部の位置を制御し、ラインで移動する部品の整列や、選定などの作業へ利用されることが多いロボットです。 直交(直角)座標ロボット 縦(X軸)、横(Y軸)、高さ(Z軸)の3方向を直交するスライドで実現するロボットです。 作業を施す範囲に対し、設置面積が広くなってしまいますが、スライド機構による動作のため、回転がないという特徴があります。 そのため、制御も比較的簡単です。 このロボットは重量物の搬送や、基板の組み立て、ネジ締めなどが使用用途として挙げられます。 3 産業用ロボットの用途とは? 産業用のロボットにはどのような種類があるのかということを紹介してきました。 これらロボットは工場のどのような工程をロボット化することが可能となってきているのでしょうか。 産業用ロボットが活用される代表的な5つのロボット化を紹介します。 3.1 溶接ロボット 溶接作業は高い熱や紫外線とヒュームが発生する過酷なものであり、産業用ロボットの需要の高い作業であります。 スポット溶接とアーク溶接を行うものがあり、これらの多くは多関節ロボットにより作業が行われるのが主流となっています。 3.2 組立ロボット 組立ロボットでは、どのような組立によるかという部分で最適なロボットの選定も異なってきます。 多関節ロボットだけでなく、双腕スカラロボットやパラレルリンクロボットなどが組立ロボットに適している場合もあり、ロボットの特性を考慮しつつ検討する必要性があります。 3.3 輸送ロボット 物流業界がEコマースの発展により、この搬送用ロボットが大きな役割を担ってきます。 搬送と一口に言っても、AGVのような自走式ロボットもあれば、多関節ロボットによる段ボールのパレタイジングやデパレタイジングなど幅広く種類が分かれます。 3.4 塗装ロボット 塗装工程のロボット化というと、自動車生産工場のロボット導入が有名です。 このような塗装では多くの作業が溶接同様に、多関節ロボットにより行われるのが主流のようです。 これは、塗装面の形状が一定でないということからも、自由度の高い多関節ロボットを使用することが最適であるということです。 3.5 検査ロボット これまで紹介してきたロボットはプログラミングにより動作制御されますが、ロボット自体には検査を行う装置はついておりません。 そのため、検査を行うためにカメラ・レーザー変位センサーなどアプリケーションをロボットに取り付けることによって検査を行えるようにする必要性があります。 つまり、検査工程には何かしらのロボットの目となるセンサーを取り付けてあげる必要があるということです。 本記事では、上記のような工程のロボット化を紹介してきましたが、ロボットの活用の仕方によっては今こちらを読まれている方の工場でも自動化できる工程は必ずあるはずです。 本サイトでは様々な中小企業のロボット化の事例を掲載しておりますので、そちらもご一読いただければ自社の自動化の参考にお役立ちすると思います。 4 まとめ 近年、技術は急速なスピードで進化しています。ここまで説明してきた産業用ロボットですが、一つに括ってしまうこともできます。 しかし、ロボットの種類やそれらが使われる場面というのは様々のようです。 本記事では、産業用ロボットの種類を初めに、工場のどのような工程を自動化することが出来るのかということを簡単に解説してきました。 このようなロボット化は大企業にしか関わらないと思われがちでありましたが、産業用ロボットの定義にもあるように、ロボットとは中小企業のような多品種少量生産の現場において最大限の効果を発揮します。 もう既に、着々とロボットを導入し始めている中小企業もいるようで、先行事例として注目を集めています。 「自社ではロボットを導入することはできないのではないか?」、「別にまだロボット化をしなくても大丈夫ではないか?」このような考え方をしていては、今押し寄せている自動化の流れに取り残されてしまいます。我々が考えなければいけないのは、「どの工程へ、どのロボットを、いつ導入しようか?」というこの3点だけです。 本サイトでは様々な中小企業のロボット導入事例を掲載しておりますから、きっと自社の自動化の参考になると思います。 是非ご覧になって下さいませ。 [clink url="https://smart-factory.funaisoken.co.jp/special/quality-improvement-through-inspection-quality-challenged-by-a-company-with-50-employees/"] [clink url="https://smart-factory.funaisoken.co.jp/special/a-town-factory-with-40-colleagues-performs-100-inspection-using-robots/"] [clink url="https://smart-factory.funaisoken.co.jp/special/robotization-of-stud-welding-process/"] [clink url="https://smart-factory.funaisoken.co.jp/special/robotization-of-attachment-and-detachment-work-in-multiple-processing-machines/"] ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 自動化・ロボット化事例集 vol.2 本事例集は、全国の先進的な工場が取り組む「自動化・ロボット化」の事例をまとめたものとなります。 これから自動化・ロボット化に取組もうと考える皆さまに、 「工場にロボット・IoTを導入する」ための具体的なノウハウを、 事例を通して知っていただくことを目的に作成しました。 ※こちらの事例集は、導入を検討している工場の担当者様限定となっております。 同業他社、メーカーや商社、SI事業者の方にはご送付をお断わりさせていただいております。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー https://smart-factory.funaisoken.co.jp/download/automation-robotization-examples-02/   [sc name="robot"][/sc] 近年、ロボットはあらゆる分野において、その裾野を拡げてきております。 製造業においてもそれは例外ではなく、工場のロボット化、ファクトリーオートメーション(FA)など、人により呼称は様々ではありますが、着実にロボットは私たちの身近なものとなってきているようです。 このように言うと、「確かにロボット化は大手の自動車工場の生産ラインなどに活用されている例とかよく見るね。」とか、「投資資金が潤沢な企業では最近ロボット化が進んでいるようだね。」など、どうやら“大企業が省人化の為に投入するもの=産業用ロボット”と思われているのかもしれないようです。 しかし本来、産業用ロボットとはそのような大企業の大量生産に用いられるだけではなく、中小企業の町工場など、少量多品種の生産体制に用いられることで成果を大いに発揮するものです。 ところで、この“産業用ロボット”とは、一体よく聞く “ロボット”とどのような違いがあるのでしょうか? 産業用ロボットもロボットの内の一つでありますが、その用途は製造業の現場、工場などに限られます。 これから話を進めていく上で、定義を明確にする必要があると思いますので、以下に日本工業規格JISによる定義を示します。 1 産業用ロボットとは 日本工業規格JISによると、 「自動制御され、再プログラム可能で、多目的なマニピュレータであり、3軸以上でプログラム可能で、1か所に固定して又は移動機能をもって、産業自動化の用途に用いられるロボット。」 と、このように定義付けられています。 (※日本工業規格JIS 「JIS B 0134:2015 2.9,産業用ロボット」) このことからも、産業用ロボットは、形ではなく大まかな機能に焦点が当てられています。 しかしながら、この産業用ロボットは日々の技術的な進歩により、急速に進化を遂げてきています。 上記の定義によれば、産業用ロボットとは、同じ動作を繰り返し、それをずっと続けるための機械ではない様に受け止められたのではないでしょうか。 定義中にも「自動制御され、再プログラム可能で、多目的なマニピュレータ」と、あるように産業用ロボットは大企業のような大量生産に適したものであるとはどこにも書いていないのです。 むしろ、各種の作業をプログラミングによって実行でき、再プログラミング可能で多目的な機械というのは中小企業のような多品種少量の生産体制において活躍が期待されるロボットであると言えるでしょう。 2 産業用ロボットの種類は? 産業用ロボットとは製造業の現場、工場の自動化を助けるものであるということは分かってきました。 しかし、産業用ロボットと一口に語っても様々な形状、機能を持ったものがあります。 それらロボットには一つ一つ、機能を最大限に発揮する工程があるようです。どんな種類のロボットがあるのか見ていきましょう 現在、一般的に産業ロボットというと、以下のような4種類が基本のロボットの種類となるようです。順を追って簡単に説明していきます。 2.1 垂直多関節ロボット 現在、工場に投入されているロボットの中では最もポピュラーな産業用ロボットとなります。 この垂直多関節型のロボットは、人間の腕の間接に似ているロボットです。 軸の数が多いことにより、動作の自由度が非常に高いということが特徴の一つです。 このように自由度が高いことで対象とするワークを回り込んでの作業も得意です。 しかし、その多軸ということからも制御がやや複雑になります。 具体的な例としては、自動車の溶接工程、組立工程など、様々な用途で使われています。 2.2 水平多関節ロボット 水平(スカラ)方向の動きに特化したロボットです。 水平多関節型のロボットは別名としてスカラロボットと呼ばれることが多々あります。 このロボットの関節は回転軸が全て垂直に揃っているため、必ずアームの先端が水平面内を移動します。 このことから、平面的な作業に向いていると言えます。 ウエハの搬送や、基板を組み立てる際など用途は多岐に渡っております。 2.3 パラレルリンクロボット 多関節型のロボットは軸が直列に繋がっている型でした。 しかし、それに対してパラレルリンク型では並列(パラレル)に軸が配置されているロボットとなります。 可動範囲はやや狭いですが、それぞれの関節が直接、先端を制御することが可能となり、非常に高速で動けるという特徴があります。 一般的には、アームで先端部の位置を制御し、ラインで移動する部品の整列や、選定などの作業へ利用されることが多いロボットです。 直交(直角)座標ロボット 縦(X軸)、横(Y軸)、高さ(Z軸)の3方向を直交するスライドで実現するロボットです。 作業を施す範囲に対し、設置面積が広くなってしまいますが、スライド機構による動作のため、回転がないという特徴があります。 そのため、制御も比較的簡単です。 このロボットは重量物の搬送や、基板の組み立て、ネジ締めなどが使用用途として挙げられます。 3 産業用ロボットの用途とは? 産業用のロボットにはどのような種類があるのかということを紹介してきました。 これらロボットは工場のどのような工程をロボット化することが可能となってきているのでしょうか。 産業用ロボットが活用される代表的な5つのロボット化を紹介します。 3.1 溶接ロボット 溶接作業は高い熱や紫外線とヒュームが発生する過酷なものであり、産業用ロボットの需要の高い作業であります。 スポット溶接とアーク溶接を行うものがあり、これらの多くは多関節ロボットにより作業が行われるのが主流となっています。 3.2 組立ロボット 組立ロボットでは、どのような組立によるかという部分で最適なロボットの選定も異なってきます。 多関節ロボットだけでなく、双腕スカラロボットやパラレルリンクロボットなどが組立ロボットに適している場合もあり、ロボットの特性を考慮しつつ検討する必要性があります。 3.3 輸送ロボット 物流業界がEコマースの発展により、この搬送用ロボットが大きな役割を担ってきます。 搬送と一口に言っても、AGVのような自走式ロボットもあれば、多関節ロボットによる段ボールのパレタイジングやデパレタイジングなど幅広く種類が分かれます。 3.4 塗装ロボット 塗装工程のロボット化というと、自動車生産工場のロボット導入が有名です。 このような塗装では多くの作業が溶接同様に、多関節ロボットにより行われるのが主流のようです。 これは、塗装面の形状が一定でないということからも、自由度の高い多関節ロボットを使用することが最適であるということです。 3.5 検査ロボット これまで紹介してきたロボットはプログラミングにより動作制御されますが、ロボット自体には検査を行う装置はついておりません。 そのため、検査を行うためにカメラ・レーザー変位センサーなどアプリケーションをロボットに取り付けることによって検査を行えるようにする必要性があります。 つまり、検査工程には何かしらのロボットの目となるセンサーを取り付けてあげる必要があるということです。 本記事では、上記のような工程のロボット化を紹介してきましたが、ロボットの活用の仕方によっては今こちらを読まれている方の工場でも自動化できる工程は必ずあるはずです。 本サイトでは様々な中小企業のロボット化の事例を掲載しておりますので、そちらもご一読いただければ自社の自動化の参考にお役立ちすると思います。 4 まとめ 近年、技術は急速なスピードで進化しています。ここまで説明してきた産業用ロボットですが、一つに括ってしまうこともできます。 しかし、ロボットの種類やそれらが使われる場面というのは様々のようです。 本記事では、産業用ロボットの種類を初めに、工場のどのような工程を自動化することが出来るのかということを簡単に解説してきました。 このようなロボット化は大企業にしか関わらないと思われがちでありましたが、産業用ロボットの定義にもあるように、ロボットとは中小企業のような多品種少量生産の現場において最大限の効果を発揮します。 もう既に、着々とロボットを導入し始めている中小企業もいるようで、先行事例として注目を集めています。 「自社ではロボットを導入することはできないのではないか?」、「別にまだロボット化をしなくても大丈夫ではないか?」このような考え方をしていては、今押し寄せている自動化の流れに取り残されてしまいます。我々が考えなければいけないのは、「どの工程へ、どのロボットを、いつ導入しようか?」というこの3点だけです。 本サイトでは様々な中小企業のロボット導入事例を掲載しておりますから、きっと自社の自動化の参考になると思います。 是非ご覧になって下さいませ。 [clink url="https://smart-factory.funaisoken.co.jp/special/quality-improvement-through-inspection-quality-challenged-by-a-company-with-50-employees/"] [clink url="https://smart-factory.funaisoken.co.jp/special/a-town-factory-with-40-colleagues-performs-100-inspection-using-robots/"] [clink url="https://smart-factory.funaisoken.co.jp/special/robotization-of-stud-welding-process/"] [clink url="https://smart-factory.funaisoken.co.jp/special/robotization-of-attachment-and-detachment-work-in-multiple-processing-machines/"] ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 自動化・ロボット化事例集 vol.2 本事例集は、全国の先進的な工場が取り組む「自動化・ロボット化」の事例をまとめたものとなります。 これから自動化・ロボット化に取組もうと考える皆さまに、 「工場にロボット・IoTを導入する」ための具体的なノウハウを、 事例を通して知っていただくことを目的に作成しました。 ※こちらの事例集は、導入を検討している工場の担当者様限定となっております。 同業他社、メーカーや商社、SI事業者の方にはご送付をお断わりさせていただいております。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー https://smart-factory.funaisoken.co.jp/download/automation-robotization-examples-02/   [sc name="robot"][/sc]

産業用ロボットとは?最新動向からロボットの違いを知る

2019.09.17

近年、「ロボット」という言葉は様々な業界において幅広く聞かれるようになってきました。 そのせいか、ロボットの定義は明確に定まっている訳ではなく所々で色々な定義がされているようです。 そんな中、この「ロボット」という言葉の一つの定義として、“人の代わりに何等かの作業を自律的に行う装置、もしくは機械のこと。”とあります。 このように、どのような用途でロボットが使用されるものかという大まかに定義づけがある他、学術的なロボットの定義の一つとしては、日本ロボット学会が編纂したロボット工学ハンドブックで紹介されているものとして、“自動性、知能性、個体性、半機械半人間性、作業性、汎用性、情報性、柔軟性、有限性、移動性を持つもの”だと言われることもあります。 我々の日常の業務は多くの産業において“人”によって行われているため、この「ロボット」はどのような産業においても遅かれ早かれ関係を持つものとなるだろうことが予想されます。 近年では、日本の人口ピラミッドの推移からも考察できるように、国内の人口は減少傾向であることは明確です。 さらにそれに加え、人口の分布としては高齢者の割合は増加傾向でありながら、若い世代の割合は減少するということが予測されております。 このことから、 国内の人口は減少傾向にあるということ 人口分布は高齢者人口が多くなっていくということ(=国内人口における生産年齢人口の割合が低下するということ) 上記のことが容易に予測できます。 もう一度、「ロボット」の定義の一つを下記に示してみます。 ロボットとは、“人の代わりに何等かの作業を自律的に行う装置、もしくは機械のこと。” 世界的な人口は増加傾向にあります。 しかしながら、一方で日本国内の人口は減少傾向にあります。 そのような環境下において我々に代わって作業を代替してくれる装置・機械である「ロボット」の需要は日に日に増していくことでしょう。 以下のレポートにおいても、中小企業の全体的な方向性としては、社内のシニア、ベテラン人材の継続確保よりも、自動機やロボットによる自動化・省人化のポイントが増加しているようです。 https://www.meti.go.jp/report/whitepaper/mono/2018/honbun_pdf/pdf/honbun01_01_02.pdf これらのことからも、ロボットへの期待は既に高まっていることが覗えます。 では、このような「ロボット」、多くの産業から耳にするようになっておりますが、具体的にはどのような分野においてロボット化は進んでいるのでしょうか? ロボット化が進む分野は? 産業用ロボット BtoBにおけるロボットとしては産業用ロボットが代表的です。 この産業用ロボットという括りではざっくりとしすぎているため、以下の様に分類してみました。 農業用 農業のロボット化というと、スマート農業という言葉が最近では聞かれるようになってきています。スマート農業を牽引させている企業としては、クボタなどが代表的な企業となります。農業人口が減少している中で、クボタの開発した無人コンバインや、無人田植え機は高齢者の農業を手助けするだけでなく、生産年齢人口が減少している中で大きな貢献が期待されています。 林業用 林業用のロボットとしては、自動枝払い機や下草刈りロボットなどが挙げられます。木にロボットを装着するだけで、自動でロボットが枝を切断してくれるロボットなどが代表的な例です。高い木などの切断が困難である中で、林業者の手助けをしてくれるロボットです。草刈りロボットはルンバのような形状で、自動で草を刈り人の作業を手助けしてくれています。 工業用 産業用のロボットというと、日本の製造業から考えていくと工業のロボット化を表すことが多いかもしれません。工業用ロボットは、アームロボットであれば、溶接の工程に用いられたり、組立工程において用いられたりと使用の用途は様々です。このようなロボット化は減少している生産年齢人口に対応するだけでなく、過酷作業を低減させることや、中小企業にとっては採用面でも強化が期待できるようです。 商業用 マネキン型ロボット「Palette」は人感センサーを備え、人が近づくとさまざまなポーズを披露するマネキン型ロボットです。ファッション業界においてこれらのロボットが現在では活用されているようです。また、物流クライシスや物流事業の危機が囁かれ、更なる宅配ニーズが急激に増加するなかで、自動運搬ロボットは少子高齢化、深刻な人手不足にみまわれている状況における一つの打開策として期待が持たれています。 サービス用ロボット サービス産業におけるロボット化としては、看護ロボットにおいてはMoxiなどの看護師を支援するロボットがあります。また、ビルや公共建物清掃などを行うロボットや福祉業界においても近年需要が高まっています。このようなことから、サービス分野においてもロボット化が急速に進むことが予測されています。 ペットロボット また、産業用ロボットやサービス用ロボットは主に人間が行っている作業を代替するものがほとんどでありました。しかし、ペットロボットは人間にセラピー効果を与えることへ期待が持たれているものです。このようなロボットの代表としては、SONYにより開発されたAIBOや、バロなどが有名です。これらロボットの効果としては、うつ状態の効果を改善させる心理的効果、ストレス低減といった生理的効果、発話の増加による社会的効果増進などの効果に寄与するようです。   今回の記事では、上記のように分類してみましたが、人それぞれで分類の方法は異なるでしょう。 これは、ロボットという定義が場所によって人によって状況によって変わってくるものであるから避けられないことかもしれません。 産業用ロボットとは? 「ロボット」と一口に言っても様々な種類があることをご紹介してきました。 そのような中で、製造業において注目したロボット化とは、産業のロボット化にあたります。 この日本のお家芸であったロボットに世界が追い付こうと、ドイツではインダストリー4.0、アメリカではインダストリー・インターネット・コンソーシアムというように世界的にもロボット化が進んでいます。 しかし、近年では中小企業においても産業のロボット化は急速に進んできています。 このような産業のロボット化、その中でも工業のロボット化に注目が集まっている理由としては、顧客のニーズが多様化していることもありますし、それに加え、これから課題となる生産人口の減少にも対応することが可能となるからでしょう。 そもそも、この産業ロボットの定義はどのようなものなのかというと、日本工業規格(JIS)によれば、「自動制御によるマニピュレーション機能または移動機能をもち、各種の作業をプログラムによって実行できる、産業に使用される機械」と定義されています。 そして、このような産業のロボット化とは大企業が大きな投資をすることにより実現することが可能なものだと考えられておりました。 しかし、近年では資金が大企業のように潤沢ではなく、規模もそれほどではないような中小企業においてもロボット化が可能となってきております。 このように、中小企業のロボット化は大企業のそれとは異なります。 中小企業のロボット化は ロボットによる熟練作業の代替 熟練作業員は更なる付加価値の高い業務へと移行可能に ロボットによる3K業務の代替 ロボット導入により、若い人材を採用可能に 中小企業のロボット化は大企業のそれとは異なり、上記のようなメリットを享受することに期待がもてることになりそうです。 【産業用ロボット例】例えば垂直多関節ロボットとは? 垂直多関節ロボットについてもう少し具体的に用途や事例を紹介したいと思います。 次に垂直多関節ロボットは、「6軸ロボット」や「5軸ロボット」とも呼ばれています。複数個の間接を持つロボットという意味で多関節ロボットと呼称されています。 ロボットは軸が多いほど自由に動けます。それぞれの関節がほぼ360°の動きに対応しており、その関節の動きの組み合わせにより様々な動きを実現出来ます。 ここで言う関節にはサーボモータが組み込まれており、関節数はサーボモータの数と同じです。つまりロボットとはサーボモータの集合体なのです。 そして、このサーボモータの性能と複数のサーボモーターを同時に制御するソフトウェアの合体したものが産業用ロボットです。 さらにロボットハンドの先端に用途に合わせて様々なハンドを装着する事が出来ます。このハンドにはモノを掴んだり、加工したり、形状を測定したり、塗装したり、溶接したりと、色々な種類があり、その組み合わせと使い方は無限大の可能性を秘めてます。 その汎用性の高さ故に、様々な分野で使用されており、世界中のものづくりに変革をもたらしています。 代表的な使用方法 1、バラ積みピッキング 垂直多関節ロボットやパラレルリンクロボットにカメラを追加して、ばらばらに置かれている製品や材料の向きや角度を判別してロボットが自動でピッキング(把持する)する機構です。 機械加工をはじめ食品、倉庫等様々な分野で利用されています。 2、溶接 ロボットハンドに溶接トーチを持たせて自動で溶接を行います。 TIG,MIG,MAG,YEG様々な溶接にも対応可能です。特殊な肉盛り溶接やアルミ溶接など難易度の高い溶接にも対応しており、現在もメーカーから様々なロボット溶接用トーチが開発販売されています。 3、研磨ロボット ハンドにて製品や材料をピッキングし、研磨機等に押し付ける事で研磨を行う工程に用いられています。 ロボットは力加減が出来ないモノなのですが、ハンドに力覚センサーを初めとするセンサーを用いる事で研磨機への押し付け強さ等もコントロールする事が出来、従来では研磨の職人さんしか出来なかった分野への利用が進んでいます。 鋳物部品のバリ取りから眼鏡レンズの研磨など粗いものから精密なものまで幅広く使用されてます。 4、塗装 塗装についても非常に自動化が進んでいる分野です。塗装も非常に高い技術が必要な加工なのですが、ロボットでの塗装も非常に広く利用されてます。 例えば自動車ですが、基本的に全てロボットで塗ってます。 携帯電話のケースやOA機器等のケース等の量産品も多くの場合ロボットで塗られています。逆に職人さんが手吹きで塗装しているモノの方が少なくなってきていると思います。 5、検査 検査といえば、検査専用用カメラですが、ここにもロボットを用いられるケースが増えてきています。 なぜなら、検査用カメラは動く事が出来ない為です。立体物の多面を検査する為には、立体物を動かす必要があるからです。従来の検査方法では、人間が製品や材料を動かして多方向からカメラで撮像、検査を行う必要がありました。検査用カメラも非常に高価なものなので、複数個のカメラを用いて多方向から同時検出する事が現実的に不可能でした。そこでロボットを活用します。 カメラは一つでロボットが検査する面をカメラにむけて撮像、検査、面を変えて検査という方法や、ロボットハンドにカメラを持たせて立体物の周囲全方向から撮像、検査を実施する場合もあります。 特に非常に大きなモノや重たいモノの検査に重宝されています。 このように様々な分野に垂直多関節ロボットは利用されています。何にでも利用出来る反面、用途や環境に合わせたカスタマイズをしっかりと行う必要があるのが垂直多関節ロボットであり、このカスタマイズを如何に現場に最適なモノにするかが導入の最も大きなポイントです。 垂直多関節ロボットの導入を検討している方は、しっかりと目的・用途・環境等を吟味した上でロボットのカスタマイズする事をおすすめします。 まとめ このように近年では、様々な業界においてロボットが用いられるようになってきています。 背景には将来的な人口減少により生産年齢人口が減少することや、顧客のニーズを満たすようなロボットを製造することが出来るまでに技術が発展していることなどが挙げられます。 その中で産業用ロボットやサービス用ロボット、ペットロボットなど種類・業界は多岐に渡って活躍していくことでしょう。 色々な環境においてロボット化が進んでいることから、ロボットの定義は場所や人、状況によって様々なものとなっているようです。 また、「ロボット」は日本のお家芸であり常に世界の先陣を走っていました。 しかし、それに追いつこうと近頃ではインダストリー4.0やインダストリー・インターネット・コンソーシアム(IIC)など工場の自動化に注目が非常に集まってきています。 近年、中小企業でもこのような工場の自動化の事例は急速に増えてきています。 これはロボットがプログラミングによって動作を変更することができることの他、ロボットに付随するアプリケーションの発展があり、多品種少量に対応することが出来るようになった事も要因として挙げられます。 本記事ではロボットとはどのような種類があるのかを簡単にまとめてきました。 他の記事では、中小企業がロボット化を実現している事例なども紹介しておりますから、ロボット化をお考えの方のきっとお役に立つことと思います。 是非一度、ご覧になって下さい。 [clink url="https://smart-factory.funaisoken.co.jp/special/quality-improvement-through-inspection-quality-challenged-by-a-company-with-50-employees/"] [clink url="https://smart-factory.funaisoken.co.jp/special/a-town-factory-with-40-colleagues-performs-100-inspection-using-robots/"] [clink url="https://smart-factory.funaisoken.co.jp/special/robotization-of-stud-welding-process/"] [clink url="https://smart-factory.funaisoken.co.jp/special/robotization-of-attachment-and-detachment-work-in-multiple-processing-machines/"] ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 自動化・ロボット化事例集 vol.2 本事例集は、全国の先進的な工場が取り組む「自動化・ロボット化」の事例をまとめたものとなります。 これから自動化・ロボット化に取組もうと考える皆さまに、 「工場にロボット・IoTを導入する」ための具体的なノウハウを、 事例を通して知っていただくことを目的に作成しました。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー https://smart-factory.funaisoken.co.jp/download/automation-robotization-examples-02/ 近年、「ロボット」という言葉は様々な業界において幅広く聞かれるようになってきました。 そのせいか、ロボットの定義は明確に定まっている訳ではなく所々で色々な定義がされているようです。 そんな中、この「ロボット」という言葉の一つの定義として、“人の代わりに何等かの作業を自律的に行う装置、もしくは機械のこと。”とあります。 このように、どのような用途でロボットが使用されるものかという大まかに定義づけがある他、学術的なロボットの定義の一つとしては、日本ロボット学会が編纂したロボット工学ハンドブックで紹介されているものとして、“自動性、知能性、個体性、半機械半人間性、作業性、汎用性、情報性、柔軟性、有限性、移動性を持つもの”だと言われることもあります。 我々の日常の業務は多くの産業において“人”によって行われているため、この「ロボット」はどのような産業においても遅かれ早かれ関係を持つものとなるだろうことが予想されます。 近年では、日本の人口ピラミッドの推移からも考察できるように、国内の人口は減少傾向であることは明確です。 さらにそれに加え、人口の分布としては高齢者の割合は増加傾向でありながら、若い世代の割合は減少するということが予測されております。 このことから、 国内の人口は減少傾向にあるということ 人口分布は高齢者人口が多くなっていくということ(=国内人口における生産年齢人口の割合が低下するということ) 上記のことが容易に予測できます。 もう一度、「ロボット」の定義の一つを下記に示してみます。 ロボットとは、“人の代わりに何等かの作業を自律的に行う装置、もしくは機械のこと。” 世界的な人口は増加傾向にあります。 しかしながら、一方で日本国内の人口は減少傾向にあります。 そのような環境下において我々に代わって作業を代替してくれる装置・機械である「ロボット」の需要は日に日に増していくことでしょう。 以下のレポートにおいても、中小企業の全体的な方向性としては、社内のシニア、ベテラン人材の継続確保よりも、自動機やロボットによる自動化・省人化のポイントが増加しているようです。 https://www.meti.go.jp/report/whitepaper/mono/2018/honbun_pdf/pdf/honbun01_01_02.pdf これらのことからも、ロボットへの期待は既に高まっていることが覗えます。 では、このような「ロボット」、多くの産業から耳にするようになっておりますが、具体的にはどのような分野においてロボット化は進んでいるのでしょうか? ロボット化が進む分野は? 産業用ロボット BtoBにおけるロボットとしては産業用ロボットが代表的です。 この産業用ロボットという括りではざっくりとしすぎているため、以下の様に分類してみました。 農業用 農業のロボット化というと、スマート農業という言葉が最近では聞かれるようになってきています。スマート農業を牽引させている企業としては、クボタなどが代表的な企業となります。農業人口が減少している中で、クボタの開発した無人コンバインや、無人田植え機は高齢者の農業を手助けするだけでなく、生産年齢人口が減少している中で大きな貢献が期待されています。 林業用 林業用のロボットとしては、自動枝払い機や下草刈りロボットなどが挙げられます。木にロボットを装着するだけで、自動でロボットが枝を切断してくれるロボットなどが代表的な例です。高い木などの切断が困難である中で、林業者の手助けをしてくれるロボットです。草刈りロボットはルンバのような形状で、自動で草を刈り人の作業を手助けしてくれています。 工業用 産業用のロボットというと、日本の製造業から考えていくと工業のロボット化を表すことが多いかもしれません。工業用ロボットは、アームロボットであれば、溶接の工程に用いられたり、組立工程において用いられたりと使用の用途は様々です。このようなロボット化は減少している生産年齢人口に対応するだけでなく、過酷作業を低減させることや、中小企業にとっては採用面でも強化が期待できるようです。 商業用 マネキン型ロボット「Palette」は人感センサーを備え、人が近づくとさまざまなポーズを披露するマネキン型ロボットです。ファッション業界においてこれらのロボットが現在では活用されているようです。また、物流クライシスや物流事業の危機が囁かれ、更なる宅配ニーズが急激に増加するなかで、自動運搬ロボットは少子高齢化、深刻な人手不足にみまわれている状況における一つの打開策として期待が持たれています。 サービス用ロボット サービス産業におけるロボット化としては、看護ロボットにおいてはMoxiなどの看護師を支援するロボットがあります。また、ビルや公共建物清掃などを行うロボットや福祉業界においても近年需要が高まっています。このようなことから、サービス分野においてもロボット化が急速に進むことが予測されています。 ペットロボット また、産業用ロボットやサービス用ロボットは主に人間が行っている作業を代替するものがほとんどでありました。しかし、ペットロボットは人間にセラピー効果を与えることへ期待が持たれているものです。このようなロボットの代表としては、SONYにより開発されたAIBOや、バロなどが有名です。これらロボットの効果としては、うつ状態の効果を改善させる心理的効果、ストレス低減といった生理的効果、発話の増加による社会的効果増進などの効果に寄与するようです。   今回の記事では、上記のように分類してみましたが、人それぞれで分類の方法は異なるでしょう。 これは、ロボットという定義が場所によって人によって状況によって変わってくるものであるから避けられないことかもしれません。 産業用ロボットとは? 「ロボット」と一口に言っても様々な種類があることをご紹介してきました。 そのような中で、製造業において注目したロボット化とは、産業のロボット化にあたります。 この日本のお家芸であったロボットに世界が追い付こうと、ドイツではインダストリー4.0、アメリカではインダストリー・インターネット・コンソーシアムというように世界的にもロボット化が進んでいます。 しかし、近年では中小企業においても産業のロボット化は急速に進んできています。 このような産業のロボット化、その中でも工業のロボット化に注目が集まっている理由としては、顧客のニーズが多様化していることもありますし、それに加え、これから課題となる生産人口の減少にも対応することが可能となるからでしょう。 そもそも、この産業ロボットの定義はどのようなものなのかというと、日本工業規格(JIS)によれば、「自動制御によるマニピュレーション機能または移動機能をもち、各種の作業をプログラムによって実行できる、産業に使用される機械」と定義されています。 そして、このような産業のロボット化とは大企業が大きな投資をすることにより実現することが可能なものだと考えられておりました。 しかし、近年では資金が大企業のように潤沢ではなく、規模もそれほどではないような中小企業においてもロボット化が可能となってきております。 このように、中小企業のロボット化は大企業のそれとは異なります。 中小企業のロボット化は ロボットによる熟練作業の代替 熟練作業員は更なる付加価値の高い業務へと移行可能に ロボットによる3K業務の代替 ロボット導入により、若い人材を採用可能に 中小企業のロボット化は大企業のそれとは異なり、上記のようなメリットを享受することに期待がもてることになりそうです。 【産業用ロボット例】例えば垂直多関節ロボットとは? 垂直多関節ロボットについてもう少し具体的に用途や事例を紹介したいと思います。 次に垂直多関節ロボットは、「6軸ロボット」や「5軸ロボット」とも呼ばれています。複数個の間接を持つロボットという意味で多関節ロボットと呼称されています。 ロボットは軸が多いほど自由に動けます。それぞれの関節がほぼ360°の動きに対応しており、その関節の動きの組み合わせにより様々な動きを実現出来ます。 ここで言う関節にはサーボモータが組み込まれており、関節数はサーボモータの数と同じです。つまりロボットとはサーボモータの集合体なのです。 そして、このサーボモータの性能と複数のサーボモーターを同時に制御するソフトウェアの合体したものが産業用ロボットです。 さらにロボットハンドの先端に用途に合わせて様々なハンドを装着する事が出来ます。このハンドにはモノを掴んだり、加工したり、形状を測定したり、塗装したり、溶接したりと、色々な種類があり、その組み合わせと使い方は無限大の可能性を秘めてます。 その汎用性の高さ故に、様々な分野で使用されており、世界中のものづくりに変革をもたらしています。 代表的な使用方法 1、バラ積みピッキング 垂直多関節ロボットやパラレルリンクロボットにカメラを追加して、ばらばらに置かれている製品や材料の向きや角度を判別してロボットが自動でピッキング(把持する)する機構です。 機械加工をはじめ食品、倉庫等様々な分野で利用されています。 2、溶接 ロボットハンドに溶接トーチを持たせて自動で溶接を行います。 TIG,MIG,MAG,YEG様々な溶接にも対応可能です。特殊な肉盛り溶接やアルミ溶接など難易度の高い溶接にも対応しており、現在もメーカーから様々なロボット溶接用トーチが開発販売されています。 3、研磨ロボット ハンドにて製品や材料をピッキングし、研磨機等に押し付ける事で研磨を行う工程に用いられています。 ロボットは力加減が出来ないモノなのですが、ハンドに力覚センサーを初めとするセンサーを用いる事で研磨機への押し付け強さ等もコントロールする事が出来、従来では研磨の職人さんしか出来なかった分野への利用が進んでいます。 鋳物部品のバリ取りから眼鏡レンズの研磨など粗いものから精密なものまで幅広く使用されてます。 4、塗装 塗装についても非常に自動化が進んでいる分野です。塗装も非常に高い技術が必要な加工なのですが、ロボットでの塗装も非常に広く利用されてます。 例えば自動車ですが、基本的に全てロボットで塗ってます。 携帯電話のケースやOA機器等のケース等の量産品も多くの場合ロボットで塗られています。逆に職人さんが手吹きで塗装しているモノの方が少なくなってきていると思います。 5、検査 検査といえば、検査専用用カメラですが、ここにもロボットを用いられるケースが増えてきています。 なぜなら、検査用カメラは動く事が出来ない為です。立体物の多面を検査する為には、立体物を動かす必要があるからです。従来の検査方法では、人間が製品や材料を動かして多方向からカメラで撮像、検査を行う必要がありました。検査用カメラも非常に高価なものなので、複数個のカメラを用いて多方向から同時検出する事が現実的に不可能でした。そこでロボットを活用します。 カメラは一つでロボットが検査する面をカメラにむけて撮像、検査、面を変えて検査という方法や、ロボットハンドにカメラを持たせて立体物の周囲全方向から撮像、検査を実施する場合もあります。 特に非常に大きなモノや重たいモノの検査に重宝されています。 このように様々な分野に垂直多関節ロボットは利用されています。何にでも利用出来る反面、用途や環境に合わせたカスタマイズをしっかりと行う必要があるのが垂直多関節ロボットであり、このカスタマイズを如何に現場に最適なモノにするかが導入の最も大きなポイントです。 垂直多関節ロボットの導入を検討している方は、しっかりと目的・用途・環境等を吟味した上でロボットのカスタマイズする事をおすすめします。 まとめ このように近年では、様々な業界においてロボットが用いられるようになってきています。 背景には将来的な人口減少により生産年齢人口が減少することや、顧客のニーズを満たすようなロボットを製造することが出来るまでに技術が発展していることなどが挙げられます。 その中で産業用ロボットやサービス用ロボット、ペットロボットなど種類・業界は多岐に渡って活躍していくことでしょう。 色々な環境においてロボット化が進んでいることから、ロボットの定義は場所や人、状況によって様々なものとなっているようです。 また、「ロボット」は日本のお家芸であり常に世界の先陣を走っていました。 しかし、それに追いつこうと近頃ではインダストリー4.0やインダストリー・インターネット・コンソーシアム(IIC)など工場の自動化に注目が非常に集まってきています。 近年、中小企業でもこのような工場の自動化の事例は急速に増えてきています。 これはロボットがプログラミングによって動作を変更することができることの他、ロボットに付随するアプリケーションの発展があり、多品種少量に対応することが出来るようになった事も要因として挙げられます。 本記事ではロボットとはどのような種類があるのかを簡単にまとめてきました。 他の記事では、中小企業がロボット化を実現している事例なども紹介しておりますから、ロボット化をお考えの方のきっとお役に立つことと思います。 是非一度、ご覧になって下さい。 [clink url="https://smart-factory.funaisoken.co.jp/special/quality-improvement-through-inspection-quality-challenged-by-a-company-with-50-employees/"] [clink url="https://smart-factory.funaisoken.co.jp/special/a-town-factory-with-40-colleagues-performs-100-inspection-using-robots/"] [clink url="https://smart-factory.funaisoken.co.jp/special/robotization-of-stud-welding-process/"] [clink url="https://smart-factory.funaisoken.co.jp/special/robotization-of-attachment-and-detachment-work-in-multiple-processing-machines/"] ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 自動化・ロボット化事例集 vol.2 本事例集は、全国の先進的な工場が取り組む「自動化・ロボット化」の事例をまとめたものとなります。 これから自動化・ロボット化に取組もうと考える皆さまに、 「工場にロボット・IoTを導入する」ための具体的なノウハウを、 事例を通して知っていただくことを目的に作成しました。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー https://smart-factory.funaisoken.co.jp/download/automation-robotization-examples-02/
溶接の自動化・ロボット化とは?溶接の種類と自動化のポイントを解説

溶接ロボットで行う自動化の方法とは?

2019.08.29

▼無料ダウンロードはこちらをクリック 1 はじめに 溶接工程の自動化、工場内物流における搬送工程の自動化、加工機へのワーク投入・取り出 しの自動化… 近年の技術革新により、これらが実現可能な時代になりました。 それも、資金が潤沢にある大企業のみならず、規模がそこまで大きくない工場も当てはまります。 しかし、これまで「自動化」や用途の広い「ロボット」に触れてこなかったが故に、 「どのようにしたらいいかわからない」 「誰に相談すればいいのかわからない」 このようなお悩みを抱える方は多いのではないでしょうか。 実は、「自動化」や「溶接ロボット」の導入により、「労働者数は増加し、業績は好調になり、生産性も高くなる」という研究が発表されています。 https://gigazine.net/news/20190711-robots-and-firms/ この研究の結論として、「産業用溶接ロボットを導入した製造業をはじめとする企業はその業績が好調で労働者も増加である一方、導入していない企業はその生産高はマイナスで、ハイテク企業に太刀打ちできずに雇用状況も悪化する」とされています。 つまり、 「どのようにしたらいいかわからない」 「誰に相談すればいいのかわからない」 という状態のまま躊躇していても、事態は好転するどころか、じわじわと悪化していく一方なのです。 ではどうすればいいか。 答えは単純で、「今すぐ自動化、ロボットの導入」を検討すればいいのです。 この記事では、「中小規模の製造業が、溶接の自動化・溶接ロボット導入をするために関わる情報」を掲載していますから、「自動化、溶接ロボットの導入」を検討し始めの役に立つことでしょう。 この記事では、 ・種々の溶接に最適な溶接ロボット装置の種類 ・溶接の自動化、ロボット化によるメリット を知ることができます。 これらを知ることで、 ・「自分たちの工場での自動化・ロボット化はどんな感じになるのか?」 ・「いざ、自動化・溶接ロボットの導入をするときに、溶接ロボットの機種があり過ぎて分からない!」 といったモヤモヤを解消し、工場経営の改善につながることでしょう。 最後の方では、様々な製品を取り扱う工場が自動化・溶接ロボットを導入することで成し遂げた成功事例について紹介しています。 ぜひ最後までお読みいただき、工場経営の改善にお役立てください。 2 溶接の自動化・ロボット化とは? 溶接作業をはじめとする製造業の多くは作業者の勘や技術に頼ることが多く、いわゆる職人的な作業となってしまうため、品質のばらつきが大きくなりがちです。また、溶接作業には強烈な紫外線やヒュームが発生するため、作業者にとって過酷な作業になります。 このように、属人的になりがちで過酷な溶接作業において、溶接ロボットを適用し自動化を図る事で、 品質を一定の基準に保つ 生産管理の効率化 人手不足の解消 作業環境の改善 などを実現することが可能です。 3 溶接によって変わる最適な溶接ロボット 溶接ロボットによる溶接の自動化は、大きく「スポット溶接」と「アーク溶接」の2つに分けられています。 スポット溶接は自動車の車体溶接などで多く使用されており、比較的大型な溶接ロボットが用いられます。 アーク溶接ロボットは鉄骨フレームをはじめ比較的細かい製品の溶接に使用されることも多く、設置される溶接ロボット機器のサイズも小型になります。 このように製造業の溶接ロボットによる自動化は溶接の方法によってどのような種類が最適であり、かつロボット自体がどれくらいの面積を占めるのかということも異なっていきます。 本項では現在ある溶接の作業において、どの溶接ロボットが適するのかという水平的な目線で、それぞれの溶接方法により溶接ロボットの大きさが異なることを解説しました。 次項では、溶接作業が自動化へと進化している背景について、それぞれのメリットとデメリットを基にして解説していきます。   4 溶接作業はどのように進化してきたのか? 近年、製造業における工場のロボット化が著しく進み、生産性が向上しています。 また、その対象は大企業だけでなく、中小企業にも拡がってきています。 溶接の方法は大きく分類すると下記のような進化を遂げてきています。 手溶接(被覆アーク溶接) → 半自動溶接(半自動アーク溶接)→ 自動溶接(ロボット溶接) 自動溶接(ロボット溶接)を理解するには、それ以前の背景を辿ることが必要不可欠です。 本項では、溶接の発展を追うごとに何故進化の必要性があるのかということを、それぞれの方法に対してメリット、デメリットを列挙しながら解説します。 そちらを見ていただくと何故溶接工程がロボット化を遂げたのかがわかるかと思います。 以下の表は、各作業方法のメリット・デメリットを簡潔にまとめたものになります。 ティーチングの種類 メリット デメリット 手溶接 ①設備や溶接棒が小型かつ安価である。 ②手作業のため、素材・構造に左右されない。 ③シールド効果を得ることができる。 ①スラグ除去や、溶着効率が低い。 ②品質にバラツキが出る。 ③ヒュームが多量に発生する。 半自動溶接 ①手溶接より効率が高い。 ②溶接材の交換が少ない。 ③溶接スピードが高い。 ④溶接後のフラックスやスパッタ処理を短縮することができる。 ①品質が技術者の技量に依存する。 ②無風な屋内での作業が必要。 溶接ロボット ①ヒュームやスパッタ発生が少ない。 ②風における影響が減少。 ③品質が一定である。 ④別の高付加価値業務へ熟練者を移行可能に。 ①施工面の形状が限定される。 ②制御・設計・管理において異なる技能が必要。 4.1 手溶接 この溶接方法は、溶接法の中で最も一般的であった方法です。 手溶接とは、被覆アーク溶接のことを一般的に指しています。 この溶接方法は手溶接棒にフラックスを塗布し、電流を流すことによりアークを発生させることにより熱を発生させる方法です。 作業者が溶接トーチを持ち、文字通り手の動作に従って溶接を行います。 この手法には下記のようなメリットとデメリットが考えられます。 メリット ① 設備や溶接棒が小型かつ安価であるため、導入が比較的しやすい。 ② 手による作業のため、素材であったり、構造によることなく溶接することが可能である。 ③ フラックスが溶けることによって生じるガス・スラグが母材を覆うことにより、シールド効果を得ることができる。 デメリット ① スラグの除去をしなければならないことや、溶着効率が低いなどの問題がある。 ② 品質が技術者の技量によって左右される。人によって高品質となることがあれば低品質となることもある。 ③ ヒュームが多量に発生することなどである。   4.2 半自動溶接 半自動アーク溶接はガスシールドアーク溶接の一種であり、この溶接手法は溶着効率の低さを解決するために生み出されました。 現在ではこの半自動アーク溶接のことを指すほど一般的な手法となりました。 手溶接のデメリットを改善した半自動溶接には、以下のようなメリットとデメリットがあります。 メリット ① 手溶接と比較した際に効率が高いこと。また、長い時間の作業が溶接材を交換することなく可能である。 ② 溶接のスピードが高く、溶接をした後に生じるフラックスやスパッタの処理などを短縮することが出来る。 デメリット ① 溶接作業者の技量により品質が左右される。 ② シールドガスを用いるため、基本的に風のない屋内で作業する必要がある(ノンガスワイヤーを使用する場合を除く)。   4.3 自動溶接 今までの半自動溶接では、溶接者の技術力によって生じる品質の違いは防ぐことはできませんでした。 本項の最後には、自動溶接により今までの溶接手法からどのような変化が期待できるのか解説します。 自動溶接には自動溶接機によるものと、溶接ロボットによるものの2種類があります。 本稿では、溶接ロボットによる自動溶接に焦点を当てて紹介します。 まず、自動溶接機による自動溶接は工場のラインなどで連続に行う溶接手法です。 この手法を進化させたものが、ロボット溶接となります。 これにより、自動溶接時に発生していた課題である溶接姿勢における問題を解決することができるようになりました。 ロボット溶接・自動溶接と比較した際の変化は下記になります。 メリット ① 人の安全に影響を与えるヒュームやスパッタの発生が少ない。 ② 風により生じる影響が減少する。 ③ 作業者によって品質が左右されない。 デメリット ① 溶接する際、施工面の形状が直線、緩やかなカーブに限られてしまう。 ② シーケンスの制御や、機構の設計、安全管理の面で今までと異なる技能が必要である。   5 まとめ 近年、技術力の進歩に伴い、溶接の在り方、より大きな視点で見れば製造業の在り方自体大きく変わってきました。 今まで主流となっていた方法では、作業者の作業環境や、製品の品質にバラツキが生じるなどの様々な問題が生じておりました。 このような悩みは溶接だけでなく、加工や検査、組立など多方面からも聞こえます。 しかし、昨今の製造業分野においては、溶接工程の自動化・ロボット化が急速に進んできております。 このようなロボット化は大量生産に向いているものであると思われがちでありましたが、ティーチング作業を行うことにより、多品種少量生産である、中小企業においても工場の自動化を果たし生産性を高めることが期待できます。 これらの自動化・ロボット化を実現することは、上記のような機能的なメリットだけでなく、中小企業においては採用面などにもメリットを享受することが期待できます。 文部科学省も学校教育においてプログラミングの必修化の準備を着実に進めています。 このような流れが意味することとしては、プログラミング環境がない企業には人が集まらない、採用ができないということになりそうです。 「自社では生産面でロボットを導入しなくても問題ない。」という近視眼的な考え方では、ロボットを先に導入した中小企業と比較すると、生産面だけでなく採用面でも後塵を拝する結果となりかねません。 いつか導入しなければならないものですし、製造業においては人手不足が大きな課題となっているのが現状です。 早めに行動しなければ徐々にその差は開いていく一方のようです。 また、本稿では溶接作業の自動化・ロボット化に焦点を置いてご紹介してまいりました。 しかし、近年では、溶接工程という部分的な括りだけではなく、様々な工程においてこれらのロボット化は裾野を広げてきております。 当サイトでは溶接だけでなく加工や検査、組立の工程など、多種多様な自動化・ロボット化の事例を掲載しておりますので是非そちらもご覧くださいませ。 ▼無料ダウンロードはこちらをクリック   [sc name="welding-robot"][/sc] [sc name="robot"][/sc] ▼無料ダウンロードはこちらをクリック 1 はじめに 溶接工程の自動化、工場内物流における搬送工程の自動化、加工機へのワーク投入・取り出 しの自動化… 近年の技術革新により、これらが実現可能な時代になりました。 それも、資金が潤沢にある大企業のみならず、規模がそこまで大きくない工場も当てはまります。 しかし、これまで「自動化」や用途の広い「ロボット」に触れてこなかったが故に、 「どのようにしたらいいかわからない」 「誰に相談すればいいのかわからない」 このようなお悩みを抱える方は多いのではないでしょうか。 実は、「自動化」や「溶接ロボット」の導入により、「労働者数は増加し、業績は好調になり、生産性も高くなる」という研究が発表されています。 https://gigazine.net/news/20190711-robots-and-firms/ この研究の結論として、「産業用溶接ロボットを導入した製造業をはじめとする企業はその業績が好調で労働者も増加である一方、導入していない企業はその生産高はマイナスで、ハイテク企業に太刀打ちできずに雇用状況も悪化する」とされています。 つまり、 「どのようにしたらいいかわからない」 「誰に相談すればいいのかわからない」 という状態のまま躊躇していても、事態は好転するどころか、じわじわと悪化していく一方なのです。 ではどうすればいいか。 答えは単純で、「今すぐ自動化、ロボットの導入」を検討すればいいのです。 この記事では、「中小規模の製造業が、溶接の自動化・溶接ロボット導入をするために関わる情報」を掲載していますから、「自動化、溶接ロボットの導入」を検討し始めの役に立つことでしょう。 この記事では、 ・種々の溶接に最適な溶接ロボット装置の種類 ・溶接の自動化、ロボット化によるメリット を知ることができます。 これらを知ることで、 ・「自分たちの工場での自動化・ロボット化はどんな感じになるのか?」 ・「いざ、自動化・溶接ロボットの導入をするときに、溶接ロボットの機種があり過ぎて分からない!」 といったモヤモヤを解消し、工場経営の改善につながることでしょう。 最後の方では、様々な製品を取り扱う工場が自動化・溶接ロボットを導入することで成し遂げた成功事例について紹介しています。 ぜひ最後までお読みいただき、工場経営の改善にお役立てください。 2 溶接の自動化・ロボット化とは? 溶接作業をはじめとする製造業の多くは作業者の勘や技術に頼ることが多く、いわゆる職人的な作業となってしまうため、品質のばらつきが大きくなりがちです。また、溶接作業には強烈な紫外線やヒュームが発生するため、作業者にとって過酷な作業になります。 このように、属人的になりがちで過酷な溶接作業において、溶接ロボットを適用し自動化を図る事で、 品質を一定の基準に保つ 生産管理の効率化 人手不足の解消 作業環境の改善 などを実現することが可能です。 3 溶接によって変わる最適な溶接ロボット 溶接ロボットによる溶接の自動化は、大きく「スポット溶接」と「アーク溶接」の2つに分けられています。 スポット溶接は自動車の車体溶接などで多く使用されており、比較的大型な溶接ロボットが用いられます。 アーク溶接ロボットは鉄骨フレームをはじめ比較的細かい製品の溶接に使用されることも多く、設置される溶接ロボット機器のサイズも小型になります。 このように製造業の溶接ロボットによる自動化は溶接の方法によってどのような種類が最適であり、かつロボット自体がどれくらいの面積を占めるのかということも異なっていきます。 本項では現在ある溶接の作業において、どの溶接ロボットが適するのかという水平的な目線で、それぞれの溶接方法により溶接ロボットの大きさが異なることを解説しました。 次項では、溶接作業が自動化へと進化している背景について、それぞれのメリットとデメリットを基にして解説していきます。   4 溶接作業はどのように進化してきたのか? 近年、製造業における工場のロボット化が著しく進み、生産性が向上しています。 また、その対象は大企業だけでなく、中小企業にも拡がってきています。 溶接の方法は大きく分類すると下記のような進化を遂げてきています。 手溶接(被覆アーク溶接) → 半自動溶接(半自動アーク溶接)→ 自動溶接(ロボット溶接) 自動溶接(ロボット溶接)を理解するには、それ以前の背景を辿ることが必要不可欠です。 本項では、溶接の発展を追うごとに何故進化の必要性があるのかということを、それぞれの方法に対してメリット、デメリットを列挙しながら解説します。 そちらを見ていただくと何故溶接工程がロボット化を遂げたのかがわかるかと思います。 以下の表は、各作業方法のメリット・デメリットを簡潔にまとめたものになります。 ティーチングの種類 メリット デメリット 手溶接 ①設備や溶接棒が小型かつ安価である。 ②手作業のため、素材・構造に左右されない。 ③シールド効果を得ることができる。 ①スラグ除去や、溶着効率が低い。 ②品質にバラツキが出る。 ③ヒュームが多量に発生する。 半自動溶接 ①手溶接より効率が高い。 ②溶接材の交換が少ない。 ③溶接スピードが高い。 ④溶接後のフラックスやスパッタ処理を短縮することができる。 ①品質が技術者の技量に依存する。 ②無風な屋内での作業が必要。 溶接ロボット ①ヒュームやスパッタ発生が少ない。 ②風における影響が減少。 ③品質が一定である。 ④別の高付加価値業務へ熟練者を移行可能に。 ①施工面の形状が限定される。 ②制御・設計・管理において異なる技能が必要。 4.1 手溶接 この溶接方法は、溶接法の中で最も一般的であった方法です。 手溶接とは、被覆アーク溶接のことを一般的に指しています。 この溶接方法は手溶接棒にフラックスを塗布し、電流を流すことによりアークを発生させることにより熱を発生させる方法です。 作業者が溶接トーチを持ち、文字通り手の動作に従って溶接を行います。 この手法には下記のようなメリットとデメリットが考えられます。 メリット ① 設備や溶接棒が小型かつ安価であるため、導入が比較的しやすい。 ② 手による作業のため、素材であったり、構造によることなく溶接することが可能である。 ③ フラックスが溶けることによって生じるガス・スラグが母材を覆うことにより、シールド効果を得ることができる。 デメリット ① スラグの除去をしなければならないことや、溶着効率が低いなどの問題がある。 ② 品質が技術者の技量によって左右される。人によって高品質となることがあれば低品質となることもある。 ③ ヒュームが多量に発生することなどである。   4.2 半自動溶接 半自動アーク溶接はガスシールドアーク溶接の一種であり、この溶接手法は溶着効率の低さを解決するために生み出されました。 現在ではこの半自動アーク溶接のことを指すほど一般的な手法となりました。 手溶接のデメリットを改善した半自動溶接には、以下のようなメリットとデメリットがあります。 メリット ① 手溶接と比較した際に効率が高いこと。また、長い時間の作業が溶接材を交換することなく可能である。 ② 溶接のスピードが高く、溶接をした後に生じるフラックスやスパッタの処理などを短縮することが出来る。 デメリット ① 溶接作業者の技量により品質が左右される。 ② シールドガスを用いるため、基本的に風のない屋内で作業する必要がある(ノンガスワイヤーを使用する場合を除く)。   4.3 自動溶接 今までの半自動溶接では、溶接者の技術力によって生じる品質の違いは防ぐことはできませんでした。 本項の最後には、自動溶接により今までの溶接手法からどのような変化が期待できるのか解説します。 自動溶接には自動溶接機によるものと、溶接ロボットによるものの2種類があります。 本稿では、溶接ロボットによる自動溶接に焦点を当てて紹介します。 まず、自動溶接機による自動溶接は工場のラインなどで連続に行う溶接手法です。 この手法を進化させたものが、ロボット溶接となります。 これにより、自動溶接時に発生していた課題である溶接姿勢における問題を解決することができるようになりました。 ロボット溶接・自動溶接と比較した際の変化は下記になります。 メリット ① 人の安全に影響を与えるヒュームやスパッタの発生が少ない。 ② 風により生じる影響が減少する。 ③ 作業者によって品質が左右されない。 デメリット ① 溶接する際、施工面の形状が直線、緩やかなカーブに限られてしまう。 ② シーケンスの制御や、機構の設計、安全管理の面で今までと異なる技能が必要である。   5 まとめ 近年、技術力の進歩に伴い、溶接の在り方、より大きな視点で見れば製造業の在り方自体大きく変わってきました。 今まで主流となっていた方法では、作業者の作業環境や、製品の品質にバラツキが生じるなどの様々な問題が生じておりました。 このような悩みは溶接だけでなく、加工や検査、組立など多方面からも聞こえます。 しかし、昨今の製造業分野においては、溶接工程の自動化・ロボット化が急速に進んできております。 このようなロボット化は大量生産に向いているものであると思われがちでありましたが、ティーチング作業を行うことにより、多品種少量生産である、中小企業においても工場の自動化を果たし生産性を高めることが期待できます。 これらの自動化・ロボット化を実現することは、上記のような機能的なメリットだけでなく、中小企業においては採用面などにもメリットを享受することが期待できます。 文部科学省も学校教育においてプログラミングの必修化の準備を着実に進めています。 このような流れが意味することとしては、プログラミング環境がない企業には人が集まらない、採用ができないということになりそうです。 「自社では生産面でロボットを導入しなくても問題ない。」という近視眼的な考え方では、ロボットを先に導入した中小企業と比較すると、生産面だけでなく採用面でも後塵を拝する結果となりかねません。 いつか導入しなければならないものですし、製造業においては人手不足が大きな課題となっているのが現状です。 早めに行動しなければ徐々にその差は開いていく一方のようです。 また、本稿では溶接作業の自動化・ロボット化に焦点を置いてご紹介してまいりました。 しかし、近年では、溶接工程という部分的な括りだけではなく、様々な工程においてこれらのロボット化は裾野を広げてきております。 当サイトでは溶接だけでなく加工や検査、組立の工程など、多種多様な自動化・ロボット化の事例を掲載しておりますので是非そちらもご覧くださいませ。 ▼無料ダウンロードはこちらをクリック   [sc name="welding-robot"][/sc] [sc name="robot"][/sc]